MOMAT 東京国立近代美術館工芸館
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河野鷹思のグラフィック・デザイン
Graphic Design of KONO Takashi


「淑女と髯」
(映画広告、松竹キネマ株式会社)1932年
「淑女と髯」
(映画広告、松竹キネマ株式会社)1932年

東京国立近代美術館
2005(平成17)年1月12日(水)〜2月27日(日)

The National Museum of Modern Art, Tokyo
January 12 (Wed.) - February 27 (Sun), 2005

会 場:東京国立近代美術館 2階ギャラリー4

概要:

 戦後日本のグラフィック・デザインは、工業社会の高度な発展を背景に、インダストリアル・デザインとともに巨大な世界を作り出しました。そこでは様々な表現が行われましたが、ともすれば機械主義、効率一辺倒の大量生産主義によって、画一的で没個性的なデザインや、またその反動で伝達内容とは全く無関係の単なる絵画としてのポスターデザインなどが横行し、それがあたかもデザインの主流を形成したような観さえ呈しています。

 しかしこのような両極端のデザインに対して、時流に与しない個性的で、強靭な意志と様式を打ち出したデザイナーがいたことも事実です。その代表的な一人が河野鷹思(本名・孝、1906-1999)です。

 彼は1929年、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業すると、松竹キネマ(現・松竹)宣伝部に所属し、映画広告表現を刷新します。また、日本におけるエディトリアル・デザインの嚆矢とされる雑誌『NIPPON』の制作や、「日宣美(日本宣伝美術会)展」、「グラフィック‘55」といった戦後のグラフィック・デザインの主要な展覧会に参加し、その発展に重要な役割を果たしました。その作風は、日々進展する新しい生活とその根底に流れる日本の伝統的な感性が融合され、しかもそれを柔らかいユーモアたっぷりのスタイルの中に巧みにとけこませた、周到な仕掛けによるものです。こうした彼の仕事は、戦後の潮流―グラフィック・デザインの没個性化、絵画化に対する鋭い批判ともなっています。

 本展では、約100点の作品を通して、河野の業績を回顧しつつ、グラフィック・デザインの本来の精神について考えていきたいと思います。


「泣蟲小僧」
 (映画ポスター、東京発声映画製作所)1938年
「泣蟲小僧」
(映画ポスター、東京発声映画製作所)
1938年

「Kallo Camera」
 (商品ポスター、興服産業株式会社)1950年
「Kallo Camera」
(商品ポスター、興服産業株式会社)
1950年

「NIPPON BEER」
 (商品ポスター、日本麦酒株式会社)1955年
「NIPPON BEER」
(商品ポスター、日本麦酒株式会社)
1955年

河野鷹思略歴

1906年東京・神田生まれ
1929年東京美術学校図案科在籍中、松竹キネマ株式会社宣伝部に図案係として入社(〜35年)
東京美術学校図案科卒業、卒業制作はフランス映画「ある自殺」をテーマとした《映畫ポスター図案》
1934年名取洋之助主催の日本工房に顧問デザイナーとして参加
1935年雑誌『NIPPON』(対外日本宣伝誌)第2号の表紙デザインを手がける
1945年ジョクジャカルタ陸軍報道部長として終戦を迎える
1951年日本宣伝美術会(日宣美)の創設に参加。日宣美第一回展にポスター「Blood Bank, Tokyo」を出品
1955年グラフィック・デザイナーのグループ展「グラフィック‘55」(日本橋高島屋)にポスター『淡交』等を発表
1959年総合デザイン事務所「デスカ」設立
1960年世界デザイン会議(東京)の実行委員を務める
1964年第18回オリンピック東京大会のデザイン委員を務める
1966年愛知県立芸術大学の創設に参加、同校教授に就任(’83〜‘89は同校学長就任)
1967年冬季オリンピック札幌大会デザイン専門委員会委員を務め、公式ポスターをデザイン
個展「河野鷹思のさかな展」開催(銀座松屋、名古屋丸善)
1970年日本万国博覧会日本政府館展示設計を手がける
1983年英国王室芸術協会からロイヤルデザイナー・フォア・インダストリーの日本人初の会員に推薦される
1989年愛知県立芸術大学名誉教授
1992年叙勲・勲三等瑞宝章を受章
1999年永眠、享年93歳

「河野鷹思のグラフィック・デザイン―都会とユーモア」

会 期: 2005(平成17)年1月12日(水)〜2月27日(日)
<月曜休館>
午前10時〜午後5時(毎週金曜日は、午後8時まで)
会 場: 東京国立近代美術館(本館) 2階ギャラリー4(東京都千代田区北の丸公園3-1)
[地下鉄東西線「竹橋駅」下車徒歩3分(1b出口)]
主 催: 東京国立近代美術館
観覧料:
一 般 420円(210円)
大学生 130円( 70円)
高校生 70円( 40円)
* 消費税込み
* ( )内は20名以上の団体料金
* 小中学生、65歳以上無料
無料観覧日: 2月6日(日)(第一日曜日)
ギャラリートーク:
1月29日(土)望月 積氏(東京藝術大学名誉教授)
2月19日(土)対談:仲條正義氏(グラフィックデザイナー)
井上芳子氏(和歌山県近代美術館学芸員)
1月15日(土)、
2月 5日(土)
当館研究員による
午後3時から会場にて
聴講無料、但し入館に際し観覧料が必要です
お問い合わせ: 電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ)
同時開催: 「痕跡―戦後美術における身体と思考」展(本館1階企画展ギャラリー)
「人間国宝の日常のうつわ―もう一つの富本憲吉」展(工芸館)
*「痕跡」展観覧券で、「河野鷹思」展および所蔵作品展、ならびに「富本憲吉」展(工芸館)をご覧いただけます。