明治の日本は、西洋文明の流入によって、文化的には混乱の様相を呈しましたが、その混沌の深みではまた新たなロマンティックな創造も脈打っていました。この展覧会では、明治36年白馬会にデビューした青木繁(1882−1911)を、その水脈の最初の噴出と見て、青木繁ののこしたものを見直すとともに、この水脈に根ざした村上華岳、関根正二らのロマンティックな側面に光をあてます。
*ゴールデンウィーク中の4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館、5月6日(火)は休館
昭和10年代には、地平線を描いた幻想的な絵画が数多く描かれました。これらの作品は、これまでシュルレアリスムとの影響関係から論じられてきましたが、今回の展覧会は、それらを広義の浪漫主義的なものとして捉え直そうとするものです。洋画家26名による約80点の作品を集め、当時の閉塞した時代状況の中で、画家たちが求めたものを探ります。
戦前に画家としてデビューして60余年、野見山暁冶(1920年生まれ)は、いつしか時流から離れ、独自の道を歩んできました。身近な事物がいつもとちがって見えてくる時、そこに風の声を聴く画家は、空と見立てたキャンバスに、風が運ぶものを求めて、手触りのある無限空間を生み出してきました。その歩みを回顧します。
日常を離れて移動することは、私たちに未知の他者との出会いをもたらしてくれます。この展覧会は「旅」をテーマに近・現代の作品を集め、旅の魅力、ひいては、いながらにして遠い世界へと私たちを運んでくれる、旅にも似た美術の魅力について、考えようとするものです。出品予定作家:大岩オスカール幸男、小粥丈晴・雄川愛、 小野博、渡辺剛ほか
スイスの造形作家であり、バウハウス初期ワイマール時代の指導者のひとりでもあったヨハネス・イッテン(1888-1967)の、その個性豊かな絵画や立体作品をわが国ではじめて紹介し、あわせて美術教育者として評価の高い造形指導の内容を、イッテンのもとで学んだ作家たちの実作例によって検証します。
17歳の国吉康雄(1889-1953)は冒険心から夢のアメリカをめざしましたが、彼を待っていたのは、アメリカで生きることの苛酷さでした。上陸から10年、東海岸にたどり着いた彼は、ひとりのマイノリティーとしての視点から、「アメリカ」を表現し、1929年にはニューヨーク近代美術館で、アメリカを代表する現代画家のひとりとして注目されることになりました。多民族国家を生きた国吉が、アメリカ社会にそしてわれわれに問いかけたものを探ります。
1983年に36歳で夭折した写真家牛腸茂雄。『日々』(1971)、『SELF AND OTHERS』(1977)、『見慣れた街の中で』(1982)の三つの写真集からの作品を中心に、日常の出来事や身近な人々に静かなまなざしを向けたその作品世界を紹介します。
イサム・ノグチがデザインした照明器具「あかり」は、現在でも多くの人たちに親しまれています。ノグチが「あかり」のデザインに取り組むことになったのは、戦後、岐阜市長から、提灯産業の活性化のために協力を求められたことがきっかけでした。以来約40年にわたって、ノグチは「あかり」のデザインに取り組むことになりました。この展覧会では、「あかり」がどのようにして作り出されていったのか、その過程をたどります。
当館の約9000点におよぶコレクションの中から、約250点の日本画・洋画・水彩・素描・版画・写真・彫刻をよりすぐり3フロアにわたって展示。20世紀初頭から今日に至る近代日本の美術の流れを、関連する海外の作品を交えながら通覧することができます。展示替えは年に5回、観るたびに新たな出会いと発見があるはずです。また、会場の一部では、毎回ひとりの作家を取り上げたり、あるテーマを設けたりした特集展示を行っています。
展示期間
| (1) | 3月14日(金) | − | 5月11日(日) |
| (2) | 5月16日(金) | − | 7月21日(月・祝) |
| (3) | 7月29日(火) | − | 10月5日(日) |
| (4) | 10月11日(土) | − | 2004年1月4日(日) |
| (5) | 1月9日(金) | − | 2月29日(日) |
| (6) | 3月5日(金) | − | 5月16日(日) |
*上記以外の期間は展示替えのため休館します。