伊東豊雄は、2006年にRIBAゴールドメダルをするなど、世界的な建築家として知られている。しかし、つねに彼は、新しくも根源的である空間のつくり方を探求している。斬新な「形」をいたずらにつくるのではもちろんない。「単純なルールで複雑な空間を作る」といったような明確なコンセプトのもと、論理に基づいた空間をつくろうとしているのだ。そこが快適に感じられるのだとしたら、それは、今や私たちの思考までを支配するようになった「水平/垂直」というあり方から自由な空間が生まれているからだろう。伊東の建築は、初期作だろうと近作だろうと、人間にとって自由とはなにかという問いに対する回答であるという点では、一貫しているように思える。
略歴
1941年生まれ。65年東京大学工学部建築学科卒業。菊竹清訓建築設計事務所を経て、71年アーバンロボット設立。79年伊東豊雄建築設計事務所に改称。2005年からは、くまもとアートポリスコミッショナーも務める。
主な作品
「中野本町の家」(1976)
「シルバーハット」(1984、住宅)
「横浜風の塔」(1986)
「八代市立博物館」(1991)
「下諏訪町立諏訪湖博物館」(1993)
「大館樹海ドーム」(1997)
「せんだいメディアテーク」(2001)
「ブルージュ・パビリオン」(2002)
「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2002」(2002)
「まつもと市民芸術館」(2004)
「TOD'S表参道ビル」(2004)
「福岡アイランドシティ中央公園中核施設ぐりんぐりん」(2005)
「MIKIMOTO Ginza 2」(2005)
「瞑想の森市営斎場」(2006)
「コニャック・ジェイ病院」(2006、パリ)
「VivoCity」(2006、シンガポール)
「多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)」(2007)
「座・高円寺」(2008)
「2009高雄ワールドゲームズメインスタジアム」(2009、台湾)など多数。
主な受賞
日本建築学会賞作品賞(1985 シルバーハット)
毎日芸術賞(1992 八代市立博物館)
芸術選奨文部大臣賞(1997 大館樹海ドーム)
日本芸術院賞(1999 大館樹海ドーム)
国際建築アカデミー・アカデミシアン賞(2000)
アメリカ芸術文化アカデミー・アーノルド・ブルーナー賞(2000)
グッドデザイン大賞(2001 せんだいメディアテーク)
ヴェネツィア・ビエンナーレ 金獅子賞(2002)
日本建築学会賞作品賞(2003 せんだいメディアテーク)
金のコンパス賞(2004 木製ベンチ「ripples」)
王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル(2006)
金のコンパス賞(2008 HORM社のブースデザイン)
オーストリア・フレデリック・キースラー建築芸術賞(2008)
主な著作
『風の変様体』(青土社、1989)
『シミュレイテド・シティの建築』(INAX出版、1992)
『透層する建築』(青土社、2000)
『みちの家』(インデックス・コミュニケーションズ、2005)
『けんちく世界をめぐる10の冒険』(彰国社、2006)など多数。