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「やまと絵の心 加山又造展」

〜華麗なる装飾美の世界を一堂に公開〜

東京国立近代美術館では、1998年3月14日(土)から5月10日(日)まで、「加山又 造展」を開催します。

本展は、現代の日本画に多大な影響を与えた加山又造氏の初期から現代にいた る代表作約60点を一堂に展観するものです。加山氏の50年にわたる画業生活を 振り返り、加山芸術のその華麗なる装飾美と、氏が提示し続けてきた日本画の 可能性について探ります。

加山氏は1927年、京都に生まれ、東京美術学校(現・東京芸術大学)を卒業、 日本画革新の旗手として活躍、斬新な発想と動的な描写でその才能は早くから 注目を集めました。

初期の動物絵画に見られる西洋絵画の手法や、琳派や大和絵といった伝統的美 へのこだわり、それらを踏まえ、革新的で現代感覚あふれた解釈によって繰り 広げられるその創造的な絵画世界は国内のみならず、海外においても高い評価 を得ています。今年10月には文化功労者として顕彰され、11月には京都・天竜 寺の天井画を完成させるなど、現在も新たなテーマを展開しつづけています。

本展では加山又造の多岐に渡る活動を集大成、その軌跡をたどるにまたとない 機会となっています。

[会期・会場] 1998年3月14日(土)−5月10日(日)
東京国立近代美術館
東京都千代田区北の丸公園3(地下鉄東西線竹橋駅1b出口)
月曜日休館(ただし5月4日は開館、6日(水)は閉館)
TEL 03-3272-8600(NTTハローダイヤル)
東京国立近代美術館ホームページ http://www.momat.go.jp/

[開館時間] 午前10時−午後5時(入場は午後4時30分まで)
※毎週金曜日は午後8時まで開館(入場は午後7時30分まで)

[観覧料]
当日 前売り 団体
一 般 1,250円 1,100円900円
高校・大学生 900円 750円 500円
小・中学生 400円 300円 200円 団体は20名以上

前売券はチケットぴあ、チケットセゾン、ローソンチケット、 CNプレイガイド、JR東日本各駅ほか主要プレイガイドで発売予定

[主 催] 東京国立近代美術館/日本経済新聞社
[協 賛] 城南信用金庫(ほか数社予定)
[協 力] 日本航空
本展は、東京会場終了後、下記へ巡回いたします。
北海道立近代美術館 1998年5月30日(土)−7月5日(日)


日本画革新の旗手として

 1927年に京都に生まれた加山画伯は、1959年に東京美術学校を卒業しました。 戦後、日本画は激しい変革の波にさらされました。すべてが混沌とし、ならう べきものも定かでなく、日本画滅亡論さえ声高に語られるなか、画伯は新しい 時代に対応する日本画をみずから創り上げることを目指しました。そして、創 造美術、その発展的解消として生まれた新制作協会日本画部を舞台に活躍、そ の新鮮で颯爽とした感覚の初期の作品は、紛れもなく戦後日本画の革新的動向 を代表するものとしてはやくから注目されました。

豊かな装飾性

 加山画伯の作品の大きな特徴は、その装飾性にあります。装飾的な表現は日 本画の最も大きな特質で、対象のもつ普遍的で決定的な形を見いだすために様 式化するところから生まれます。初期の動物画にみられる独自の様式的表現に、 そうした傾向は既にみてとれますが、それは幼い時から染色図案家の父の仕事 をみながら育ったことにも大きな理由があるでしょう。やがて画伯は大和絵や 琳派をはじめとする古典に深く傾倒しながら、その技術や表現に学び、それを 自己の世界に見事に再生させるようになりました。その作品は伝統的な美意識 とそれが創り出す様式の上に、現代的な感覚が強く盛り込まれた華麗な装飾美 に彩られています。

「日本の美」を描く

 加山画伯は1970年代の初めごろから裸婦を、同じく後半から水墨画を本格的 に描き始めています。裸婦や水墨画はしばしば他の加山画伯の作品とは、異質 なものとみられます。しかし、裸婦はどこか江戸の浮世絵の女性達にも似て、 生身の肉体を離れた「普遍としての女」の美しさを描きだしています。また、 水墨画は本来、中国で培われた底知れぬほどの強い精神性をもった世界ですが、 そこから「優美で情緒的な装飾感」に溢れた日本的な水墨画の世界を切り開こ うと試みています。大和絵や琳派に倣った装飾的な作品と同じく、そこに表現 されているものは日本的な美、まさに「やまと絵の心」とでもいうべきもので す。

多岐にわたる制作活動

 加山画伯の創作の範囲は絵画にとどまらず、版画、陶壁画、陶器、着物、帯、 緞帳、さらにはジャンボ・ジェットや自動車の装飾など広い分野に及んでいま す。また国内各地をはじめ、海外でもパリ、ニューヨーク、北京のほかロンド ンの大英博物館でも個展を開催し、好評を得ています。画伯は70歳を迎えた 1997年には文化功労者として顕彰され、今後の活動がさらに注目されています。

 この展覧会では、壁画三部作《雪》《月》《花》(1978年)や《天の川》 (1968年)《墨龍》(1978年)などが久しぶりに展示されます。全体を代表作約60 点で構成し、その芸術の軌跡を辿るとともに、全体を戦後の動物を描いた作品、 装飾的な構成、裸婦、水墨画の4つにわけ、それが現代の日本画に問いかけて いるものを改めて探ってみようとします。


<戦後の動物達>
代表作品:
《移住》 1951年 紙本彩色 額179.0×223.5 cm 個人蔵
《冬》 1957年 紙本彩色 額114.0×88.5 cm 個人蔵
《月と駱駝》 1957年 紙本彩色 額130.0×161.5 cm 新潟県立近代美術館蔵
<装飾的絵画>
代表作品:
《雪》《月》《花》 1978年 紙本彩色 (各)額350.0×430.0 東京国立近代美術館蔵
<裸婦>
代表作品:
《黒い薔薇の裸婦》 1976年 紙本彩色 屏風・4曲1隻175.5×365.9 個人蔵
《白い薔薇の裸婦》 1976年 紙本彩色 屏風・4曲1隻175.5×365.0 個人蔵
《裸婦習作》(カシミヤ錦青) 紙本彩色 屏風・2曲1隻162.0×225.0 個人蔵
<日本的水墨画>
代表作品:
《墨龍》 1978年 紙本墨画 屏風・6曲1双 (各)173.0×366.0 個人蔵
《月光波濤》 1979年 紙本墨画 屏風・4曲1双 (各)162.2×261.0 個人蔵
《黄山湧雲》 1982年 紙本墨画 屏風・6曲1隻175.0×420.8 京都国立近代美術館蔵
《倣北宋水墨山水雪景》 1989年 絹本墨画 屏風・4曲1隻174.0×420.0 個人蔵

この件に関するお問い合わせ先 広報担当 (株)プラップジャパン  田嶋・内田
TEL 03-3486-6868 FAX 03-3486-7502
もしくは
日本経済新聞社 事業局文化事業部  椛島(かばしま)・安藤
TEL 03-5255-2852 FAX 03-5255-2861
ホームページ http://www.nikkei.co.jp/events
※問い合わせ先を掲載する際は、日本経済新聞社事業局文化事業部連絡先を ご使用ください。
※写真、ポジの請求については、プラップジャパンまでご連絡ください。


〈加山又造/略年譜〉

1927年 京都に生まれる。
1944年 17歳 京都市立美術工芸学校日本画科修了。
1949年 22歳 東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画家を卒業、山本丘人に師事する。創造美術展に初出品。
1950年 23歳 創造美術春季展で研究会賞受賞。
1951年 24歳 この年から数年間、動物をモチーフとする作品を発表。
1961年 34歳 ニューヨークのジャネット・ネスラー画廊で個展を開催。
1965年 38歳 琳派風の装飾屏風の制作を開始。次いで水墨画、裸婦を発表。
1966年 39歳 多摩美術大学日本画科教授に就任。(〜1973、1977〜1988)
1968年 41歳 日航ボーイングLR機の機内壁面画を完成。
1973年 46歳 第5回日本芸術大賞受賞(新潮文芸振興会)。
1974年 47歳 『中央公論』表紙絵を制作(〜1980)
1975年 48歳 「加山又造展」(日本経済新聞社主催)が西武百貨店渋谷店で開催。
1978年 51歳 東京国立近代美術館から依頼された紙本壁画《雪》《月》《花》を完成。
1980年 53歳 《月光波濤》で第30回芸術選奨文部大臣賞受賞。
1982年 55歳 第1回美術文化振興協会賞受賞(美術文化振興協会)。
1984年 57歳 身延山久遠寺本堂の天井画《墨龍》と襖絵を完成。「加山又造天井画展」(身延山久遠寺、読売新聞社主催)開催。
1988年 61歳 東京芸術大学美術学部教授に就任(〜1995)。
「加山又造屏風絵展」(日本経済新聞社主催)が東京、京都、横浜、大阪の高島屋で開催。
1990年 63歳 世界の著名アーティストの手による「BMWアートカー」シリーズの第9作目を完成。
北京の中央美術学院より名誉教授の称号を授与。
1992年 65歳 日本経済新聞「私の履歴書」に原稿執筆、1ヶ月にわたり掲載。日本経済新聞社より『白い画布 加山又造』として書籍化。新東京国際空港第2旅客ターミナル出発ロビー陶板壁画《日月四季》を完成。
1993年 66歳 「日本 加山又造美術作品精選展」(中華人民共和国文化部、日本芸術研究会、日本経済新聞社、日経カルチャー主催)が北京・中国美術館、上海美術館で開催。
「中国巡回帰国記念 加山又造展」(日本経済新聞社主催)が東京、京都、横浜、大阪の高島屋で開催。
1994年 67歳 「加山又造屏風絵展」(朝日新聞社主催)が東京、福岡、心斎橋、京都の大丸で開催。第43回神奈川文化賞芸術の部門受賞。
1996年 69歳 「KAYAMA MATAZO:NEW TRIUMPHS FOR OLD TRADITIONS」(大英博物館、日本経済新聞社主催)がロンドンの大英博物館日本ギャラリーで開催。「加山又造展−版画と屏風による−1953〜1996」が松山、神戸、東京で開催。
1997年 70歳 英国航空の新CI導入に際し、機体尾翼などのデザイン原画《濤と鶴》を制作。文化功労者として顕彰される。京都臨済宗大本山天竜寺の法堂の天井画を制作。
現在、創画会会員、東京芸術大学名誉教授、日本中国文化交流協会常任理事、北京・中央美術学院名誉教授、多摩美術大学客員教授。

【講演会のご案内】

会場:東京国立近代美術館講堂

・ 3月28日(土) 午後2時〜3時30分
「加山又造−その人と芸術」
講師:尾崎正明氏(東京国立近代美術館主任研究官)

・ 4月18日(土)午後2時〜3時30分
講師:加山又造氏(日本画家)
聞き手:尾崎正明氏(東京国立近代美術館主任研究官)