過去の展覧会

  • 2016.03.08-2016.05.15
  • 所蔵作品展

MOMAT コレクション

特集「春らんまんの日本画まつり」

MOMAT Collection

SPECIAL FEATURE Spring in Full Bloom: A Nihon-ga Festival

水面に散る桜を描いた名作、川合玉堂《行く春》をはじめ、充実の日本画!

川合玉堂《行く春》1916年 重要文化財(左隻)

 所蔵作品展「MOMATコレクション」へようこそ!

  今会期は特集「春らんまんの日本画まつり」と題して、水面に散る桜を描いた名作、川合玉堂《行く春》をはじめ、菱田春草《賢首菩薩》《王昭君》(寄託作品、善寳寺蔵、3月23日から5月15日までの期間限定展示)など重文を一挙公開。年に一度きりのチャンスです。

 お花見の時期にはぜひ、近くの千鳥が淵の桜と合わせ、MOMATコレクションにお立ち寄りください。

出品リストはこちらをご覧下さい。

 

今村紫紅《春さき》1916年

見どころ① 4階 

 

 

重要文化財の川合玉堂《行く春》(1916年)や、今村紫紅《春さき》(1916年)など、春を彩る作品が展示されます。

菱田春草《賢首菩薩》1907年 重要文化財  

見どころ② 3階

 

3月23日から5月15日までの期間限定で、菱田春草《王昭君》(1902年、重要文化財、寄託作品、善寳寺蔵)が、寄託後初めて公開!加えて春草の重要文化財、《賢首菩薩》(1907年)も展示されるなど、今会期に展示される春草作品は、なんと全部で約10点!ミニ春草展の装いです。

菱田春草《王昭君》1902年 重要文化財 寄託作品(善寳寺蔵)【展示期間:3月23日~5月15日】

菱田春草《四季山水》1910年 (部分)

 見どころ③ 4-3階

 

1階の企画展「安田靫彦展」(3月23日-5月15日)に関連して、靫彦がコメントを寄せた作品や画家を選び、4階1室と3階10室に展示。靫彦のコメントとともにご覧ください。★印が目印です。

今村紫紅《時宗》1908年

小林古径《極楽井》1912年

今会期に展示される重要文化財指定作品

川合玉堂《行く春》1916年

 

●菱田春草《王昭君》1902年 寄託作品(善寳寺蔵)【展示期間:3月23日~5月15日】
●菱田春草《賢首菩薩》1907年
●萬鉄五郎《裸体美人》1912年
●岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》1915年
●川合玉堂 《行く春》1916年 
●中村彝《エロシェンコ氏の像》1920年

 14点の重要文化財(2点は寄託作品)についての画像と解説は、こちら

 

※予告なしに展示内容が変更になる場合もありますので、詳細は出品リストでご確認ください。

 

萬鉄五郎《裸体美人》 1912年

岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》1915年

中村彝《エロシェンコ氏の像》1920年

展覧会構成

出品リストはこちらご覧下さい。

4F

1室 ハイライト
2-5室 1900s-1940s 明治の終わりから昭和のはじめまで

「眺めのよい部屋」

美術館の最上階に位置する休憩スペースには、椅子デザインの名品にかぞえられるベルトイア・チェアを設置しています。明るい窓辺で、ぜひゆったりとおくつろぎください。大きな窓からは、皇居の緑や丸の内のビル群のパノラマ・ビューをお楽しみいただけます。

「情報コーナー」

MOMATの刊行物や所蔵作品検索システムをご利用いただけます。

 

 

1室 ハイライト

小林古径 《極楽井》1912年

今村紫紅《春さき》1916年

 3,000㎡に200点以上が並ぶ――この贅沢さがMOMATコレクションの売りです。しかし近年、お客さまから、「たくさんあり過ぎてどれを見ればいいのかわからない!」「短時間で有名な作品だけさっと見たい!」という声をいただくことが増えました。そこで、重要文化財を中心にコレクションの精華をお楽しみいただける「ハイライト」のコーナーを設けることにしました。壁は作品を美しく際立たせる濃紺、床はガラスケースの映り込みをなくし、作品だけに集中していただけるよう、艶消しの黒を選んでいます。
 今期は1階で開催の「安田靫彦ゆきひこ展」(2016年3月23日‐5月15日)にちなみ、靫彦とともに「紅児会」を1900(明治33)年に結成した今村紫紅の作品を展示します。その他、春らしい日本画の作品を選んでみました。なお日本画の作品は、4階の2室と3階の10室でもご覧いただけます。

佐伯祐三《ガス灯と広告》1927年

パウル・クレー《花ひらく木をめぐる抽象》1925年

瑛九《れいめい》1957年

2室 世の中に絶えて桜のなかりせば

川合玉堂《行く春》1916年 重要文化財

 梅が咲き、桜が咲き、バラが咲き、いよいよ明るい季節です。今回のMOMATコレクション2室は、10室を中心とする特集「春らんまんの日本画まつり」にあわせ、「春」をテーマにお送りします。タイトルは『古今和歌集』に収められた在原業平ありわらのなりひらの歌より。「世の中に絶えて桜のなかりせば 春のこころはのどけからまし」と続きます。咲き誇ったかと思えばすぐに散り始めるはかない桜さえ世の中になければ、こころ乱されることなく春を過ごせるのに、という意味です。MOMATの春の定番、重要文化財《行く春》は、まさに散りゆく桜を描く名作です。
 他に、青春の美しさを春に託して表した作品をご紹介します。「青春」とはもともと各季節に対応する色がある「陰陽五行いんようごぎょう」の考え方から来たことば。「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」でワンセットです。転じて、生命が芽吹く人間の若い時期を指すことばとなりました。しかし、春の桜と同じく青春もまたはかないもの。ヨーロッパの美術では、特に若い女性の美しさがすぐに過ぎ去ることを警告する意味で、花と女性はよく一緒に描かれる取り合わせでした。

 

藤島武二《匂い》1915年

谷中安規《春の自転車》1937-39年頃

3室 恋とクリームパン

 創業1901(明治34)年、今も新宿に本店を構える菓子舗、新宿中村屋。創業者の相馬愛蔵・黒光こっこう夫妻は芸術を愛し、店には多くの若い芸術家が集いました。彫刻家の荻原守衛、中原悌二郎、戸張孤雁、画家の中村つね、柳敬助などです。中村屋は「大正デモクラシー」と呼ばれた自由な時代の雰囲気をよく表す、この時期を代表する芸術サロンでした。
 さて、もともと芸術サロンはヨーロッパで成立したものですが、そこでもっとも重要だったのが、才能ある人々を引き寄せる魅力的な女主人の存在です。中村屋の場合、それは黒光でした。荻原守衛は黒光を愛し、《女》には黒光の面影があると言われます。中村彝は、最初黒光に、次に相馬夫妻の長女、俊子に恋をしますが、どちらも実りませんでした。このように、大正デモクラシーの芸術サロンでは、恋ごころも芸術を育む重要な養分でした。ではタイトルの「クリームパン」とは?実はクリームパン、1904(明治37)年に中村屋が日本で初めて作ったものなのです。

 

荻原守衛《女》1910年

柳敬助《白シャツの男》1914年

中村彝《エロシェンコ氏の像》1920年 重要文化財

4室 春の身もだえ

 タイトルは、若者たちのひと夏の恋を描いたスウェーデン映画「春の悶え」(1951年、監督:アルネ・マットソン)から借りました。
タイトルには二つの「もだえ」の意味を込めました。一つはこころのもだえ。ここに並べた彫刻作品は、荻原守衛、高村光太郎、戸張孤雁など、3室で紹介した中村屋芸術サロンに関係した作家たちによるものです。守衛は中村屋の女主人、相馬黒光こっこうを愛し、《女》(3室に展示)を完成させて31歳で急逝しました。《文覚もんがく》(3室に展示)の主題である鎌倉時代の僧、文覚は、同僚の妻に恋して出家したとされる人物です。
 タイトルが意味するもう一つの「もだえ」は、かたちのもだえ。つまり、単に「もだえ」ではなく一文字足して「身もだえ」としたように、これらの作品はみな文字通り身体を激しくねじっているのです。直立不動気味だった明治期までの日本の彫刻に、守衛はらせんを描くようなねじり運動を持ち込みました。そのルーツは、守衛が憧れたフランスの彫刻家、オーギュスト・ロダンにありました。

 

オーギュスト・ロダン《トルソー》制作年不詳

戸張孤雁《曇り》1917年

高村光太郎《手》1918年頃

5室 集められたのには理由がある

藤島武二《アルチショ》1917年

安井曽太郎《奥入瀬の溪流》1933年

安井曽太郎《金蓉(きんよう》1934年

 藤島武二、梅原龍三郎、安井曽太郎、伊原宇三郎、伊藤廉。ここでご覧いただくのは、1940年代の日本を代表する画家たちです。「安井・梅原時代」という呼び方があるほどよく知られていたふたり。1935(昭和10)年に帝展の審査員となった伊原。1937(昭和12)年に最初の文化勲章の受章者となった藤島。伊藤も、1930(昭和5)年に二科賞を受賞するなど注目の画家でした。
 そんな彼等は、1939(昭和14)年の年の暮れ、「特異児童の作品」座談会」と題された鼎談に出席していて、その内容は翌年美術雑誌の『みづゑ』に掲載されました。そこで言われている特異児童とは、「放浪の画家」という惹句で今もよく知られる画家の山下清(1922-71)のこと。5人に加えて、日本画家の川端龍子、美術評論家の荒城季夫(ルビ:すえお)、哲学者の谷川徹三、心理学者の戸川行男、そして同誌編集長の大下正男も出席しているように、山下清の登場が当時の美術界にとって「事件」であったことがわかります。

 

梅原龍三郎《桜島(青) 》 1935年

梅原龍三郎《北京秋天》1942年

3F

6-8室 1940年代-1960年代 昭和のはじめから中ごろまで
9室 写真・映像
10室 日本画
建物を思う部屋

 

6室 別れの絵画

北脇昇《空の訣別》1937年

中村研一《北九州上空野辺軍曹機の体当りB29二機を撃墜す》1945年

 前線の戦闘場面や、日本軍の勝利を意味する会見図を描く「作戦記録画」が数多く制作された一方で、藤田嗣治の《アッツ島玉砕》のような敗北を喫した戦いを描いた仕事が、1943年ごろから現れるようになります。それまで国民に敗北の事実をふせてきた大本営が方針を切り替え、新聞とラジオを通してその一部を公表するようになったためです。国民にさらなる奮起をうながす意図が潜んでいたことは言うまでもありません。このような変化の中で、北蓮蔵や田村孝之介は、軍人が盃を交わす別れの場面を光の効果を駆使して劇的に描きました。同じ別れの情景といっても、あらかじめ死が決定づけられている特攻隊(特別攻撃隊)の場合は、出発前の隊員の姿や表情、そして大勢の人々に見送られる出撃の場面に焦点が当てられています。中村研一は、体当たり攻撃によるB29撃墜の戦果を、大空を背景にあえて小さく表現することで、儚い命が散っていく瞬間を抒情的に捉えています。

 

7室 海老原喜之助、鳥海青児、ジャン・デュビュッフェ


海老原喜之助《群がる雀》1935年頃

海老原喜之助《雨の日》1963年

 鹿児島に生れ、18歳で渡仏。パリで高い評価を受け、戦後は熊本に拠点を置きつつ精力的に活躍した海老原喜之助の代表作数点を、久しぶりにまとめて展示することにしました。当館は、パリで評価を得るきっかけとなった《姉妹ねむる》をはじめ、「エビハラ・ブルー」という言葉で知られる空の色が印象的な《ゲレンデ》、1964(昭和39) 年に芸術選奨文部大臣賞が授賞される理由のひとつとなった《雨の日》などを所蔵しています。
 また、海老原と同じく「独立美術協会」という美術団体に所属していた鳥海青児の作品、そして鳥海と同じように絵画のテクスチャーによっていかに地面を表現するかを追求したジャン・デュビュッフェの作品を、合わせて展示いたします。

 

8室 ピカソ、ドローネーから太郎へ

岡本太郎《遊ぶ》1961年

ロベール・ドローネー 《リズム 螺旋》1935年

 没後20年が経った現在も多くの人々に注目をされ続けている岡本太郎。
 この部屋では当館が所蔵する太郎の作品全点をお見せします。1930年代にフランス・パリでアプストラクシオン・クレアシオン(抽象・創造協会)に参加していた時期の作品から、「対極主義」を唱えた40年代後半〜50年代、二科会を脱退し無所属インディペンデントのアーティストとして活動し始めた60年代の作品と、彼の画風の変遷をまとめて辿る事が出来ます。
 また生前の太郎は、当館のニュース誌『現代の眼』 にも積極的に寄稿しました。その中でも貴重な証言として挙げられるのは、パリで出会ったピカソや太郎とともに抽象芸術運動に参加していたドローネー夫妻の思い出です。第301号に寄稿された「ドローネー夫妻の思い出」には1978年の秋にパリでソニア・ドローネー(1885-1979)と久々に再会した様子とともにパリ時代の交友が記されています。紙面に登場するピカソ、ロベール・ドローネーのMOMATコレクションの作品、更に熱弁をふるう太郎を撮影した大辻清司の写真作品も展示します。『現代の眼』のバックナンバーもどうぞお手にとってご覧ください。

 

9室 渡辺克巳 「流しの写真屋」の見た新宿

渡辺克巳《ゲイボーイ、新宿》1967年

 渡辺克巳は、1960年代後半から70年代初頭の新宿で、「流しの写真屋」を生業としていました。夜の盛り場をまわってポートレイトを撮影し、翌日焼き付けた写真を届けて代金をもらう仕事です。
 現在の新宿駅は一日の乗降客300万人以上という、世界一の巨大ターミナルです。その発展の始まりは郊外と都心を結ぶ私鉄が乗り入れ始めた大正期にさかのぼり、戦後の闇市を経て、駅周辺は百貨店や飲食店、映画館などが集積する日本最大の繁華街・歓楽街へと成長していきます。60年代に出現したジャズ喫茶やアングラ演劇などは、とりわけ若者たちを新宿へと引き寄せました。渡辺の写真には、そうした時代の新宿の熱気と陰影が捉えられています。
 「新宿は巨大なマーケットであり、業種も変化に富んでいて、なぜだか、どんな格好をして歩いていても新宿の風景になじんでしまう。ゴミでさえ、ちゃんと居場所を主張していた。」のちにこう記した渡辺は、安価なカメラの普及により「流しの写真屋」を廃業した後も、この新宿という独特のエネルギーに満ちた空間を、生涯撮影し続けました。

 

10室 靫彦★リコメンド

菱田春草《王昭君》1902年 重要文化財 寄託作品(善寳寺蔵) 【展示期間:3月23日~5月15日】

 1階で開催する「安田靫彦ゆきひこ展」(3月23日-5月15日)を目当てに来館された靫彦ファン、日本画ファンの皆さまのため、今回のMOMATコレクションでは特別なおもてなしをご用意しました。題して「靫彦★リコメンド」。ここ10室と、4階ハイライトコーナーのガラスケース内の日本画には、今回は特別にいつもの作品解説に替えて、かつて靫彦がその作品、その画家について寄せたコメントを添えました。靫彦はその作品にどんな思い出があり、その画家に対してどんなことを思っていたのか。靫彦のコメントを読みながら見ると、作品の違った一面に気付いたり、靫彦の絵画観が垣間見えたりするかもしれません。★のマークが目印です。
 コレクション展では初の紹介となる菱田春草の《王昭君》(重要文化財、3月23日から展示)は、2014(平成26)年秋に開催した「菱田春草展」の後、山形県鶴岡市の善寳寺から期間限定で寄託を受けている作品です。また、同じく春草の《松に月》は、同展覧会後に新収蔵し、今回がお披露目となります。《賢首菩薩けんしゅぼさつ》(重要文化財)など、当館コレクションから選りすぐった春草作品をずらっと並べているのも今回の隠れた見どころです。

 

菱田春草《林和靖(りんなせい》1900-1901年頃 

菱田春草《賢首菩薩(けんしゅぼさつ)》1907年 重要文化財  

2F

11–12室 1970s-2010s 昭和の終わりから今日まで

 *ギャラリー4(13室)

MOMATコレクション

11室 Dear セザンヌ―ポール・セザンヌ×日高理恵子

ポール・セザンヌ《大きな花束》1892-95年頃

 MOMATでは昨年、フランスの画家、ポール・セザンヌの《大きな花束》を収蔵しました。MOMATにセザンヌ?ここは日本の作品を扱う美術館じゃないの?とお思いの方もあるでしょう。実はMOMATのコレクション対象には「日本に多大な影響を与えた海外作家の作品」が含まれており、これまでにもピカソやルソー、クレーなど数々の作品を収蔵しているのです。中でもセザンヌは、日本の美術家への影響の大きさという点からすれば横綱級の特別な存在です。
 日本人のセザンヌ愛は、約100年前の20世紀初頭にさかのぼります。そして今日でも日本には、セザンヌに刺激を受け、制作を進める力とするアーティストが数多くいます。今回はその中から、日高理恵子の《樹を見上げて Ⅶ》(1993年)を選び、《大きな花束》とともにご紹介します。日高の作品は、一見セザンヌの作品と似ているようには思えません。しかし日高は、目の前のものをどう見るか、そしてそれをどうやって画面に描き写すか、という画家としてもっとも大事な問題について、セザンヌからたくさんのヒントをもらっているといいます。

 

日高理恵子《樹を見上げてVII》1993年

12室 発芽する〈関係〉

 この部屋には〈関係〉がキーワードとなる河口龍夫とイケムラレイコの仕事を展示しています。
 河口龍夫は、1986(昭和61)年に起こったチェルノブイリ原子力発電所の事故を契機に、放射能を遮蔽する鉛によって種子を封印する作品の制作を開始しました。壁に展示されている計30点それぞれには、違う種類の食用の果物や野菜の種子が封じられています。一方、床に置かれた真鍮のパイプには土が、銅のパイプには水が、アルミニウムのパイプには空気がそれぞれ封入されています。各要素間の関係をいったん断つことで、その隔たりを生み出す歴史的、社会的な条件に注意を喚起し、それらを再び結びつける想像力を問いかけます。
 イケムラレイコの連作《樹の愛》は、人間・動物と樹木の間の変身譚を基調としていますが、肉体から切り離された頭部を発芽する種子のように描くのが印象的です。その表情がどこか物悲しく見えるのは、他者との出会いを渇望しているためでしょうか。その孤独な姿と対照的に、お互いに干渉しあう二本の樹木の姿が繰り返し描かれています。

 

13室(ギャラリー4) かたちの野性

若林奮《2.5mの犬》1968年

 この部屋に展示されている彫刻・立体作品は、いずれも植物や動物などの自然をモチーフとして取り込んでいます。まず使われている素材に注目してみると、米、木、水、陶土、鉄など、人間の社会や文化との関連で歴史的な意味を豊富にたたえているものばかりです。次に主題のレベルでも自然との関わりを読み取ることができます。人が支配することのできない自然の力や、大いなる生と死の循環、あるいは人が創り出したものと自然との間の形態の類似など、作者が自然を観察し、考察することで引き出したコンセプトが、これらの作品制作の原動力になっています。さらに造形面に眼をむければ、遠藤利克のように「円環」という抽象度の高い形式を採用する作家もいれば、辻晋堂のように有機的な形態の中に樹木と建築を融合させる作家もいます。基本的に造形は空間的な秩序として恒常性を保持していますが、ここに展示された作品のかたちには、カテゴリー間の飛躍を含んだイメージの連鎖を契機とする変容の可能性が潜んでいることに気づきます。

 

イベント


MOMATガイドスタッフによる所蔵品ガイド

休館日を除く毎日

日程: 2016年3月8日(火)~2016年5月15日(日)
時間: 14:00-15:00
場所: 所蔵品ギャラリー(1Fエントランス集合)

所蔵品ギャラリーでは毎日、作品解説が行われています。
当館のボランティア「MOMATガイドスタッフ」が、参加者のみなさまと会場をまわり、数点の作品を一緒に鑑賞しながら、作品についての理解を深められるようにお手伝いします。
作品とテーマは、ガイド前に1階エントランスに掲示されます。
約40名のガイドスタッフそれぞれ、作品とテーマが異なりますので、何度参加されてもお楽しみいただけます。

*「MOMATガイドスタッフ」のページもあわせてご覧ください。
*「教育普及室ブログ」でも様子を写真付きで詳しく紹介しています。


研究員による所蔵品ガイド

会期最初の土曜日は研究員による所蔵品ガイド

日程: 2016年3月12日(土)
時間: 14:00-15:00

※いずれも参加無料(要観覧券)/申込不要


MOMATガイドスタッフによるハイライト・ツアー

日程:    2016年4月3日(日)
時間:    11:00-12:00
場所:    所蔵品ギャラリー(4Fエレベーター前ホール集合)

近代日本の美術の流れをたどりつつ、所蔵作品展「MOMATコレクション」の見どころを押さえたい方に。MOMATガイドスタッフが、参加者の皆様とともに4階から2階までをまわり、代表的な所蔵作品を、やさしく解説します。


  

 

会場:
東京国立近代美術館本館所蔵品ギャラリー(4F-2F)、ギャラリー4(2F)
会期:
2016年3月8日(火)-5月15日(日)
開館時間:
10:00-17:00(金曜日は10:00-20:00)
※入館時間は閉館30分前まで
休室日:
月曜日[ただし、3月21日(月・祝)、3月28日(月)、4月4日(月)、5月2日(月)は開館]、3月22日(火) →月間カレンダーもご参照ください。
観覧料:
一般 430円(220円)
大学生 130円(70円)

※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。
※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。
キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。
「友の会MOMATサポーターズ」「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご覧いただけます。
※「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。
無料観覧日:
4月3日(日)、5月1日(日)、5月15日(日;18日の国際博物館の日にちなんで)
主催:
東京国立近代美術館
 

 

出品作品リスト

 

 

所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)のご案内

9室「写真・映像」

9室「写真・映像」*

10室 「日本画」*

「眺めのよい部屋」*

「眺めのよい部屋」*

 「MOMATコレクション」展は、日本画、洋画、版画、水彩・素描、写真など美術の各分野にわたる12,500点(うち重要文化財14点、寄託作品2点を含む)を越える充実した所蔵作品から、会期ごとに約200点をセレクトし、20世紀初頭から今日に至る約100年間の日本の近代美術のながれを海外作品も交えてご紹介する、国内最大規模のコレクション展示です。

 ギャラリー内は、2012年のリニューアルによって、12の部屋が集合したスペースに生まれ変わりました。その1から12室までを番号順にすすむと1900年頃から現在に至る美術のながれをたどることができます。そして、そのいくつかは「ハイライト」、「日本画」という特別な部屋、あるいは特集展示のための部屋となって、視点を変えた展示を行っています。

 「好きな部屋から見る」、「気になる特集だけ見る」あるいは「じっくり時間の流れを追って見る」など、それぞれの鑑賞プランに合わせてお楽しみください。

 

 


展示替えについて

年間4~5回程度大きく作品を入れ替えています(会期によっては、さらに日本画を中心とした一部展示替があります)。

展覧会構成はこちらをご覧ください。 


このページ内の会場風景はすべて撮影時のものであり、現在の展示と同じとは限りません。
*印:いずれもphoto: 木奥恵三

 

所蔵品ギャラリーについて

 「MOMATコレクション」では12(不定期で13)の展示室と2つの休憩スペースが3つのフロアに展開し、2Fテラス付近や前庭にも屋外彫刻展示を行っています。マップの水色のゾーンが「MOMATコレクション」です。4Fには休憩スペース「眺めのよい部屋」を併設しています。

所蔵作品展「MOMATコレクション」の会場入口は4Fです。1Fエントランスホールからエレベーターもしくは階段をご利用のうえ、4Fまでお上がりください。

音声ガイドのご案内-コレクションをもっと身近に、もっと楽しく!

 所蔵作品展「MOMATコレクション」では、解説を聴きながら、所蔵品ギャラリーを巡ることができます。

 作品のいろいろな面が見えてくる、そんな発見がいっぱいの音声ガイドです。ぜひご利用ください。

  • 1F受付にて貸出・返却
  • ご利用料金:300円