収集・保存・復元

収集・保存・復元


◎収集

 フィルムセンターでは、日本映画、外国映画を問わず、残存フィルムを可能な限り収集することを原則に、劣化の進行や廃棄・散逸の危険があるフィルム、希少性の高いフィルム、上映や国際交流事業に必要なフィルム等を優先して、計画的な収集を行っています。また、図書、ポスター、スチル写真といった映画関連資料(ノンフィルム資料)についても網羅的な収集に努めています。
 


所蔵映画フィルム数(2017年1月末現在)
所蔵日本/外国映画の内訳

日本映画 劇映画 12,281本
  文化・記録映画 29,506本
  アニメーション映画   2,370本
  ニュース映画 15,931本
  テレビ用映画   9,824本
小計   69,912本
外国映画 劇映画   4,895本
  文化・記録映画   3,103本
  アニメーション映画      345本
  ニュース映画      188本
  テレビ用映画      467本
小計     8,998本
合計   78,910本

ここで用いている「本」とは、1つの作品に対し、ジェネレーション(ポジ、ネガ)、形状(35mm、16mm等)、バージョン(再編集版、字幕付きプリント等)、完全度において異なるフィルムを1つずつ数えた場合の単位を指しています。つまり、1つの作品に対して複数本のフィルムが存在していることがあります。

 

所蔵映画関連資料数(2016年3月末現在)

映画関係図書(和書)   40,300点
映画関係図書(洋書)     4,700点
シナリオ   44,000点
ポスター   57,000点
スチル写真 701,000点
技術資料        600点

 

◎保存・復元

 寄贈や購入などで受け入れたフィルム(デジタル作品を含む)は、検査員による検査を経てフィルムセンター相模原分館に保管されるとともに、目録化されます。劣化や損傷が見られたり、その危険性があるフィルムや希少性の高いフィルム、滅失の危険がある可燃性フィルム等については、複製作業を通じ、長期保管を図るための保存に努めています。また、芸術的、歴史的、資料的に価値の高い映画フィルムについては、コンテンツのより忠実な再現をめざし、高度な技術による復元を行っており、近年では『羅生門』、『銀輪』、小津安二郎監督カラー4作品、『日本南極探檢』等の復元を実施しました。
 またポスター・スチル写真・シナリオ・プレス資料・技術資料といった映画関連資料についても、目録化を行った上で、適切な温湿度環境での保存に努めるとともに、材質に応じた修復も行っています。

空から見た相模原分館。手前の白い建物が保存棟Ⅰ、奥右が保存棟Ⅱ、奥左が保存棟Ⅲ。

 神奈川県相模原市のキャンプ淵野辺跡地に位置するフィルムセンター相模原分館では、映画フィルム及び映画関連資料を、24時間空調システムによる管理のもと、適切な温湿度環境で安全に保護するとともに、映画フィルムの検査やデータの採取、出入庫作業等を行っています。


[相模原分館]
敷地面積     14,997㎡
 建築面積     2,594㎡
 ・映画保存棟Ⅰ  1,504㎡
 ・映画保存棟Ⅱ  1,090㎡
 ・映画保存棟Ⅲ   137㎡
 建築延面積    9,437㎡
 ・映画保存棟Ⅰ  4,510㎡
 ・映画保存棟Ⅱ  4,927㎡
 ・映画保存棟Ⅲ   139㎡


 [映画保存棟Ⅰ]

 昭和61(1986)年に竣工した映画保存棟Ⅰは、最大約22万缶の映画フィルムが収集可能で、フィルム缶を1缶ずつ格納する可動棚で保管しています。また映写ホールでは、検査用の業務試写に加え、地域との連携事業等を行っています。

保存棟Ⅰ

保存棟Ⅰの可動棚

 階別面積

・1階   1,477m2
・2階    296m2
・地下1階 1,369m2
・地下2階 1,369m2

 用途別面積
・映画フィルム保存庫(18室)  2,885m2
・映写ホール(200席)     526m2
・事務室・映画フィルム検査室  692m2
・その他            407m2

 建物仕様
・構造 鉄筋コンクリート造 地下2階 地上2階建
・外壁 外装用磁器質施釉タイル山型
・フィルム収納能力 約22万缶
・設計 芦原建築設計研究所(1986年竣工)
・設計監理 建設省関東地方建築、芦原建築設計研究所

 温湿度
・地下1階 映画フィルム保存庫
 温度10℃(±2℃)
 湿度40%RH(±5%RH)
・地下2階 映画フィルム保存庫
 温度5度(±2℃)
 湿度40%RH(±5%RH)


 

[映画保存棟Ⅱ]

 平成23(2011)年には映画保存棟Ⅱが竣工され、さらに約26万6千缶の映画フィルムの収蔵が可能となりました。また、映画関連資料を適切な温湿度環境で保管する専用の資料室もできました。
 すべての映画保存庫に施されているビネガー・シンドローム対策に加え、空気の対流が起こりにくいソックフィルターの導入や施設内での効率的な導線の設計により、グレードアップした映画保存施設を実現しました。

 

保存棟Ⅱ

保存棟Ⅱの内部

 階別面積
・1階    995m2
・2階    363m2
・地下1階 1,792m2
・地下2階 1,777m2

 用途別面積
・映画フィルム保存庫(18室) 2,144m2
・映画文献資料室(2室)      158m2
・映画技術資料室         174m2
・事務室・映画フィルム検査室   100m2
・その他            2,352m2

 建物仕様
・構造 鉄筋コンクリート造 地下2階 地上2階建
・外壁 外断熱レンガ積
・フィルム収納能力 約26万6千缶
・設計 安井建築設計事務所(2011年竣工)
・設計監理 東京国立近代美術館、安井建築設計事務所

 温湿度
・1階 映画文献資料室 映画技術資料室
 温度21℃(±2℃)
 湿度50%RH(±5%RH)
・地下1階 映画フィルム保存庫
 温度10℃(±2℃)
 湿度40%RH(±5%RH)
・地下2階 映画フィルム保存庫
 温度5度(±2℃)
 湿度40%RH(±5%RH)


 

[映画保存棟Ⅲ]

平成26(2014)年に竣工した映画保存棟Ⅲ(重要文化財映画フィルム保存庫)は、別名の通り、重要文化財に指定された映画フィルム等を安全に保護し、劣化の進行を抑制しながら長期に亘って保管することを目的とした施設です。これまで重要文化財に指定されたフィルムは、いずれもニトロセルロースをベースとしたナイトレート(可燃性)フィルムで、現在の消防法では第5類1種危険物に指定されています。保存棟Ⅲは、これらを永く安全に保管する施設として建設されました。

保存棟Ⅲ

保存棟Ⅲのフィルム保存庫

 階別面積
・1階    131m2
・PH階   7m2

 用途別面積
・映画フィルム保存庫(3室) 45m2
・その他            93m2

 建物仕様
・構造 鉄筋コンクリート造 地上1階建
・外壁 外断熱乾式タイル張
・フィルム収納能力 1,152缶
・設計 安井建築設計事務所(2014年竣工)
・設計監理 東京国立近代美術館、安井建築設計事務所

 温湿度
・1階 映画フィルム保存庫
 温度2℃(±2℃)
 湿度35%RH(±5%RH)
・1階 ならし室
 温度5~15℃(±2℃)
 湿度35%RH(±5%RH)
・1階 前室
 温度26度(±2℃)
 湿度50%RH(±5%RH)