NFC Digital Gallery – No.13

公開日:2017年1月31日

第13回 無声期日本映画のスチル写真(3)─日活京都篇①1910年代

「無声期日本映画のスチル写真」第3回は、日本最古の映画スターである尾上松之助にスポットをあて、日活の京都の撮影所で製作された「旧劇」作品を取り上げます。「目玉の松ちゃん」と呼ばれ”キレ”のある動作と独特の愛嬌で絶大な人気を誇った松之助の魅力と、歌舞伎の影響が強く感じられるケレン味あふれる世界をご堪能ください。なお、今回ご紹介するのは映画宣伝用にスチル写真を絵葉書にしたもので、すべてフィルムセンター所蔵の鳥羽幸信コレクションに属するものです。

※解説・あらすじは文献に基づく。

『児雷也お照』(1914年) Jiraiya Oteru (1914)

写真/Photo

1914年11月下旬公開 浅草 千代田館

武家に生まれながら家計を助けるために遊女になったお照(片岡市太郎)は、富田屋伝吉(尾上松之助)に身請けされる。ところが伝吉が危機に陥り、お照は身を挺して彼を救う。

 

尾上松之助(中央左)、中村長正(中央右)、市川寿美之丞(右)

片岡市太郎(左)、尾上松之助(中央)、中村仙之助(右)

尾上松之助(中央)、片岡市太郎(右上)

『野晒悟助』(1915年) Nozarashi Gosuke (1915)

写真/Photo

1915年6月公開

監督:牧野省三 Film directed by Shozo Makino

一休和尚(嵐橘楽)のもとで修業する江戸の侠客・野晒悟助(尾上松之助)が、土器屋六兵衛(片岡市之丞)とその娘おきぬ(片岡長正)の危難を救うなど活躍し、最後には堤婆仁三郎(大谷鬼若)への仇討を果たす。松之助主演の同名作品が1920年5月に浅草富士館で上映されている。

 

嵐橘楽(中央左)、中村仙之助(中央)、尾上松之助(中央右)

片岡長正(左端)、片岡市之丞(左から二人目)、尾上松之助(中央右)

中村仙之助(左)、尾上松之助(中央)

『善悪大王』(1916年) Zen-aku Daio(1916)

写真/Photo

1916年1月下旬公開  浅草 千代田館

盗まれた足利家伝来の宝剣をめぐって、善玉の志度六(尾上松之助)と悪玉の魔度六(実川延一郎)が争奪戦を繰り広げ、志度六が勝利をおさめるという勧善懲悪の物語。

尾上松之助(中央左)、実川延一郎(中央右)

実川延一郎(中央)

実川延一郎(中央左)、尾上松之助(中央右)

『有馬の猫騒動』(1916年) Arima no Neko Sodo (1916)

写真/Photo

1916年4月公開 浅草 千代田館

有馬頼高(大谷鬼若)のお抱え力士の小野川喜三郎(尾上松之助)は、有馬候の威信をかけて取り組んだ、雷電為右衛門(嵐橘楽)との御前相撲に敗れ、それを知った小野川の母は自害する。名誉回復と母の追善供養のため、小野川は有馬候から拝領した刀「菊一文字」で雷電に斬り込むが、間に入った有馬候の家臣(中村駒梅)に制止される。ほどなく有馬邸では、有馬候の愛妾お志賀の陰謀から自害した愛妾お牧の飼い猫お玉が怪猫となって出没するようになり、まるで化物屋敷と化してしまう。再起をかけた小野川は格闘の末に怪猫を捕え、その手柄によってお抱え力士に返り咲いた。

 

大谷鬼若(左奥)、尾上松之助(左)、大谷鬼若(右)

尾上松之助(左)、大谷鬼若(中央奥)

尾上松之助

『天明五人女』(1917年) Tenmei Gonin Onna (1917)

写真/Photo

1917年1月公開 浅草 千代田館

板倉家の大奥で女ながら剣術指南をしている“お局お豊”(尾上松之助)、刀屋四郎兵衛の一人娘“振袖お町”(片岡長正)、柳橋芸者の“奴のお仙”(中村歌枝)、町娘“山猫お角”(嵐璃珀)、女盗賊“夜嵐お松”の五人の女たち。板倉家から時の関白豊臣秀吉へ献上するはずの名刀「雲竜丸」が盗まれたことで、五人の女たちが刀をめぐって争うこととなる。終には板倉家の重臣(大谷鬼若)の陰謀であったことをつきとめ刀を見事取り返す。

嵐璃珀(左)、尾上松之助(中央)、中村歌枝(右)

尾上松之助(中央)、片岡長正(右)

大谷鬼若(中央左)、尾上松之助(中央右)