所蔵品ガイド 11月19日

所蔵品ギャラリーで毎日14時から行われている「MOMATガイドスタッフによる所蔵品ガイド」の様子をご紹介します。

本日ご紹介した作品は、「向き合う」をテーマとした3作品。
藤田嗣治と靉光の自画像、そして2階のアントニー・ゴームリーの彫刻です。

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「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」でにぎわう会場から、多くのお客様がご参加されました。
所蔵品ガイドの特徴は、解説を聞くツアーではなく対話によるガイドであること。
お客様のご感想やご意見を共有することで、新しい視点を生み出し、鑑賞を深めます。

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藤田嗣治の自画像は第一印象をうかがってから、何が描かれているかじっくり観察しました。
猫や手に持っている筆、墨と硯、マッチなどが見つかります。
背景に飾られている絵は奥さんのものでしょう、という考察も。

藤田はどのような自分と向き合って、この作品を描いたのでしょうか。
自画像の周りに集められたものは、藤田の「お気に入り」といえそうです。
「自分の大切なものを絵の中に閉じ込めておきたかったのではないか」というご意見もありました。

 

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靉光の自画像は、藤田のものと違って人物だけが描かれています。

視線の感じから「何か考えているよう」、「油絵っぽくない。随分絵の具が薄く、塗り重ねた感じがしない」など、第一印象をうかがってみると、お客様のさまざまな視点が浮かび上がります。

実際の靉光の写真と見比べて、「こんなに胸板が逞しく、自分ににないものを手に入れたい、こうなっていきたいというのを描いたのではないか」とい うご意見もありました。
けっして大きくはないサイズの自画像から、ガイドに参加した皆さんでひとりの作家の人生に思いを馳せました。

 

DSC_0195アントニー・ゴームリーの《反映/思索》は、まさにふたつの像が向かい合っている作品です。
作家が自身を型に鋳造した作品であることをガイドスタッフから聞きつつ、作品から年齢を想像してみると、「40代くらいかな、若いよね」とのご意見に笑いも起きました。
屋内と屋外を見比べてのご感想は、「これは外が自分の先の姿、老いの姿を表しているのではないか」・・・。

参加者のみなさまもそれぞれ作品と向かい合った一時間。
所蔵品ガイドは、基本的には開館日の14時~、毎日開催しています。
ブログをご覧のみなさまも、どうぞご参加ください。

なお、所蔵品ガイドを行うMOMATガイドスタッフの新規メンバーを募集中です。応募についてはこちらをご覧ください。(応募締切:11月23日 ※所蔵品ガイドの感想を書く欄があります)

(研究補佐員H)


ある日の所蔵品ガイド ガイドスタッフNさん

テーマ「春、花を楽しむ」
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ご紹介した作品
・川合玉堂《行く春》1916年・徳岡神泉《椿》1922年頃
・第9室「植物・植生への眼差し」

雲のない晴れた空だったこの日は、参加者少なめのゆったりしたガイドとなりました。
川合玉堂の大きな屏風を近くから観察し、桜の枝から奥行きを感じたり、椿を写生した徳岡神泉の作品から、本物の椿ではありえなさそうな柔らかさを 感じたりと、じっくり鑑賞する時間でした。
最後の第9室では、「買って家に飾りたい作品」を一人ずつ選んで紹介していただきました。参加者の皆様は、モノクロの世界だからこその良さや、植物をズームアップして写した面白さを感じられたようです。

(研究補佐員 H)