夏の小屋をつくろう 子どもワークショップ 8月10、11日(3)

「夏の小屋をつくろう 子どもワークショップ」について、ついに最後の記事となりました。

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小屋に集合すると、頑張ったご褒美にジュースが配られました。
出来上がったばかりのコースタ―にコップをのせて、みんなで乾杯です。

「みんなが作ってくれたコースターと屋根のシートは、大切に使わせてもらうからね。」

家成さんから労いの言葉をかけてもらった子どもたちの表情は、
達成感に溢れていました。

プログラム中には、スタンプを押したシートが屋根に設置された状態を見ることは
できませんでしたが、「小屋が出来上がったらまた見に来るね!」と
言ってくれた子どもたちが何人もいました。
子どもたちにとって、当館が「また行きたい場所」となってくれたなら嬉しい限りです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA終了後、早速屋根に設置している様子。

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みんなで作った夏の小屋は「Bar Bamboo Bridge」として前庭に完成しました。
夜間開館している金・土曜日の夕暮れ時からは、「Bar Bamboo Bridge」の
ネオンサインも点滅して素敵な仕上がりとなっています。
休憩場所として、くつろぎの場所として、みなさまどうぞお立寄りください。

今回、このプログラムを行うにあたっては、「ドットアーキテクツ」「吉行良平と仕事 」の
みなさまに全面的にご協力いただきました。

子どもたちにとって、展示室で作品を鑑賞しながら、その作家に思いを馳せることは
とても貴重な時間です。それと同様に、自分たちと同じ時代を生きている作家との出会いも、
新鮮なものであり、多くの刺激を受ける機会であるように思います。
生身の人から受ける影響は、思いのほか大きなものです。

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終了後のアンケートの中には、こんな感想もありました。

「建築家さんのお手伝いができて嬉しかった。」
「設計したり作っている人に会えて楽しかった。」
「建設している所を見れて楽しかった。」

今回、様々な作品や人との出会いがあった「夏の小屋をつくろう 子どもワークショップ」。
このプログラムが、美術に親しみを感じる一つのきっかけとなれば幸いです。

(研究補佐員A)


夏の小屋をつくろう 子どもワークショップ 8月10、11日(2)

引き続き、「夏の小屋をつくろう 子どもワークショップ」の記事をお届けします。

建築家のみなさんから「屋根の飾りやコースターがほしい」と言われた子どもたちは、
早速工作に取り掛かりました。

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まずはコースター作り。用意されていた木材の上に、
5色のラバーシートを自由に切って貼っていきます。
《色のオーケストレーション》を鑑賞していた子どもたちは、
作品をじっくり鑑賞した経験が活きている様子。

「この色は◯◯な感じがするから、こういう形にする!」
「使う人が楽しい気持ちになるように、たくさんの色を使おう。」

すでに色や形を扱うのはお手の物です。

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一方、《斎藤助教授の家》などの住宅模型を鑑賞した子どもたちは、
家と日常生活とを関連づけて考えることが出来るようになっていました。

「コースターは飲み物を乗せるもの。置いた飲み物がこぼれるといけないから、
重ねて貼るのはやめよう。」

子どもたちなりの工夫が、あちらこちらに見える瞬間です。

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表面を作り終えたら、裏面には特製の焼印を押してもらいます。
そこに使ってくれる人へのメッセージを書いたら完成!
子どもたちからのメッセージは、実際に小屋に来て読んであげてくださいね。

次は、屋根を飾るためのスタンプ押しです。
横長の屋根用シートに好きな色・形のスタンプを思い思いに押していきました。

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何度も押すうちに、捻りながら押してみたり、力加減を変えながら押してみたりと、
ここでも道具の扱いを工夫していました。同じ形のスタンプを押していても、
同じように色が付くわけではありません。擦れたり滲んだりする部分も、また良い味。
色の付き方の違いや、色の重なりを楽しんでいたようです。

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その甲斐あって、色彩豊かで賑やかな屋根用シートが出来上がりました。
全てを作り終えたら、屋根のシートとコースターを持って建設中の小屋に集合です。
(つづく)

(研究補佐員A)


夏の小屋をつくろう 子どもワークショップ 8月10、11日(1)

9月に入り、すっかり秋の気配が感じられるようになりました。
今回は、8月に実施した小学生向けプログラムをご報告したいと思います。

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当館では毎年、夏休みの時期に合わせて小学生向けのプログラムを行っています。
今年は「夏の小屋を作ろう 子どもワークショップ」と題して、
企画展「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」に関連した特別プログラムを行いました。

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この2日間、美術館の前庭では「夏の小屋」が建設中でした。
この小屋を完成させるために、作品鑑賞や工作をしながら
子どもたちにも協力してもらおう!という企画。

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プログラムが始まると、「夏の小屋」を建設中のドットアーキテクツ 家成俊勝さんが登場。
「色や形、創造力を使って、小屋づくりを手伝ってほしい。」とのお話がありました。
小屋づくりに協力するべく、子どもたちはヒントとなる作品の鑑賞に向かいます。

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年齢が低いグループは、ガイドスタッフとともに
ハンス・リヒター《色のオーケストレーション》を鑑賞しました。

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じっくり色と形を観察していると、文字に見えてきたりもするようです。
様々な想像が膨らんだところで、作品を模したパズルパーツを使い、
自分なりの作品も考えてみました。

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色の並べ方や、形を置く向きが変わるだけで、
まったく違う作品がいくつも出来上がりました。

一方、年齢が高いグループは、企画展示室で《斎藤助教授の家》を鑑賞していました。
これは建築家の清家清さんが設計した住宅の一部分を実物大で再現した模型です。

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縁側に座って内装を観察します。自分たちの家と似ているところや違うところ、
よく観察しながらお話をしていると、美術館の学芸員さんがやって来ました。
普段は開いたままの障子ですが、この日は特別に閉めた状態を見せてもらえることに。
天井まである障子が閉まると、空間の雰囲気が一味違ったものにも感じられます。

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《斎藤助教授の家》を堪能した後は、「自分が住んでみるなら?」という視点で
複数の住宅模型からお気に入りを選び、その理由を発表しながら鑑賞しました。

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作品を鑑賞した後は、どのグループも「夏の小屋」の作業をしている
建築家の方々へのインタビューに向かいます。

「この小屋をどんな風に使ってほしいですか?」
「釘を打つときは何回叩けばいいですか?」
「どうして耳に鉛筆を挿しているんですか?」
「腰の入れ物には何が入っているんですか?」

実際の建築家さんを前に、子どもたちは興味津々!
建築家のみなさんは、子どもたちからの質問に一つ一つ丁寧に答えてくださっていました。

そして、「屋根が少し寂しいから飾りがほしいなぁ。」「小屋に来た人に
使ってもらえるようなコースターが欲しいな。」との言葉が。

いよいよ子どもたちが創造力を発揮する番。一体どんなものを作ったのでしょう?
(つづく)

(研究補佐員A)


夏休み!こども美術館(3) 8月20日~22日

引き続き、KIDS★MOMAT2015の小学生向けプログラム「こども美術館」の
「ミッション・イン・ミュージアム」についてご紹介します。

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こちらは「アートライブラリを調査せよ」というミッションのための移動中、外の彫刻作品を鑑賞している様子。ミュージアムショップの傍の、1階から2階へ上がる階段です。

はじめはアートライブラリという言葉に馴染みが薄く戸惑う姿も見られましたが、
地図で場所を突き止め、ライブラリへ入ります。

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ミッションはカウンターで日付のハンコをもらうこと、配られた調査票の挿絵からライブラリの中にあるものに丸をつけること。学校や地域の図書館と違う雰囲気に少し緊張しながらも、みんなでカウンターの人に挨拶し、ライブラリの中を見渡しました。

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調査票のイラストに描かれたものがあるかチェックします。
たくさんの本や、資料を探すパソコンなどがありました。

 

各グループ4つのミッションをクリアした子どもたちはワークショップルームに向かいます。
最後のミッションは、出発地点であったワークショップルームに戻り、今日のすべてのミッションをまとめること。各ミッション終了後にもらったカードなどのおみやげを、アルバムに貼ってコラージュしました。

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感想を書いた紙を貼ったり、カラフルな紙でデコレーションしたり。みんな真剣な表情で制作しました。
今日の思い出が詰まった一枚の完成です。

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美術館の顔とも言える展示作品から、ふだん見ることのできない美術館の裏側まで様々なものを見て、感じて、考えた今回のミッション・イン・ミュージアム。
夏休みの楽しい思い出として、みなさんの心に残る体験になれば幸いです。

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(インターンM、インターンH、研究補佐員H/記事3/3)


夏休み!こども美術館(2) 8月20日~22日

e0今回も引き続き、KIDS★MOMAT2015の小学生向けプログラム「こども美術館」についての記事です。
「ミッション・イン・ミュージアム」で、次々とあらわれるミッションにチャレンジする子どもたちの様子をご紹介します。

 

「東京国立近代美術館の館長室を見学しよう!」のミッションでは、館長室へ向かうため、普段は入ることのできない鉄扉を職員さんに開けてもらいました。

 

e1大きな窓のある見晴らしのいい館長室で、館長さんにお話を伺いました。
「美術館に来てくれる人たちに楽しんでもらうためにどうすればいいか」、「美術館の職員さんたちがどうすれば気持ちよく働けるか」を話し合うための場所として、館長室が使われていることを聞きました。

 

e2子どもたちからは「あのたくさんある本はなんですか」、「館長さんはふだん何時間くらいお仕事されているのですか」などの質問が飛び交いました。館長さんは、一つ一つていねいに答えてくださいます。

 

e3館長さんからおみやげに名刺を頂いたあと、作品運搬用の大きなエレベーターに乗り、ガイドスタッフルーム(解説ボランティアの控室)へ。そこでもミッション入りの封筒を見つけました!
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ミッション「くらい部屋で、線のなかからシカを見つけよう!」では、加山又造の《悲しき鹿》を鑑賞しました。鑑賞した場所は日本画コーナー。照明が少し落とされた「くらい部屋」です。
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何が見えるだろう?何があるんだろう?とよく見てみます。「海?水みたいなものがある!」「太陽がある!」「月じゃない?」と子どもたち自身で話し合う場面もありました。

g2ミッションのワークシートでは、数頭もつれあうように描かれたシカから、好きなシカを一頭だけ色鉛筆で塗ります。みんなでシカを見つけられたところで、この作品の鑑賞を終えました。

 

 

奈良美智の《Harmless Kitty》も鑑賞しました。ミッションの内容は「好きに変えよう。」
まず、この作品の感想やどんなものが描かれているかを一緒に話し合います。

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ミッションでは、描かれた人物の「色」や「眼の位置」を変えて、はじめとの印象の違いを楽しみました。

 

ミッションを通して美術館のさまざまな場所を歩く子どもたち。はじめて出会った子同士でも、グループでミッションに取り組むうち、すっかり仲良くなりました。
「ミッション・イン・ミュージアム」もそろそろ折り返し地点のようです。
(つづく)

(インターンM、インターンH、研究補佐員H/記事2/3)


夏休み!こども美術館(1) 8月20日~22日

「夏休み!こども美術館」は、東京国立近代美術館の夏の小学生向けプログラム。
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今年のこども美術館は「ミッション・イン・ミュージアム」と題し、子どもたちが美術館の様々な場所を巡り、与えられたミッションに挑戦しました。
すべてのミッションを終えるころには、この美術館について知りつくしているはず。

 

まずはグループごとにテーブルに座り、全員で今日のプログラムの説明を聞きます。
テーブルの上を見ると、そこには早速一つ目のミッションの入った封筒が!

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ミッションの内容をもとに、スタッフの持っている地図で行き先を確認して、ミッション・スタートです。
5つのグループが、それぞれ別の場所へと向かいました!

 

c1こちらはミッションに導かれ、パウル・クレー《山への衝動》を鑑賞する様子。

まず絵を見て何が描かれているかをお話しました。
たとえばカタカナの「サ」などの文字を見つけたり・・・いろいろなものが見えてきます。

c2そしてハンドスコープでのぞきながら絵の気になる部分、好きな部分を探します。
その後作品のモノクロコピーに、それぞれ見つけた好きな部分を色鉛筆で塗りました。
部分を塗ることで、月や旗などのモチーフを絵の中から見つけた子もいました。

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1階で行われている展覧会「No Museum, No Life? ―これからの美術館事典」の作品を見ながら考えるミッションもありました。
お目当ての作品オーギュスト・ロダン《考える人》を探し、展示室内を歩きます。
ミッションの作品にたどり着くまでにも、いろいろな作品が。
人型の立体作品を見て、「この人は何をしているんだろう」と想像します。

そしてついに《考える人》の前へ。
ミッションは「この人にインタビューをしてみよう」というものです。
色々な方向から見たり、《考える人》と同じポーズをとってみたりと、まずはじっくり鑑賞します。

d1自分の好きなアングルから作品を眺めつつ、いざ、インタビュー。
「何を考えているのですか」「どうして裸なんですか」などたずねてみます。
《考える人》はお返事をくれないので、みんなで答えも考えてみました。
「娘の名前を考えている」なんて意見も・・・それは考えこむわけですね~。

 

d3次のミッションは、企画展出口のすぐそばにあるインフォメーションカウンターのお姉さんからもらいました!

 

ミッションはまだまだ続きます。次はどこに行くのかな?
(つづく)

(インターンM、インターンH、研究補佐員H/記事1/3)


夏休みトークラリー 7月24日

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この日行われた夏休みトークラリーでは、小学校5年生~中学校3年生の皆さんが自分で選んだ作品の前に行き、待機しているガイドスタッフのトークに参加しました。
ひとつトークを終えるごとにスタンプをもらい、これをプログラム中に3つ集めます。

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どんな場面を描いているのだろう?
作者は何を思ってこの作品を作ったのだろう?
皆で想像し、話し合いながら作品を見ていきます。
終了後には、「自分の意見を言えて楽しかった」「意見を出しあうことで作者が何を伝えたいのか知ることができた」という声も聞かれました。


私は奈良美智《Harmless Kitty》のトークを担当させていただきましたが、「目つきが悪いけど、そこが可愛い」といった最初の印象から、終盤では「作者の不満が目つきに表れている」といった、作品の意図に一歩踏み込んだ意見も聞くことができました。

 

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「トークに参加することで、作品の見え方が変わった」という感想も。
対話を通して作品を鑑賞していく今回のプログラムでは、参加者の皆さんは解説を聞くだけでなく、作品の印象などについて自ら発言する場面もありました。

限られた時間の中で、大勢の方が3つ以上のトークに参加してくれました。
まだまだ作品を鑑賞したい、名残惜しいといった様子で美術館を後にする参加者の姿も見られました。
今回のプログラムが、参加者の皆さんにとって夏休みの良い思い出になり、また再び美術館に訪れるきっかけとなることを願っています。
(インターンM