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スクールプログラム 奥州市立江刺第一中学校

本日、スクールプログラムで来館したのは、奥州市立江刺第一中学校のみなさん。
岩手県から東京に来ているところ、日本で最初の国立美術館の歴史について学びたいとMOMATへも訪れてくれました。

川合玉堂《行く春》、岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》などの重要文化財や、日本人作家の現代美術、荒川修作《アルファベットの皮膚No.3》などを鑑賞しました。3つの作品は「場所」を表現したもの。岸田劉生の作品では土の感じから場所を考えるなど、豊かな観察眼で鑑賞しました。その後は、美術館での仕事についてのインタビューもしました。

 

DSC00657インタビューの後、たまたま見かけたアントニー・ゴームリーの《反映/思索》のとなりで、作品と同じポーズをしてくれました。うんうん、そっくり。

(研究補佐員 H)


ある日の所蔵品ガイド ガイドスタッフNさん

テーマ「春、花を楽しむ」
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ご紹介した作品
・川合玉堂《行く春》1916年・徳岡神泉《椿》1922年頃
・第9室「植物・植生への眼差し」

雲のない晴れた空だったこの日は、参加者少なめのゆったりしたガイドとなりました。
川合玉堂の大きな屏風を近くから観察し、桜の枝から奥行きを感じたり、椿を写生した徳岡神泉の作品から、本物の椿ではありえなさそうな柔らかさを 感じたりと、じっくり鑑賞する時間でした。
最後の第9室では、「買って家に飾りたい作品」を一人ずつ選んで紹介していただきました。参加者の皆様は、モノクロの世界だからこその良さや、植物をズームアップして写した面白さを感じられたようです。

(研究補佐員 H)


ある日の所蔵品ガイド ガイドスタッフOさん

■テーマ「闇に光」

■ご紹介した作品
・原田直次郎《騎龍観音》
・岡本太郎《夜明け》
・荒川修作《作品》

この日は上村松園展の初日で、30名ほどが参加されました。
途中参加・途中退出する方もいらっしゃったので、少しずつメンバーを変えながらの鑑賞でした。

岡本太郎の《夜明け》は、何が描いてあるのか一目ではわからない作品ですが、「明るい、暗い?」「涼しい、暑い?」といった雰囲気から入ってゆくと、色や形から画面の中に色々なものが見つかりました。人の足、木、鳥、大きな口やしっぽなど、見れば見るほど新しいものが発見されていきます。他の方の
意見に、頷いたり、首を傾げたりしながら、「宇宙的な感じ」、「エネルギーを感じる」など作品の主題にまで会話が進んでいきました。最後には岡本太郎自身の書いた詩をガイドスタッフが朗読し、作品をじっくりと味わう時間になりました。


ある日の所蔵品ガイド ガイドスタッフNさん

■テーマ「絵の中の女性たち」

■ご紹介した作品
・藤島武二《匂い》
・山下新太郎《靴の女》
・小杉放庵(未醒)《羅摩物語》

この日の参加者は10名ほど。
女性が描かれた油彩画を3点、感じたことを自由に話し合いながら鑑賞しました。藤島武二の《匂い》には、桃色の中国服を着た女性が描かれています。その女性のテーブルには、花瓶にいけられた桃色の花と嗅ぎ煙草(香りをかいで楽しむ煙草)の小瓶が置かれています。モデルのわからない女性像。参加者全員で描かれた女性の年齢や性格を探る事からスタートしました。女性の年齢についても感じ方は様々。洋服や花のきれいな桃色から初々しさを感じて10代と考えた方、左手の指輪から既婚で20代後半だろうと予想した方、女性のやや自信ありげな表情に注目し、おそらく経験豊富な30代だろうと思った方。

みなさんが普段、女性の年齢を何から予想するのか、ちょっと気になる他人の意見を、絵を通して共有でき大いに盛り上がりました。


ある日の所蔵品ガイド ガイドスタッフYさん

■テーマ「アートと話そう、アートを話そう~自然のエナジー編~」

■ご紹介した作品
・川端龍子《草炎》
・東山魁夷《残照》
・元永定正《作品》
・リチャード・ロング《東京の石の線》

この日の参加者は10名から多い時で30名ほど。
途中参加もできるので、興味を持った方がどんどん集まってくださいました。いつもなら、集合場所の看板に作品名も明記するのですが、今回は参加するまでどの作品を扱うかわからない、ミステリーツアー形式です。


 

日本画作品では、どの季節を描いたものかという話になりました。

東山魁夷の作品を見て、
「ぼやけた感じが春のよう」「山が黒く見えるから夏だろう」「空気が澄んでいるから秋なのでは」「沈みかけの日が当たる冬のはず」と、様々な意見が飛び交いました。

元永定正の抽象画では、この作品に今まで寄せられたこどもの想像力豊かな意見を紹介すると、皆さんうなずいていらっしゃいました。
その後「作品から音を探してみましょう」ということになり、ガイドスタッフが提示したいろいろな擬音が感じられる箇所を挙げていただきました。

最後に鑑賞したリチャード・ロングの作品では、皆さまに、自分にとっての「鑑賞ベスト・ポジション」を探していただきました。ガイド終了後も、お客様同士で「ここがいいね」など、お話されている方もいらっしゃいました。

「ゴーギャン展」観覧後の方が多く、お疲れかと思いましたが、最後まで楽しんでいただけたようです。


ある日の所蔵作品ガイド ガイドスタッフIさん

■テーマ「描く悦び 鑑る愉しみ」

■ご紹介した作品
・土田麦僊《島の女》
・小林古径《機織》
・山下新太郎《窓際》
・須田国太郎《書斎》
・前田青邨《神代之巻》

この日の参加者は10名ほど。
参加者の言葉を引き出しながら鑑賞を進めています。
右写真は須田国太郎《書斎》を鑑賞している様子です。
前景に、何が描かれているのかはっきりしないモチーフがあります。
みなさんの感想もさまざま。「林檎の食べカス」「ティッシュのゴミ」「花」「人間」など、たくさんの意見が飛び交い会話も弾みます。
参加者からは、「丁寧な説明がとても良かった。心がとても爽やかになりました」という感想が寄せられました。


ある日の所蔵作品ガイド ガイドスタッフAさん

エントランスホールに、今日のテーマが掲示されます。

展示室でのトーク。お客様からの発言を受け、話題がひろがります。

■テーマ
「写実からはじまる個性の表出」

■ご紹介した作品
・岸田劉生《切通之写生》
・速水御舟《茶碗と果実》
・徳岡神泉《蓮》《狂女》
・安田靫彦《日食》

12時:ガイドスタッフルームに到着。教育普及室に出勤の連絡を入れたら、トーク資料を整えたり、トークプランの確認をしたりして過ごします。アートライブラリにも、見たい資料があってちょっと足を運びました。
 

1時:エントランスホールに、テーマと作品を書いた看板を出します。今日のテーマは「写実からはじまる個性の表出」。館内に2度のアナウンス。5分前にはお客様が集まり始めました。
 

2時:ごあいさつ、トーク開始。テーマとご紹介する作品をお伝えします。20名ほどのお客様を、4階展示室へご案内。
 

岸田劉生《切通之写生》の前へ。「90年前のある坂道を描いた作品です。どこの風景だと思われますか?」の問いに、「たぶん東京の代々木付近でしょう」と、詳しいお客様がご発言。それをきっかけに、複数の方からご意見が。Aさんは一つ一つのご意見に応じ、岸田劉生に関する解説も加えながらトークを進めます。最後には、様変わりした同じ坂道の、現在の写真を見ながら話題が広がりました。
 

速水御舟《茶碗と果実》では、「軸装してありますが、日本画に見えますか?どうでしょうか?」の問いに「影があるから変だねえ…」との声。まさに今日、Aさんが話題にしたかったテーマ「写実」へとトークは進みます。その後も、安田靫彦、徳岡神泉の作品をじっくりご紹介し、個々の作家の個性を堪能しました。ここでトークを一旦終了。希望するお客様を3階の徳岡神泉《仔鹿》(1961年)の前にご案内。Aさんは、時代によって見事に作風を変化させた徳岡神泉のもう一つの展示作品をお見せしたかったのです。お客様からの温かい拍手でトークは終了しました。
 

3時10分:看板を片付け、ガイドスタッフルームに戻り、パソコンで今日の日誌を書いて、Aさんのガイド担当日は終わります。