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平成8年度展覧会予定


(本館)
* 岸田劉生 ― 所蔵作品と資料の展示
平成5―7年度 新収蔵作品展
 6月1日(土)-7月7日(日)

後期印象派の影響がうかがわれる初期の激しい画面や、北方ルネッサン
スの画家デューラーらに傾倒する中で生み出された、対象に潜む「内な
る美」を探る細密描写の諸作品、そして晩年に回帰した東洋の美の世界
など、岸田劉生(1891-1929)は、常に時代と強く関わりながら、独自の
芸術を築いた画家として知られます。当館では平成6年度に、子息であ
る岸田鶴之助氏より、600点以上に上る貴重な関係資料をご遺贈いただ
きました。今回の展示は、その中から水彩・素描、戯画やポスター、写
真、日記、書簡、書籍などを、すでに当館が所蔵する油彩作品等とあわ
せて、ご紹介するものです。新収蔵作品の展示は、平成5年度から平成7
年度までに、新しく当館に収蔵された作品のなかから、100余点を展示
致します。

* 東京国立近代美術館・国立西洋美術館所蔵作品による
「交差するまなざし ― ヨーロッパと近代日本の美術」
 7月20日(土)-9月8日(日)

近代における西洋と日本という異なった文化の接触は、それぞれの美術
に新たな問題意識と多様な表現を生みだすことになります。東京国立近
代美術館と国立西洋美術館が共同して企画するこの展覧会では、西洋と
日本の作品を直接比較対照させながら、個々の作品が互いの美術にもつ
関心のあり所を鮮明に浮かび上がらせることによって、近代美術におけ
る両者の関わりとそれぞれ固有の展開を見つめ直そうとする試みです。

* 韓国現代美術展(仮称)
 9月25日(水)-11月17日(日)

韓国では1970年代、独自の自然感に基づいた「モノクロミズム」が世界
的な評価を得、80年代には逆に、そういったモダニズムの姿勢への批判
から、社会的現実に深くコミットした「民衆美術」運動が展開されてき
ました。そして今日、韓国の美術の状況は拡散的な多様性をしめしてい
ますが、そのなかに、70年代と80年代をともに批判的に継承し、固有の
社会的現実に根ざしながらもそこに留まらず新たな可能性を開く表現が
生み出されつつあります。本展では、その様な視点から注目される
30-40才代の作家(絵画、立体、インスタレーション)14名を選び、その
仕事を紹介します。

* プロジェクト・フォー・サバイバル展(仮称)
 12月3日(火)-平成9年1月12日(日)

現在、世界の現代美術の活動はますます個別的なものとなっています。
80年代の肥大した消費社会に対し戦略的距離を維持し、批評的な実践を
行っていた美術家たちの一部は、90年代に入ってから個人の精神の維持・
生存に関わる内省的な作品に取り組んでいます。日、米、欧の10名の美
術家によるインスタレーション、ミックスド・メディア、写真などによ
るこの展覧会は、きわめて個人的でありながら社会的メッセージに満ち
た彼らの作品により、私たちの明日を探ろうとするものです。

* 北脇昇展(仮称)
 1月25日(土)-3月2日(日)

北脇昇(1901-1951)は、1930年代半ばにシュルレアリスムに出会うこ
とで、形態の変容に関心をもち、身のまわりのごくささいなものに宇宙
的ヴィジョンを重ね合わせた特異な幻想絵画を制作しました。その後、
数学や東洋の易学を制作にとりいれ独自の図式絵画へと展開していく彼
の造形思考を、かつて彼のご遺族より当館に寄贈いただいた多数の油彩・
素描を中心に回顧・検証いたします。

* 萬鐡五郎展(仮称)
 3月15日(土)-5月11日(日)

たくましい生命感がみなぎる《裸体美人》(1912年)やヨーロッパの前衛
芸術思想と故郷である岩手県土沢の土着的な感性とを融合させた《もた
れて立つ人》(1917年)など、絶え間ない自己との格闘に裏付けられた作
品によって知られる画家、萬鉄五郎(1885-1927)。その没後70年にあたっ
て、今回油彩・水彩・水墨画などの代表作を一堂に集め、近代日本洋画
の歴史に独自の位置を占めるこの画家の軌跡を辿ります。

*企画展開催中は、常設展示「近代日本の美術」も同時開催します。


(工芸館)
* 常設展示「近代日本の工芸 I」
 4月2日(火)-5月12日(日)

* 常設展示「近代日本の工芸 II」
 6月21日(金)-9月8日(日)

* 特別展「磁器の表現」(仮称)
 9月20日(金)-11月4日(月)

磁器は、陶器に比べて金属的で冷たいというような表面的な相違にとど
まらず、形の構築や焼成のプロセスにおいて、造形の素材として全く異
なる性質を持っていると言っても過言ではありません。特に陶器とは違
う成形上の難しさは近代芸術としての磁器に様々な問題を投げかけてき
ましたが、近年、磁器を用いる作家が増加し興味深い制作を見せるよう
になってきました。今展はその新しい動向を探ります。深見陶治「遥カ
ノ景<望>」(1993)、前田昭博「面取り壷」(1989)など、約120点。

* 常設展示「近代日本の工芸 III」
 11月15日(金)-平成9年1月26日(日)
* 企画展「藤井達吉の工芸」(仮称)
同時開催:常設展示「近代日本の工芸 IV」
 2月15日(金)-3月16日(日)

近代工芸の先駆者として活躍した藤井達吉(1881ー1964)の工芸を展示
し、回顧しようとすするものです。藤井は工芸ばかりでなく、デザイン、
絵画、書など多彩な才能を発揮した人ですが、中でも明治末から昭和初
期にかけて、日本の工芸の近代化に大きな影響を与えました。これまで
あまり作品が知られず、忘れられがちでしたが、近年新たに大正時代の
作品がまとまって発見されました。これらの作品を含めて約60点を展示
します。


(フィルムセンター7階展示室)
* ポーランドのポスター 1950年代〜1980年代
 4月9日(火)-6月8日(土)

ポーランドは、“ポーランド派ポスター”という名称があるように、そ
の独特のスタイルによって戦後の世界のポスター芸術の中に確固たる地
位を築いてきました。今回は当館所蔵品を中心に各時代の作品を展示し
ます。ヴァルデマル・シフィエジ、スタシス、アンジェイ・ボンゴフス
キなどの作品、約70点。

* 所蔵作品展(写真)
 6月18日(火)-7月27日(土)

* 亀倉雄策のポスター
 8月6日(火)-9月21日(土)

現代の代表的なグラフィックデザイナーである亀倉雄策(1915年生まれ)
のポスターを展示し、その魅力を探ろうとするものです。東京オリンピッ
クのポスターをはじめ、彼の代表的な作品約80点を展観します。

* 東松照明写真展(仮称)
 10月1日(火)-11月16日(土)

戦後日本を代表する写真家の一人、東松照明(1930- )。そのこれまで
まとまって紹介される機会の少なかった1960年代から今日までのカラー
作品、約100点を展示。「桜」「京」「プラスチックス」などのシリー
ズにより、独特の視点によって捉えられた現代の日本像を展観します。

* 映画部門の展示
 11月26日(火)-平成9年2月1日(土)