開催中の展覧会

  • 2019.11.1-2020.02.02
  • 所蔵作品展

MOMATコレクション

MOMAT Collection

2019年11月1日- 2020年2月2日の所蔵作品展のみどころ

小林耕平 《東・海・道・中・膝・栗・毛》 2016年
ヴィデオ・インスタレーション
作家蔵 courtesy of ANOMALY

 MOMATコレクションにようこそ!19世紀末から今日に至る日本の近現代美術の流れを、国際的な関連も含めてご紹介します。

   展示室はぜんぶで13室。まずは第1室「ハイライト」からご覧ください。当館選りすぐりの名品が凝縮されています。2室から13室まではおおよそ時代順に、部屋ごとにテーマをたてて、各時代の美術と社会の関係をさまざまな角度から見ることができます。今回は、会期前半(11月1日-12月15日)のみ、3階10室が企画展「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」の会場になります。

  また、小林耕平《東・海・道・中・膝・栗・毛》(2016年、作家蔵)を特別展示します。弥次さん、喜多さんのかけあいで知られる江戸時代の滑稽本、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に想を得た作品で、さまざまな場所に点在していますので、どうぞお見逃しないよう。

油彩、日本画、彫刻、版画、写真、映像、さらに最近は工芸作品も充実し、ヴァラエティ豊かな構成になっています。今期も盛りだくさんのMOMATコレクション、どうぞごゆっくりお楽しみください。

出品作品リストは、こちら

今会期に展示される重要文化財指定作品

  今会期に展示される重要文化財指定作品は以下の通りです。

  • 原田直次郎 《騎龍観音》(1890年) 寄託作品(護國寺蔵)
  • 和田三造《南風》(1907年)
  • 萬鉄五郎《裸体美人》(1912年)
  • 中村彝《エロシェンコ氏の像》(1920年)

  4点の重要文化財(1点は寄託作品)についての画像と解説は、こちら

展覧会構成

4F

1室 ハイライト
2-5室 1900s-1940s 明治の終わりから昭和のはじめまで

「眺めのよい部屋」

美術館の最上階に位置する休憩スペースには、椅子デザインの名品にかぞえられるベルトイア・チェアを設置しています。明るい窓辺で、ぜひゆったりとおくつろぎください。大きな窓からは、皇居の緑や丸の内のビル群のパノラマ・ビューをお楽しみいただけます。

「情報コーナー」

MOMATの刊行物や所蔵作品検索システムをご利用いただけます。

 

1室 ハイライト

佐伯祐三《ガス灯と広告》1927年

 3,000m²に200点以上が並ぶ、所蔵作品展「MOMATコレクション」。その冒頭を飾るのは、重要文化財を含むコレクションの精華をご覧いただく「ハイライト」です。
  今回、日本画は、会期の前半(11月1日-12月15日)には、「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」にあわせて、第8回文展で二等賞を受賞した鏑木清方《墨田河舟遊》を紹介します。また、後半(12月17日-2020年2月2日)には、明治天皇遺愛の作品と伝わる菱田春草《雀に鴉》が並びます。
  工芸は、陶磁、染織、金工、木工、漆工と多彩なジャンルの作品を一堂に集めました。それぞれの作品の素材や技法に注目してお楽しみください。
  洋画は、重要文化財の原田直次郎《騎龍観音》、中村彜《エロシェンコ氏の像》をはじめ1940年代まで各時代を代表する作品が並びます。人気の藤田嗣治は、パリ時代の《五人の裸婦》と戦争記録画《アッツ島玉砕》が展示されますので、両者を比較してみてください。また日本のアーティストに多大な影響を与えたセザンヌやロダンといった海外の作家たちの作品もご覧いただけます。

 

2室 1912年|明治/大正

萬鉄五郎《裸体美人》1912年 重要文化財

 重要文化財の和田三造《南風》と萬鉄五郎《裸体美人》が隣り合っています。どちらも画面中央の人物は赤い腰巻をして、堂々としています。一方は筋骨隆々の男性、もう一方は草地におおらかに寝そべる女性。《裸体美人》の横に並ぶのは、萬が5年後に描いた同じく裸婦像、《もたれて立つ人》です。さて、それぞれの制作年に注目してみましょう《南風》は明治の終わり、《もたれて立つ人》が大正の初め、そして間に挟まれた《裸体美人》は、ちょうど明治から大正へと改元する1912年に描かれています。
 明治期の美術が、近代的な国民国家として歩み始めた新生日本の文化的なアイデンティティ創出に深く関わったとすれば、大正期の美術は芸術家の個の視点を尊重したところに特徴があります。1907年に開設された文展(文部省美術展覧会)が認める穏健なリアリズムに対抗するかのように、大正期に登場した若く野心的な作家達は、西欧のフォーヴィスムやキュビスムや未来派を吸収した新傾向を次々に展開していきました。

 

3室 1923年9月1日|第10回二科展

古賀春江 《海女》1923年頃
(展示期間:11月1日-12月15日)

 「天災は忘れた頃にやってくる」、これは物理学者の寺田寅彦の言葉とされます。1923(大正12)年9月1日11時58分、マグニチュード7.9の巨大地震が関東地方を襲います。揺れによる建物の倒壊よりも火災の被害の方がはるかに大きく、地震直後に発生した火災はまたたくまに東京の中心部を焼き尽くし、壊滅的な被害を与えました。
 この地震発生時、第10回二科展を見るため上野におもむいた寺田は、友人の画家、津田青楓と会場施設の喫茶室にいて、その時の様子を物理学者ならではの視点で文章に残しています。二科展とは、官設の文展・帝展へ不満を持った作家たちによる団体「二科」が開催する公募展です。第10回はアンリ・マティスやジョルジュ・ブラックなど同時代フランスの画家による特別陳列も企画されました。震災により東京での展示は1日のみで中止となりますが、10月に大阪へと巡回しています。
 この部屋では、10回二科展に実際に出品されていた作品を中心に、1920年代の美術表現、および芸術と震災の関わりについて紹介します。

 

4室(1) 旅の版画家、川瀬巴水(展示期間:11月1日-12月15日)

川瀬巴水《「旅みやげ 第一集」より しほ原 あら湯の秋》 1920年

 川瀬巴水は、日本各地の風景を瑞々しい感性で捉えた作品で「旅の版画家」として知られます。また明治以降衰退の道をたどっていた浮世絵版画(錦絵)の復興運動に関わった一人で、錦絵同様に、プロデューサーである版元、絵師、彫師、摺師の協同作業によって制作されていることも特徴です。
 鏑木清方に日本画を、岡田三郎助に油絵を学んだ川瀬が版画家として立つ決心をしたのが1918(大正7)年。21年の展覧会に際して出版された『川瀬巴水創作板画解説』では、清方が「川瀬の行く途は恐らく尽くるところがないであらう」と激励の言葉を寄せています。
 何が好きかと聞かれれば「旅行!」と即答したという川瀬が、旅に取材した最初の連作であり、また彼の作風を決定づけたのが「旅みやげ第一集」です。そして翌年、関西や北越地方への旅から生まれたのが「旅みやげ第二集」、関東大震災後初の連作となったのが「旅みやげ第三集」です。また1910年代末から20年代の作品に続いて、今回は川瀬の30年代以降の仕事の中から「東海道風景選集」を紹介します。

 

4室(2) 抽象の先駆者、恩地孝四郎(展示期間:12月17日-2020年2月2日)

恩地孝四郎《抒情 『あかるい時』》 1915年

 日本における抽象美術の先駆者である版画家・恩地孝四郎。1910年代に始まる抽象的な表現を中心に、昭和戦前期までの作品を紹介します。
 恩地は10代で竹久夢二に師事し、1914(大正3)年、東京美術学校に通う田中恭吉・藤森静雄とともに、木版画と詩の同人誌『月映』(つくはえ)を創刊します。この『月映』誌上で展開されたのが、日本における最初の抽象表現ともされる「抒情」シリーズです。「抒情」について恩地は以下のように述べています。「あらゆるものが生気を以て迫る。快美以上の美を以てかがやく。それらの力が私の生活を緊密にする。心の底から衝いて来る。感情の全体を一連の振動体とする。心が手に流れ、手が紙を走る。そうした所に私の抒情画が成り立つ」(「抒情画について」『感情』20号、1918年)。
 天を仰ぐ人影らしき形が認められる半抽象的な《愚人願求》に始まり、円弧の複合による《抒情 『あかるい時』》を経て、半透明の色面の擦り重ねによる《抒情 いとなみ祝福せらる》へと至る、恩地の抽象表現の展開をお楽しみください。

 

5室 1930年代|モダンの実験と成熟

北脇昇《空港》1937年

 この部屋では、1930年代の美術動向をいくつかのトピックから紹介します。
  たとえば前衛的表現の受け皿となった画廊の活動。官設の文展・帝展や二科展などの公募団体展に対して、個展やグループ展で実験的、前衛的表現を模索する作家の発表の場として、紀伊國屋ギャラリー(新宿:1927年、銀座:1932年)など数多くの小画廊が誕生したのがこの時期です。新たなスペースで行われた展覧会は、当時「街頭展」と呼ばれました。
  そして洋画の「成熟」もこの時代の特徴として挙げられます。明治、大正期から修練を積み、西洋の模倣=「切花」ではなく、西洋的写実と日本に根を張った感性との融合を目指した安井曽太郎や梅原龍三郎らは、この時期に表現上、ひとつの円熟を迎えます。
  あるいは異国の画家。安井、梅原らの日本的な油絵の探求の一方、ヨーロッパや南北アメリカへ渡り、彼の地で制作を続けた日本人画家たちがいます。加えて日本で育ち、生涯制作を続けたフランス人版画家、ポール・ジャクレーなども興味深い存在です。

 

3F

6-8室 1940年代-1960年代 昭和のはじめから中ごろまで
9室 写真・映像
10室 日本画
建物を思う部屋

 

6室 1943年|第2回大東亜戦争美術展

中村研一《珊瑚海海戦》1943年

 アジア・太平洋戦争下、軍の委嘱で制作された公式の戦争絵画を「作戦記録画」と呼びます。軍が主題を選び、戦地に派遣された画家が制作、作品は完成後に軍に収められ、戦争関連の展覧会に出品されて国内各地を巡回しました。今回はそのような展覧会のうち、1943(昭和18)年12月から翌年1月まで、東京都美術館で開かれた第2回大東亜戦争美術展を紹介します。出品370点と戦時中の戦争美術展で最大規模のこの展覧会は、半年かけて大阪、京都、福岡、佐世保、名古屋を巡回しました。1943年は、ガダルカナル島からの撤退やアッツ島での守備隊全滅、学徒兵出陣など戦局が悪化し、国民の生活も厳しさを増しつつあった時期です。にもかかわらず、主催者発表によれば、東京での動員は1ヵ月の会期で15万人を超えたといいます。
   この部屋に並ぶのは、すべて第2回大東亜戦争美術展の出品作です。当時の人々はこれらの絵が並ぶ展示空間で何を考え、鑑賞したのか、そして現在の私たちは、これらの絵から何を受け取るのでしょうか。

 

7室 1950年代(その1)|「核の時代」と「児童画ブーム」

亀倉雄策《原子エネルギーを平和産業に!》1956年


 1950年代の表現を二つのトピックから紹介します。まず「核の時代」。広島、長崎に原子爆弾が投下された1945(昭和20)年から8年後、東西冷戦下の国連総会でアイゼンハワー米国大統領が「平和のための原子力」と呼ばれる演説をします。1950年代は核の平和利用が議論された時代で、このテーマは芸術文化でも盛んに取り上げられます(原子力がエネルギー源のロボット『鉄腕アトム』の連載開始が1952年、水爆実験により目覚めた『ゴジラ』の公開が1954年)。
 もう一つは「児童画」の時代。画家の北川民次らが関わった創造美育協会による、子どもの精神解放を主眼にした理論・実践などによって、全国的な児童画ブームが生じます。教育現場だけでなく、「日本アンデパンダン展」にはプロの画家の作品に混じって児童画が出品され、また小説家の開高健が、児童画教育をテーマにした『裸の王様』で芥川賞を受賞するのも1957年のことです。開館間もない当館でも1954年に「世界の児童画」展が開かれ、児童画を「作品」として展示、そしてこの頃に描かれた児童画が、現在「資料」として所蔵されています。

 

8室 1950年代(その2)|前衛美術会とニッポン展

山下菊二《あけぼの村物語》1953年

 1953(昭和28)年、「課題をもった美術展 “ニッポン”」(ニッポン展)という展示が東京都美術館で開催されます。展覧会には、後に1950年代美術を語るうえで欠かすことのできない作品となる山下菊二《あけぼの村物語》や河原温〈浴室〉シリーズ(12月15日まで展示)などが含まれていました。
 この展覧会の共催に「前衛美術会」という左翼的な美術団体が名を連ねていました。《原爆の図》で知られる丸木位里、丸木俊(赤松俊子)、山下菊二、現在、絵本作家として知られるいわさきちひろ(岩崎知弘)など多様な作家が参画し、戦後間もない1947年に結成され、同年から「前衛美術展」を開催します。その7回展となる53年、反戦・反画壇志向の作家が結集した「青年美術家連合」(前衛美術会の山下もその一員でした)に、美術館の会場枠を貸出すかたちで開催されたのがニッポン展です。この部屋では前衛美術会およびニッポン展というトピックを入口に、1950年代の表現を紹介します。

 

9室 奈良原一高 「無国籍地」

奈良原一高《「無国籍地」より》1954-56年

 奈良原一高の最初期作品「無国籍地」を紹介します。デビュー作「人間の土地」と並行して撮影されていたもので、隔絶された空間に生きる人々をめぐる「人間の土地」とは対照的に、ほぼ無人の空間と向き合った内省的な作品です。
 戦争の時代に育ち、10代半ばで敗戦を経験した奈良原にとって、戦後の社会空間は、「平和を見るよりは真空と不毛を味わわせ」るものだったといいます。作品の舞台、戦後廃墟となっていた軍需工場跡は、その真空で不毛に感じられた社会の象徴ととらえることができるでしょう。そこでの撮影とは、写真家として、また一人の青年として、自らの立脚点を見定めるような作業だったのかもしれません。
 この頃、美術史を学ぶ大学院生だった奈良原は、同世代の若い美術家たちとも親交があり、今回、第8室で展示されている河原温の《浴室》シリーズ(12月15日まで展示)のうち2点は、当初奈良原が河原から購入したものであったことが知られています。奈良原の「無国籍地」と河原の《浴室》や《物置小屋の中の出来事》(12月17日から展示)の同時代性にもご注目ください。

 

10室 「画家の眼、虫の眼」と「源平海戦絵巻」(展示期間:12月17日-2020年2月2日)

小茂田青樹《虫魚画巻》1931年

 奥のコーナーでは、草花、そして虫をはじめとした小さな生物が描かれた作品を並べています。現実の草むらや森にたたずんだ時に経験するような、豊かな匂いや音、それに動きはありません。残念ながら野イチゴやビワなどをもいで食べることもできません。けれど、さまざまな画家たちの作品がこのように並ぶことで、視点は次々に切り替わり、一人の眼では普通経験することのない、豊かな自然の諸相に出会うことができます。細密な写生、装飾的な色面といったそれぞれの表現から、画家が世界をとらえる解像度のようなものが感じられるでしょう。ミクロな視点からマクロな視点まで、そのまなざしは実に多様です。さらに、それぞれの画家がまなざす対象としての虫を入口に、時に虫のまなざしまで想像しながら、ご覧いただければと思います。
 手前のコーナーでは、小泉八雲原作、小林正樹監督による映画『怪談』(1965年公開)のために描かれた大作(全5部作)、中村正義「源平海戦絵巻」シリーズを一挙公開いたします。

 

2F

11–12室 1970s-2010s 昭和の終わりから今日まで

 *ギャラリー4(13室)

11室 1960年代|美術館ではない場所を二つ

ハイレッド・センター《「シェルター計画」より 「シェルター模型(川仁宏)」》 1964年

 1960年代の美術動向を二つの場所から紹介します。まず「南画廊」。志水楠男(1926-1979)が1956(昭和31)年、日本橋高島屋そばに設立した現代美術の画廊です。山口長男など日本の戦後美術の主要作家を扱う一方、59年、画家本人を招待して開催した「フォートリエ」展で大きな成功を収めます。以後1960~70年代を通じて、国内外の現代美術を紹介し、大きな影響力を持つ先進的画廊として注目を集め続けました。
 もう一つは高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之によって1963年春に結成された「ハイレッド・センター」。グループ名は3人の頭文字「高」「赤」「中」をつなげて英訳したものです。画廊での発表にとどまらず、都市空間に積極的に進出し、1964年の東京オリンピック開催中、銀座の街頭で行った「首都圏清掃整理促進運動」などのイベントを通して、芸術と日常生活との境界線を撹拌していきます。今回は帝国ホテルの一室で行ったイベント「シェルター計画」を中心に彼らの活動をご覧いただきます。

 

12室 1970-1980年代|独自かつ類似について

アンソニー・カロ《ラップ》 1969年
Courtesy of Barford Sculptures Ltd
Photo: John Riddy

 当館が扱う近代日本の美術の歴史において、西洋との関係は常に大問題として横たわっていて、その関係は模倣や受容という観点から語られがちです。この非対称の関係に対して、戦後美術においては「同時代的」という語りが増えていきます。日本で見られるある表現は、西洋の模倣でなく独自だ、しかし、同時代の西洋にその表現に類似するものが見つかる、というような。「同時代性」には「独自かつ類似」というニュアンスが含まれているわけです。ここには独自だけを突き進んだ先のガラパゴス化をどう評価するのかという問題もあるでしょう。
 テーブル、箱、しみ、規則的反復といった類似性によって、日本の作家と海外の作家が隣り合っています。このようなペアリングは並べる側の恣意的選択なのか、あるいは並べる必然性のある同時代性というものが存在するのかを少し気に留めてご覧ください。この同時代性(独自性/類似性)は、日本の戦後美術をどう評価し、歴史的に位置づけられるのか、という問題へとつながっていきます(ちなみに近年の日本では1980年代の美術が歴史化の対象になりつつあります)。

 

13室(ギャラリー4) 1990年代以降|「鑑賞」と「旅」

奈良美智《Harmless Kitty》 1994年

 この部屋には主に1990年代以降の作品が並びます(部屋の外の田中功起、ジュリアン・オピー、アントニー・ゴームリーの作品も含めて)。そしてコレクション展内に点在する小林耕平《東・海・道・中・膝・栗・毛》も、ここでようやく同時代の作品と隣り合うことになります。
 小林の作品には「オブジェクトを鑑賞することで、十返舎一九『東海道中膝栗毛』を旅する」というコンセプトがあります。この「鑑賞」と「旅」という問題は、「日本の近現代美術の流れ(旅)」の「展観(鑑賞)」というコレクション展全体へと接続されます。小林の作品で展開する「鑑賞」の指南は、普通イメージされる「教える―学ぶ」という非対称的な関係にないことは大事です。指南する側は、時に指南される側から突っ込みを受けますが、これを小林は「制作者と鑑賞者の原作までの距離が同じになる」とします。そしてそのような「関係は、オブジェクトに対する観察を促すと同時に、概念やイメージを増幅させることでもある。増幅された作品はすでに作者も鑑賞者も乗り越えている」のだといいます。さて、「旅」の終わりに、作者も鑑賞者も乗り越えた作品に、出会えましたか?

 

イベント


MOMATガイドスタッフによる所蔵品ガイド

休館日を除く毎日

日程: 2019年11月1日(金)~2020年2月2日(日) 
時間: 14:00-15:00
場所: 所蔵品ギャラリー(1Fエントランス集合)
※イベント開催日には中止する場合や、時間を変更する場合があります。

所蔵品ギャラリーでは毎日、作品解説が行われています。
当館のボランティア「MOMATガイドスタッフ」が、参加者のみなさまと会場をまわり、数点の作品を一緒に鑑賞しながら、作品についての理解を深められるようにお手伝いします。
作品とテーマは、ガイド前に1階エントランスに掲示されます。
約40名のガイドスタッフそれぞれ、作品とテーマが異なりますので、何度参加されてもお楽しみいただけます。

*「MOMATガイドスタッフ」のページもあわせてご覧ください。
*「教育普及室ブログ」でも様子を写真付きで詳しく紹介しています。


MOMATガイドスタッフによるハイライト・ツアー

日程:   2019年11月3日(日)、12月1日(日)
                   2020年1月5日(日)、2月2日(日)

時間:    11:00-12:00
場所:    所蔵品ギャラリー(4Fエレベーター前集合)

近代日本の美術の流れをたどりつつ、所蔵作品展「MOMATコレクション」の見どころを押さえたい方に。MOMATガイドスタッフが、参加者の皆様とともに4階から2階までをまわり、代表的な所蔵作品を、やさしく解説します。


キュレーター・トーク

日 程  : 11月2日(土)
担当研究員: 三輪健仁
テーマ  : 「鑑賞」と「旅」
時 間  : 14:00-15:00
場 所  : 1階エントランスホール

日 程  : 12月20日(金)
担当研究員: 中林和雄
時 間  : 18:00-19:00

日 程  : 1月10日(金)
担当研究員: 鈴木勝雄
時 間  : 18:00-19:00

過去のテーマはこちら


  

会場:
東京国立近代美術館本館所蔵品ギャラリー(4F-2F)
会期:
2019年11月1日(金)~ 2020年2月2日(日)
開館時間:
10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)
※入館は閉館30分前まで
休室日:
月曜日[ただし11月4日、12月2日、2020年1月13日は開館]、11月5日(火)、年末年始(12月28日[土]-2020年1月1日[水・祝])、1月14日(火)  →月間カレンダーもご参照ください。 
観覧料:
一般 500円 (400円)
大学生 250円 (200円)
5時から割引:
一般 300円
大学生 150円
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料
※金曜・土曜の17時以降の入館は「MOMATコレクション」観覧料が一般300円、大学生150円になります。
※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。
キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。
「友の会MOMATサポーターズ」「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。

「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ)

※本展の観覧料で、入館当日に限り、工芸館 所蔵作品展「パッション20 今みておきたい工芸の想い」(12月20日-2020年3月8日)もご観覧いただけます。
無料観覧日:
毎月第一日曜日(11月3日、12月1日、2020年1月5日、2月2日) 、2020年1月2日
*所蔵作品展 「MOMATコレクション」のみ
*11月3日は全館無料です。
主催:
東京国立近代美術館

プレスリリース

出品リスト

所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)のご案内

9室「写真・映像」

9室「写真・映像」*

10室 「日本画」*

「眺めのよい部屋」*

「眺めのよい部屋」*

 「MOMATコレクション」展は、日本画、洋画、版画、水彩・素描、写真など美術の各分野にわたる13,000点(うち重要文化財15点、寄託作品2点を含む)を超える充実した所蔵作品から、会期ごとに約200点をセレクトし、20世紀初頭から今日に至る約100年間の日本の近代美術のながれを海外作品も交えてご紹介する、国内最大規模のコレクション展示です。最近は工芸館で管理する工芸作品も登場させるようになっています。

 ギャラリー内は、2012年のリニューアルによって、12の部屋からなるスペースに生まれ変わりました。その1室から12室までを番号順にすすむと、1900年頃から現在に至る美術のながれをたどることができます。そして、そのうちのいくつかは「ハイライト」、「日本画」という特別な部屋、あるいは特集展示のための部屋となって、視点を変えた展示を行っています。

 「好きな部屋から見る」、「気になる特集だけ見る」あるいは「じっくり時間の流れを追って見る」など、それぞれの鑑賞プランに合わせてお楽しみください。

 

 


展示替えについて

年間数回大きく作品を入れ替えています(会期によっては、さらに日本画を中心とした一部展示替があります)。

展覧会構成はこちらをご覧ください。 


このページ内の会場風景はすべて撮影時のものであり、現在の展示と同じとは限りません。
*印:いずれもphoto: 木奥恵三

 

所蔵品ギャラリーについて

 「MOMATコレクション」では12(不定期で13)の展示室と2つの休憩スペースが3つのフロアに展開し、2Fテラス付近や前庭にも屋外彫刻展示を行っています。マップの水色のゾーンが「MOMATコレクション」です。4Fには休憩スペース「眺めのよい部屋」を併設しています。

所蔵作品展「MOMATコレクション」の会場入口は4Fです。1Fエントランスホールからエレベーターもしくは階段をご利用のうえ、4Fまでお上がりください。

音声ガイドのご案内-コレクションをもっと身近に、もっと楽しく!

 所蔵作品展「MOMATコレクション」では、解説を聴きながら、所蔵品ギャラリーを巡ることができます。

 作品のいろいろな面が見えてくる、そんな発見がいっぱいの音声ガイドです。ぜひご利用ください。

  • 1F受付にて貸出・返却
  • ご利用料金:300円