東京国立近代美術館フィルムセンターは2018年4月1日に東京国立近代美術館より独立し、新しい組織「国立映画アーカイブ」となりました。
こちらは、アーカイブされたフィルムセンターの過去のページです。最新情報は、「国立映画アーカイブ」のホームページをご覧ください。
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会期:2016年1月16日(土)-2月28日(日)
※土曜日・日曜日のみの上映となります。
※展覧会関連上映です(展覧会詳細は上記リンクをご覧ください)。
会場:小ホール
定員:151名(各回入替制)
発券:地下1階受付
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
★開映後の入場はできません。
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。
キューバは1959年の革命以降、国立の映画芸術産業庁(ICAIC)を拠点に次々と先鋭的な映画を送り出してきた「小さな映画大国」でもあります。展覧会「キューバの映画ポスター」の開催に合わせて、革命初期から1980年代までの重要作を上映し、「革命のための映画」を超えて映画表現自体の革新に至ったキューバ映画の流れをたどります。
■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=解説
■上映作品にはすべて日本語字幕が付いています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
沼地で木炭を採取する労働者の悲惨な生活を捉え、バチスタ政権から上映を禁止されたセミ・ドキュメント映画。ブニュエル『糧なき土地』の系譜にも連なる、革命キューバ映画の二人の建設者の共同作品。
農民が初めて自分の耕地を得て新しい村の建設を志す。革命最初期の記録映画で、アレアやエスピノーサらは並行して映画芸術産業庁(ICAIC)の設立に携わった。
革命軍の戦闘を「負傷者」「反乱者たち」「サンタ・クララの戦い」の三挿話にまとめた硬質のセミ・ドキュメントで、新政権誕生後初の長篇。ローマの映画実験センターでネオレアリズモ映画に学んだアレアたちは『戦火のかなた』の名撮影監督マルテッリを招いた(第1・2話)。
エフトゥシェンコの叙事詩の映画化で、1990年代から世界的再評価の波に浴したソ連との合作。一人称のキューバが語る革命前の四つの光景が、躍動感ある演出とウルセフスキーの超絶的キャメラワークで捉えられる。上映バージョンは2005年に復元されたスペイン語版。
キューバ危機直前の世情にあって、革命にも献身できず、かといってアメリカに逃げる気もない孤独な知的傍観者セルヒオの精神の彷徨を描く。1960年代キューバ映画の成熟を示し、今やラテンアメリカ映画の最重要作の一つと評されている。
東部山岳地方を訪れた巡回映写班を追った記録で、チャップリンに見入る人々の表情が印象的。テレビ出身で、プラハで学んだコルタサルの帰国第1回作品。
スペイン植民地だった1895年、アメリカ支配が強まる1932年、そして革命の1960年代という三つの時代を生きた三人の“ルシア”を通して、キューバ女性の愛と自立を謳ったオムニバス巨篇。26歳のソラスによる時に荒々しく時にロマンティックな演出が鮮烈。
ベトナム戦争におけるアメリカの北爆停止を受けて、キューバの撮影隊が現地で撮った映像をまとめ、アメリカの戦略と北ベトナムの反応を分析するエスピノーサの記録映画。ニュース映画「ICAICラテンアメリカ・ニュース」でも知られるキューバは、アジア、アフリカの解放闘争にも撮影隊を派遣した。
18世紀末、サトウキビ園を経営する伯爵は、キリストの「最後の晩餐」を模して12人の奴隷を豪華な夕食に招待する。伯爵が語る“神学”にもかかわらず、最後には反逆と弾圧の血なまぐさい戦争に突入する。複雑な論理の衝突をさばいたアレア監督の重厚な演出が光る。
革命などつぶれると信じてキューバに留まった歴史あるオロスコ一族。闇物資を手にし、アメリカの侵攻事件にも喜ぶ当主だが、革命政権は倒れない。一家の生活は苦しくなり、召使やお抱えの農民も逃げてゆく。世の中から隔絶した豪邸を舞台に、ブニュエル作品を思わせるブラックな感覚に満ちた作品。
球界の花形として活躍しながら、引退を控えた黒人のスター選手ロペスが人生最後の打席に臨む。キューバ野球界を背景に、ひとりの黒人選手の人生模様を綴ったドラマで、キューバ初のボクシング世界王者キッド・チョコレートなど新旧のスポーツ選手もゲスト出演。
1967年、ハバナの全寮制高校に転入したダビドに、級友たちがクラスで評判の美人オルガをくっつけようと画策する。ひとりの少年が恋愛や性に目覚める様を1960年代のヒット曲に乗せて描いた学園ドラマで、ウンベルト・ソラスなどの助監督だったロハスの初の長篇。
1930年代から革命期まで、時代ごとの権力者に取り入りしたたかに生き抜いたプレイボーイの生き様を痛烈に皮肉ったドラマ。イタリアの作曲家ルイジ・ノーノが参加、他にも革命前のキューバ音楽、マンボやプレスリーのナンバーまで取り入れた音楽構成も魅力で、ソラス監督の円熟を示した。
革命闘争の最盛期、投獄された青年活動家と彼を訪れた娘が惹かれ合う。当時行われた革命派の宣伝手法を脚本に活かしつつ、街頭の戦闘シーンも盛り込んだ青春映画。ニュース映画の経験もあるペレスの初の長篇で、以降も現代キューバの看板監督として『永遠のハバナ』(2003年)などで気を吐く。
1913年、空を飛ぶという夢を持つマタンサスの青年ファンが自分の姿を見守るマリアと恋におちる。二人は恋文を代筆屋ペドロに頼むが、彼は自身のマリアへの恋心を手紙に記すようになる。ガルシア=マルケスの原作を元に、三角関係をロマンティックに綴るスペインとの合作。
★作品によって開映時間が異なりますのでご注意ください。