東京国立近代美術館フィルムセンターは2018年4月1日に東京国立近代美術館より独立し、新しい組織「国立映画アーカイブ」となりました。
こちらは、アーカイブされたフィルムセンターの過去のページです。最新情報は、「国立映画アーカイブ」のホームページをご覧ください。
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黒澤明監督の作品ほど、世界各地を駆け回り、あまねく上映されてきた日本映画はないでしょう。1951年、ヴェネチア国際映画祭で『羅生門』が金獅子賞を受賞して以来、《クロサワ》の名は世界の映画界を席巻し、日本映画の高い芸術性を示すシンボルとなってきました。1998年の逝去から20年、今も変わらずその名はとどろいています。
しかし、そのような映画史上の巨匠といえども、その評価の果てしない拡がりを実感することは簡単ではありません。国立映画アーカイブの開館記念企画となるこの展覧会では、黒澤明研究家・槙田寿文氏のコレクションから、世界30か国にわたる黒澤映画のポスター84点を中心に、海外とのかかわりを示す資料も展示し、その卓越した国際性に光を当てます。
生前の黒澤監督は「映画は世界の広場」であると語っていました。しかしその版図は欧州や北米だけに止まるものではありません。各国のデザイナーや画家たちの、作品の力感に沿った筆致や大胆で前衛的な解釈とともに、《世界言語》としての黒澤映画をぜひ体感してください。
『影武者』東ドイツ版(1981年)
ポスター:オットー・クンメルト
『蜘蛛巣城』イタリア版[2シート判](1959年) ポスター:カルラントニオ・ロンジ
『酔いどれ天使』ポーランド版(1960年) ポスター:ウワディスワフ・ヤニシェフスキ
『七人の侍』イギリス版[アカデミー・シネマ版](1950年代) ポスター:ピーター・ストロスフェルド
『用心棒』アメリカ版(1961年)
『七人の侍』ポーランド版(1960年)
ポスター:マリアン・スタフルスキ
『天国と地獄』イギリス版(1963年)
『生きる』アルゼンチン版(1950年代)
『赤ひげ』タイ版(1965年)
『赤ひげ』キューバ版(1966年)
ポスター:エドゥアルド・ムニョス・バッチ
※詳細は後日ホームページなどでお知らせいたします。
※詳細は後日ホームページなどでお知らせいたします。
※申込不要、参加無料(展示室内で開催のトークは、観覧券が必要です)。
※当日の企画上映チケットの半券をご提示いただくと、割引が適用されます。
※詳細は後日ホームページなどでお知らせいたします。
マンハッタンのKUROSAWA―アメリカの黒澤明事情
日程:7月21日(土)
講師:平野共余子(映画史家、元ジャパン・ソサエティ映画部門ディレクター)
展示品解説―映画ポスター史の視点から
日程:8月25日(土)
講師:岡田秀則(当館主任研究員)
クロサワはどのように世界で発見されたのか?
-展示資料の読み解き方
日程:9月8日(土)
講師:槙田寿文(黒澤明研究家、本展出品者)
上映 ―『生きものの記録』ダイレクトプリント
国立映画アーカイブの開館記念上映企画「映画を残す、映画を活かす」(4月10日~23日)の中で、黒澤監督作品『生きものの記録』(1955年)を、可燃性オリジナルネガフィルムから作成したダイレクトプリントで上映いたします。
第1回 4月17日(火)7:00pm
第2回 4月21日(土)1:00pm
*詳細は後日ホームページなどでお知らせいたします。
*上映企画「シネマ・エッセンシャル(仮)」(8月21日~9月2日)でも黒澤監督作品の上映を予定しています。