東京国立近代美術館フィルムセンターは2018年4月1日に東京国立近代美術館より独立し、新しい組織「国立映画アーカイブ」となりました。
こちらは、アーカイブされたフィルムセンターの過去のページです。最新情報は、「国立映画アーカイブ」のホームページをご覧ください。
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監督ジャン=ピエール・メルヴィル、その名はフランス映画の歴史の中でも特別な輝きを放っています。少年期からアメリカ映画に傾倒、助監督修業を経ずにまったくの自主製作で長篇デビュー作『海の沈黙』(1949年)を送り出したメルヴィルは、ジャン・コクトーの依頼による『恐るべき子供たち』の映画化(1950年)などで頭角を現し、そのインディペンデント魂は若きヌーヴェル・ヴァーグの監督たちから敬愛されました。
やがて優れた暗黒映画の作り手として認められ、『いぬ』(1962年)、『ギャング』(1966年)、『サムライ』(1967年)、『仁義』(1970年)といった硬質の犯罪映画、そして対独レジスタンス経験に根差した戦争大作『影の軍隊』(1969年)などはフランス映画に一時代を築きます。とりわけジャン=ポール・ベルモンド、アラン・ドロンという二大スターは、メルヴィル作品とともに新境地を開いたといっても過言ではありません。善悪を合わせ持った複雑な人間像を描き出し、男たちの絆と裏切りをドラマに塗り込めたメルヴィルは、日本を含む現代のアジア映画にも強い影響を与えています。
メルヴィルが生誕100年を迎えるこの2017年、フィルムセンターは、ドキュメンタリー『コードネームはメルヴィル』(2008年)の監督オリヴィエ・ボレール氏が長年収集してきた資料を中心にその孤高の生涯と業績を振り返ります。PFFや角川シネマ新宿での代表作の上映、アンスティチュ・フランセ東京での上映やイベントと併せ、メルヴィルの“黒”の世界に触れてみてください。
『恐るべき子供たち』オリジナルポスター(1950年)
『賭博師ボブ』オリジナルポスター(1955年)
『影の軍隊』日本版ポスター(1970年)
『サムライ』日本版ポスター(1968年)
『仁義』日本版ポスター(1970年)
『いぬ』(1962年) 撮影中のメルヴィル(右)とセルジュ・レジアニ ©Interpress
『恐るべき子供たち』(1950年) ニコル・ステファーヌとエドゥアール・デルミット ©André Dino
『海の沈黙』(1949年) 撮影中のスナップ ©Gaumont
凡例:
・展示空間は9つの章に分かれていますが、この出品リストでは、原則としてメルヴィル監督の各作品ごとに分かれています。
・出品内容はやむを得ず変更される場合があります。
・所蔵者が特記された資料以外はオリヴィエ・ボレール氏の所蔵です。
・本リストの順序と会場内での配列順序は一致していない場合があります。
『海の沈黙』オリジナル・ポスター 作:ベルナール・デュヴァル
写真(4点):『海の沈黙』スチル写真
雑誌「シネマトグラフィー・フランセーズ」1949年3月26日号
雑誌「エクラン・フランセ」1949年5月3日号
雑誌「パリ・マッチ」1949年5月7日号
『海の沈黙』オリジナル・プレス資料
ヴェルコール著『海の沈黙』(1942年)
ヴェルコール著『海の沈黙』英訳書「灯りを消せ」
写真(5点):『海の沈黙』スチル写真、スナップ写真
写真(1点):『海の沈黙』スチル写真
『恐るべき子供たち』オリジナル・ポスター 作:ロシェ・ヴァシェ
写真(6点):『恐るべき子供たち』セット写真
ジャン・コクトー著『恐るべき子供たち』初版(1929年)
ジャン・コクトー著『恐るべき子供たち』挿画入り(1934年)
『恐るべき子供たち』オリジナル・プレス資料
写真(6点):『恐るべき子供たち』スチル写真、スナップ写真
『この手紙を読むときは』オリジナル・プレス資料
写真(4点):『この手紙を読むときは』スナップ写真、スチル写真
『この手紙を読むときは』オリジナル・ポスター
雑誌「モン・フィルム」1954年2月10日号
雑誌「フィルム・デュ・クール」1959年8月20日号
雑誌「シネモンド」1953年6月26日号
メルヴィルのサイン入りロジェ・デュシェーヌの写真
『賭博師ボブ』アメリカ版ポスター(1982年)
写真(5点):『賭博師ボブ』スチル写真
『賭博師ボブ』オリジナル・ポスター 作:ジャン・マッシー
写真(3点):『賭博師ボブ』セット写真、スチル写真
『賭博師ボブ』西ドイツ版プレス資料(1958年)
『賭博師ボブ』オリジナル台本
『マンハッタンの二人の男』オリジナル・ポスター 作:ジョルジュ・ケルフィゼール
『マンハッタンの二人の男』イタリア版ポスター 作:ピオヴァーノ=ストゥディオ・パラディソ
写真(3点):『マンハッタンの二人の男』スチル写真、スナップ写真
『マンハッタンの二人の男』サウンドトラックLPレコード
『モラン神父』オリジナル・ポスター 作:レイモン・ジッド
『モラン神父』イタリア版ポスター
写真(8点):『モラン神父』スナップ写真、スチル写真
写真(2点):『モラン神父』英国版スチル写真
美術資料(4点):『モラン神父』セット・デザイン 美術:ダニエル・ゲレ
『モラン神父』日本の雑誌記事
ベアトリクス・ベック著『神父レオン・モラン』初版(1952年)
英国の雑誌「フィルム・アンド・フィルミング」1962年3月号
雑誌「カイエ・デュ・シネマ」1961年10月号(124号)
『いぬ』スペイン版ポスター 作:アルベリック
『いぬ』ルーマニア版ポスター
写真(6点):『いぬ』スナップ写真、スチル写真
写真(4点):『いぬ』スナップ写真
宣伝資料(3点):『いぬ』西ドイツ版ロビーカード
ピエール・ルズー著『いぬ』(1957年) 「暗黒叢書」初版
『いぬ』原作タイアップ広告
『いぬ』アメリカ版プレス資料
『フェルショー家の長男』オリジナル・ポスター 作:ジュイノー=ブルデュージュ
『フェルショー家の長男』フィンランド版ポスター
美術資料:『フェルショー家の長男』セット・デザイン 美術:ダニエル・ゲレ
写真(5点):『フェルショー家の長男』スチル写真
宣伝資料(8点):『フェルショー家の長男』 西ドイツ版ロビーカード
写真(2点):『フェルショー家の長男』スナップ写真
雑誌「カイエ・デュ・シネマ」1963年3月号(141号)
美術資料(5点):『用心深い男』セット・デザイン 美術:ダニエル・ゲレ
『用心深い男』 リチャード・デミング著「キス・アンド・キル」(1961年)
『用心深い男』オリジナル台本
実現しなかった企画「ラ・レクレアシオン」(1960年)
実現しなかった企画「ドンファンたち」(1961年)
『ギャング』スペイン版ポスター
『ギャング』ベルギー版ポスター
『ギャング』オリジナル・ポスター
『ギャング』オリジナル・プレス資料
雑誌(2点):「フィルム・フランセ」1966年6月24日号、1967年1月13日号
写真:『ギャング』撮影中のリノ・ヴァンチュラ
写真(3点):『ギャング』スチル写真
写真(5点):『ギャング』スチル写真
『サムライ』アメリカ版ポスター(1972年)
『サムライ』オリジナル・ポスター
『サムライ』オリジナル・ポスター 作:ルネ・フェラッチ
『サムライ』イタリア版ポスター
宣伝資料(2点):『サムライ』メキシコ版ロビーカード
写真(3点):『サムライ』スナップ写真
写真(7点):『サムライ』スチル写真
『サムライ』日本の雑誌記事
『サムライ』サウンドトラックEPレコード
英国の雑誌「サイト・アンド・サウンド」1968年夏号
雑誌「テレラマ」1967年11月12号
『影の軍隊』イギリス版ポスター
『影の軍隊』ユーゴスラヴィア版ポスター
写真:『影の軍隊』のシモーヌ・シニョレ
写真(6点):『影の軍隊』スチル写真
写真(2点):『影の軍隊』スナップ写真
ジョセフ・ケッセル著『影の軍隊』(1944年)
『影の軍隊』サウンドトラックEPレコード
『仁義』オリジナル・ポスター 作:ルネ・フェラッチ
『仁義』イタリア版ポスター
『仁義』オーストラリア版ポスター
写真(3点):『仁義』スチル写真
『仁義』サウンドトラックLPレコード
写真(6点):『仁義』スチル写真、スナップ写真
写真(2点):『仁義』スナップ写真
『仁義』イヴ・モンタン使用台本
『リスボン特急』オリジナル・ポスター 作:ルネ・フェラッチ
『リスボン特急』東ドイツ版ポスター
写真(4点):『リスボン特急』撮影中のメルヴィル
写真(6点):『リスボン特急』スチル写真
『いぬ』日本版ポスター フィルムセンター所蔵
『ギャング』日本版ポスター フィルムセンター所蔵
『サムライ』日本版ポスター フィルムセンター所蔵
『影の軍隊』日本版ポスター フィルムセンター所蔵
『仁義』日本版ポスター フィルムセンター所蔵
『リスボン特急』日本版ポスター フィルムセンター所蔵
三島由紀夫「個人が組織を倒す道徳 《サムライ》について」、「映画芸術」1968年5月号 フィルムセンター所蔵
「『影の軍隊』とジャン・ピエール・メルヴィルとレジスタンスをめぐる映画的討論」、「キネマ旬報」1970年4月上旬号 フィルムセンター所蔵
漫画「松田優作物語」(2004年) フィルムセンター所蔵
写真:ジャン=ピエール・メルヴィル(1967年) 撮影:トニー・グリラ
『影の軍隊』
『仁義』
1 展覧会によせて
2 経歴、そして『海の沈黙』と『恐るべき子供たち』
a メルヴィルになるまで
b 『海の沈黙』
c 『恐るべき子供たち』
3 「ハーフトーン」の3作品
a 『この手紙を読むときは』
b 『賭博師ボブ』
c 『マンハッタンの二人の男』
4 ベルモンド三部作
a 『モラン神父』
b 『いぬ』
c 『フェルショー家の長男』
5 『ギャング』
6 『サムライ』
7 『影の軍隊』
8 『仁義』と『リスボン特急』
a 『仁義』
b 『リスボン特急』
c メルヴィルの遺したもの
9 メルヴィルと日本
※申込不要、参加無料(展示室内で開催のトークは、観覧券が必要です)。
※当日の企画上映チケットの半券をご提示いただくと、割引が適用されます。
※詳細は後日ホームページなどでお知らせいたします。
ノワール映画の系譜ーフランスから香港へ
日程:9月30日(土)
時間:3:00pm-
場所:展示室ロビー(7階)
講師:野崎歓氏(東京大学文学部教授)
※終了しました。
メルヴィル再発見ー生誕100年を迎えて
日程:11月4日(土)
時間:4:00pm-
場所:展示室内(7階)
講師:オリヴィエ・ボレール氏(本展企画者、記録映画『コードネームはメルヴィル』監督)
*逐次通訳つき
※終了しました。
メルヴィル映画の思い出とその影響
日程:12月2日(土)
講師:小林政広氏(映画監督)
時間:3:00pm-
場所:展示室ロビー(7階)
※終了しました。
第39回PFF(ぴあフィルムフェスティバル) 何度でも!メルヴィル
会期:9月16日(土)~9月29日(金) 『ギャング』ほか5作品を上映
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター
*詳細は第39回PFFをご参照ください。
ジャン=ピエール・メルヴィル生誕百年 関連上映・シンポジウム
会期:11月4日(土)~11月5日(日)
会場:アンスティチュ・フランセ東京(飯田橋)
主催:アンスティチュ・フランセ日本
*詳細はアンスティチュ・フランセ東京のサイトをご参照ください。
ジャン=ピエール・メルヴィル特集
会期:11月11日(土)~11月17日(金) 『いぬ』『影の軍隊』『仁義』ほか代表作を上映
※チラシ・ポスター上では「11月15日(水)~11月21日(火)となっておりますが、正しい会期は上記の通りです。ご諒承ください。
会場:角川シネマ新宿
提供:アンスティチュ・フランセ日本、マーメイドフィルム
配給:コピアポア・フィルム
*詳細は公式サイトをご参照ください。