東京国立近代美術館フィルムセンターは2018年4月1日に東京国立近代美術館より独立し、新しい組織「国立映画アーカイブ」となりました。
こちらは、アーカイブされたフィルムセンターの過去のページです。最新情報は、「国立映画アーカイブ」のホームページをご覧ください。
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会期:2018年4月10日(火)-4月22日(日)
4月の休館日:月曜日、4月1日(日)-4月9日(月)
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)
*大ホールは、2018年4月1日より長瀬記念ホール OZUと改称します。
定員:310名(各回入替制・全席自由席)
国立映画アーカイブについてはこちらをご覧ください。
国立映画アーカイブ開館記念の企画上映第一弾「映画を残す、映画を活かす。」では、1952年の東京国立近代美術館(当時は国立近代美術館)フィルム・ライブラリー事業から始まった、日本における映画アーカイブの歩みをふり返り、多くの映画人と関係者、フィルム所有者の協力を得て収集・保存された8万本を超える所蔵フィルムの中から、日本映画史上の代表的な映画人、トピックをおさめた映像を厳選し、その映画人の代表作や近年の復元作とあわせて紹介します。
小津安二郎、黒澤明、衣笠貞之助、稲垣浩、五所平之助たちの演出風景や、成瀬巳喜男やマキノ雅弘、阪東妻三郎らが談笑する姿、そして尾上松之助やかつての撮影所がスクリーンに甦る瞬間、あるいは『生きものの記録』『煙突の見える場所』が、本来の驚くほど艶やかで豊かな階調の白黒映像をスクリーン上に再現する瞬間、映画が私たちの時や記憶を後世へと紡ぐ貴重な文化遺産であり、20世紀芸術であることをあらためて実感されることでしょう。
本特集で、これらの映画人たちの功績に思いをはせながら、映画を、歴史的文化遺産として大切に保存すると同時に、来るべき世代も私たちと同じように作品本来の表現を鑑賞できるようにする、その意義と必要性を感じていただければ幸いです。皆様のご来場をお待ちしています。
■(監)=監督 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
日本初の映画スター・尾上松之助(1875-1926、本名・中村鶴三)の人気絶頂期にあたる大正中期の現存作。鳶よ組の仙太(松之助)が、橘組との抗争や遠島の島破り、義父の仇討などに活躍。同時代の欧米の活劇映画同様に、ロケ撮影を活かし、上下空間を移動する身体アクションなど、知られざる松之助映画の魅力を伝える(協力:早稲田大学演劇博物館)。
日本における映画への社会的評価を一躍向上させた1921年の「活動写真展覧会」において、松之助一派が摂政宮(後の昭和天皇)の御前で実演した「櫻井の別れ」の記録。本作の可燃性オリジナル・ネガは2010年6月に重要文化財に指定された。上映はマスターポジからのデジタル復元版。
日活の社葬として行われた葬儀の記録。阪東妻三郎、伊藤大輔ら次代を牽引したスターや監督、沿道に集まった20万以上の人々の姿が、35㎜可燃性ポジから復元した鮮明なフッテージで甦り、故人の偉大な業績を語る。
五所平之助を中心に藤本真澄、成瀬巳喜男らが東銀座一丁目に1934年頃に作った若き映画人の溜り場・スタヂオF。メンバーの花見の様子が(幸手・権現堂堤)、五所、成瀬、藤本、千葉早智子、忍節子、小林十九二、川喜田壮太郎らの笑顔と共に記録されている。原版は8mm。
歌人の妻と、その妻のもとを逃げ出して愛人宅に住みながら砂金掘りに熱中する男、その男に献身的に尽くす愛人の三者三様を一人娘(千葉)の視点から描く。キネマ旬報ベストテンの第1位に選ばれ、アメリカで初めて一般商業上映された日本映画となった。
1937年から41年にかけて日活社長を務めた森田佐吉(1874-1944)旧蔵のプライベート・フィルム(原版は16mm)から、日活太秦撮影所(後の大映京都撮影所)内で開催された所員運動会の様子。横田永之助の立像と日活マーク、所内オープンの景観も映っており、ラストは皇紀2600年旗の前で森田佐吉、片岡千恵蔵、永田雅一ら幹部の記念撮影。
マキノ正博が片岡千恵蔵を主人公に新妻の轟とマキノ一家で撮りあげた広沢虎造口演の浪曲映画。舞台「森の石松」の初日を控えた演出家(千恵蔵)が劇場でうたた寝し、目覚めるとそこは幕末の清水港、自らは石松その人で、敏腕秘書(轟)は着物姿の町娘となっていた。
『十九の春』(1933年、松竹蒲田)の撮影風景を収めた記録フィルム。主演の伏見信子や五所平之助監督とともに当時9歳だった高峰秀子の素顔を見ることができる。
東京・足立区千住にあった有名な「お化け煙突」を背景に、戦争体験を引きずった庶民たちの生活が、軽妙且つリアリスティックに描かれる。時間の推移や空気感の描出に傑出した三浦光雄の映像表現が、今回新たに作製した可燃性オリジナルネガからのダイレクトプリントであざやかに甦った。
衣笠貞之助自身が所蔵していた撮影風景の8㎜。長谷川一夫、市川雷蔵をはじめ、山本富士子に丹念に演出する様子が収められている。
(原版寄贈:小亀淳)
大映が放ったイーストマンカラーの第一弾で、カンヌ国際映画祭グランプリをはじめ国内外で高い評価を得、日本のカラー劇映画の一大転機となった。色彩表現に加え、長谷川一夫、京マチ子の衣笠貞之助らしい演出を堪能できる。
尾上松之助の次代を継ぐ映画スターとして大正期から絶大な人気を誇った阪東妻三郎(1901-1953、本名・田村傳吉)の家族との日常が垣間見えるホーム・ムービー。
GHQが封建的時代劇を禁止したため活躍の場を失っていた阪妻が、昔気質の雷親父を演じて新境地を開いた木下惠介の代表作。息子の田村高廣は「家にいる時の親父そのままだ、監督はどうして知ったのだろう」と感嘆したという。
『破れ太鼓』の松竹京都撮影所で行われた関西映画人による葬儀の記録。市川右太衛門、マキノ雅弘、溝口健二などが列席し、円熟期の阪妻を支えた伊藤大輔監督が弔辞を捧げる。
戦時中の企業統制で興行部門を残して大映に統合された日活が、1954年に映画製作を再開するにあたって前年に着手した撮影所用地の地鎮祭とトーキーステージ建設の記録。→戦時中の企業統制で興行部門を残して大映に統合された日活。戦前の多摩川撮影所(現・角川大映スタジオ)のトーキーステージ建設記録と、1954年に映画製作を再開するにあたって前年に着手した撮影所用地(現・日活調布撮影所)の地鎮祭の様子を紹介する。
旅廻りの楽団に加わった美声の椿油売り(江利)が、別れた父との葛藤や切ない恋を乗り越え、東京の大劇場でデビューするまでを描く。国産三原色カラーシステム「コニカラー」の可燃性原版を直接スキャンしたデータに修復を施した絢爛たる色彩と、江利チエミのハスキーボイスの歌声など魅力満載。冒頭に3分の復元デモを含む。
「週刊朝日」連載の吉川英治による同名小説を、大映がシリーズとして映画化。平清盛の活躍と出生をめぐるドラマが、溝口監督と大映京都のスタッフ、洋画家・和田三造の色彩監修によって華麗に描かれる。映画デビュー2年目の市川雷蔵が溢れんばかりの若さで平清盛を演じる。溝口は映っていないが撮影中の様子を伝える特報とあわせて上映。
プロデューサーの田中友幸から東宝撮影部の古山正が整理を依頼された8mmからのブローアップで、撮影は田中友幸とされる。『用心棒』撮影中の東宝撮影所内のスタッフたちと、馬目の宿オープンセットでの撮影が捉えられており、黒澤明、渡辺篤、羅生門綱五郎らが映っている(原版協力:古山正)。
原水爆の脅威から逃れようと一家のブラジル移住を計画する工場経営者(三船)が、家族の反対を前に狂気に陥っていく。本作より全面的に採用されたマルチカム撮影で捉えた主人公の恐怖や不安、核の光の映像表現が、今回新たに作製した可燃性オリジナルネガからのダイレクトプリントで鮮明に甦った。
原版はプロデューサーの田中友幸が撮影したとされる8mm。『柳生武芸帳』撮影中の東宝撮影所スタッフルームでの打ち合わせや所内での談話風景、セット撮影、伊豆や京都のロケーション等、三船敏郎、久我美子、大河内伝次郎、高峰秀子、鶴田浩二らキャストを含め、稲垣組の撮影の様子がふんだんにおさめられている(原版協力:古山正)。
徳川三代将軍家光の頃、幕府の命運を左右し朝廷の安泰をも脅かすという武芸帳をめぐって、柳生一族と肥前の兵法者・山田浮月斎一派とが壮絶な死闘を演じる痛快時代劇。肥前の忍者兄弟に三船・鶴田の人気スターが扮し、彼らをめぐって恋の鞘当てや裏切り、隠密や刺客との駆け引きなどが繰り広げられる。
野田高梧が8mmに収めた『彼岸花』(1958年)の撮影風景。原版の状態が悪く、褪色、カビによる画の損傷が激しいが、小津安二郎の演出風景を記録した貴重な映像。(原版寄贈:野田高梧記念 蓼科シナリオ研究所)
結婚相手を決めた娘・節子(有馬)のふるまいに動揺する父親(佐分利)の姿を描く。節子の結婚を応援する幸子(山本)の助演も絶妙。小津最初のカラー作品で、ドイツのアグファカラーの落ち着いた発色は、以後“小津の色”として定着する。
長門裕之・南田洋子夫妻が長年撮りためていた8mmの中から、1967年12月に親しい仲間たちで渋谷・神泉の料理旅館で開いたと言われるマキノ雅弘の還暦祝いの記録。長門・南田夫妻、姉の恵美子と博子、妻の鳳弓子、そして次郎長一家の河津清三郎、田崎潤、水島道太郎、伴淳三郎らが雅弘を囲む。(原版協力:テレビマンユニオン)
日本俠客伝シリーズの7作目。「人斬り真三」と呼ばれる渡世人・中村真三(高倉)が、露天商の親分・傘屋源蔵(石山)に息子の命を救われたのを転機として、テキ屋の世界で出世していく物語。長門裕之、南田洋子をはじめ、東映のマキノ一家が脇を固める。
■作品によって開映時間が異なりますのでご注意ください。
当日券(発券=2階受付)
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、東京国立近代美術館及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
◆当日券で入場される方には、開館と同時に、当日上映する全ての回の入場整理券を1階ロビーにて発券します。
・各日の開館時間についてはスケジュール欄をご覧下さい。
・各回の開映後の入場はできません。
・当日券の発券は、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・当日券の発券は各回1名につき1枚のみです。
入場方法
①前売券をお持ちの方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。
②その後は、当日券の整理券をお持ちの方が、整理番号順にご入場いただけます。前売券をお持ちの方は、随時ご入場いただけます。
・前売券、当日券は、当日・当該回のみ有効です。
3月29日(木)10時より、チケットぴあにて全上映回の前売券(全席自由席・各100席分)を販売します。各上映の前日23時59分まで販売。
[Pコード:558-389]
前売料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円
◆前売券を購入された方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。その後は随時ご入場いただけます。
・各回の開映後の入場はできません。
・学生、シニア(65歳以上)の方は証明できるものをご提示ください。
・前売券は当日・当該回のみ有効です。
前売券の購入方法
チケットぴあ店舗、セブン-イレブン、サークルKサンクスで購入
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
受付電話(0570-02-9999)で購入
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
※毎週火・水2時30分~5時30分はシステムメンテナンスのため受付休止となります。
チケットぴあのサイト(http://w.pia.jp/t/nfaj/)*で購入
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円、また決済方法によって1件につき決済手数料がかかる場合があります。
*購入サイトは、準備でき次第アップされますが、ご利用は3月29日(木)10時からです。
※チケットぴあの手数料等については、チケットぴあHPのヘルプ、利用料一覧の頁をご覧ください。
本前売券の購入に、システム利用料(通常216円/枚)はかかりません。
※前売券の払い戻し、交換、再発行はいたしません。
販売期間:3月29日(木)10時から各プログラムの上映の前日23時59分まで