スクールプログラム 中央区立中央小学校

12月に入り、着込んだ姿のお客様も増えていらっしゃいました。
風は冷たいけれどよく晴れた9日に来館したのは、中央小学校5年生のみなさん。

校内展覧会で自分たちの作品を紹介する「こども学芸員」の参考も兼ねて、MOMATでの鑑賞に取り組みました。

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この日のテーマは、展覧会に向けて「作品を紹介しよう!」
「まずはよく見る!」「どんな人が作ったのかな?」「どんなふうにつくったのかな?」の3つの視点で、藤田嗣治、岡本太郎、アントニー・ゴームリーの作品を鑑賞しました。

 

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岡本太郎の《燃える人》は、作品を見つけた瞬間から、子どもたちのつぶやきが止まりません!

まずは見つけたことを一つ一つ確認していきます。
たくさんの目玉(オレンジ色のイクラみたいなのもある)、宇宙人のような人影、さまざまな色を使って光沢がある蛇のようなうねうね、顔と体がある船のようなもの(その頭には剣が刺さっているみたい)。

発見したものや爆発や炎のイメージから、宇宙人の侵略や、何か不幸なことが出来事が起きたのではないかと想像した子もいました。

第五福竜丸が水爆実験の被害を受けたという事件に影響を受けて描かれたこの作品の本質を鋭く見抜いたみなさん。
一人一人の発見やイメージがつながると、いつのまにか作品の深部へ近づいているのが、ギャラリートークのおもしろいところです。

ちなみに、藤田嗣治とアントニー・ゴームリーの作品は、事前授業で使用した教材「アートカード」で覚えていてくれたようで、美術館では本物との違いに驚きました!

(研究補佐員H)


所蔵品ガイド 11月19日

所蔵品ギャラリーで毎日14時から行われている「MOMATガイドスタッフによる所蔵品ガイド」の様子をご紹介します。

本日ご紹介した作品は、「向き合う」をテーマとした3作品。
藤田嗣治と靉光の自画像、そして2階のアントニー・ゴームリーの彫刻です。

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「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」でにぎわう会場から、多くのお客様がご参加されました。
所蔵品ガイドの特徴は、解説を聞くツアーではなく対話によるガイドであること。
お客様のご感想やご意見を共有することで、新しい視点を生み出し、鑑賞を深めます。

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藤田嗣治の自画像は第一印象をうかがってから、何が描かれているかじっくり観察しました。
猫や手に持っている筆、墨と硯、マッチなどが見つかります。
背景に飾られている絵は奥さんのものでしょう、という考察も。

藤田はどのような自分と向き合って、この作品を描いたのでしょうか。
自画像の周りに集められたものは、藤田の「お気に入り」といえそうです。
「自分の大切なものを絵の中に閉じ込めておきたかったのではないか」というご意見もありました。

 

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靉光の自画像は、藤田のものと違って人物だけが描かれています。

視線の感じから「何か考えているよう」、「油絵っぽくない。随分絵の具が薄く、塗り重ねた感じがしない」など、第一印象をうかがってみると、お客様のさまざまな視点が浮かび上がります。

実際の靉光の写真と見比べて、「こんなに胸板が逞しく、自分ににないものを手に入れたい、こうなっていきたいというのを描いたのではないか」とい うご意見もありました。
けっして大きくはないサイズの自画像から、ガイドに参加した皆さんでひとりの作家の人生に思いを馳せました。

 

DSC_0195アントニー・ゴームリーの《反映/思索》は、まさにふたつの像が向かい合っている作品です。
作家が自身を型に鋳造した作品であることをガイドスタッフから聞きつつ、作品から年齢を想像してみると、「40代くらいかな、若いよね」とのご意見に笑いも起きました。
屋内と屋外を見比べてのご感想は、「これは外が自分の先の姿、老いの姿を表しているのではないか」・・・。

参加者のみなさまもそれぞれ作品と向かい合った一時間。
所蔵品ガイドは、基本的には開館日の14時~、毎日開催しています。
ブログをご覧のみなさまも、どうぞご参加ください。

なお、所蔵品ガイドを行うMOMATガイドスタッフの新規メンバーを募集中です。応募についてはこちらをご覧ください。(応募締切:11月23日 ※所蔵品ガイドの感想を書く欄があります)

(研究補佐員H)


スクールプログラム 八千代市立勝田台南小学校

雨上がりの美術館へ足を運んだのは、千葉県八千代市からいらした、勝田台南小学校の5年生。
昨年度も来館してくださったので、一学年上の先輩たちのように美術館を楽しめるかな!?とスタートしました。

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作品をよく見て、思ったことを素直に話せる勝田台南小学校のみなさん。
東松照明の写真作品、《プラスチックス》2枚の鑑賞も、さまざまな発見をしました。
「鳥が死んでいる」「黒い砂場みたいなところ?」「花とか花火みたいに見える」・・・

2枚をそれぞれ見ていくと、「左は写真みたい」という意見が。
ということは、右は絵なのでしょうか?
ガイドスタッフから「実はどちらも写真です」という話を聞いて、「えぇ~!?」と驚きました。
そのことから、「珍しいものを見つけたから撮った」、
「生命の大切さを伝えたくて撮った」など、作家の意図にも話が及びました。

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ギャラリートークで心を耕した後、最後に作品を見る目は真剣!
先生と一緒に、考えた事を呟きながら、近くからじっくり鑑賞しました。

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閑話休題。
イサム・ノグチの屋外彫刻作品《門》を鑑賞したグループは、こんな様子でした。
紅葉した落ち葉を手にとって、作品の朱色と比べる子もいたり。
秋の竹橋を満喫できたでしょうか?

(研究補佐員H)


スクールプログラム 北海道札幌英藍高校

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4階「眺めのよい部屋」から、皇居の緑が色づきつつあるのを見られる今日この頃。
紅葉を眺めているのは、北海道から社会見学でやってきた、札幌英藍高等学校のみなさんです。

 

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エントランスでガイドスタッフと研究補佐員に挨拶し、
まずはギャラリートークで展示室をまわります。
この日は、東山魁夷の日本画、藤田嗣治の《サイパン島臣民忠節を全うす》、
アントニー・ゴームリーの《反映/思索》を鑑賞しました。

 

藤田嗣治の《サイパン島臣民忠節を全うす》は
全体に茶色みがかった色彩が広がり、
一見何が描かれているのか分かりづらいかもしれません。

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札幌英藍高校のみなさんも、しばらく絵の前で立ち止まり
何が描かれているのか、だんだんと細部を確認していきました。
真剣にさまざまな挙動の女性たちを目で追う姿が印象的でした。

 

ギャラリートークの後、職員&ガイドスタッフとのインタビュータイムも取りました。
「展覧会のテーマはどのように決めていますか?」
「お客様(とくに外国の方)へのサービスはどうしていますか?」などの質問を話題に、
美術館での仕事や2012年の本館リニューアル以降の活動についてお話ししました。

(研究補佐員H)


生涯学習団体向けプログラム 10月29日

このところスクールプログラムのご報告が続いておりますが、MOMATでは、学校団体のみでなく生涯学習団体向けのプログラムも行っています。

この日に来館したのは、乳児連れのお母様方で構成された団体です。
団体代表者の方は、赤ちゃん連れのお母さんが安心して来館できる設備があるか事前に来館してチェック。
ベビーカーの貸出や、1階・2階の多目的トイレの場所を確認しました。

そして迎えた当日、この日最初の鑑賞作品は、藤田嗣治《五人の裸婦》です。

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まずは描かれているものを確認していきました。
5人の女性は、眉がなく不思議な雰囲気。それぞれちがうポーズです。
また背景や、犬・猫のリアルな表現も、一度気になると目がいきます。
近づいたり離れたりして、表面のテクスチャや描き方もじっくり味わいました。

 

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靉光の《眼のある風景》は、見れば見るほど不思議な作品です。
動物、枯れた木、魚、干からびたあばら骨・・・など、さまざまなものに見えてきます。
赤ちゃんと過ごす時間がほとんどのお母さん方、考えを広げて、意見を出し合う鑑賞はいかがでしたでしょうか。

 

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最後の作品、アントニー・ゴームリーの《反映/思索》は、作品を取り囲む環境と共に鑑賞できる作品です。
テラスに出て外から鑑賞する際には、外気に触れてリフレッシュ。
赤ちゃんたちも、ちょっとのびのびできたかも?

 

赤ちゃん連れでは、美術館はなかなか入りづらいと思われがちですが
まずは来てみることろから、ということで、今回、ガイドスタッフによるギャラリートークを行いました。

小さな子ども連れの家族に向けた「おやこでトーク」などのプログラムも最近始まりましたが、さまざまな方が来館しやすい環境づくりは、まだまだ進めていきたいところ。
スタッフも、お客様からたくさん学んでいきたいと思います。

(研究補佐員H)


スクールプロラグム 高知県立岡豊高等学校

修学旅行で高知県からいらした、岡豊高校のみなさん。
美術コースを履修しているということで、修学旅行もアートづくしだそうです。
MOMATでは、ガイドスタッフとのギャラリートークで鑑賞しました。

古賀春江の《海》では、描かれた多彩なモチーフを挙げることから始まり、
区切られた画面や、同じ向きで描かれた飛行船や魚など
この絵の「変なところ」について考えました。

モチーフを分類してみると、垂直・水平に描かれている構図の面や
自然のもの・人工のものといったモチーフ同士のつながりが見つかります。

 

DSC_0027 藤田嗣治の《五人の裸婦》を鑑賞した際には、
学校での油彩画制作の経験から、「絵具の厚みがないから油彩っぽくない」「表面がつるっつる」という声が。
藤田の”乳白色の肌”の技法についてガイドスタッフから話を聞きました。
「線がすごく細い!」という点にも気づいて、よくよく観察しています。

 

DSC_0036美術コースで普段から制作をしているみなさんだからか、
制作方法や技法の話に驚いたり、うなずいたりする姿が印象的でした。

修学旅行で来館される学生さんも多いMOMAT。
次に東京に来る機会にも、MOMATのコレクションにも会いに来ていただけたら嬉しいです。

(研究補佐員H)


スクールプログラム 港区立南山小学校

秋晴れの気持ちいいお天気の中来館した、港区立南山小学校5年生のみなさん。
1学年1学級とのことですが、とても仲の良いクラスで、作品を鑑賞しながらの対話もはずみました。

藤田嗣治《猫》の鑑賞では、猫たちの様子を観察したあと、
十匹以上いる猫の中から、自分だったらどの猫かを考えてみます。

飛び上がる猫、威嚇するような猫、端からみんなを眺める猫・・・
発表された意見には、「あ~わかるわかる!!」「むしろこっちの猫じゃない?」と大きな反応が。
話を聞いている側も盛り上がりました。

ほかには、今期3点の東山魁夷の大作が並ぶコーナーも鑑賞しました。
3作品のうちから1点のお気に入りを選び、話し合って発表しあう活動や
「もし学校に飾るとしたら、どこにどれを飾りたい?」というテーマで一人一人発表する活動をしました。

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学校に飾りたい作品を選んだグループでは、自分たちの学校や
クラスの特徴をおさえてぴったりだと思う作品を選びました。
玄関や教室などの場所でこれらの作品が見られたら、毎日が豊かになりそうですね!

(研究補佐員H)


スクールプログラム 国分寺市立第七小学校

芸術の秋、10月を迎えて初日に来館してくださったのは、国分寺市立第七小学校6年生のみなさん。
スタッフと一緒に3つの作品を鑑賞しました。

とあるグループで最初に鑑賞したのは、藤田嗣治の《自画像》です。
現在、所蔵品ギャラリーで開催されている
「特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」がスタートする第2室にあります。

子どもたちの発言第一声は、「オネエ!」
髭があるから男の人なのに、ピアスをしているから、とのこと。
その後はこんな発言が続きました。
・・・道具・ポーズや背景をみると、画家さんかな。あ、でもペン立てに赤鉛筆があるから学校の先生かも。
・・・日本人のような外見だけれど、どこか外国風の感じがするな。中国人やカツラをかぶったアメリカ人かも!?
・・・この猫を妻のように思ってかわいがっているんじゃないかな。

日本人だけれどパリで生活していた藤田の様子を見ぬいたり、
猫に注目して性格や生活を想像したりと、すばらしい観察眼。
藤田嗣治の人生をまったく知らない子どもたちでしたが、
たった1枚の自画像からたくさんのことを読み解いていました。

 

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こちらの写真は、ジュリアン・オピーの映像作品を鑑賞している様子です。
ガラス窓ごしに鑑賞すると、近くで見るときとは違った印象になりますね。

7つのパネルから好きなものをそれぞれ1つ選び、
短い紹介文を考えて、グループ内で発表しあいました。

「遠くから見るとふつうの風景だと思うけど、近くから見るとただの絵のように見える」
「町のふうけいがすごくきれいだと思いました。海に町の光がうつって月もあるのでいいと思いました。」

それぞれの紹介文で、その作品のどこを良いと思ったのかよくわかります。

国分寺市立第七小学校は、今年児童作品展覧会があるとのこと。
6年生のみなさん、自分や後輩たちが作った作品が並ぶ展覧会も楽しく鑑賞できるといいですね。

(研究補佐員H)


研究員による所蔵品ガイド

9月は展示替があり、教育普及プログラムも一休み。
展示替後「会期はじめの最初の土曜日」は、「研究員による所蔵品ガイド」が行われます。

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9月19日(土)の担当は、都築千重子主任研究員。
テーマは「ハイライトコーナーから」でした。

 

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所蔵作品展「MOMATコレクション」第1室にあたるハイライトコーナーは、
重要文化財を中心とした当館のコレクションの精華を凝縮してお楽しみいただけるコーナーです。

 

作品を鑑賞する際、さまざまな切り口がありますが、この日のガイドでは、美術作品における引用、参考作品、オマージュなどの視点を切り口として、主に油彩作品のコーナーをまわりました。

この切り口からの解説では、画家たちが自然な形で名画や彫刻におけるモチーフやポーズを引用し、自身の世界観を築いていることがわかります。

 

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アンリ・ルソーの作品《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家たちを導く自由の女神》は、女神やライオンなど、大きく描かれたモチーフに関連する作品をまじえて紹介されました。

画家が目にしていたであろう、当時の美術館や公園の彫刻に思いをはせると、いつもおなじみの作品の並ぶハイライトコーナーも、少し違って見えるような気がしてきます。

(研究補佐員H)


スクールプログラム 都立飛鳥高等学校

この日にいらっしゃった都立飛鳥高校のみなさんも、夏休みの美術部の活動での来館です。

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はじめは岡本太郎の作品を全員で鑑賞しました。
見たこと感じたことを言葉にするのは、最初はなかなか難しいもの。
まずは見つけたものを口に出していきます。
舟、目玉、舌、はっきりした色彩などが目にとまったようです。

次に鑑賞した作品は、舟越直木の彫刻です。
一見顔のないのっぺらぼうのような、石膏のかたまり。
ここでは言葉であらわすのではなく、「顔を想像してスケッチに描き足す」という方法でアプローチしました。

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さすがは美術部、真剣に描く活動に取り組む姿が印象的でした!

(研究補佐員H)