チケットの検索結果

チケットの検索結果

  • 見る・聞く・読む0
  • コレクション0

ゲルハルト・リヒター展

はじめに ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター(1932-)。リヒターは油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現と抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識するという原理に、一貫して取り組み続けてきました。 画家が90歳を迎えた今年2022年、本展では画家が手元に置いてきた初期作から最新のドローイングまでを含む約120点によって、一貫しつつも多岐にわたる60年の画業を紐解きます。 日本では16年ぶり、東京では初となる美術館での個展です。 ポスタービジュアル(ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ(CR: 937-2)》2014年 ゲルハルト・リヒター財団蔵 © Gerhard Richter 2022 (07062022)) 見どころ 初期のフォト・ペインティングからカラーチャート、グレイ・ペインティング、アブストラクト・ペインティング、オイル・オン・フォト、そして最新作のドローイングまで、リヒターがこれまで取り組んできた多種多様な作品を紹介。特定の鑑賞順に縛られず、来場者が自由にそれぞれのシリーズを往還しながら、リヒターの作品と対峙することができる空間を創出します。 1.現代アートの巨匠、待望の大規模個展 リヒターの日本の美術館での個展は、2005-2006年にかけて金沢21世紀美術館・DIC川村記念美術館で開催されて以来、実に16年ぶり。また東京の美術館での大規模な個展は今回が初めてとなります。 2.最新作を含むリヒター所蔵の作品で、60年におよぶ作家の画業をたどる 世界のアートシーンで常に注目を集めてきたリヒター。彼が手放さず大切に手元に置いてきた財団コレクションおよび本人所蔵作品を中心に、最新作のドローイングを含む貴重な作品約120点が、初めて一堂に会します。これらの多様な作品を通じて、2022年に90歳を迎えたリヒターの、60年におよぶ画業をたどります。 3.近年の大作《ビルケナウ》、日本初公開 幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画《ビルケナウ》は、ホロコーストを主題としており、近年の重要作品とみなされています。出品作品のなかでも最大級の絵画作品である本作が、この度、日本で初めて公開されます。 プロフィール ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter) 1932年、ドイツ東部、ドレスデン生まれ。ベルリンの壁が作られる直前、1961年に西ドイツへ移住し、デュッセルドルフ芸術アカデミーで学ぶ。コンラート・フィッシャーやジグマー・ポルケらと「資本主義リアリズム」と呼ばれる運動を展開し、そのなかで独自の表現を発表し、徐々にその名が知られるように。 その後、イメージの成立条件を問い直す、多岐にわたる作品を通じて、ドイツ国内のみならず、世界で評価されるようになる。 ポンピドゥー・センター(パリ、1977年)、テート・ギャラリー(ロンドン、1991年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)、テート・モダン(ロンドン、2011年)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク、2020年)など、世界の名だたる美術館で個展を開催。現代で最も重要な画家としての地位を不動のものとしている。 カタログ 「ゲルハルト・リヒター展」公式図録 価格:3,900円(税込み)仕様:判型A4変形判、展覧会出品作品オールカラー総頁数:352ページ言語:日本語、英語(一部) 目次 ゲルハルト・リヒター:画家にしてイメージメーカー ――ゲルハルト・リヒター財団の所蔵品  ディートマ・エルガー ビルケナウ以降 ――ゲルハルト・リヒターの〈アブストラクト・ペインティング〉における後期様式について  桝田倫広 「絵画は役に立つのです」 ――リヒター作品における「もの」と「ビルト」、「複数性」と「真実性」をめぐって  鈴木俊晴 図版 フォト・ペインティング  浅沼敬子リヒターと社会主義リアリズム  福元崇志資本主義リアリズム  桝田倫広アトラス  鈴木俊晴リヒターと1960年代のマルセル・デュシャンの再評価  中尾拓哉カラーチャートとグレイ・ペインティング  鈴木俊晴アブストラクト・ペインティング 1970s-1980s  鈴木俊晴頭蓋骨、蝋燭、花  鈴木俊晴オイル・オン・フォト  清水穣リヒターの風景画とドイツ・ロマン主義  仲間裕子カラーチャートと公共空間  鈴木俊晴ストリップ  桝田倫広アブストラクト・ペインティング 1990s-2010s  鈴木俊晴ドローイング  桝田倫広 対談 ゲルハルト・リヒター/ディーター・シュヴァルツ 2017年11月20日、ケルンにて無用の用 ――リヒターのガラスをめぐって  林寿美《1977年10月18日》と人物画  浅沼敬子樹皮としての絵画 ――《ビルケナウ》とジョルジュ・ディディ₌ユベルマン  田中純鏡の音楽 ゲルハルト・リヒターと音楽  清水穣文化の記録、蛮行の記録 ――ゲルハルト・リヒターの《ビルケナウ》  ベンジャミン・H.D. ブクロ―生産としての複製 ――ゲルハルト・リヒターの芸術における写真の役割について  シュテファン・グロナート 年譜作品リスト主要参考文献 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2022年6月7日(火)~ 2022年10月2日(日) 月曜日(ただし7月18日、9月19日、9月26日は開館)、7月19日(火)、9月20日(火)9月27日(火) 10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)9月25日(日)~10月1日(土)は10:00-20:00で開館します*入場は閉館30分前まで チケットの詳細・購入方法は展覧会公式サイトをご確認ください。(展覧会公式サイトの公開は終了しました) 一般  2,200円(2,000円)大学生 1,200円(1,000円)高校生  700円(500円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、朝日新聞社 ドイツ連邦共和国大使館、ゲーテ・インスティトゥート東京、在日ドイツ商工会議所 ゲルハルト・リヒター財団、ワコウ・ワークス・オブ・アート 小川香料ホールディングス、ルフトハンザ カーゴ AG、岡建工事 豊田市美術館:2022年10月15日(土)~2023年1月29日(日)

柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年

はじめに ローカルであり、モダンである。 今、なぜ「民藝」に注目が集まっているのでしょうか。「暮らし」を豊かにデザインすることに人々の関心が向かっているからなのか。それとも、日本にまだ残されている地方色や伝統的な手仕事に対する興味からなのか。いずれにせよ、およそ100年も前に柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎が作り出した新しい美の概念が、今なお人々を触発し続けているのは驚くべきことです。 柳宗悦の没後60年に開催される本展覧会は、各地の民藝のコレクションから選りすぐった陶磁器、染織、木工、蓑、ざるなどの暮らしの道具類や大津絵といった民画のコレクションとともに出版物、写真、映像などの同時代資料を展示し、総点数450点を超える作品と資料を通して、民藝とその内外に広がる社会、歴史や経済を浮かび上がらせます。 今回とりわけ注目するのは、「美術館」「出版」「流通」という三本柱を掲げた民藝のモダンな「編集」手法と、それぞれの地方の人・モノ・情報をつないで協働した民藝のローカルなネットワークです。民藝の実践は、美しい「モノ」の蒐集にとどまらず、新作民藝の生産から流通までの仕組み作り、あるいは農村地方の生活改善といった社会の問題提起、衣食住の提案、景観保存にまで広がりました。「近代」の終焉が語られて久しい今、持続可能な社会や暮らしとはどのようなものか―「既にある地域資源」を発見し、人・モノ・情報の関係を編みなおしてきた民藝運動の可能性を「近代美術館」という場から見つめなおします。 作品保護のため、会期中一部展示替えがあります。(前期:10月26日(火)~12月19日(日)、後期:12月21日(火)~2022年2月13日(日))  見どころ 1.民藝の歴史的な変化と社会の関係をたどります。 民藝運動はどのような背景のなかで生まれ、変化してきたのでしょうか。関東大震災、鉄道網の発達と観光ブーム、戦争と国家、戦後の高度経済成長―民藝運動の歩みは「近代化」と表裏一体であり、社会の大きな節目と併走するように展開してきました。なぜ今、民藝が注目されるのかをひも解きます。 2.手を動かす柳宗悦ーそのデザイン・編集手法を分析します。 宗教哲学者であり、文筆活動を主体として民藝運動を推しすすめた柳ですが、実はなかなかの画力の持ち主。集めた器物をスケッチし、書体(フォント)を作り、写真のトリミングや配置を決め、あるいは建物や製品の設計図を描き、大津絵などの絵画の表具をしつらえるなど、あらゆる「編集」作業に腕をふるいました。柳がさまざまなメディアを通して、自らの美的感覚をどのように示し、伝えたのか―その「手さばき」を解析します。 3.衣食住から景観保存まで ツイードの三つ揃いスーツ、蝶ネクタイに丸眼鏡、ワークウェアとしての作務衣―民藝の人々はみなスタイリッシュでお洒落でした。しゃぶしゃぶにカレー、地方のお土産菓子など、食文化にも民藝は関わっています。民家の特徴を取り入れた建築にウィンザーチェア、日本・朝鮮・西洋折衷のインテリアデザインは良く知られるところですが、鳥取砂丘の景観保存にも民藝が関わっていたこと、ご存じでしたか? カタログ 柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」公式図録 2,600円(税込み)B5変形サイズ/311頁/日本語・英語(一部) 450点以上の作品画像を掲載!作品解説も充実早わかりガイド「展覧会の見取り図」「人物相関図」掲載章の間にコラムを掲載 目次イントロダクション「民藝の100年」展を編集するー展覧会の見取り図 花井久穂、鈴木勝雄第1章 「民藝」前夜ーあつめる、つなぐ第2章 移動する身体ー「民藝」の発見第3章 「民」なる趣味ー都市/郷土第4章 民藝は「編集」する第5章 ローカル/ナショナル/インターナショナル第6章 戦後をデザインするー衣食住から景観保存まで民藝の「近代」ーミュージアム・出版・生産から流通まで 花井久穂MOMATアートライブラリによる「民藝文献案内」俯瞰的視点をもつための「民藝の100年展年表」 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー、2F ギャラリー4 2021年10月26日(火)~ 2022年2月13日(日) 月曜日[ただし2022年1月10日は開館]、年末年始[12月28日(火)~ 2022年1月1日(土)]、1月11日(火) 10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで チケットの詳細・購入方法は特設ページをご確認ください。(特設ページの公開は終了しました) 一般  1,800円(1,600円)大学生 1,200円(1,000円)高校生  700円(500円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション、毎日新聞社 NISSHA、三井住友海上 日本民藝館

没後50年 鏑木清方展

はじめに なんでもない一瞬が、なによりも美しい。 鏑木清方(1878-1972)の代表作として知られ、長きにわたり所在不明だった《築地明石町》(1927年)と、合わせて三部作となる《新富町》《浜町河岸》(どちらも1930年)は、2018年に再発見され、翌年に当館のコレクションに加わりました。この三部作をはじめとする109件の日本画作品で構成する清方の大規模な回顧展です。 浮世絵系の挿絵画家からスタートした清方は、その出自を常に意識しながら、晩年に至るまで、庶民の暮らしや文学、芸能のなかに作品の主題を求め続けました。本展覧会では、そうした清方の関心の「変わらなさ」に注目し、いくつかのテーマに分けて作品を並列的に紹介してゆきます。関東大震災と太平洋戦争を経て、人々の生活も心情も変わっていくなか、あえて不変を貫いた清方の信念と作品は、震災を経験しコロナ禍にあえぐいまの私たちに強く響くことでしょう。 作品保護のため、会期中一部展展示替えがあります。詳細は作品リストをご確認ください。 カタログ 「没後50年 鏑木清方展」公式図録 価格:2,800円(税込み)仕様:判型A4変形判(290×225mm)、並製本、コデックス装総頁数:312ページ言語:日本語、英語(一部) 目次 「鏑木清方 生活を描いた画家」鶴見香織 図版第一章 木挽町紫陽花舎・東京下町にて(明治)第二章 本郷龍岡町・金沢遊心庵にて(大正)第三章 牛込矢来町夜蕾亭にて(昭和戦前)第四章 鎌倉、終の棲家にて(昭和戦後) 「歿後五十年を迎えた清方との想い出」根本章雄「清方を巡る人々、出会いと制作」今西彩子「清方さんと京都」小倉実子 出品目録・解説 小倉実子・鶴見香織編鏑木清方 年譜 今西彩子編鏑木清方の絵をすみずみまで味わうためのブックガイド 長名大地編出品作品一覧 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2022年3月18日(金)~5月8日(日) 月曜[ただし3月21日、28日、5月2日は開館]、3月22日(火) 9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)4/29(金・祝)~5/8(日)は9:30-20:00で開場いたします チケットの詳細・購入方法は展覧会公式サイトをご確認ください。(展覧会公式サイトの公開は終了しました) 一般  1,800円(1,600円)大学生 1,200円(1,000円)高校生  700円(500円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ピエール・ボナール《プロヴァンス風景》」(2F ギャラリー4)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション 損害保険ジャパン、DNP大日本印刷 京都国立近代美術館 2022年5月27日(金)~7月10日(日)

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則

はじめに 米TIME誌にて「2019年世界で訪れるべき最も素晴らしい場所100選」に選ばれた《V&Aダンディー》や《国立競技場》の設計に参画するなど、現代日本を代表する建築家のひとりである隈研吾(1954-)。 本展では、世界各国に点在する隈作品の中から公共性の高い68件の建築を、隈が考える5原則「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」に分類し、建築模型や写真やモックアップ(部分の原寸模型)により紹介。その他、映像作品、前庭に展示されるトレーラーハウスを合わせ、合計74件で隈の世界を紹介します。 章解説や作品解説はすべて隈本人によるもの。また、瀧本幹也や藤井光など第一線で活躍するアーティストによる映像作品や、隈建築をさまざまな観点から見ていただく空間のほか、360度VRなどの体感要素、さらに、ネコの視点から都市での生活を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020(ニャンニャン)ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則》(Takramとの協働)も発表します。コロナ禍というきわめて難しい時代の中で開催される本展が、新しい公共性や未来の都市のあり方について考える機会となれば幸いです。 見どころ 本展は第1会場、第2会場の2つの会場で構成されています 1.「人が集まる場所」のための隈独自の方法論を、5原則の形で抽出 第1会場 本展では、隈自身が選んだ公共性が高い建築68件を、時系列ではなく、「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」という5原則に分類して紹介します。 2.先端技術を用いた体験展示 隈が設計した建築の「実際」を、本展のために制作された新作映像を通して紹介します。 高知県梼原(ゆすはら)にある6つの隈建築 × 瀧本幹也(+坂本龍一)  第1会場 高知県西部の山間にある小さなまち梼原町には、初期から最近作まで6つの隈建築が存在します。それらの建築を写真家・映像作家の瀧本幹也がハイスピードカメラを用いて撮影。リアル4Kによるリリカルな映像インスタレーションへと昇華させました。坂本龍一の音楽とともに、日本の伝統的建築にインスパイアされた隈建築の造形美を堪能できます。 スコットランドにできた博物館《V&Aダンディー》 × タイムラプス映像 第1会場 ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館初の分館となる《V&Aダンディー》の設計者に選ばれたのが隈研吾でした。これを、アイルランドのマクローリン兄弟によるアヴァンギャルドなタイムラプス映像で紹介します。 富山市民に人気の図書館・美術館・銀行の複合施設《TOYAMAキラリ》 × 360度VR 第2会場 《TOYAMAキラリ》の特徴は、斜めにたちあがる吹き抜け空間。そこにドローンを飛ばして360度VRで撮影しました。ヘッドマウントディスプレイで見る約7分間の映像により、隈建築の空間をリアルに体感できます。ナレーションは日英ともに隈研吾が担当します。 《TOYAMAキラリ》VR体験について・体験時間は約7分、30分ごとの入れ替え制(各回定員4名)となります。・1階インフォメーションカウンターにて当日分の整理券を先着順で配布します。上限数に達し次第、配布終了となります。・体験は中学生以上に限られます(中学生は保護者の同伴が必要です)。 ※6月18日(金)、19日(土)、20日(日)は体験を休止します。なお同じ映像(ナレーション付き)は第2会場内でご覧いただけます。 3.クマは思う、都市の未来はネコに学べ、と 第2会場 丹下健三は前回の東京オリンピック前の1961年に、《東京計画1960》という、東京湾に海上都市をつくる案を建築雑誌に発表しました。その大胆なアイデアは、模型を俯瞰して撮った写真とともに伝説となっています。今回、隈は、そんな丹下の《東京計画1960》への応答として、《東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則》を美術館での展覧会で発表します。対照的なのは、都市へと向かう視点。丹下の、海上の人工都市を俯瞰から見る視点に対して、隈が選んだのは、なんと地面に近いネコの視点。一箇所に定まらずテンテンと暮らし、スキマに入り込んで自らノラミチをつくっていくネコの生態に、コロナ禍以降の人々は学ぶべきだと隈は問いかけます。このほっこりとしつつも大胆なプレゼンテーションは、日本を代表するデザイン・イノベーション・ファームであるTakramとの協働により実現しました。 4. 各地の市民に協力出演してもらった映像 第1会場 第2会場 気鋭のアーティスト、藤井光が市民ボランティアやNPOの協力を得て長岡市役所《アオーレ長岡》の日常をドキュメンタリータッチで撮影。アーティスト津田道子は南三陸町と熊本市で、隈建築の施主や利用者のインタビューを撮影しました。 5.《国立競技場》のスタディ模型と照明を特別にお見せします 第1会場 隈が設計に参画した《国立競技場》の競技後のインタビューゾーン(フラッシュインタビューゾーン)には、隈がデザインした大型の行灯のような照明があります。本展ではこれを特別に展示。また大量につくられた競技場のスタディ模型の中から、約40点を厳選して展示。展覧会として世界初公開※します。※高知会場、長崎会場でも展示。 6. 展示デザインと解説はすべて... 展示デザインは隈研吾建築都市設計事務所が手がけました。章解説や作品解説はすべて隈研吾が執筆しています。 「粒子」エリア 「やわらかい」エリア 前庭 ©Kioku Keizo 会場を3DVRで無料公開しています 会場の3DVRを作成しました。展覧会の構成や作品のスケール感をお楽しみください。※公開は9/26(日)まで。 隈研吾プロフィール 1954年生。東京大学建築学科大学院修了。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。2009年より2020年3月まで東京大学教授。現在、東京大学特別教授・名誉教授。1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の国立屋内総合競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を志す。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。これまで20か国を超す国々で建築を設計し、日本建築学会賞、毎日芸術賞、芸術選奨文部科学大臣賞、国際木の建築賞(フィンランド)、国際石の建築賞(イタリア)等、受賞多数。 カタログ 『隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則』公式カタログ価格:2,000円+税B5変形/232頁/ソフトカヴァー/日本語・英語デザイン:服部一成 目次 隈研吾「ネコに学び、ハコを出よう」藤村龍至「隈研吾の建築作品における表層性」隈研吾「新しい公共性をつくるためのネコの5原則」隈研吾xTakram「東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則」「復興と建築をめぐるインタビュー」 佐藤仁 三浦洋昭 浜田浩成 隈研吾出品作品リストにかえて(作品解説:隈研吾)保坂健二朗「建築展と映像」奥野克仁「隈研吾と梼原、高知ー木造建築の再発見ー」野中明「つなぐ水際、つなぐ建築」保坂健二朗「建築展のプロセス」付録:梼原の隈建築(撮影:瀧本幹也) 開催概要 東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー 2021年6月18日(金)~9月26日(日) 月曜日[ただし7月26日、8月2日、9日、30日、9月20日は開館]、8月10日(火)、9月21日(火) 10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)9月19日(日)、20日(月・祝)、23日(木・祝)、26日(日)は10:00-18:00*入館は閉館30分前まで オンラインでのチケット購入・日時予約はこちらから・オンラインチケットは完売している日時もございます。・混雑緩和のため、オンラインでの事前のご購入・ご予約をお勧めしています。会場でも当日券をご購入いただけますが、混雑状況により入場をお待ちいただく場合や、当日券の販売が終了している場合があります。・混雑時には、会場で当日券をご購入される方ならびに無料観覧券をお持ちの方へ入場整理券を配布いたします。特に混雑が予想される土・日曜日、祝日、会期末などはオンラインでの事前のご予約・ご購入をお勧めいたします。※観覧無料の方、割引対象の方についても、上記より来館日時をご予約いただけます。※お電話でのご予約はお受けしておりません。 展覧会の構成について本展は第1会場(有料)、第2会場(無料)の2つの会場で構成されています。・第1会場のみオンラインでの予約が可能です。・第2会場の混雑時には第2会場付近で入場整理券を配布いたします。 ⼀般 1,300(1,100)円大学生 800(500)円 ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション特別編 ニッポンの名作130年」(4-2F)、コレクションによる⼩企画「鉄とたたかう 鉄とあそぶ デイヴィッド・スミス《サークルⅣ》を中心に」(2F ギャラリー4)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会 大成建設株式会社、大洋建設株式会社、株式会社長谷工コーポレーション、大光電機株式会社、大日本印刷株式会社、前田建設工業株式会社、株式会社イトーキ、株式会社大林組、鹿島建設株式会社、コクヨ株式会社、小松マテーレ株式会社、株式会社佐藤秀、清水建設株式会社、株式会社JR東日本建築設計、住友林業株式会社、太陽工業株式会社、大和ハウス工業株式会社、大和リース株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社丹青社、TSUCHIYA株式会社、東急建設株式会社、TOTO株式会社、戸田建設株式会社、株式会社乃村工藝社、不二サッシ株式会社、三井住友建設株式会社、銘建工業株式会社、株式会社岸之上工務店 エヌビディア合同会社、小松マテーレ株式会社、株式会社スノーピーク、富山市(富山県)、長岡市(新潟県)、株式会社 日本HP、浜田醤油株式会社、V&Aダンディー、真庭市(岡山県)、南三陸町(宮城県)、株式会社モデュレックス、株式会社モノファクトリー、株式会社YAMAGIWA、梼原町(高知県) 公益財団法人 大林財団 高知県立美術館 2020年11月3日(火)~2021年1月3日(日) 長崎県美術館 2021年1月22日(金)~3月28日(日) 令和3年度日本博 主催 ・共催型 プロジェクト

あやしい絵展

はじめに 絵に潜む真実、のぞく勇気はありますか? 明治期、あらゆる分野において西洋から知識、技術などがもたらされるなか、美術も西洋からの刺激を受けて、新たな時代にふさわしいものへと変化していきました。 このような状況のもとで生み出されたさまざまな作品の中には、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった「単なる美しいもの」とは異なる表現がありました。これらは、美術界で賛否両論を巻き起こしつつ、激動する社会を生きる人々の欲望や不安を映し出したものとして、文学などを通して大衆にも広まっていきました。 本展では幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図などからこうした表現を紹介します。 見どころ 1.一度見たら忘れられない名画たち 日本近代の美術における美しさの「陰画(ネガ)」をご紹介。上村松園の《焰》や《花がたみ》、鏑木清方《妖魚》等、「あやしい」魅力にあふれた作品が勢揃いします。 2.ディープな「あやしい」作品が盛りだくさん 甲斐庄楠音《横櫛》、橘小夢《安珍と清姫》、秦テルヲ《血の池》等、脳裏に焼きつくほど美しく強烈な「あやしさ」をそなえた作品が多数出品されます。 3.私たちを捉えて離さない「あやしい」物語 安珍・清姫伝説、「高野聖」等の物語はさまざまな作家を魅了し作品に展開されました。非現実であったり「あやしい」女性が登場したりする物語は、明治、大正期のみならず今の私達にも魅力的に映ることでしょう。 4.西洋美術も! アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、エドワード・バーン=ジョーンズ等、日本の画家達に影響を与えた西洋美術の作品もあわせて紹介します。 作品保護のため、会期中一部展展示替えがあります。詳しくは作品リストをご確認ください。(前期:3月23日~4月18日、後期:4月20日~5月16日) カタログ 開催概要 2021年3月23日(火)~5月16日(日) 月曜[ただし3月29日、5月3日は開館]、5月6日(木)*臨時休館期間:4月25日(日)~ 月曜[ただし3月29日、5月3日は開館]、5月6日(木)*臨時休館期間:4月25日(日)~ 9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)臨時夜間開館日:5月12日(水)-16日(日)は20:00まで開館いたします 入館は閉館30分前まで本展会期中に限り9:30開館(ただし「MOMATコレクション」、コレクションによる小企画「幻視するレンズ 」は10:00開場) チケットの詳細・購入方法は特設ページをご確認ください。 一般 1,800円大学生 1,200円高校生 700円 いずれも消費税込。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証の提示により団体料金でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「幻視するレンズ 」(2F ギャラリー4)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社 損害保険ジャパン、DNP大日本印刷 大阪歴史博物館 2021年7月3日(土)~8月15日(日)

北脇昇 一粒の種に宇宙を視る

展覧会について 北脇昇《周易解理図(乾坤)》1941年 北脇昇(1901–1951)は1930年代から40年代にかけて京都で活躍した前衛画家です。これまで彼の作品は、シュルレアリスム(超現実主義)の影響の側面から語られることがほとんどでした。例えば《空港》(1937年)において、カエデの種子が同時に飛行機にも見えるような、形の連想によって幻想的なイメージを生み出そうとする手法がそれにあたります。けれども本展では、北脇がそうしたシュルレアリスムの思想や技法を借りながら、本当にやりたかったことは何だったのか、ということに目を向けたいと思います。それは、私たちをとりまくこの世界の背後にある見えない法則を解き明かし、世界観のモデルを示すことでした。 北脇はそうした信念のもと、シュルレアリスムだけでなく、数学をはじめ、ゲーテの自然科学や古代中国の易などを駆使して、独自の図式的な絵画を生み出しました。 一粒の種子が発芽し、成長をとげ、開花し実を結び、そして新たな種子を生み出すことに、天地の法則すべてが凝縮されていることを見出そうとした彼の、他に類をみない制作の歩みを紹介します。 「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」パンフレット 北脇昇 一粒の種に宇宙を視る展パンフレット 「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」展では、会場でパンフレットを配布しております。この度、遠方で来館が難しい方のために、PDF版を配布することにしました。(※会期の表記が変更前のものとなっております。ご了承下さい。) PDF版(A3サイズ)はこちらよりダウンロードして下さい。 イベント 5月16日(土)15:00-16:30 臨時休館につき中止講師 大谷省吾(美術課長・本展企画者)場所 地下1階講堂入場無料・申込不要(先着140名) キュレータートーク 5月8日(金)18:00-19:00  臨時休館につき中止担当研究員 大谷省吾(美術課長・本展企画者)場所 ギャラリー4申込不要・参加無料(要観覧料) 開催概要 東京国立近代美術館2階 ギャラリー4 2020年2月11日(火・祝)~6月14日(日)10月25日(日) 10:00-17:00 ※入館は閉館30分前まで※8月1日(土)以降、金曜・土曜10:00-20:00 月曜日[ただし2月24日、8月10日、9月21日は開館]、2月25日(火)、8月11日(火)、9月23日(水)※臨時休館期間:2月29日~6月3日 会場では当日券を販売しています。会場の混雑状況によって、当日券ご購入の列にお並びいただいたり、入場をお待ちいただく場合がありますので、オンラインでの事前のご予約・ご購入をお薦めいたします。 新型コロナウイルス感染症予防対策のため、 ご来館日時を予約する日時指定制を導入いたしました。⇒こちらから来館日時をご予約いただけます。(「MOMATコレクション」のご予約で「北脇昇」がご覧いただけます)※上記よりチケットも同時にご購入いただけます。※観覧無料対象の方(65歳以上、高校生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名、招待券をお持ちの方等)についても、上記より日時のご予約をお願いいたします。※お電話でのご予約はお受けしておりません。 一般 500円 (400円)大学生 250円 (200円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料。 それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。 「友の会MOMATサポーターズ」、「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ) 【大学生・高校生無料期間】 8⽉1⽇(土)〜8⽉30⽇(⽇)は、⼤学⽣・高校生の本展覧会観覧料が無料となります。 *⼊場時に、学⽣証の提⽰が必要となります。 東京国立近代美術館

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび

熊谷守一(くまがい・もりかず  1880‐1977)は、明るい色彩とはっきりしたかたちを特徴とする作風で広く知られます。特に、花や虫、鳥など身近な生きものを描く晩年の作品は、世代を超えて多くの人に愛されています。 その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、70年以上に及ぶ制作活動をたどると、暗闇でのものの見え方を探ったり、同じ図柄を何度も使うための手順を編み出したりと、実にさまざまな探究を行っていたことがわかります。描かれた花や鳥が生き生きと見えるのも、色やかたちの高度な工夫があってのことです。穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と、考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。 東京で久々となるこの回顧展では、200点以上の作品に加え、スケッチや日記などもご紹介し、画家の創造の秘密に迫ります。 明治から昭和におよぶ97年の長い人生には、貧困や家族の死などさまざまなことがありました。しかし熊谷はひたすらに描き、95歳にしてなお「いつまでも生きていたい」と語りました。その驚くべき作品世界に、この冬、どうぞ触れてみて下さい。 クマガイ モリカズってどんな人? 1880(明治13)年  ~  1977(昭和52)年 岐阜県恵那(えな)郡付知(つけち)村に生まれる。1897(明治30)年上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らの指導を受ける。同期に青木繁、和田三造らがいる。1904(明治37)年に同校を卒業。1909(明治42)年には《蝋燭(ローソク)》により第3回文展で褒状を受ける。翌年一時帰郷、1915(大正4)年に再上京するまで、材木運搬などの仕事につく。 上京後は二科会で発表を続け、二科技塾の講師も務める。1922(大正11)年、大江秀子と結婚。1928(昭和3)年に次男・陽を、32(昭和7)年に三女・茜を、47(昭和22)年に長女・萬(まん)を失くすなど、戦争をはさんで次々と家族の死に見舞われる。戦後は明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立。97歳で没するまで制作を行った。 住まいの跡地は現在二女、熊谷榧(かや)氏を館長とする「豊島区立熊谷守一美術館」となっている。 講演会 ■藏屋美香(当館企画課長、本展企画者)2017年12月16日(土)14:00‐15:30聴講無料(先着150名)、申込不要 ■岡﨑乾二郎(造形作家、批評家)「モリカズについて、いま語れることの全て」2018年1月13日(土)14:00‐15:30聴講無料(先着150名)、申込不要 ■高畑勲(アニメーション映画監督)聞き手:藏屋美香(当館企画課長、本展企画者)2018年2月24日(土)14:00‐15:30当日10:00より1F受付にて整理券を配布(先着150名)、聴講無料、要観覧券 場所:講堂(地下1階)*開場は開演30分前 カタログ 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝) 10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで 月曜(1/8、2/12は開館)、年末年始(12/28-1/1)、1/9(火)、2/13(火) 【当日券】一般 1,400(1,000)円大学生・専門学校生 900(600)円高校生 400(200)円 【前売券】一般 1,200円ペアチケット 2枚で2,000円大学生・専門学校生 800円高校生 300円 いずれも消費税込。( )内は20名以上の団体料金。前売券・ペアチケットは2017年10月2日(月)~2017年11月30日(木)販売。ペアチケットはオンラインのみ。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」もご覧いただけます。 主なチケット販売場所:東京国立近代美術館・工芸館(*開館日のみ、工芸館は当日券のみ)、本展特設サイト(オンラインチケット)、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケットほかチケット購入時に手数料がかかる場合があります。 東京国立近代美術館日本経済新聞社テレビ東京 愛媛県美術館 2018年4月14日(土)〜6月17日(日)

トーマス・ルフ展

見どころ 本展はその世界が注目する写真家の,初期から初公開の最新作までを紹介する展覧会です。ルフは初期に発表した高さ約2メートルにもなる巨大なポートレート作品で注目されました。それ以降,建築,都市風景,ヌード,天体などさまざまなテーマの作品を展開,それらを通じ,現代人をとりまく世界のあり方についてのユニークなヴィジョンを提示してきました。 私たちの視覚や認識に深く組みこまれた写真というメディアそれ自体も,ルフ作品の重要なテーマのひとつです。ルフは自ら撮影したイメージだけでなく,インターネット上を流通するデジタル画像からコレクションしている古写真まで,あらゆる写真イメージを素材に用い,新たな写真表現の可能性を探究しています。作品選択や展示構成にルフ自身が参加するなど,作家の全面的な協力を得て実現する今回の展覧会では,未発表の新作を含む作品世界の全貌を紹介します。 トーマス・ルフ展のみどころ ■日本では初めての本格的回顧展ルフ作品は1990年代から日本の美術館やギャラリーで紹介されてきましたが,美術館で開催される本格的な回顧展は今回が初となります。待望されていた日本国内での個展が,ついに実現します。 ■初期から最新作まで,主要シリーズで作品世界を紹介本展は初期作品である「Interieurs」や評価を高めた「Porträts」,少年時代からの宇宙への関心を背景とする「cassini」や「ma.r.s.」,インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や「jpeg」など,全18シリーズ,東京会場は約125点の作品で構成されます。 ■最新作「press++」シリーズでは,本展が世界初公開となる作品もある新聞社のプレス写真アーカイヴを入手したことから着想された「press++」。かつてのメディア空間で使用されていた紙焼写真とそれにともなう文字情報を素材に生まれた最新作です。本展では読売新聞社から提供されたプレス写真を素材とした世界初公開となる作品も発表されます。 ■会場はすべて撮影可能ですアーティストの許可により、会場はすべて撮影可能です。 出品される主なシリーズの紹介 Porträts一 見ありふれた証明写真のようにも見えるポートレート。しかし巨大なサイズ(210×165cm)に引伸ばされた作品の前に立つと,そうした印象は一変しま す。ありふれた人物写真が,どこか不可解で不可思議な存在にすら見えてくるとすれば,そこには写真というメディア独自のメカニズムが働いているのではない でしょうか。ルフの評価を高めた初期作品は,シンプルな手法でさまざまな問題を提起します。巨大なカラープリントという現代写真のフォーマットの先駆と なったシリーズでもあります。 l.m.v.d.r.「l.m.v.d.r.」 とは,モダニズム建築を代表するドイツ出身の建築家ルードヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエの頭文字。ルフはある美術館からミースの建築の撮影を依 頼され,さらにミースのある時期の全建築作品を撮影するプロジェクトをてがけます。その過程で,ルフはすでに撮影されたミース建築の写真を徹底的に研究 し,そのうえで自ら撮影し,あるいは既存の写真を収集し,さらにはそれらのイメージをデジタル処理することで,この近代建築の巨匠についての視覚的な探求 を試みました。 cassiniル フは少年時代から一貫して宇宙への関心を抱き続けています。2008年に発表された「cassini」はNASA(アメリカ航空宇宙局)などが1997年 に打ち上げた宇宙探査船cassiniが撮影した土星とその衛星の画像を素材にした作品。ときに抽象的,幾何学的なデザインのようにも見える天体のイメー ジは,インターネット上で公開されている画像の色彩やトーンを操作することで生み出されたものです。 ma.r.s.「ma.r.s.」 もまたNASAの探査船が撮影した画像を素材とする作品です。2006年以来火星を周回する探査船のカメラは,火星の表面のさまざまな情報を地球に送り続 けています。ルフはその画像情報の角度や色彩をデジタル処理で加工することで,このはるか彼方で火星を見つづけるレンズを通じた「風景写真」の可能性を探 ります。 photogramこのシリーズのタイトルとなっている「フォトグラム」とは,1920年代後半にモホイ=ナジ・ラースローらによって開発された写真技法のひとつで,カメラを用いず感光紙上に物体を置いて直接露光し,その影や透過する光をかたちとして定着させる技法です。ルフは2012年よりこの技法を用いた作品制作に取り組みはじめました。従来のフォトグラムではやり直しがきかず,モノクロームの表現に限定されるのに対して,かねてより作品制作にデジタル技術によるマニピュレーションを導入していたルフは,コンピューター上のヴァーチャルな「暗室」で物体の配置と彩色を自在に操作し像をつくりあげています。 Substrateインターネット上に溢れる,もはや計測することすら不可能な量の画像は,何らかの現実を表象しうるのでしょうか。それとも単にRGB3色の画素の組み合わせがつくる視覚的な刺激にすぎないと言えるのでしょうか。ルフはネット上に氾濫する匿名のポルノグラフィに着目し,「nudes」シリーズの制作をはじめましたが,このシリーズではさらに「イメージ」の解体へと踏み込んでいます。日本の漫画やアニメから取り込んだ画像に原形がわからなくなるまでデジタル加工を繰り返し,画像から意味や情報を剥ぎとっています。 jpeg「nudes」 や「Substrate」シリーズと並んで,デジタル画像の解体が主題となっていますが,このシリーズではそうしたデジタル画像がもっている「構造」への 関心が加わっています。シリーズ名のjpegとはデジタル画像の圧縮方式のひとつで,現在,全世界で使用されもっとも標準的なフォーマットの名称です。圧縮率を高めすぎるとブロックノイズが発生し,画面がモザイク状になってしまうという,この画像フォーマットの特性を用いて,画像の構造そのものを視覚化しています。 zycles2008 年より制作がはじめられたこのシリーズでは,ルフの関心は数学や物理学へと拡がっています。イギリスの物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェル (1831-1879)の著した電磁気学の研究書の中に収められていた銅版画による電磁場の図版に触発されたルフは,さまざま数式がつくる線形を3Dプロ グラムによって再現し,コンピューター上の3次元空間で再構成しました。ルフによって平面作品へと変換された,こうした曲線の複雑な組み合わせは,惑星の軌道のようにも,あるいは抽象的なドローイングのようにも見えます。 イベント 講演会 ■塚本由晴(建築家、アトリエ・ワン代表)2016年10月2日(日)14:00-15:30 ■ホンマタカシ(写真家)2016年10月8日(土)14:00-15:30 場所:講堂(地下1階)*開場は開演30分前、聴講無料(先着140名)、申込不要 ギャラリートーク ■増田玲(東京国立近代美術館主任研究員・本展企画者)2016年9月9日(金)18:00-19:002016年10月22日(土)14:00-15:00 場所:1階企画展ギャラリー*参加無料(要観覧券)、申込不要 Music Dialogue ■Music Dialogue「主題と変奏─トーマス・ルフ展によせて」2016年9月11日(日)13:00-15:15 世界的ヴィオラ奏者で指揮者の大山平一郎さんらによる室内楽の演奏と解説、客席との「対話」で構成する音楽&トークイベントです。 場所:講堂(地下1階)*開場は開演30分前、有料(一般4,000円、学生2,000円)、要事前申込(webのみ)*主催:一般社団法人Music Dialogue *外部ページ*お申込み、お問い合わせはMusic Dialogueまでお願いします。 トーマス・ルフ展スペシャルディナー ■レストラン ラー・エ・ミクニが「トーマス・ルフ展」スペシャルディナーをご用意2016年8月30日(火)~11月13日(日) 美術館に併設するレストラン ラー・エ・ミクニは、三國清三シェフがプロデュースするフレンチとイタリアンの融合をアートする本格レストランです。トーマス・ルフ展にあわせて、展覧会特別企画のスペシャルディナーをご用意します。 *価格:おひとり様5,000円(税・サ別) 特別価格のため、現金でのお支払いをお願いします。*コース内容:アミューズ、前菜、パスタ、魚料理、肉料理、季節のデザート、小菓子、カフェ、乾杯のシャンパン付(注:画像は一例です)*時間:17:30~21:00 のうち、お席のご利用が2時間制*1日限定10組様のスペシャルプラン!前日11:00までに直接お電話にてご予約下さい。(ホームページからはご予約いただけません)火曜日のご予約は前々日まで。 TEL:03-3213-0392 *展覧会特典:展覧会の観覧券を持参いただいた方には、来年春の桜の季節のお席を誰よりも早くご予約いただける優先権を差し上げます。皇居をバックにした窓一面の桜は格別なことから、例年予約で満席になるため、予めご連絡先を頂戴し、一般の予約開始前にレストランからご案内をお送りします。 カタログ 開催概要 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 2016年8月30日(火)~2016年11月13日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで 月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火) 当日(前売/団体)一般  1,600(1,400/1,300)円大学生 1,200(1,000/900)円高校生  800(600/500)円 ( )内は、前売/20名以上の団体料金。いずれも消費税込。前売券は2016年6月4日(土)~2016年8月29日(月)販売。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。キャンパスメンバーズ加入校の学生は、学生証の提示で割引料金900円でご鑑賞いただけます。本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の「MOMATコレクション」(4F-2F)、「奈良美智がえらぶ MOMAT コレクション:近代風景 ~人と景色、そのまにまに~」(2Fギャラリー4)もご覧いただけます。 *この展覧会は下記の条件で写真撮影ができます。・フラッシュ、三脚、自撮棒は使用できません。・他の来館者の鑑賞を妨げないようご注意ください。・作品の接写はできません。・動画の撮影はできません。  撮影された写真の利用に関して・私的な利用に限ります。営利目的ではご利用になれません。・画像に変更を加えることはできません。・ブログやSNS、写真共有サービス等で使用する場合は、下記の情報をあわせて掲出してください。 作家名、作品名、「トーマス・ルフ展」、東京国立近代美術館 ・ブログやSNS、写真共有サービス等で他の来館者が写った写真を公表する場合、写っている方の肖像権に触れる場合があります。ご注意ください。・ブログやSNS、写真共有サービス等での利用は、利用者の責任においてお願いします。美術館は一切の責任を負いません。 *主なチケット販売場所:東京国立近代美術館(*開館日のみ)、チケットぴあ(Pコード:767-685)、ローソンチケット、イープラス、セブンチケット、JTB店舗ほか*手数料がかかる場合があります。 ■ルフ展 × ダリ展 セット券前売り券:2,600円販売期間:2016年8月29日(月)まで*ダリ展(9月14日~12月12日、国立新美術館)の前売券がセットになって、ルフ展とダリ展の2つの展覧会を特別価格でご鑑賞いただける前売券です。消費税込。*販売場所:チケットぴあのみで販売(Pコード:767-689)*手数料がかかる場合があります。 ■特大PRポスター付きチケット料金:3,000円販売期間:売り切れ次第終了(限定1,000枚)*特大PRポスターが付いた前売券を、1000枚限定で販売します。展覧会に出品されるポートレート作品をデザインした特大の縦長ポスター(縦177cm×横125cm)です。ポスターはチケット発券後、16分の1サイズに折った状態で特製封筒にお入れして別途お送りいたします。消費税・ポスター配送料込*販売場所:チケットぴあのみで販売(Pコード:767-700)*手数料がかかる場合があります。 ■Tシャツ付きチケット料金:4,800円販売期間:売り切れ次第終了(S・M・Lサイズ 各100枚限定)*展覧会に出品される作品をプリントしたTシャツ付き前売券です。消費税込*販売場所:チケットぴあのみで販売(Pコード:767-801)*手数料がかかる場合があります。*Tシャツは、会期中トーマス・ルフ展特設ショップにてチケットと一緒に発券される引換券とのお引き換えとなります。 東京国立近代美術館、読売新聞社、ぴあ、WOWOW J-WAVE Lufthansa Cargo AG、全日本空輸(株) 金沢21世紀美術館2016年12月10日(土)~2017年3月12日(日)

生誕110年 片岡球子展

概要 日本画家・片岡球子(1905-2008)は鮮烈な色彩、大胆にデフォルメされた形、力強い筆使いの画風で知られています。これらは、球子独自のものとして戦後の日本美術院において他の画家の追随を許しませんでした。 球子の制作は対象をじっくりと観察することから始まりますが 対象に深く没入するのではなく、むしろ対象を咀嚼するかのように、自分の眼に映るものを自分の感覚に引きつけ、独特の色使いと形のとらえ方によってつかみ取ります。歴史上の人物のように眼の前に存在しない対象を描く場合も同様です。現代を生きる人間として描かれる球子の歴史人物画は、他の作家たちが描くものとは全く性格が異なります。 さらに晩年には裸婦という新たな主題に取り組みます。眼の前の対象に忠実に、その形や重量感を線と色彩によってとらえようとする態度からは、描くことの意味を常に問い続ける球子の意欲がうかがえます。球子のこうした姿勢は、創立当時の日本美術院の作家達の制作態度にも通じ、またこれまでの日本画の枠組みを超えようとする後進の作家達にも大きな刺激となったことでしょう。 本展では、代表作によって球子の画業をたどるとともに、遺されたスケッチ、資料類もあわせて展示します。作家がどのように眼の前の世界と向き合い、どのようにその世界をとらえたかを示すことで、作家の芸術の本質に迫るとともに、その今日的意味を探ります。 出品点数:本画 約60点、スケッチ・資料類 約40点 見どころ 球子の画風の核心をスケッチから探る 球子はよく外に出かけては、山などの写生を行っていました。写生を出発点として本画を描くというのは一般的によくある手法です。鮮やかな色彩、思い切りデフォルメされた形…一度見たら忘れることができない球子の本画ですが、写生の時、対象物はどのように球子の眼に映っていたのでしょうか。 本展では、球子が遺した350冊あまりのスケッチブックを調査、精選し紹介します。球子の画風はなぜあれほどまでに強烈なのか、その秘密が明らかになるでしょう。 球子の代表作、勢ぞろい 本展では、初期代表作の《枇杷》(1930年)、鮮烈な色彩が際立つ《飼育》(54年)、舞楽を主題とした作品の代表《幻想》(61年)、〈面構〉シリーズの第1作目《面構 足利尊氏》《面構 足利義満》《面構 足利義政》(以上66年)、富士山を主題とした作品の中でも迫り来る山容が迫力満点の《山(富士山)》(64年)、背景に文様が描かれたものとしては例の少ない《ポーズ2》(84年)、文化勲章受章記念展に出品された《富士に献花》(90年)など、代表作を多数展示します。 知る人ぞ知る作品たち 約80年にわたる画業の間に生み出された作品は膨大な数にのぼります。その中には、画集や古いモノクロ写真で知られてはいるものの、実物を見られる機会がなかなかない作品もあります。 今回の展覧会では、そのような作品として《曼珠沙華》(横浜美術協会第5回展出品、1936年)、《羽衣滝》(個展出品、61年)、《梅図》(67年頃)などを展示します。いずれも、これまでほとんど公開されることのなかったものでありながら、実は球子芸術の特質を明らかにするうえで重要な作品です。 章構成 1章 1926(昭和元)年に女子美術学校(現在の女子美術大学)を卒業した球子は横浜市立大岡尋常高等小学校の教諭を務めながら、寸暇を惜しんで制作に励みました。日本美術院展に出品するも一時は連続して落選し、自身を「落選の神様」と称することもありましたが、研究に真摯に取り組み続け、やがて日本美術院の同人となりました。 この時期の球子は、おだやかな色彩、おとなしい筆線によって、《枇杷》(1930年)のように対象の形態を忠実に把握しようとしたり、《炬燵》(35年)のようにものの質感を表現しようとしたりしています。そこには、女子美術学校時代に身につけた、対象をじっくりと観察し、対象に深く没入する姿勢が見て取れます。 2章 やがて球子の作品には変化が訪れます。《海(小田原海岸)》(1959年)や《山(富士山)》(64年)のように、大胆な形態の把握、鮮やかな色彩の使用によって個性的な画風を確立したのです。その強烈な表現は他の日本画家の追随を許さないものでしたが、球子自身にとっては奇をてらおうとしたものではありませんでした。対象に向き合いその本質に極限まで迫ろうとする中で生まれたものだったからです。目の前の海や山は球子ならではの造形感覚で消化されます。そして、それ自体が別の生き物のごとくうごめき出すかのような、2次元の画面へと生まれ変わるのです。 3章 球子は1966年から、ライフワークである〈面構〉のシリーズに着手しました。描かれるのは歴史上の人物がほとんどです。山や海とは違い、目の前に存在しない対象という意味では、歌舞伎や能、舞楽を題材にした作品に描かれる人物も同様です。演じ手は目の前にいますが、その背後には物語の世界が広がっています。 自分の生きている今とは別の場所にいる人々を描くため、まずは古美術に表された図像や現役の役者に徹底的に取材します。しかしその後は、人物を取り巻く世界を球子の感覚に基づいた色や形で構築するのです。歴史人物にいたっては、その人がもし現代に生きていたら何を考えるかを想像します。目の前に存在しないものも、常に自分に引きつけてとらえる、それが球子流の手法なのです。 4章 1983年、球子は78歳にして、裸婦という新たなテーマに取り組み始めました。さまざまな色が混じりあった背景に描かれる裸婦の姿には、これまでの作品にあるような鮮やかな色彩や大胆な造形は見られません。体の微妙な凹凸が線描と彩色で注意深く表されています。何本もの線が重なりあうさまは、じっとモデルを観察しながら、体のラインを探り当てようとしているかのようです。 裸婦は、具体的なものが何も描かれない背景にさまざまなポーズで表わされています。画面の中で浮かんでいるようにも、横たわっているようにも、もたれているようにも見えます。裸婦が画面の四角い枠の中に押し込まれたようなものもあります。 〈面構〉のようにストーリーがあるわけでもなく、静かに目の前に存在する裸体の何をどうとらえるか、それをどのように絵画という四角く区切られた2次元の世界に表すか。それは、長い画業の中で絶えず取り組んできた、観察すること、描くことの本質を探ろうとする行為でした。 作家略歴 片岡球子 略年譜 1905(明治38)年 1月5日、札幌市に生まれる1926(大正15/昭和元)年 21歳 女子美術学校日本画科高等科を卒業。許嫁との結婚を断り画家の道を選ぶ。横浜市立大岡尋常高等小学校で教諭を務める傍ら制作に励む1930(昭和5)年 25歳 第17回院展に《枇杷》を初出品、入選する1955(昭和30)年 50歳 横浜市立大岡小学校を退職、女子美術大学で教鞭を取る1962(昭和37)年 57歳 9月、ヨーロッパへ出発。フランス、イタリア、イギリスをめぐり11月帰国(その後も数度、短期間渡欧する)1966(昭和41)年 61歳  愛知県立芸術大学が開校し日本画科の教授となる。〈面構〉シリーズの制作を始める1983(昭和58)年 78歳 〈ポーズ〉シリーズの制作を始める1989(昭和64/平成元)年 84歳 文化勲章を受章2008(平成20)年 103歳 1月16日、急性心不全のため逝去 カタログ情報 イベント 講演会 山本直彰(画家、武蔵野美術大学特任教授)「先生として、そして作家からの視点」 日程:    2015年4月11日(土)時間:    14:00-15:30場所:    東京国立近代美術館講堂(地下1階) *聴講無料、申込不要、先着140名*開場は開演の30分前 山梨俊夫(国立国際美術館長)「片岡球子の破格と正統」 日程:    2015年5月2日(土)時間:    14:00-15:30場所:    東京国立近代美術館講堂(地下1階) *聴講無料、申込不要、先着140名*開場は開演の30分前 球子の教え子であるお二人にお話をうかがいます。 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2015年4月7日 - 2015年5月17日 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00) 入館は閉館30分前まで 月曜日(ただし5 月4 日は開館) 一般1400(1200/1000)円大学生900(800/600)円高校生400(300/200)円ペアチケット 2枚で2000円(前売のみ) ( )内は前売/20名以上の団体料金。いずれも消費税込。中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。前売券およびペアチケット販売期間は2015年3月11日(水)-2015年4月6日(月) 本展の観覧料で入館当日に限り、「大阪万博1970 デザインプロジェクト」(2Fギャラリー4)、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご覧いただけます。 前売券[4月6日(月)まで]および当日券は、東京国立近代美術館券売所(開館日のみ)、オンラインチケット、チケットぴあ[Pコード:766-587(前売/当日)]、ローソンチケット[Lコード:36740]、セブン-イレブン[セブンコード:035-323]ほか、各種プレイガイドにてお求めいただけます。手数料がかかる場合がございます。 東京国立近代美術館、日本経済新聞社 損保ジャパン日本興亜大日本印刷 旭硝子 北海道立近代美術館 http://tamako2015.exhn.jp/ 公開は終了しました 愛知県美術館:2015年6月12日(金)-7月26日(日)

大阪万博1970 デザインプロジェクト 

概要 大阪万博(日本万国博覧会)は高度経済成長まっただなかの1970(昭和45)年に開催された国民的な祭典として記憶されています。その一方で大阪万博は未来都市を想定したデザインワークの実験場でもありました。 大阪万博の開催が正式に決まったのは、東京オリンピックの翌年1965(昭和40)年9月のことでした。それ以降日本の各界の英知を結集し、テーマの決定、基本構想の策定、シンボルマークの制定など、4年半後の開催に向けて矢継ぎ早に準備がすすめられました。 会場を千里丘陵とすることが決まり造成工事がはじまったのは、1967(昭和42)年3月のことでした。会期中、休日には50~60万人の観客が押し寄せてくることを想定し、近未来都市のモデルとして会場が設計されました。連日さまざまなイベントが繰り広げられるお祭り広場、テーマ館(太陽の塔)、劇場、美術館などを集めたシンボルゾーンを木の幹に、動く歩道を枝に、内外のパビリオンを花に見立てるというのがチーフプロデューサー丹下健三の基本構想でした。 かつて万博は「もの」を見せるイベントでした。ところが第二次世界大戦後には、「見せる万博」から「考える万博」へとその性格を大きく変えました。大阪万博が採択したテーマ「人類の進歩と調和」は、人類の進歩を讃えるだけなく、科学技術の進歩がもたらすさまざまな負の側面にも目を向けようという主張でした。この理念を表現すべく「お祭り広場」が構想され、その中心に岡本太郎による《太陽の塔》が作られ、テーマ展示が展開されたのです。 大阪万博はデザインの可能性を探る実験場でもありました。準備段階からデザイナーが動員され、シンボルマークやポスターやイラストをはじめとするプロモーション素材の制作、さらに会場内のサイン計画やパビリオンの展示設計などにも参加し、デザイナーという職能の可能性をさまざまなかたちで示しました。 大阪万博は6か月間の会期中に6,421万人が来場、大きな成功をおさめました。この展覧会では、大阪万博を成功に導いたデザインワークを振り返るとともに、デザイナーにとって万博とは何だったのか考えます。 展覧会構成 第1章 万国博覧会を成功させようプロモーションとデザインポリシー  「人類の進歩と調和」を基本理念とした大阪万博の開催が決定したのは,東京オリンピックの翌年のことでした。万博の出展招請のため、また観客動員のために作られたポスターやシンボルマーク、開催を記念して発売された切手やたばこなど、プロモーションのためのデザインを紹介します。 第2章 未来都市の実験場  万博会場では,岡本太郎の《太陽の塔》を囲むお祭り広場を中心に、美術館や劇場をシンボルゾーンとして、パビリオンだけでなく、動く歩道などの移動手段や噴水、野外彫刻、スタッフのユニフォームに至るまで、先進的な試みによって仮想の未来都市のイメージが表現されました。会場写真資料やデザイン原画などをとおして、当時のデザインワークを振り返ります。 第3章 デザイナーにとって万博とはなんだったのか  科学技術の進歩を讃えるだけでなく、その負の側面にも向き合うことを訴えた「テーマ館」をはじめ、桜の花びらをかたどった建物の配置が、万博のシンボルマークを表わす「日本館」や、横尾忠則が造形ディレクターを担当した「せんい館」など、各パビリオンの設計や展示デザインにおけるデザイナーの取り組みと葛藤を探ります。 カタログ情報 イベント情報 記念講演会 「大阪万博:20世紀が夢見た21世紀」平野暁臣(空間メディアプロデューサー) 日程: 2015年4月18日(土)時間: 14:00-場所: 地下1階講堂※13:30開場、聴講無料・申込不要(先着140名) ギャラリー・トーク 木田拓也 (当館主任研究員・本展企画者)日程: 2015年4月4日(土) 暮沢剛巳 (東京工科大学デザイン学部准教授)日程: 2015年4月12日(日) いずれも 15:00からギャラリー4会場にて※申込不要、参加無料(要当日観覧券) 演奏会 「フランソワ・バシェの音響彫刻の響き」演奏:永田砂知子、マルティ・ルイツ 日程: 2015年5月9日(土)2015年5月10日(日)場所: 地下1階講堂 ※各日聴講無料・申込不要(先着120名) 大阪万博「鉄鋼館」パビリオンに展示されたフランソワ・バシェの音響彫刻。復元された作品による演奏、ワークショップ、映像上映、シンポジウムを開催いたします。 ※開始時間等の詳細は決定次第本ページにてご案内いたします。 本イベントは日本万国博覧会記念基金の助成を受けています。 開催概要 ギャラリー4 (2F) 2015年3月20日(金)~5月17日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00) 入館は閉館30分前まで 月曜日(3月23日、30日、4月6日、5月4日は開館) 一般 430円 (220円)大学生 130円 (70円) 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会・賛助会会員、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、会員証、障害者手帳等をご提示ください。( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。お得な観覧券「MOMATパスポート」でご覧いただけます。キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。本展の観覧料で、入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(所蔵品ギャラリー、4-2F)と工芸館所蔵作品展もご観覧いただけます。「生誕110年 片岡球子展」のチケットでも、入館当日に限り本展と美術館及び工芸館の所蔵作品展をご覧いただけます。 4月5日(日)、5月3日(日) 東京国立近代美術館 大阪府

Page Top