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現代の眼 『現代の眼』は、東京国立近代美術館、東京国立近代美術館工芸館で開催される展覧会の特集記事や所蔵作品の解説、作家によるエッセイなどを載せた美術館ニュースです。1954年の創刊以来634号まで刊行してまいりました。 当初はモノクロ8ページの月刊でスタートしましたが、1996年4月より部分カラー16ページの隔月刊へと移行。2013年の600号の節目を機に、オールカラー化しレイアウトを一新しました。その後2017年4月より季刊化。そして2020年から記事ごとにweb化し、より多くの方にご覧いただけるよう電子ジャーナルとして生まれ変わりました。635号より年度毎に記事をまとめたPDF版(年刊)を発行しています。 600号(2013年6-7月号)より、記事のPDFを公開しています。 東京国立近代美術館リポジトリ アーティスト・トーク アーティスト・トーク 第31回 青木野枝(彫刻家) 当館の所蔵作品について作家自身が語る「アーティスト・トーク」。制作の背景にあった考えや経緯などを、生の声で聞くことができる貴重な記録映像です。 キュレータートーク 研究員による所蔵作品解説。 所蔵作品の魅力を、研究員が分かりやすく短い動画で解説します! MOMAT Focus MOMAT Focusは、オモテからは見えない美術館の活動を紹介するコンテンツです。保存修復、展示設営など、美術館の舞台裏をお伝えします。 Virtual LTA! 英語による対話鑑賞&異文化交流のプログラム「Let’s Talk Art!」を画面越しに体験するようにご覧いただける映像「Virtual LTA!」のシリーズです。 ※映像は音声・テロップとも英語です。 ガイドスタッフによる所蔵作品紹介 MOMATガイドスタッフが制作した動画が当館Youtubeチャンネルの再生リスト「MOMATガイドスタッフ(解説ボランティア)」にまとめられています。 ガイドスタッフイチオシの所蔵作品の紹介や、おうちで所蔵品ガイド気分が味わえるプチ所蔵品ガイドのシリーズがあります。ぜひご覧ください。 教育普及レポート 当館の教育普及活動についてのレポートです。プログラムの様子などを簡潔にご紹介します。(本シリーズ以外に、「現代の眼」でも教育普及活動の記録や考察を読むことができます。)

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アクセシビリティ

アクセシビリティへの取り組み施設のバリアフリー館内のご案内ソーシャルストーリー アクセシビリティへの取り組み どなたさまにもゆっくり作品を鑑賞いただけるよう心がけています。 受付でのご案内 車椅子、ベビーカーの貸し出し 受付での筆談ボード 会場内の写真撮影(一部の作品を除く) 補助犬同伴可 手荷物用コインロッカー お身体が不自由な方のための駐車場 館内に座って休める場所 多目的トイレ 救護スペース 授乳室 施設のバリアフリー お車でのご来館 お体が不自由な方が利用される車に限り、駐車スペースをご利用できます。ご利用の際は美術館の前庭付近に駐在している警備員へお申し出ください。なお、スペースに限りがあるため、混雑時には駐車をご遠慮願う場合がございます。あらかじめご了承ください。 補助犬同伴可 盲導犬、介助犬、聴導犬を伴ってのご入館が可能です。 スロープ 美術館の出入り口にはスロープが2箇所あります。また外部とのドアは自動ドアです。 多目的トイレ 多目的トイレは、館内に3箇所ございます。(地下1階、1階、2階)。1階の多目的トイレ内には、オストメイト(人工肛門、人工膀胱保有者)用の設備がございます。全てにオムツ替えシートの設備がございます。地下1階の多目的トイレは、講堂でイベント等の実施時のみ利用が可能です。 エレベーター 館内には車椅子対応のエレベーターがあります。 貸出用の車椅子・ベビーカー 貸出用の車椅子を約10台、ベビーカーを約3台ご用意しております。ご利用の際は1階インフォメーションへお申し出ください。 館内の座って休める場所 館内、前庭・テラスには座って休める椅子があります。写真の眺めのよい部屋をはじめ館内では飲食はできませんが、前庭・テラスでは飲食が可能です。 館内のご案内 館内マップでみる3Dでみる 館内マップでみる フロアマップをご紹介します。より大きなフロアマップ、館内の詳しい様子は、ソーシャルストーリーからもご確認いただけます。 アイコンの説明 入口と出口 傘立て コインロッカー トイレ 階段 エレベーター インフォーメーション チケットを見せる場所 お金を払う場所 休む場所 東京国立近代美術館 館内マップ B1F フロアマップ 1F フロアマップ 2F フロアマップ 3F フロアマップ 4F フロアマップ ソーシャルストーリー この ストーリーを読むことで、美術館でのすごし方について、知ることができます。 このソーシャルストーリーは、主に発達障害がある方とその家族に向けて、どなたでも美術館を楽しみながら過ごすことができるよう、当事者や医療関係の専門家の協力を得ながら作成しました。入館から退館までの様子が、写真や文章で説明された冊子です。建物の内外でのルールを事前に知ることで、見通しを持って、安心して過ごすことができます。PDF ダウンロード(5.5MB)

ぬいぐるみお泊り会2025 秋のお泊り会

ぬいぐるみお泊り会2025 夏のお泊り会の様子 ぬいぐるみお泊り会は、こどもたちが大切にしているぬいぐるみが代理で美術館に宿泊し、作品を鑑賞したり、館で過ごしたりすることで、こどもたちに美術館やアートに親しんでもらうための取り組みです。 数日間ぬいぐるみをお預かりし、MOMATコレクション展示室で作品といっしょに写真撮影を行います。フォトグラファーの撮影した写真をアルバムにしてお渡しいたします(後日郵送)。 今年は夏と秋に会期を分け、今回は秋のお泊り会の募集となります。8月に実施した夏のお泊り会に当選した方は、秋のお泊り会へはご応募いただけません(夏・秋と重複して当選することはありません)。概要、注意事項をよくご確認のうえ、ご応募ください。 【10月30日更新】本イベントへのご応募受付は終了しました。たくさんのご応募をありがとうございました。ご応募いただいた皆様には抽選結果のメールを送信しました。メールのご確認をお願いします。 概要(秋のお泊り会) 11月7日(金)から11月16日(日)まで(最大) 1歳以上および中学生以下のお子様がお持ちのぬいぐるみ 20体 税込1,000円(フォトアルバム代、送料を含む) 10月14日(火)より受付を開始。10月28日(火)申込〆切。 応募者多数の場合は抽選を行います 。 注意事項 応募について 兄弟姉妹でご応募の場合、まとめて1件としてご応募ください。お子様お一人ずつに分けて複数回応募する必要はありません。 ぬいぐるみは親などの代理の方がお持ちいただいても構いません。宅配便・郵送等での受取りはいたしません。 ぬいぐるみについて    ぬいぐるみの大きさは、最大寸10センチ以上100センチ以内とします。  ぬいぐるみは、1歳以上および中学生以下のお子様お一人につき一体に限ります。 ぬいぐるみの形状、種類等は問いません。(キャラクター商品も可)  お子様が数日間ぬいぐるみと離れても問題ないか、あらかじめご確認ください。  ぬいぐるみの引き渡しについて 当選した方は、下記のスケジュールにて、美術館1階受付で直接ぬいぐるみの引き渡しをお願いいたします。ご都合の良い日の開館時間中にお越しください。  お預かりしたぬいぐるみは、美術館受付でお返しいたします。必ず直接引き取りにお越しください。 ぬいぐるみお持ち込み ぬいぐるみお返し秋のお泊り会11月7日(金)~11月9日(日) 11月11日(火)~11月16日(日) お持ち込み/お返し場所:美術館1階受付 ※開館時間…日曜日~木曜日 10:00-17:00、金曜日・土曜日 10:00-20:00  その他 撮影した写真は参加者間で共有するとともに、美術館が広報で利用いたします。あらかじめご了承ください。  「ぬいぐるみお泊り会」は、子ども達が芸術に触れる機会の拡大を目指す国立美術館全体の取り組みである「Connecting Children with Museums」のひとつで、Adobe Foundationのご支援のもと実施されています。  すべての取り組みについては、こちらからご覧いただけます。  Supported by:

ぬぐ絵画:日本のヌード 1880-1945

概要 今日も盛んに描かれ続ける、はだかの人物を主題とする絵画。絵といえば、風景や静物とともに、まずは女性のヌードを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 しかし、はだかの人物を美術作品として描き表し、それを公の場で鑑賞するという風習は、実はフランス、イタリア経由の「異文化」として、明治の半ば、日本に入って来たものでした。以後、これが定着するまで、はだかと絵画をめぐって、描く人(画家)、見る人(鑑賞者)、取り締まる人(警察)の間に多くのやりとりが生じることになりました。 「芸術にエロスは必要か」「芸術かわいせつかを判断するのは誰か」にはじまり、「どんなシチュエーションならはだかを描いても不自然ではないのか」「性器はどこまで描くのか」といった具体的な事柄まで、これまで多くの画家たちが、はだかを表現するのに最適な方法を探ってきました。 今日も広く論じられるこうした問いの原点を、1880年代から1940年代までの代表的な油彩作品約100点によってご紹介します。 |展示替のお知らせ| ■前期[11月15日―12月18日]のみ展示の作品・村山槐多《尿する裸僧》1915年 信濃デッサン館 ・熊谷守一「画帖(七号)」より    [1908年2月15日]1908年 岐阜県美術館  ■後期[12月20日―1月15日]のみ展示の作品・熊谷守一「画帖(七号)」より    [轢死(下絵)]1908年 岐阜県美術館 展覧会構成 1 はだかを作る「芸術としてのはだか」を作り出すため、日本人離れしたプロポーションにしてみたり、腰巻で下半身だけ隠してみたり。明治の画家たちの四苦八苦をご紹介します。 出品作家:黒田清輝、和田英作など 2 はだかを壊す1920年代から、前衛美術の動きを受け、はだかを使った造形実験が行われます。まるでロボットのようだったり、できるはずのないおかしなポーズをしていたり、そんなちょっと変わったはだかをご紹介します。 出品作家:萬鉄五郎、熊谷守一、古賀春江など 3 もう一度、はだかを作る昭和に入ると、壊れてしまったはだかをもう一度組み立て直そうとする動きが現れます。「アトリエに、いかにも日本人らしいプロポーションの雇われモデルが寝そべっている。そばには脱いだどてらが・・・」などと、生々しいはだかが登場するのもこのころです。 出品作家:安井曽太郎、小出楢重、梅原龍三郎など ここが見どころ キュレーターのこだわり1 チラシについてチラシの表には、黒田清輝《智・感・情》のうち《情》の女性を用いています。右側の折りの部分を開けると、女性の悩ましい表情や左手部分のポーズがあらわれるしかけ。タイトルにある「ぬぐ」というアクションを、折りを開けることでお客様にも追体験していただこうと、デザインを手がけた森大志郎さんと一緒に工夫しました。 また、女性キュレーターが企画し、ぜひ女性に見ていただきたい展覧会ということで、テーマカラーをピンクに決め、英文タイトル「Undressing Paintings」の部分には、某ファッション誌で使われる書体を選びました。 このチラシ、裏返してもう一度折りを開けると、熊谷守一《裸》のポスターになるという豪華なおまけも。美術館、博物館等を中心に配布しています。見かけたらぜひゲット! キュレーターのこだわり2 会場デザインについて 会場デザインは、建築家の西澤徹夫さんが担当しました。入口やキャプションなど、あちこちに今回のテーマカラーであるピンクを用い、シンプルながら細かな工夫がなされた、美しい会場ができあがりました。 会場内に4脚配したベンチも、この展覧会に合わせ、西澤さんがデザインしたもの。脚部が微妙に内側に曲がっていて、なぜか人なつこい動物のたたずまいです。ご来館の折には、ぜひ実際に座り心地を確かめてみてくださいね。 2階では、スイスの建築家、「ヴァレリオ・オルジャティ」の個展も開催中。建築や空間のデザインという観点からも、全館楽しめちゃいます。両方見ないともったいない! カタログ目録情報 カタログ好評発売中!ありそうでなかった、ハンディサイズのはだかの絵画全史、決定版です。 がっつり見て、読んで、楽しめる232頁、1600円。出品作全98点をカラーで収録。その他参考図版約40点を掲載。はだかの絵画取締り事件年表、作家略歴など充実の資料篇も。お電話でのご注文も承ります。(カタログ郵送案内はこちら) デザイン:森大志郎会場では、同じく森大志郎さんデザインのフロアガイド(右)をさし上げています。 掲載誌情報 以下の新聞に本展の展覧会評が掲載されました。それぞれクリックすると記事(外部サイト)を読むことができます。 朝日新聞夕刊(2011年11月30日 執筆:大西若人) 日本経済新聞電子版(2011年12月1日 執筆:宝玉正彦) 読売新聞(2011年12月8日 執筆:井上晋治) 毎日新聞夕刊(2011年12月8日 執筆:高階秀爾) 産経ニュース(2011年12月23日 執筆:渋沢和彦) また下記2011年美術回顧記事の中でも、すぐれた展覧会として触れられています。 朝日新聞夕刊(2011年12月14日 執筆:大西若人) 毎日新聞夕刊(2011年12月15日 執筆:岸桂子) イベント情報 講演会 横尾忠則(美術家)「ヌードは難しくて解らない」 日程: 2011年11月26日(土)時間: 14:00-15:30場所: 当館地下1階講堂 岡﨑乾二郎(美術家)「皮膚を脱ぎ、臓腑(はらわた)を放つ。」 日程: 2011年12月3日(土)時間: 14:00-15:30場所: 当館地下1階講堂 要申込(応募者多数の場合は抽選)・聴講無料(140名) 申込方法|郵便往復はがきの「往信用裏面」に郵便番号・住所・氏名・電話番号・聴講をご希望される講演日を、「返信用表面」に郵便番号・住所・氏名を明記のうえ、下記までお申込みください。応募は1通につき1名、各講演会につきお一人さま1回まで。 申込先|〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1東京国立近代美術館 「ぬぐ絵画展講演会」係 締切|11月21日[月](当日必着)*いずれの講演とも、若干数席に余裕が出たため、追加募集いたします。 *個人情報につきましては、講演会申込手続のみに利用させていただき、その他の目的による利用は一切行いません。 蔵屋美香(本展企画者、美術課長)「ぬぐ絵画」 日程: 2011年12月10日(土)時間: 14:00-15:30場所: 当館地下1階講堂申込不要・聴講無料(先着140名) ギャラリートーク各作家研究の第一人者による連続トーク! 「黒田清輝とヌード」山梨絵美子(東京文化財研究所)日程: 2011年11月20日(日)時間: 14:00-15:00 「萬鉄五郎とヌード」根本亮子(岩手県立美術館)日程: 2011年12月11日(日)時間: 14:00-15:00 「古賀春江とヌード」大谷省吾(当館主任研究員)日程: 2011年12月17日(土)時間: 14:00-15:00 「〈ぬぐ絵画〉について」蔵屋美香(本展企画者、美術課長)日程: 2012年1月6日(金)時間: 18:00-19:00 「安井曽太郎とヌード」貝塚健(ブリヂストン美術館)日程: 2012年1月7日(土)時間: 14:00-15:00 *いずれも会場にて。申込不要・参加無料(要観覧券) 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2011年11月15日(火)~2012年1月15日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 月曜日[2012年1月2日、9日は開館]、年末年始(12月28日-1月1日)、1月10日(火) 一般 850円(600円) 大学生450円(250円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※入館当日に限り、「ヴァレリオ・オルジャティ展」(ギャラリー4)、所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。 東京国立近代美術館 注目の展覧会を「はだか」にする「ぬぐ絵画」展特設サイト ⇒リンクはこちらから 展覧会の見どころを2回に分けてご紹介いたします。ぜひご覧ください。コンテンツ第一弾 ⇒ この「はだか」に注目コンテンツ第二弾 ⇒ 「はだか」のみかた

ヴァレリオ・オルジャティ展

概要 作品を発表するたびに話題を集める建築家、それがヴァレリオ・オルジャティです。彼が今事務所を構えているのは、グラウビュンデン地方の山里であるフリムス。このことからもわかるように、オルジャティは、時流にとらわれることなく、建築の本質と向き合い続けてきました。その建物の特徴は、「概念性」と「職人性」と「芸術性」とが高いレベルで融合しているところにあります。篠原一男(1925-2006)や安藤忠雄(1941- )などの影響もうかがえる幾何学的なプラン(平面図)に、時には土着的と思える形や模様を与えていくオルジャティの建築は、過激さと懐かしさとユーモアを同時に備えることに成功しています。そこで求められているのは、新しい建築などではなくて本当の建築である、そう言い換えることもできるでしょう。 ここが見どころ ヘルツォーク&ド・ムーロンやピーター・ズントーの次の世代を代表するスイスの建築家。 日本を大好きな建築家。彼が敬愛するのは、出雲大社、篠原一男、安藤忠雄、そして腰掛蟻継。 オルジャティは今回が初来日。講演会も、特別に、夜に開催いたします。 展示される模型の一部は、妹島和世さんがディレクターを務めたヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展にも出品されていました。 カタログには、オリジナルのインタビューを掲載予定です。 世界でもっとも有名な建築雑誌のひとつ『El Croquis』の最新号はオルジャティ特集です! 本展は国際巡回展の最終会場。日本国内でも東京のみの開催です。 東京国立近代美術館としては、2001年のリニューアル以来、3つめとなる建築展。これまでと同様に、「美術館ならではの建築展」を考え、提案します。 東京では、ほぼ同時期に、いくつもの建築展が開催されます。 展覧会構成 本展に展示されるのは、模型と図版です。と書くと、普通の建築展のように聞こえますが、これはヴァレリオ・オルジャティの、美術館で開催される展覧会。もちろん違います。模型は、小さな住宅も、大きな美術館も、すべて同じ1:33の縮尺でつくられていて、細かい部分は省略され、まるで彫刻のように見えます。白くて美しい模型9点を前にすると、建築の強度とはいったいなんによるのかと、考えさせられることでしょう。そして図版。これは、オルジャティが自らに影響を与えたものとして集めた、建物や庭園や空間や絵画などのイメージによって構成されています(それを彼は「図像学的自伝」と呼んでいます)。古今東西のさまざまなイメージが水平にひろがる中に、模型が、あるいは「建築」が、垂直に立っている。この対照性が本展の特徴です。この展覧会は、オルジャティ本人との密接なやりとりのもと、スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH, Zurich)建築理論・建築史研究所(gta)によって企画されました。スイス連邦工科大学(チューリヒ)から出発し、ロンドンの英国王立建築家協会(RIBA)などを経て、当館が最終会場になります。しかもオルジャティは、日本会場のために、ふたつ模型を追加してくれました。 作家紹介 ヴァレリオ・オルジャティ 1958年スイスの古都クールに生まれたヴァレリオは、スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH, Zurich)で建築を学びます。チューリヒ、そしてロサンゼルスで働いた後、1996年自らの事務所をチューリヒに開設。2008年以降は、故郷のフリムスを拠点とします(チューリヒからは、電車とバスを乗り継いで2時間ほどかかる場所です)。主な建築作品には、《学校》(パスペルス)、《黄色い家》(フリムス)、《リナルド・バルディルのアトリエ》(シャランス)、《スイス国立公園ヴィジターセンター》(ツェルネッツ)、《プランタホフ農業学校の講堂》(ランドクアルト)などがあります。2002年からは、スイス・イタリア語圏にあるメンドリジオ建築アカデミーの教授を務め、2009年には客員教授としてハーヴァード大学で教鞭を執りました。 オルジャティの建築のご紹介 春と冬で階数が変わるんです水に浮かんでいるようなこの建物。一階建てに見えますが、渇水期(冬)には、下の部分が現れるというすごい建物です。雪解け水による自然の変化をうまく使っているという点では、スイス的と言えるでしょうか。残念ながら、諸事情あって実現しませんでしたが。 CGでも、騙し絵でもありません右と左に分かれ行く階段……よーく見ても、まんなかに鏡はありません。CGでもありません。この厳密に左右対称な階段を(しかも線遠近法を強調して、先が細く=狭くなっていく階段を)、オルジャティは実際に設計したのです。しかも、スイスで唯一の、国立公のヴィジターセンターを兼ねたミュージアムとして! (これは実現しています。) スイス版看板建築?赤い壁に散らばる模様。抽象的なのに、懐かしく、それに楽しい感じもします。屋根をよく見ると、左側に「山型(切妻)」はありますが、真ん中は抜けていることに、つまりどうやら屋根がないことに気づきます。実はこの建物のある村(シャランス)では、景観を守り続けるために、建物の外形を変えてはいけないという決まりがあるそうなのです。オルジャティはその条件を逆手にとって、大きな中庭を持つアトリエを、ミュージシャンのためにつくりました。写真に見える扉を開けて出会うのは、室内ではなくって、光の降り注ぐ庭なのです。 イベント情報 講演会ヴァレリオ・オルジャティ(建築家)「75分間」  日程: 2011年11月1日(火)時間: 19:00-20:15場所: 当館地下1F講堂*日英同時通訳付 要申込(応募者多数の場合は抽選)聴講無料(130名)(参加者は講演会終了後午後9時まで本展覧会を無料でご覧いただけます) 応募は10月19日(水)をもって、締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。講演会は、当選通知が届いた方のみ聴講いただけます。ご了承ください。なお、講演会につきましては下記ご留意くださいますようお願い申し上げます。 *当日キャンセル待ちの予定はございません。*当日1900~2100は、当選者以外は美術館の敷地内に入れませんこと、ご了承ください。*建築家本人の希望により、ユーストリーム等での放映はいたしません。 ギャラリートーク日程: 2011年11月5日(土)時間: 14:00-15:00 保坂健二朗(当館研究員・本展担当者) 日程: 2011年12月9日(金)時間: 18:00-19:00保坂健二朗(当館研究員・本展担当者) ※いずれも会場にて。参加無料(要観覧券)。申込不要 カタログ目録情報 ショップにて好評発売中定価700円 カタログには、スイスから東京まで巡回してきた、全ての会場風景の写真と図面を掲載。ヴァレリオ・オルジャティ本人へのインタビューは本カタログのみの掲載です! 開催概要 東京国立近代美術館 ギャラリー4 2011年11月1日(火)~2012年1月15日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 月曜日[2012年1月2日、1月9日は開館]、12月28日(水) ~ 1月1日(日・祝)、1月10日(火) 一般 420円(210円) 大学生130円(70円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。※入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。 無料観覧日(所蔵作品展「近代日本の美術」、「ヴァレリオ・オルジャティ展」のみ)11月3日(木・祝)、11月6日(日)、12月4日(日)、2012年1月2日(月) 東京国立近代美術館スイス連邦工科大学チューリヒ校建築理論・建築史研究所 スイス大使館科学技術部 スイス連邦内務省教育研究局スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団スイス連邦工科大学チューリヒ校建築学科 11月1日、特設ウェブサイトオープンしました。「Valerio Olgiati and His Architecture」リンクはこちらからコンテンツは随時更新していきます。オルジャティの建築紹介や日本の建築との関わりなど、オルジャティに関する情報が満載です。ぜひご覧ください。

イケムラレイコ:うつりゆくもの

概要 なぜ今イケムラレイコ展か? 本展は、絵画、彫刻、ドローイング約145点を、1300平方メートルの空間の中に展示する、日本では初めてとなるイケムラレイコの本格的な回顧展です。半分以上の作品がドイツのアトリエからの出品(つまり日本初公開)で、新作も展示されます。 ちょっと不思議な存在。それがイケムラの作品のキーワードです。キャンバス地から浮かびあがってくる女、キャベツの頭を持つ人、うつろをはらんだ横たわる少女、岩の中にふと見える怪物のような顔などなど。イケムラが幽霊とも思えるような存在をつくるのは、「うつりゆくもの」への関心を持っているからだと言えます。存在と無。動物と人間との間の進化論的関係。手つかずの自然と人間による文明。ともすればAからBへの一方向の移行として捉えられがちなうつりゆきを、彼女は、相補的で、往復可能で、蛇行的で、終わりのないものとみなし、それを自らの作品において表現しているのです。 彼女はまた、自らの作品がエコロジカルであってほしいと願っています。絵画は人間の身体に合わせた大きさ。彫刻の素材には土へと返りやすい粘土を選び、ドローイングでは木炭やパステルに紙といったシンプルな材料を使っているのです。そこには、この時代にアーティストとしてモノをつくることの意味について実践的に考えてきたイケムラならではの思想を見てとることができるでしょう。 そうしたイケムラの作品には、詩情の中に哲学が、静けさの中に情動的な強さが感じられます。またフラットに見えて奥行きがあります。相反する質を優しく包みこむ彼女の作品は、これからの「うつりゆき」を考えなければならない今こそ、深く感じとれるのではないでしょうか。 ここが見どころ First Retrospective in Japan!日本の美術館での個展の開催は、2006年のヴァンジ彫刻庭園美術館以来。本格的な回顧展としては、本展がはじめてとなります! Bridge between East and Westイケムラレイコの作品は、絵画、彫刻、ドローイングと多岐に渡ります。絵画では、西洋文化を象徴する油彩を用いながら、キャンバス地をいかした非常に薄塗りの作品を制作しており、そこには西洋的感覚と東洋的感覚とに橋を架けようとする作家の意志を感じることができるでしょう。彫刻(彫塑)でも、テラコッタ(粘土を素焼きしてできる)を用いながら「うつわ」的に「うつろ」をはらむように制作する点に、同様の意志を感じ取ることができるでしょう。 Architecture展示デザインに建築家を起用展示デザインは、ここ数年のイケムラの展覧会に関わってきた建築家フィリップ・フォン・マットが全面的に協力しています。 展示構成の模型Photography and Designドイツで撮りおろしたアトリエの写真がメインビジュアルにポスター、チラシなどのメインヴィジュアルは、写真家の川内倫子(木村伊兵衛賞受賞作家)が本展のためにドイツで撮影しました。カタログには、川内の撮影したイケムラレイコのミニ写真集も収録されます。そのカタログのデザインは、中島英樹。ポスター、チラシ、チケットも中島が手がけま Music会場では、いくつかの部屋で、時々音楽が流れます。これは今回の展覧会のために、若手新鋭の音楽家・蓮沼執太氏が、イケムラ氏とやりとりをしながら書き下ろしてくれたものです。展示とともにお楽しみください。 展覧会構成 展覧会の章構成(予定)1:イントロダクション2:新作:風景3:インターヴァル(写真)4:横たわる人物像:彫刻と絵画5:写真6:うみのけしき7:木々8:進化9:インターヴァル(本の仕事)10:ブラック・ペインティング11:出現する像12:アルペンインディアナ13:80年代の作品14:インターヴァル(これまでの展覧会)15:新作(顔) 作家紹介 イケムラレイコとは誰か? イケムラレイコは、三重県津市に生まれました。1970-72年大阪外国語大学でスペイン語を学んだ後、72年スペインに渡り、セビーリャ美術大学(元The Royal Academy of Fine Arts of Saint Isabel of Hungary of Sevilla)で学びます。1979年スイス、チューリヒに。1983年ドイツ、ニュルンベルクに移り、その後、ケルンへ。現在はベルリンとケルンの二箇所を拠点に活動しています。また、国立であるベルリン芸術大学(UdK)の教授も務めています。 美術館での主な個展に、1983年ボン・クンストフェライン(ドイツ)、87-88年バーゼル現代美術館、99年ハガティ美術館(ミルウォーキー、アメリカ)、2000年豊田市美術館、01年ローザンヌ州立美術館(スイス)、02年リヒテンシュタイン美術館、04年レックリングハウゼン・クンストハレ(ドイツ)、05年聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館(ドイツ)、06年ヴァンジ彫刻庭園美術館(三島)、08年アラーハイリゲン美術館(スイス)、10年アルンスベルク美術館(ドイツ)などがあります。 このように、イケムラレイコは、ドイツとスイスと日本を中心に着実な活動を続けてきました。その活動の評価は最近増す一方で、2008年にはアウグスト・マッケ賞を受賞し、2013年にはカールスルーエ(ドイツ)の公立美術館での個展が予定されています。 イベント情報 シンポジウム「芸術におけるエコロジー」登壇者:イケムラレイコ加須屋明子(京都市立芸術大学准教授)保坂健二朗(当館研究員・本展企画者) 日程: 2011年8月27日(土)時間: 13:00-15:00場所: 当館地下1階講堂申込不要・聴講無料(先着140名) ギャラリー・トーク保坂健二朗(当館研究員・本展企画者) 日程: 2011年9月17日(土)2011年10月15日(土)2011年10月22日(土)時間: 13:00-14:00場所: 1階 企画展ギャラリー ※いずれも参加無料(要観覧券)/申込不要 カタログ目録情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2011年8月23日(火)~10月23日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 開館日、開館時間の変更の可能性がございます。ご来館前に、美術館ホームページ、ハローダイヤル03-5777-8600にて最新情報をご確認ください。 月曜日[9月19日、10月10日は開館]、9月20日(火)、10月11日(火) 一般 850円(600円) 大学生450円(250円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※入館当日に限り、「レオ・ルビンファイン 傷ついた街」(ギャラリー4)、所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。 東京国立近代美術館三重県立美術館 ルフトハンザ カーゴ AG 2011年11月8日(火)- 2012年1月22日(日) 三重県立美術館 展覧会特設ウェブサイトイケムラレイコ Side B 」では、他にはないコンテンツの数々を随時更新しています。リンクはこちらから⇒イケムラレイコ Side B

レオ・ルビンファイン:傷ついた街

概要 2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件は、新しい世紀を迎えた世界に深い影を投げかけるものでした。その数日前に、世界貿易センタービルからわずか2ブロックしか離れていない新居に引っ越したばかりだった写真家レオ・ルビンファイン(1953年生まれ)は、この未曾有の事件を間近で体験しました。 渦中へとまきこまれたニューヨークでの一連の事態そのものにはカメラを向けることのなかった彼が、写真家として、この出来事と向かい合いながらとりくんだのは、世界各地の都市で、街を行きかう人びとの顔を撮ることでした。この事件がもたらした本質的なもの、つまり、物理的な破壊行為を通じて、社会に心理的打撃を与えることを目的とするテロリズムが、人びとの内面に残した「心理的な傷」を見つめるためです。 2002年から6年にわたって、ニューヨークをはじめ、ロンドン、マドリッド、モスクワ、イスタンブール、東京など、近年テロ事件の起きた世界各地の都市を訪ね、ストリートスナップの手法で撮影された写真は、2008年、写真家自身による長文の内省的なテキストとともに、『傷ついた街』(Wounded Cities, Steidl刊)と題される写真集へとまとめられました。 今回の展覧会は、アメリカ各地や中国などで、かたちを変えながら開催されてきた「傷ついた街」展を日本では初めて、未発表の作品を含む35点による新しい構成で開催するものです。同時多発テロからちょうど10年という節目の年に、世界は新たな事態を経験してもいます。世界各地の街角で撮影された人びとの表情に浮かび上がる心理的な陰影に、同時代を生きる私たちへのメッセージを探ります。 ここが見どころ ニューヨーク、ロンドン、モスクワ、東京――世界各地の街角で撮られた人びとの表情に浮かぶ「心理的な傷」。アメリカ同時多発テロを間近で目撃した写真家が見つめた“9.11後”の世界。 2008年からアメリカ、中国などで開催されてきた展覧会を、未発表作も加えた新たな構成で開催します。 同時多発テロから10年の今秋、日米3ヶ所で同時開催されます。 東京展オリジナルのカタログには、写真集『Wounded Cities(傷ついた街)』(2008年刊)より、テキストの一部を翻訳再録。本展のためのルビンファインの書き下ろし新テキストも収録します。 作家紹介 レオ・ルビンファイン Leo Rubinfien 1953年アメリカ、シカゴ生まれ。リード・カレッジ(英文学専攻)、カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アーツ(写真専攻)、イェール大学大学院(写真専攻) などに学ぶ。1970年代末に写真家として活動を開始。当時「ニュー・カラー」と呼ばれた、カラー写真による新しい表現の潮流の、最も若い担い手のひとりとして評価され、以後、アメリカを中心に、多くの個展、グループ展で作品を発表する。また写真や美術を中心とした評論・執筆活動でも知られる。少年時代に数年間、東京に暮らしたこともあり、日本とのかかわりも深く1993年には西武アートフォーラムで個展を開催。2004年にサンフランシスコ近代美術館/ジャパンソサエティ(ニューヨーク)が企画・開催した 東松照明展(Shomei Tomatsu: Skin of the Nation)では共同企画者として調査・カタログ文章の執筆を担当している。写真集に『A Map of the East』(Thames & Hudson / 都市出版, 1992)、『Wounded Cities』(Steidl, 2008)、『The Ardbeg』(タカ・イシイギャラリー+空蓮房, 2010)など。 イベント情報 講演会 レオ・ルビンファイン(本展出品作家)日程: 2011年9月10日(土)時間: 14:00-15:30 増田 玲(当館主任研究員、本展企画者)日程: 2011年10月8日(土)時間: 14:00-15:30 いずれも当館講堂(地下1階)にて。聴講無料、申込不要、先着140名。 カタログ目録情報 開催概要 東京国立近代美術館 ギャラリー4 2011年8月12日(金)~10月23日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで※状況により開館日時等の変更の可能性もございます 月曜日[9月19日、10月10日は開館]、9月20日(火)、10月11日(火) 一般 420円(210円) 大学生130円(70円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 ※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。※本展の観覧料で、当日に限り、所蔵作品展「近代日本の美術」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご観覧いただけます。 【無料観覧日】(所蔵作品展「近代日本の美術」、「レオ・ルビンファイン 傷ついた街」のみ)9月4日(日)、10月2日(日) 東京国立近代美術館

パウル・クレー:おわらないアトリエ

概要 スイス生まれの画家パウル・クレー[Paul Klee, 1879-1940]は、長らく日本の人々に愛され、これまでにも数多くの展覧会が開催されてきました。それらの展覧会では作品の物語性や制作上の理念が詩情豊かに詠われ、多くの人々にクレーの芸術の魅力を伝える役割をはたしました。 国立近代美術館で初となる今回のクレー展では、今までの展覧会成果を踏まえた上で、これまでクローズアップされてこなかった「クレーの作品は物理的にどのように作られたのか」という点にさまざまな角度から迫ります。この観点から作品を見てみるならば、視覚的な魅力を体感できるのみならず、その魅力がいかなる技術に支えられているのか、ということまでもが明らかになるでしょう。 具体的な「技法」と、その技法が探究される場である「アトリエ」に焦点を絞り、クレーの芸術の創造的な制作過程を明らかにしようする本展において、鑑賞者は、ちょうど画家の肩越しに制作を垣間見るような、生々しい創造の現場に立ち会うことになるでしょう。 スイスのパウル・クレー・センターが所蔵する作品を中心に、ヨーロッパ・アメリカ・国内所蔵の日本初公開作品を数多く含む約170点で構成されます。 展覧会構成 現在/進行形―アトリエの中の作品たちMaking in der Gegenwart – Atelierbilder クレーは生涯に5つの街にアトリエを構えます(ミュンヘン、ヴァイマール、デッサウ、デュッセルドルフ、ベルン)。アトリエそして住居の壁には、完成・未完成にかかわらず数多くの自作がかけられていました。それらアトリエの作品群は、多くは画家自身の手によって写真で記録されています。アトリエ写真とそこにかけられていた作品を紹介し、制作中の画家の試行錯誤を検証します。 プロセス1 写して/塗って/写して―油彩転写の作品Prozess 1 – Ölpause クレーが独自に生み出した技法に「油彩転写」があります。鉛筆やインクで描いた素描を、黒い油絵の具を塗った紙の上に置き、描線を針でなぞって転写した後、水彩絵の具で着彩するという技法です。さらにはそこから、リトグラフや油彩画が制作されることもありました。先行する素描と油彩転写画を対比することで、この素描と彩色画と版画の間を揺れ動くような技法の秘密に迫ります。 プロセス2 切って/回して/貼って― 切断・再構成の作品Prozess 2 – Zerschnitt und Neukombiniert クレーはたびたび、とりあえず仕上げた作品を2つないしそれ以上の部分に切断し、そこから新たな作品を生み出しました。切断された断片の上下を反転させたり、左右を入れ替えたりというように、新たに組み合わせて再構成し、台紙に貼ってひとつの作品とした事例を紹介します。 プロセス3 切って/分けて/貼って― 切断・分離の作品Prozess 3 – Teilstücke プロセス2に引き続き、切断された後に新たに作られた作品を取り上げます。2つないしそれ以上に分解された部分が、組み合わされることなく、それぞれが独立した作品となった事例を、元のコンポジションの再構成とともに紹介します。 プロセス4 おもて/うら/おもて― 両面の作品Prozess 4 – Recto/Verso あまり知られていなかったことですが、かなりのクレー作品の裏面には、何かが記されていたり描かれたりしています。作品の表と裏の関係を検証し、絵画が二次元的であるだけではなく、三次元的な存在でもありうる可能性を探ります。 過去/進行形―“ 特別クラス”の作品たちMaking in der Vergangenheit – “Sonderklasse” クレーは、作品リストに記載した作品をある時点以降マーケティングの観点から8つのカテゴリーに分けています。しかしそれらとは別に「特別クラス(Sonderklasse)」というカテゴリーを設け、その作品を非売として手元にのこしました。自らの制作における試金石的ないし模範的作品と彼が考え、次の新たな作品を生み出す起爆材ともなった作品群を最後に紹介し、生涯にわたる画家の制作の軌跡をとらえ直します。 作家紹介 パウル・クレー|年譜 1879年 12月18日スイス、ベルンに生まれる。1883年 後にクレーが作った自作の作品リストでNo.1と記載される作品が制作される。1898年 ミュンヘンに移り、翌年10月ミュンヘン美術アカデミー入学。1906年 リリー・シュトゥンプフと結婚。1907年 長男フェリックス誕生。1912年 カンディンスキーとマルクが前年に結成した「青騎士」のメンバーになる。1914年 4月北アフリカ、チュニジア旅行。8月第一次世界大戦勃発。1916年 ドイツ軍新兵として徴兵される。1919年 2月兵役解除。春、ミュンヘンにアトリエを借りる。この頃から油彩転写技法による制作開始。1920年 10月ヴァイマール州立バウハウスに教授として招聘される。1925年 ヴァイマール・バウハウス閉校、デッサウに移転。1926年 ヴァイマールからデッサウに移住。1931年 バウハウスを退職。デュッセルドルフ美術アカデミー教授に就任。1932年 ナチスが第一政党となる。1933年 デュッセルドルフ美術アカデミーから解雇通告。ベルンの父と姉の家に寄寓。1934年 キストラー通り6番地の集合住宅に転居。1935年 晩年の病の最初の兆候が現れる。1940年 6月29日心臓麻痺のため死去。享年60歳。 イベント情報 講演会「ウラのウラを読む — パウル・クレーの両面作品」柿沼万里江[チューリヒ大学・本展カタログ執筆者] 日程: 2011年6月4日(土)時間: 13:00-14:30場所: 東京国立近代美術館講堂申込不要・聴講無料(先着140名) 「パウル・クレーと自然のアトリエ」奥田修[パウル・クレー・センター研究員・本展カタログ執筆者] 日程: 2011年7月16日(土)時間: 13:00-14:30場所: 東京国立近代美術館講堂申込不要・聴講無料(先着140名) 対談+朗読会クレーをめぐるお話と詩の朗読(仮題)谷川俊太郎[詩人]+岡﨑乾二郎[美術家] 日程: 2011年6月26日(日)時間: 13:00-14:00場所: 東京国立近代美術館講堂要申込(応募者多数の場合は抽選)聴講無料(140名) 申込方法郵便往復はがきの「往信用裏面」に郵便番号・住所・氏名・電話番号を、「返信用表面」に郵便番号・住所・氏名を明記のうえ、下記までお申し込みください(はがき1枚につき1名まで)。締切|6月4日[土](当日消印有効)申込・問合せ先|〒116-0013 日本郵便荒川支店私書箱22号「対談+朗読会」係電話|03-5777-8600(ハローダイヤル) コンサート申愛聖[バイオリン]+三間早苗[チェロ] 日程: 2011年6月12日(日)2011年6月25日(土)時間: 13:00-13:30場所: 東京国立近代美術館講堂申込不要・入場無料(先着140名)演目など詳しくは展覧会ウェブサイトをご覧ください。 トークショー(有料)茂木健一郎のクレーを巡る旅パウル・クレーが〈画家〉になった瞬間 茂木健一郎[脳科学者]聞き手|鈴木芳雄[エディター/クリエイティヴ・ディレクター] 日程: 2011年6月24日(金)時間: 19:00-20:30場所: 日経ビル6階・日経カンファレンスルーム(東京・大手町)開催場所は当館ではございません 有料イベントです申込方法|イープラスにてチケット発売発売時期、購入方法は展覧会ウェブサイトをご覧ください カタログ目録情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2011年5月31日(火)~7月31日(日)|ご来館いただくお客様へ|・開館日、開館時間変更の可能性があります。ご来館前に本ページ、ハローダイヤル 03-5777-8600にて最新情報をご確認ください。 ・出品者からの貸出し条件により、室温を低く設定(20℃程度)しております。ご観覧の際は、上着など羽織るものをお持ちいただくことをお勧めいたします。 ・一部作品に展示替があります。前期:5月31日(火)―6月26日(日)後期:6月28日(火)―7月31日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)土曜も夜間開館します。6月と7月で開館時間が異なりますのでご注意ください。6月|金・土曜は18:00まで開館7月|金・土曜は20:00まで開館入館はそれぞれ閉館の30分前まで 月曜日[7月18日は開館] 一般 1500円(1100円) 大学生 1100円(800円) 高校生 700円(400円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の「路上」(ギャラリー4、2F)、所蔵作品展「近代日本の美術」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご覧いただけます。 お問い合わせ=ハローダイヤル 03-5777-8600 東京国立近代美術館日本経済新聞社 スイス大使館 NEC損保ジャパン大日本印刷東レりそな銀行 パウル・クレー・センター(ベルン)スイス インターナショナル エアラインズ日本航空スイス政府観光局 スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団

生誕100年 岡本太郎展

概要 2011年は、岡本太郎(1911-1996)の生誕100年にあたります。これを記念して、岡本太郎がめざしたものの今日的意義を探る展覧会を開催します。 岡本太郎といえば、1970年の大阪万博のシンボル《太陽の塔》、そして「芸術は爆発だ」をはじめとするインパクトにみちた発言、数々のテレビ出演など、 20世紀後半の日本において、最もよく知られた芸術家のひとりといえるでしょう。1996年に没してからも、若い世代を中心に、再び彼に関心をもつ人々が増えてきています。1998年には生前のアトリエが岡本太郎記念館として公開され、1999年には川崎市岡本太郎美術館が開館、さらに近年は巨大壁画《明日の神話》がメキシコで再発見されて2008年に渋谷に設置されるなど、彼をめぐる話題はつきません。 しかし、没後の再評価の中で彼のポジティヴなエネルギーが強調される一方、生前の彼が、さまざまな既成の価値観に鋭く「否」を突きつけ、ときには周囲を戸惑わせたりしたことは、忘れられつつあるように見受けられます。彼を再評価するには、単に受身の姿勢でその元気をもらうばかりでなく、彼の発した批判の矢を、私たち自身にも向けられたものとして正面から受け止めることが必要ではないでしょうか。岡本太郎の人生は、まさに「対決」の連続でした。このたびの展覧会は、この「対決」をキーワードに、岡本太郎が立ち向かった相手を7つの章に分け、苦闘の中から生み出された絵画・彫刻・写真・デザインなど約130点の作品を紹介します。そして、今日に生きる私たちが、彼の「対決」をいかに受けとめていくべきか、考えてみたいと思います。 ここが見どころ 代表作が一堂に! 岡本太郎の作品の大部分は、川崎市岡本太郎美術館と岡本太郎記念館が所蔵していますが、本展ではそれらの所蔵する代表作をよりすぐり、また他の美術館などが所蔵する逸品もまじえて、岡本太郎の全貌を紹介するまたとない機会です。 ふつうの展示とは、ひとあじ違う? 岡本太郎の多岐にわたるエネルギッシュな活動を「対決」というキーワードで紹介する本展では、作品をご覧になる方ひとりひとりにも、作品と「対決」していただけるよう、展示も工夫しました。具体的には?……ぜひ、会場で体験してください。 代表作の展示替があります! お見逃しなく 戦後まもない時期の代表作、《重工業》《夜》は以下の期間のみご覧いただけます。 《重工業》展示期間:3月8日(火)~4月4日(月)《夜》展示期間:4月5日(火)~5月8日(日) 展覧会構成 プロローグ:ノン!最初の展示室の正面で観客を出迎えるのは、彫刻《Non》。岡本太郎の、さまざまなものへの「否定」の意志を、まずはご覧いただきます。 第1章:ピカソとの対決 パリ時代1930年にパリに渡った岡本太郎は、しばらくしてピカソの作品と出会い、感動して抽象的な絵画の制作に取り組みます。しかし彼はピカソをお手本にするのではなく、感動したからこそピカソに挑み、乗り越えようとしました。抽象絵画、シュルレアリスムの画家たちと肩を並べて活動するとともに、絵画制作にとどまらず、パリ大学で民族学を学びました。 第2章:「きれい」な芸術との対決 対極主義1940年に帰国し、兵役と抑留を経て1947年から活動を再開した岡本は、日本の美術界の旧態依然とした状況を否定し、新しい芸術運動を始めました。彼は矛盾した様々な要素を矛盾のまま画面上でぶつけあう「対極主義」を提唱し、数々の問題作を発表していきます。 第3章:「わび・さび」との対決 日本再発見奈良や京都の寺社、あるいは雪舟の水墨画など、人々が日本の伝統という名で重んじてきたものをことごとく攻撃した岡本。一方でそれまで考古資料としてしか見なされていなかった縄文土器に、積極的な美を見出しました。また、日本各地の風習や祭りをルポルタージュし、日本近代が忘れ去ってきた、力強い文化を再発見していきました。 第4章:「人類の進歩と調和」との対決 大阪万博「人類の進歩と調和」をテーマに謳った1970年の大阪万博。しかし、テーマ館のプロデューサーを依頼された岡本は、そのテーマに真っ向から対立するかのような、原初的なパワーのみなぎるモニュメント《太陽の塔》を作り上げました。本展では縮小版の立体、素描、当時の映像などをご紹介します。 第5章:戦争との対決 明日の神話いま渋谷駅を行きかう人々を見下ろしている長さ30mの巨大壁画《明日の神話》は、原子爆弾に焼かれる人々と、その悲劇を超えてゆく人間の力を表したものでした。またベトナム戦争に際しては、ワシントンポスト紙への意見広告のために「殺すな」の文字を提供しました。こうした活動の背後には、自身の過酷な戦争体験がありました。 第6章:消費社会との対決 パブリックアート、デザイン、マスメディア美術作品を限られた人だけのものとせず、誰の眼にも触れることのできるように、岡本は積極的に壁画や野外彫刻を制作しました。また家具やグラスなどの日用品のデザインも、数多く手がけました。さらにテレビにもしばしば出演し、奇矯な芸術家として晩年は一種の「お笑い」として消費されたようにも見受けられます。彼の真意はどこにあったのでしょう。 第7章:岡本太郎との対決晩年はテレビタレントと見なされがちだった岡本ですが、最後までアトリエでの絵画制作は執拗に続けられました。これまで、あまり顧みられることのなかったこの時期の作品を改めて見直すと、「眼」のモチーフの多さに驚かされます。テレビの中の彼を笑いながら見てきた私たちが、今、彼の描いた「眼」たちに見つめ返されたとき、彼の孤独な闘いに気づかされることでしょう。 エピローグ:受け継がれる岡本太郎の精神岡本太郎は1996年に没しますが、その後の再評価はめざましいものがあります。再評価の立役者は、長年彼の秘書を勤めた岡本敏子でした。敏子は、太郎の生前から彼の著述活動を支えていましたが、太郎の没後、その力強い言葉を改めて、人々に広めました。 作家紹介 岡本太郎略歴1911(明治44)年 漫画家・岡本一平と歌人で小説家の岡本かの子の長男として生まれる。1929(昭和4)年 東京美術学校(現在の東京芸術大学美術学部)に入学するが、まもなく中退。1930(昭和5)~1940(昭和15)年 パリに滞在し、抽象絵画やシュルレアリスムの運動に参加する。またジョルジュ・バタイユと交流したりパリ大学で民族学を学ぶなど、美術の枠を超えて活動。1942(昭和17)~1946(昭和21)年 現役初年兵として兵役ののち、一年間の収容所生活をへて復員。1947(昭和22)~1961(昭和36)年 二科会会員。1948(昭和23)年 花田清輝らと「夜の会」を結成。また「対極主義」を提唱。前衛芸術の旗手として活躍。1952(昭和27)年 「縄文土器論」を発表。1954(昭和29)年 『今日の芸術』ベストセラーになる。1956(昭和31)年 旧東京都庁舎(丹下健三設計)に陶板壁画を制作。1961(昭和36)年 『忘れられた日本〈沖縄文化論〉』毎日出版文化賞受賞。1970(昭和45)年 日本万国博覧会のテーマ館プロデューサーとして《太陽の塔》を手がける。1981(昭和56)年 「芸術は爆発だ」の名台詞でCMに出演。1996(平成8)年 急性呼吸不全で死去(享年84歳)。 イベント情報 先生のための特別鑑賞日日程: 2011年4月1日(金)~4月3日(日)「岡本太郎展」先生のための特別鑑賞日*3月日に「第11回岡本太郎展先生のための鑑賞講座」を予定していましたが、東北地方太平洋沖地震により、中止となりました。本プログラムあ、その代わりとして実施したものです。*学校教職員が対象のプログラムです 要事前申込申込方法などの詳細はこちら カタログ目録情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2011年3月8日(火)~5月8日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-17:00)※入館は閉館30分前まで※金曜日の夜間開館は中止いたします。なお状況により開館日時の変更の可能性もございます。 月曜日[3月21日、3月28日、4月4日、5月2日は開館]、3月22日(火) 一般 1300円(1100/900円) 大学生 900円(800/600円) 高校生 400円(300/200円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の「空虚の形態学」(ギャラリー4、2F)、所蔵作品展「近代日本の美術」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご覧いただけます。 ※チケット取り扱い(前売/当日):電子チケットぴあ(Pコード:764-418)、ローソンチケット(Lコード:33340)、CNプレイガイド、イープラス、JTB、セブン-イレブンほか主要プレイガイド、東京国立近代美術館・川崎市岡本太郎美術館・岡本太郎記念館(各館ともに開館日のみ) ※前売券および早割りペアチケットの販売は終了しました 東京国立近代美術館川崎市岡本太郎美術館NHKNHKプロモーション 岡本太郎記念現代芸術振興財団 みずほ銀行三井住友海上火災保険 NECディスプレイソリューションズ

「日本画」の前衛 1938-1949

概要 社会的にも激動の時期である1930年代後半期、「日本画」の世界において、伝統的美意識による創造に決別し、新たな表現を目指す活動が起こりました。舞台となったのは1938年4月に結成された歴程美術協会です。彼ら「日本画家」たちは、抽象やシュルレアリスムは言うまでもなく、バウハウスの造形理論をも取り込みつつ「日本画」を制作し、その展覧会場にはフォトグラムや工芸、盛花までもが並びました。 本展覧会は、この歴程美術協会を起点とした「日本画」における果敢な挑戦を、日本で初めて具体化された「前衛」意識と位置づけ、多角的に検証するものです。本展では、これらの「日本画家」たちが交流を深めた洋画家たちとの影響関係も探ります。また、戦争の拡大とともに未完の前衛と化した様相にも触れながら、歴程美術協会の戦後における再興とも言うべきパンリアルの誕生までを扱います。 ここが見どころ 歴程美術協会の活動の全貌が明らかに初公開作品も充実 歴程美術協会の活動を紹介したこれまでの主な展覧会は、1988年に山口で、99年に京都で開催されたものでした。本展は、99年以降10年あまりにわたり蓄積されてきた研究の成果を、初公開作品を含めてご紹介する、決定版の展覧会です。 洋画もあわせて展示「日本画」家の「前衛」的活動がよく分かる 靉光、村井正誠、長谷川三郎……歴程美術協会の作家たちは、このような洋画家たちとも交流関係にありました。本展では、彼らをはじめとする洋画家たちの作品もあわせて展示します。彼らの作品と比べてみることで、前衛的な「日本画」とはどのようなものであったかが浮かび上がってきます。 貴重な資料も公開 歴程美術協会展の芳名録には、靉光、福沢一郎、瑛九、柳宗理、東山魁夷など、当時のさまざまな芸術家たちの名前が並んでおり、同協会の活動がいかに注目を集めていたかが分かります。こうした資料によって、同協会とその周辺の「日本画」家の活動を立体的に紹介します。 展覧会構成 I. 「日本画」前衛の登場本展覧会の冒頭を飾るのは山岡良文《シュパンヌンク》、山崎隆《象》の2点、ともに1938年の作品です。これらの作品の表現は、それまでの「日本画」にはまったく見られない純粋抽象表現でした。 II. 前衛集団「歴程美術協会」の軌跡Iで紹介した山岡や山崎は歴程美術協会に参加していました。1938年4月に結成された同協会には、岩橋英遠、船田玉樹、田口壮ら「日本画家」以外にも、美術評論家の四宮潤一、自由美術家協会のメンバーでもあった濱口陽三らが含まれていました。同協会展に出品された作品には、抽象やシュルレアリスム、バウハウスなどヨーロッパ・アヴァンギャルドからの影響だけでなく、フォトグラムや陶芸作品、盛花などジャンルを超えた自由な表現が見られました。 III. 「洋画」との交錯、「日本画と洋画」のはざまに歴程美術協会の山岡、岩橋、船田、丸木位里は、「日本画家」ではありますが、洋画の前衛集団である自由美術家協会にも属していました。また靉光、村井正誠などの洋画家も歴程美術協会展に足を運び、会員と親交がありました。こうした「日本画家」と洋画家の関係は、彼らの作品にもうかがえます。そこには、「日本画」と洋画双方に共通する、まさに前衛と言うべき造形感覚が見て取れます。 IV. 戦禍の記憶歴程美術協会が結成された時期は、ちょうど太平洋戦争開戦前夜にあたりました。同協会展には、回を重ねるにつれて時局を意識した作品が出品されるようになり、戦線に召集される作家も出てきました。それまでの因習的な「日本画」から脱却しようとした彼らの試みは、このように戦争という時代の大きな波に飲み込まれてしまいました。 V. 戦後の再生、「パンリアル」結成への道終戦を迎え、1947年ごろから、歴程美術協会の再興を思わせるような動きが「日本画」の画家たちの間に起こりました。その中心人物は、同協会に属していた山崎隆でした。そして48年3月に、山崎、三上誠、星野眞吾らにより「パンリアル」が結成されました。歴程美術協会の活動は、戦後パンリアルによって引き継がれ、「日本画」創造の新たな扉が開かれたのです。 イベント情報 講演会山野英嗣(京都国立近代美術館学芸課長・本展企画者)「『日本画』の前衛―『歴程美術協会』を中心に」 日程: 2011年1月29日(土)時間: 14:00-15:30場所: 当館地下1階講堂聴講無料、申込不要、先着140名 カタログ目録情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2011年1月8日(土)~2月13日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)(入館は閉館30分前まで) 月曜日[1月10日は開館]、1月11日(火) 一般 850円(600円) 大学生450円(250円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 ※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の「栄木正敏のセラミック・デザイン―リズム&ウェーブ」(ギャラリー4、2F)、所蔵作品展「近代日本の美術」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館京都国立近代美術館 2010年9月3日(金)~10月17日(日) 京都国立近代美術館(終了) 2011年2月22日(火)~3月27日(日) 広島県立美術館

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