会場
10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
(入館は閉館30分前まで)
一般 850(600)円/大学生 450(250)円
*( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
*高校生以下・18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。
*入館当日に限り、「木に潜むもの」展、所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。
この展覧会は、アメリカ、ヨーロッパ、日本のアーティストによる、60年代から今日までのフィルムとヴィデオ作品51点を集め、ご紹介するものです。
今日、どの現代美術展をのぞいても、映像作品を見かけないことはありません。しかし、この隆盛のよって来るところを知り、それらの作品を十全に理解するためには、実はそのスタート地点にあたる60-70年代の映像作品の理解を欠かすことはできないのです。この展覧会は、これらの作品をまとめて見る機会を、国内でほぼ初めて提供するものです。
さらにこの展覧会では、60-70年代の知る人ぞ知る名作と、60-70年代の可能性を今日に引き継ぐ現代の作品とが、ともに会場に並びます。ハイテクではなくローテクであること、大掛かりなスペクタクルではなくひそやかかつ過激であること、安易な結末を望むのではなく、いつまでも結末に行き着かない長い「プロセス」を重視すること、など、両者のあいだにいくつもの共通点が浮かび上がってくるでしょう。それはとりもなおさず、現在の作家たちが、60-70年代の映像作品のうちに、いまだ汲みつくされないたくさんの可能性を見ているということなのです。
現代美術が好きでもっと根っこから理解したい人。また、美術に限らずあの時代の文化を知り、その息吹に触れたい人。今日わたしたちを取り巻く膨大な映像の波におぼれないよう映像の文法をしっかり知りたい人、などなど。必見の展覧会です。たっぷり時間をとってお出かけください!
◇「YouTube」にて展覧会紹介映像を公開中!
展覧会の紹介映像を、動画共有サービス「YouTube」にて公開しています。展覧会場の様子なども視聴いただけます。これからご来館いただく予定の方も、すでにご来館いただいた方も、ぜひ一度ご覧ください。
⇒「YouTube」視聴はこちらから
■アメリカ、ヨーロッパ、日本の映像作品51点を一挙公開
■今日の映像隆盛のスタート地点、60-70年代の作品を大規模に検証する、国内初の展覧会
■アンディ・ウォーホルの伝説的作品《アウター・アンド・インナー・スペース》(1965年)、ブルース・ナウマンの歴史的インスタレーション《ヴィデオの回廊(ライブと録画)》(1970年)は、日本初公開!
■加えて60-70年代の流れを汲む現代の作品をあわせて紹介
1.鏡と反映
1960年代末、プロでなくても映像を撮ることのできる機器が登場します。これを機に、それまで絵画や彫刻を手がけていたアーティストたちが、いっせいに、フィルムや、新しいテクノロジーであるヴィデオを用いて作品を作り始めます。当時は、自分の姿が映像としてすぐさまモニターに映し出される、ということ自体が新鮮な経験でした。アーティストたちは、モニターに映る自分を見つめ、その自分がモニターの中から逆に自分を見つめ返すという、鏡にも似た映像機器の特性を活かして、作品を制作しました。
ヴィト・アコンチ 《センターズ》 1971年 Courtesy Electronic Arts Intermix (EAI), New York.
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モニターの中心を約20分間指差し、そこに神経を集中し続ける。
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2.芸術の非物質化
1970年代、絵画や彫刻は行き詰まりに来ていました。かわりに、絵画作品や彫刻作品といった具体的なモノを作らず、モノをともなわないアイデアや、アートとは何かを問う行為自体を作品とみなす、「コンセプチュアル・アート(概念芸術)」が登場します。手で触ることのできない光や電子でできた映像作品は、この流れの中で重要な位置を占めました。
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「I am making art(芸術制作中)」とつぶやきながら、約20分間微妙にポーズを変え続けるだけ。ほとんどなにもしないことこそが「芸術の制作」なのだ。
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ジョン・バルデッサリ 《I Am Making Art》 1971年 Courtesy Electronic Arts Intermix (EAI), New York.
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3.身体/物体/媒体
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3.オブジェと身体 アートからモノの存在を消し去ったコンセプチュアル・アート。しかしほぼ同時に、アーティストや観客の身体をモノとして扱う作品が登場します。ここでは身体は、断片化され、実験され、観察される対象として扱われます。
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ブルース・ナウマン 《スロー・アングル・ウォーク(ベケット・ウォーク)》 1968年 Courtesy Electronic Arts Intermix (EAI), New York. ©Bruce Nauman / ARS, New York / SPDA, Tokyo, 2009
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自作のスコアに基づき、60分間複雑なルールに従って歩く。感情を表すことなく動き続ける身体は、カメラが横に90度回転させられていることもあって、一瞬人間ではなく、不思議な機械のように見える。
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4.フレームの拡張
絵画や彫刻と異なり、映像作品は、時間の流れの中で画面が変化し、動きが展開していきます。映像がしばしば時間芸術と呼ばれるゆえんです。アーティストたちは、スローモーションを用いたり、ものごとが繰り返すだけで先へと進まないシチュエーションを設定したり、ひとつの画面の中に別々のスピードで進む画面を複数合成したりして、作品のうちに日常のそれとは異なる時間の流れを作り出します。
ビル・ヴィオラ 《映り込む池》 1977-79年 Courtesy Electronic Arts Intermix (EAI), New York. ©the artist photo: Kira Perov
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いまや映像の第一人者であるヴィオラの、初期の代表作。池の外と、その反射像が映るはずの水面で、それぞれ異なる出来事が進行する。
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フランシス・アリス(ラファエル・オルテガとのコラボレーション) 《リハーサル1》 1999-2004年 Courtesy the artist and Galerie Peter Kilchmann, Zurich
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ベルギーに生まれ、メキシコで活動するアリスは、世界の現代美術展でひっぱりだこの人気作家だ。この作品では、バックに楽団のリハーサルの音が流れる。音楽がスムーズに進めばフォルクスワーゲンは前に進み、つっかえて止まればバックして戻ってくる。行きつ戻りつするばかりで進まないメキシコの近代化を、アリスは、坂の頂上を越えられず、決して結末にたどり着けない車、という映像で表現している。
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5.サイト
サイトとは「場」のこと。70年代、やはり絵画、彫刻の行き詰まりを打破する方法として、美術館やギャラリーを飛び出し、広大な自然を用いて造形を行う、「アース・ワーク」または「ランド・アート」と呼ばれる一群の作品が登場しました。これらの作品の多くはへんぴな土地にあり、見る機会が限られるため、そのエッセンスをいかに写真や映像といった手段によって示すかが問われました。ここでは70年代のアース・ワークの映像作品から、アース・ワークに敬意と、そしてちょっぴりの揶揄を示す現代作家の作品までをご紹介します。
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ユタ州グレイト・ソルト・レイクに築かれた巨大な螺旋型の突堤は、スミッソンの代表作であり、またアース・ワークの記念碑的作品だ。今回出品される映像は、この突堤の不可欠な半身とも言うべきもので、決して単なる記録映像ではない。ここでは螺旋・太陽・フィルムのリールに共通する円形や、突堤を築くパワーショベルとかつてこの地に繁栄した恐竜の姿など、いくつものイメージが層をなして重ねられている。
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ロバート・スミッソン 《スパイラル・ジェッティ》 1970年 Courtesy Electronic Arts Intermix (EAI), New York. ©Robert Smithson / VAGA, New York & SPDA, Tokyo, 2009
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おもな出品作家(30人、51点)
アンディ・ウォーホル(アメリカ:1928-1987)
村岡三郎+河口龍夫+植松奎二(日本:1928- 、1940- 、1947- )
ジョン・バルデッサリ(アメリカ:1931- )
ジョアン・ジョナス(アメリカ:1936- )
デニス・オッペンハイム(アメリカ:1938- )
ロバート・スミッソン(アメリカ:1938-1973)
リチャード・セラ(アメリカ:1939- )
ヴィト・アコンチ(アメリカ:1940- )
ヴァリー・エクスポート(オーストリア:1940- )
ブルース・ナウマン(アメリカ:1941- )
野村 仁(日本:1945- )
ビル・ヴィオラ(アメリカ:1951- )
ペーター・フィシュリ&ダヴィッド・ヴァイス(スイス:1952- 、1946- )
フランシス・アリス(ベルギー:1959- )
タシタ・ディーン(イングランド:1965- )
ポール・ファイファー(アメリカ:1966- )
ダグラス・ゴードン(スコットランド:1966- )
小林耕平(日本:1974- )
ジル・ミラー(アメリカ:1975- )
泉 太郎(日本:1976- )
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・出品作全点に詳細な解説
・日本語で読め、入門書に最適
・ロザリンド・クラウス「ヴィデオ:ナルシシズムの美学」ほか、最重要文献3本を初邦訳
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