
大辻清司 《陳列窓》1956年
| 展覧会名 | : | 大辻清司写真実験室 Kiyoji Ohtsuji Retrospective − Experimental Workshop of Photography |
| 主催 | : | 東京国立近代美術館 |
| 協力 | : | セイコーエプソン株式会社 |
| 会場 | : | 東京国立近代美術館フィルムセンター展示室(7階) 104-0031中央区京橋3-7-6 営団地下鉄銀座線京橋駅[出口1]より徒歩1分 都営地下鉄浅草線宝町駅[出口4]より徒歩1分 お問合せ03-3272-8600(ハローダイヤル) 東京国立近代美術館ホームページ http://www.momat.go.jp/ |
| 会期等 | : | 1999年1月12日(火)− 3月6日(土) 日曜・月曜休館 開館時間10:30−18:00(入場は17:30まで) |
| 観覧料 | : | 一般210円(170円)/ 大学・高校生120円(90円)/中・小学生90円(50円) *消費税込み,( )内は20名以上の団体料金 |
今回の展覧会を通して新たに見えてくる写真家大辻清司像についての講演と、 日本の実験 映画の先駆として知られる「キネカリグラフ」他、大辻の映像作 品の上映会を行ないます。
| 講師 | : | 高梨 豊 (写真家、東京造形大学教授) 鈴木志郎康 (詩人・映像作家、多摩美術大学教授) | |
| 上映予定フィルム | : | 「キネカリグラフ」(1955/1986再制作)、「上原2丁目」(1973) | |
| 日時 | : | 1999年2月11日 午後2時−午後4時(開場午後1時30分) | |
| 会場 | : | 東京国立近代美術館フィルムセンター 小映写ホール(B1F) 聴講無料 先着140名 |
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| 《航空機》1956年 |
「実験工房」に参加した写真家として知られる大辻清司(1923年生 まれ)の写真家としての歩みには、「実験」という姿勢が貫かれて います。1950年代に若い芸術家たちが集まり、造形・音楽・舞台芸 術など領域横断的な活動を行なった「実験工房」の名付け親は、彼 らの精神的な指導者でもあった詩人・批評家の瀧口修造ですが、そ もそも大辻が本格的に写真というメディアに向かうきっかけは、戦 前、その瀧口が中心となって、欧米の先端的な写真表現を日本に紹 介し、前衛写真運動の拠点となった『フォトタイムス』誌との出会 いでした。以来「実験」あるいは「前衛」という言葉は、大辻の写 真活動の根幹を成すキーワードとしてあり続けます。「私の考える 写真家の理想像は、決して既成の道を歩まないことを第一の資格と している」(『アサヒカメラ』1969年5月号)と彼が記していると おり、ここでいう「実験」あるいは「前衛」とは、特定の様式を伴っ て現れた運動のことではなく、写真というメディアの特性について 深く思考し、既成の写真表現の成果を踏まえ、さらなる展開を探ろ うとする姿勢そのものを表わしていると言えるでしょう。その姿勢 が示唆するように、彼の写真は、初期のシュルレアリスム的な感覚 を見せる作品から、「モノごのみ」と評された、モノの表面や形を 確かな構成力と写真技術で画面に置き換えていった写真群、そして 現実の世界を写真に移しかえる時の、かすかではあるが確固とした 差異の現れを楽しむかのようなスナップショット群へと、自在に展 開していきます。 そうした展開の中、大辻は、意識的に表現者と しての立場を後退させることを試みます。記録や雑誌のための仕事 として、美術や建築、舞台芸術などあらゆる表現領域に立ち会い、 あるいは伝統文化から現代生活の周辺まで、依頼に応じて様々な事 物にレンズを向けていく、一見受動的にもみえるその作業は、人為 の及ばない領域を内包する写真というメディアを、与えられた状況 でいかに適確に用いるかという、自らを被験者とする実験でもあっ たのです。写真はいかにして成立するのか。すぐれた書き手でもあ り、多くの写真家を育てた教育者でもある大辻の、写真について思 考することをめぐる作業も含む、その仕事の全体をたどっていく時、 私たちはまた、一人の写真家の歩みを通じて、写真というものをあ たりまえのように抱え込んで進んできたこの時代のあり方について 考える、さまざまな手がかりを与えられます。この展覧会――大辻 清司写真実験室――は、そうした思考の場でありたいと考えていま す。
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