コレクションについて

国立工芸館では、19世紀末から今日までの日本と海外の工芸及びデザイン作品を収集しています。特に、多様な展開を見せた戦後の作品の収集に重点を置き、陶磁、ガラス、漆工、木工、竹工、染織、人形、金工、工業デザイン、グラフィック・デザインなどの各分野にわたって4,000点以上(2022年4月1日現在)を収蔵しています。

重要文化財の指定を受けた鈴木長吉《十二の鷹》のほか、戦前から戦後に活躍した松田権六、富本憲吉ら人間国宝の名品、今日の工芸のあり方を模索する現役作家の近作まで、近代工芸の歴史的な展開をたどるコレクションとなっています。

また民藝運動に賛同したイギリスの陶芸家バーナード・リーチの作品や、クリストファー・ドレッサーによる工業デザインなど、海外の工芸・デザイン作品の収集にも取り組んでいます。日本のデザインでは、グラフィックデザイナーの杉浦非水によるポスターや雑誌表紙などの作品が充実しています。

近現代の工芸及びデザイン全般にわたって幅広く収集を行っている美術館は国内でも珍しく、その内容においても、国内随一のコレクションといえるでしょう。これらは工芸館での所蔵作品展に加え、東京国立近代美術館におけるMOMATコレクション展でも一部をご紹介しています。また、全国の美術館への作品貸し出しを通じて、さまざまな地域で工芸に触れる機会を広げています。

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