展覧会

会期終了 所蔵作品展

パッション20 : 今みておきたい工芸の想い : 所蔵作品展

会期

会場

東京国立近代美術館工芸館

所蔵作品展「パッション20 今みておきたい工芸の想い」は、3月8日(日)までの会期を予定しておりましたが、 新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、2020年2月28日(金)をもって閉幕いたします。工芸館の東京での活動は2月28日(金)までとなりました。最後の展覧会を楽しみにしてくださった皆様には申し訳ありませんが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

展覧会について

工芸を「パッション」の語とならべて考えることは、もしかしたらふだんはあまりないかもしれません。なぜなら工芸に注がれるパッションは姿かたちや質感にすっかり溶け込んで、むしろ背景の諸事情をいちいち分析する間もなく味わえるよう整えられてきたからです。しかし何を選び、未来へとつなげるのかを考える今、工芸に託されてきた知恵と愛とを見過ごしてしまったらもったいない!

 来年はいよいよオリンピックイヤー。世界との出合いは国際的な視野を広げるだけでなく、私たちの内側に目を向ける好機でもあります。日本の近代は工芸をとおして何を感じ、想いを託してきたでしょうか。作家の言葉や活動・出来事から20を抽出し、それぞれの局面に浮かび上がるパッションをご紹介します。

鈴木長吉《十二の鷹》1893年(部分)

日本人と「自然」
①作ってみせる ②囲みとって賞でる

まゆから糸を引きながら、たえず震えるはかなさと切れずに1本につながる強さとがないまぜとなった触覚に、蚕の生命の痕跡をたどる志村ふくみ。藍の青の深さと広がりに、かつて水辺の光景に息をのんだ記憶が呼び覚まされます。後期は「衣通姫」の伝承を想起させる喜多川俵二作品を展示。

オン・ステージ
③垂れ下がって気を吐く ④ジャパン・プライド

壁から突き出た巨大な赤い手ぶくろ。国際ビエンナーレに出品されて以来、見る人に驚きを与えてきました。しかしダラリと垂れ下がる姿はどこかユーモラスでもあるような・・・。世界のひのき舞台で日本人作家が意識した染織における日本的なものへの創意と国を挙げて世界へと向かっていった《十二の鷹》のパッションを対照します。

回転時代
⑤モダンv古典 ⑥キーワードは「生活」 ⑦古陶磁に夢中 ⑧線の戦い ⑨私は旅人

官展(文展・帝展)への参加を目指して運動が活発化した大正から昭和初期の工芸界。モダン派か古典派か。立場は異なっても共通したのは時代を切り開き、工芸美を確立しようとする意志でした。同時期に「民芸」「桃山復興」なども進展し、互いに批判したり、そうかと思えば訪問しあったり。興味のつきない時代です。

伝統⇔前衛
⑩「日常」 ⑪人間国宝 ⑫オブジェ焼き ⑬日本趣味再考 ⑭生地も一色 ⑮「工芸的造形」への道 ⑯素材との距離

「荒涼とした時にこそ美しいものを届けたい。」芹沢銈介がカレンダーなどの量産を本格的に始めたのは戦後まもなくのこと。仕事場も大量の蒐集品も失った焼け跡での想いは、分業システムにも創作の芽を吹かせました。「人間国宝」や「オブジェ焼き」といったきわめて日本的な事象とともに、それらに通底する理論を模索した作家・研究者の協同作業を検証します。

工芸ラディカル
⑰瞬間、フラッシュが焚かれたみたいだった ⑱オブジェも器も関係ない ⑲人形は、人形である ⑳当事者は誰か

腹部を大きく広げて文字通り内臓された諸器官を見せている。怖い?でもうるんだ目の視線の先が気になる。可愛い?―こどもの頃から人形に魅了され、その奥底にあるだろう世界観を長年探っていた四谷シモン。関節人形との出会いは、人工物でありながら情念の器としてその身を呈してきた人形と人との関係性を根源的に見つめ直すきっかけをもたらしました。

イベント

セルフガイド(会期中 先着20000名)

パッションに満ちた作家の言葉や時代背景などを美しい写真とともにご紹介します。

#20passions(会期中 先着2020名)

あなたのパッションで誰かのパッションを呼び覚ましましょう。「#20passions」をつけて、会期中工芸館で撮影したパッショナブルな写真をSNSで発信していただいた方に工芸館オリジナルの「パッション・バッグ」をプレゼント。SNSに登録していない方はメールでパッションを届けていただいてもOKです。

アーティストトーク

①自作にこめた想いとともに会場で注目した他の作家のパッションについてお話しいただきます。

1/13(月・祝)14:00-15:00 古伏脇司(漆芸家)

1/26(日)14:00-15:00 須藤玲子(テキスタイル・デザイナー)

②画像や映像によるバーチャル工房探訪。

2/23(日)14:00-15:00 築城則子(染織家)

2/24(月・休)14:00-15:00 十三代三輪休雪(陶芸家)

撒蠟デモ&トーク(先着20名)

1/12(日)14:00-15:30 福本繁樹(染色家)

熱く熔けた蠟が「防染」する瞬間の目撃者になりませんか?

研究員によるギャラリートーク

1/5(日)、2/9(日)各日14:00-15:00

工芸館研究員がそれぞれの視点から工芸の近代を語ります。

バッジ&トーク(各回先着50名)

1/19(日)、2/16(日)各日10:30-12:00、13:00-15:30

作品のパッションにググッときたら、レバーをググィと押してオリジナルの缶バッジづくりに挑戦しましょう。バッジに封じ込めたパッションといっしょに工芸館の思い出もお持ち帰りください。時間のある方はそのままガイドスタッフと一緒に会場へどうぞ。

タッチ&トーク

この度、新型コロナウイルス感染症対策のため「パッション20」展会期中のタッチ&トークの開催を中止することとなりました。楽しみにしていてくださった皆様、誠に申し訳ございません。ご理解たまわりますよう何とぞよろしくお願いいたします。

Touch&Talk in English 英語タッチ&トーク

Due to concerns over coronavirus infection, Touch&Talk both in Japanese and English will be cancelled during the exhibition “20 passions.” We ask for your kind understanding and cooperation.

パッションムービーズ(会期中会場で上映)

工芸は素材のほとんどが自然に由来するものです。しかし人びとの必要なことや快をかなえるためにさまざまな工夫がほどこされ、私たちの前に置かれるときには自然界にあったときとは様変わりした人工物の美を発散します。自然→人工。この「→」のあいだに何が起き、どのような想いが託されたのでしょうか。上原美智子(織)、高橋禎彦(ガラス)、橋本真之(金属)の工房から熱いパッションを視覚と音とを通して届けます。

さわってプリーズ

須藤玲子とNUNOチーム監修による休憩室でくつろぎながら日本の自然を織り込んだテキスタイルをご体感ください。各生産地の様子を届ける映像もご紹介します。

☆いずれもご予約・参加費不要[18歳以上の方(65歳以上・高校生は除く)は要観覧券]

開催概要

会場

東京国立近代美術館工芸館

会期

2019年12月20日(金)-2020年3月8日(日)

開館時間

10:00 – 17:00
※入館時間は閉館30分前まで

休館日

月曜日(1月13日は開館、2月24日は開館)、年末年始(12月28日[土]-2020年1月1日[水・祝])、1月14日[火]、2月25日[火]
※2月28日(金)をもって閉館いたします。

観覧料

一般250円(200円) 
大学生130円(60円)
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。

高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会賛助会員(同伴者1名まで)MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバー会員は本人のみ)、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、会員証、社員証、障害者手帳をご提示ください。

無料観覧日

1月2日(木)
1月5日(日)
2月2日(日)
3月1日(日)

主催

東京国立近代美術館、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会

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