展覧会
没後40年 熊谷守一 生きるよろこび
会期
会場
東京国立近代美術館本館企画展ギャラリー
熊谷守一(くまがい・もりかず 1880‐1977)は、明るい色彩とはっきりしたかたちを特徴とする作風で広く知られます。特に、花や虫、鳥など身近な生きものを描く晩年の作品は、世代を超えて多くの人に愛されています。
その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、70年以上に及ぶ制作活動をたどると、暗闇でのものの見え方を探ったり、同じ図柄を何度も使うための手順を編み出したりと、実にさまざまな探究を行っていたことがわかります。描かれた花や鳥が生き生きと見えるのも、色やかたちの高度な工夫があってのことです。穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と、考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。
東京で久々となるこの回顧展では、200点以上の作品に加え、スケッチや日記などもご紹介し、画家の創造の秘密に迫ります。
明治から昭和におよぶ97年の長い人生には、貧困や家族の死などさまざまなことがありました。しかし熊谷はひたすらに描き、95歳にしてなお「いつまでも生きていたい」と語りました。その驚くべき作品世界に、この冬、どうぞ触れてみて下さい。
クマガイ モリカズってどんな人?
1880(明治13)年 ~ 1977(昭和52)年
岐阜県恵那(えな)郡付知(つけち)村に生まれる。1897(明治30)年上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らの指導を受ける。同期に青木繁、和田三造らがいる。1904(明治37)年に同校を卒業。1909(明治42)年には《蝋燭(ローソク)》により第3回文展で褒状を受ける。翌年一時帰郷、1915(大正4)年に再上京するまで、材木運搬などの仕事につく。
上京後は二科会で発表を続け、二科技塾の講師も務める。1922(大正11)年、大江秀子と結婚。1928(昭和3)年に次男・陽を、32(昭和7)年に三女・茜を、47(昭和22)年に長女・萬(まん)を失くすなど、戦争をはさんで次々と家族の死に見舞われる。戦後は明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立。97歳で没するまで制作を行った。
住まいの跡地は現在二女、熊谷榧(かや)氏を館長とする「豊島区立熊谷守一美術館」となっている。
講演会
■藏屋美香(当館企画課長、本展企画者)
2017年12月16日(土)14:00‐15:30
聴講無料(先着150名)、申込不要
■岡﨑乾二郎(造形作家、批評家)「モリカズについて、いま語れることの全て」
2018年1月13日(土)14:00‐15:30
聴講無料(先着150名)、申込不要
■高畑勲(アニメーション映画監督)
聞き手:藏屋美香(当館企画課長、本展企画者)
2018年2月24日(土)14:00‐15:30
当日10:00より1F受付にて整理券を配布(先着150名)、聴講無料、要観覧券
場所:講堂(地下1階)
*開場は開演30分前
カタログ
開催概要
- 会場
-
東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
- 会期
-
2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)
- 開館時間
-
10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)
*入館は閉館30分前まで - 休館日
-
月曜(1/8、2/12は開館)、年末年始(12/28-1/1)、1/9(火)、2/13(火)
- 観覧料
-
【当日券】
一般 1,400(1,000)円
大学生・専門学校生 900(600)円
高校生 400(200)円【前売券】
一般 1,200円
ペアチケット 2枚で2,000円
大学生・専門学校生 800円
高校生 300円- いずれも消費税込。
- ( )内は20名以上の団体料金。
- 前売券・ペアチケットは2017年10月2日(月)~2017年11月30日(木)販売。ペアチケットはオンラインのみ。
- 中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
- 本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」もご覧いただけます。
- 主なチケット販売場所:東京国立近代美術館・工芸館(*開館日のみ、工芸館は当日券のみ)、本展特設サイト(オンラインチケット)、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケットほか
- チケット購入時に手数料がかかる場合があります。
- 主催
-
東京国立近代美術館
日本経済新聞社
テレビ東京 - 巡回
-
愛媛県美術館 2018年4月14日(土)〜6月17日(日)