令和7年度 インターンシップ生のことば

A 学芸・コレクション Aさん

近現代日本美術史に関心がある私にとって、東京国立近代美術館の所蔵作品展は、かならず観にいく展示であり、毎会期興味深く勉強させていただいていました。その裏側を実践的に学びたいとおもい、コレクション部門を志望しました。 

インターン活動では、展示替え作業の準備や見学、他館への借用対応や作品点検、収集会議の見学、ぬいぐるみのお泊り会の運営補助など、幅広く参加させていただきました。そのなかで、研究員の細かな工夫や学芸としての考え方などを、間近で学ぶことができました。とくに展示替え期間は、勉強になることが多く、刺激的な時間でした。また、研究員以外にも、美術館のなかで働くさまざまな方々とお話し、そのお仕事を拝見できたことも幸いでした。 

この1年間の活動をとおして得た経験や知識を活かして、今後も地道に精進していきたいです。 

お忙しいなか、つねに優しく丁寧にご対応いただいた東京国立近代美術館の研究員や職員の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。 

A 学芸・コレクション Dさん

一年間、美術課インターンとして活動させていただきました。作品カードの記入や調査補助、コレクション展の会場風景の撮影、SNS投稿の企画補助、収蔵庫内の清掃やキャプション整理など、業務に携わりました。これらの活動を通して、収蔵業務への理解を深めるとともに、日常業務を微力ながら支える経験をすることができました。また、作品の貸出および返却に立ち会い、コンディションチェックの補助に携わらせていただいたことは、特に貴重な経験でした。作品を間近で拝見する機会をいただき、全国の美術館から来館された学芸員の方々とお会いする機会にも恵まれました。こうした交流を通して、美術館の仕事が館同士の協力によって成り立っていること、そして収蔵品を守るだけでなく、積極的に共有することの大切さを強く実感しました。

日常業務に加えて、美術課会議への参加や、複数の展示替え・設営にも立ち会うことができました。その中で、展示の背景にある計画や調整の過程を拝見し、スタッフの方々がそれぞれの専門性を生かしながら、一体となって取り組まれている姿が強く印象に残っています。また、版画素描室での整理や撮影、調査にも携わり、版画作品の研究や収蔵管理について理解を深める機会をいただきました。実作業でも見学でも、インターン期間の毎日は学びの連続でした。最後に、大変お世話になりました職員の皆様に、改めて心より感謝申し上げます。

A 学芸・コレクション Gさん

この一年間のインターン活動を通して、私はさまざまな業務や活動に参加、あるいは見学する機会を得て、多くのことを学ぶことができた。例えば、資料の整理、作品のチェックや整理、収蔵庫の掃除、作品修復の見学、作品の貸し出しや返却に関わる作業、展示の搬入、月例会議の見学などである。こうした活動を通して、美術館の運営や仕組みについて、これまでよりも実感をもって理解できるようになったと感じている。 

インターン活動の内容の多くは、複雑なものではなく、時には単調に感じられる作業もあった。しかし私にとって、それらの時間はとても癒やされるような感覚でもあった。収蔵庫で作品を整理する際、好きな作品を近い距離で見ることができるのは、いつもわくわくする体験だった。また、作品の撮影に来られた写真家や作品修復を担当されている修復家のお話を聞くこともとても興味深かった。備品倉庫の防虫のために、皆で小さな毒餌のトラップを作ったことも印象に残っている。 

日頃お世話になっている美術課の研究員の方々はそれぞれ個性がありながらも、仕事をする姿はとても調和していて、温かい雰囲気があると感じた。私にとってここは、芸術のために人々が集まり、静かな情熱が共有されている温かい場所である。これからどのような仕事に就くかはまだ決まっていないが、この場所で得た温かい記憶を大切にしながら、今後の活動を続けていきたいと思う。 

B 学芸・企画展 Nさん

国立の美術館で開催される大規模な展覧会が、どのようにしてつくられ運営されるのかを現場で学びたいと考え、企画展のインターンを志望いたしました。

インターンの活動を始めるにあたって、担当してくださった学芸員の方から「自分がいま行っている作業が、企画展全体の作業の中でどこにあたるのかを考えるとよい」とご指導いただきました。そのうえで展覧会が開催されるまでに、どのような仕事がどのようなスケジュール感で進行していくのかを学びました。
企画展に関わる活動では、解説や図録の校正、資料のスキャン、企画や広報のミーティングの見学、展示作業の見学、作品の点検など、さまざまな貴重な経験をしました。特に「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」展に向けて、のぞきケース内に展示する資料の配置を検証する作業が印象深く、地道な作業の積み重ねがひとつの展覧会として結実するのだと肌身で感じました。

ギャラリー4での開催を想定した特集展示を企画するという課題では、企画書と作品リスト、展示図面を作成し、中間発表と最終発表をさせていただきました。企画課の皆さまが細やかにコメントをしてくださり、学術的な意義のみならず、不特定多数の鑑賞者を前提とし、社会的にどのような意味をもつのかなど、多角的な視点を持つことが重要なのだと学びました。私自身の研究についてもご指摘をいただき、大変貴重な機会でした。

企画展以外にも、こどもまっとへの参加、収蔵作品の修復や額装作業、返却作業の見学などさせていただき、美術館での仕事について広く学ばせていただきました。学芸員の方々には、お忙しいなかでも折に触れてお話をしてくださり、温かく真摯に向き合っていただきました。心より御礼申し上げます。

C 美術館教育 Hさん

私は、美術館や博物館の現場を知りたい、また、学芸員の実際の業務について理解を深めたい、という思いを持ち、2025年度教育普及室のインターンシップ生として活動させていただきました。インターンシップでは、ガイドスタッフの育成や子ども向けプログラム、中長期的な中高生プログラムなど、実際の業務にかかわる機会を多数いただきました。 
特に印象に残っているのは、こどもまっとの活動です。実際の現場では予算や人員の点で厳しい局面があること、その上で学芸員およびガイドスタッフの方の工夫と熱意のもと成り立っているということを身をもって実感しました。 

そして、このインターンシップの全般の経験を通じて、学芸員業務のみならず教育普及の手法についての理解を深めることもできました。知識やプログラム参加者への対応の点でやはり未熟で後から反省することも多かったのですが、そのような中でも多数チャレンジする環境を提供していただき、とてもありがたかったです。今回のインターンシップで得た視点をもとに、今後視野を広げ、残りの大学院生活や社会人生活に活かしていきたいと考えています。 

C 美術館教育 Mさん

1年間を通して、所蔵品ガイドの見学や資料整理、ガイドスタッフの例会やフォローアップ研修への参加、スクールプログラムの補助、こどもまっとの運営など、教育普及の現場ならではのさまざまな業務に関わらせていただきました。 

その中でも、10月から月1回の頻度で実施された中高生プログラムの補助を継続的に担当しました。回を重ねる中で、参加者の姿勢や発言のあり方に少しずつ変化が見られました。初回では慎重だった参加者が、次第に自分の言葉で作品について語り始め、他者の意見を受け止めながら考えを深めていく様子が印象的でした。そこでは単に知識を得るというよりも、作品と向き合い対話を重ねる中で、自分の感じ方や考えを確かめていく美術館ならではの学びが生まれているように感じました。 

今回の経験を通して、私は美術館を「公共的な学習空間」として改めて捉えるようになりました。美術館は学校とは異なり、評価や正解を前提としません。本物の作品の前で立ち止まり、一次資料に向き合いながら考える時間は、情報を受け取る学習とは異なる深い思考を生み出していました。 

この一年間、多くのことを学ばせていただきました。ご指導くださった教育普及室の皆様をはじめ、温かく支えてくださった職員の皆様に心より感謝申し上げます。

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