重要文化財 旧近衛師団司令部庁舎

旧近衛師団司令部庁舎は陸軍技師・田村鎮(やすし)の設計により、明治43(1910)年3月に建てられました。

第2次大戦後、荒廃したままに放置されていた旧司令部庁舎は取り壊しの対象となりましたが、明治洋風煉瓦造建築の一典型として、また、官公庁建築の遺構としても重要なことから、その建築的価値を惜しむ声がよせられ、昭和47(1972)年9月に「重要文化財に指定のうえ、東京国立近代美術館分室として活用する」旨の閣議了解がなされ、同年10月、「旧近衛師団司令部庁舎」として重要文化財に指定されました。

その後、外観と玄関、広間の保存修理工事を施し、谷口吉郎による展示室の設計に基づく内部の改装によって、美術館仕様の建物として改修し、昭和52(1977)年11月15日、東京国立近代美術館分館、東京国立近代美術館工芸館として開館しました。修復にあたって、屋根は建築当初のスレート葺に復元され、正面ホールから2階に伸びる両袖階段に往時の重厚な装いを見ることができます。ゴシック風の赤煉瓦の簡素な外観は、四季折々に周辺の樹木と調和して、独特のたたずまいをみせています。

工芸館は、平成28(2016)年3月に政府関係機関移転基本方針により、石川県への移転が決定。令和元(2019)年12月20日~令和2(2020)年3月8日に開催した「所蔵作品展 パッション20 今みておきたい工芸の想い」を最後に東京国立近代美術館工芸館としての活動を終え、令和2(2020)年10月25日に、通称「国立工芸館」として石川県金沢市で開館しました。工芸館の移転後、「旧近衛師団司令部庁舎」は、前庭より建物外観を観覧いただく外観公開を行うほか、ユニークベニュー利用やロケ地利用として活用いたします。

所在地

〒102-0091 千代田区北の丸公園1-1

施設概要

敷地面積4,512.72㎡
建物面積929㎡
延床面積1,858㎡
撮影:加藤 健

外観公開

公開場所

前庭 (建物外観の観覧)
※公開エリア以外の敷地および庁舎建物に立ち入ることはできません。

公開日時

水曜日、土曜日、日曜日
午前10時~午後4時(入場は公開時間終了の30分前まで)
ただし、下記を除く

  • ユニークベニュー利用やロケ地利用により公開できない日
  • 年末年始(原則として)12月28日から翌年1月3日
  • 工事等により公開が困難な日
  • 国家行事等に伴う特別警備のため、北の丸公園の一般利用が規制される日
  • 美術館が定める日
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