コレクション
展示中
孕んだ女
河原温1954
基本情報
- 作品名
- 孕んだ女
- 作家名
- 河原温 作家詳細
- 制作年
- 1954
- 収蔵方法
- 寄贈
- 素材・技法
- 油彩
- 支持体
- キャンバス
- 形状
- 額
- 作品サイズ(cm)
- 140.0×134.5
- 作品番号
- O00408
作品解説
お皿、瓶、腕や首が浴室の中を漂っています。上下左右もはっきりしない狭苦しい空間を見ていると、落ち着かない気分になります。その原因は、タイルの目にあります。人は、体のバランスを保つ平衡感覚に基づいて、垂直、水平な線に安定した心地よさを感じます。しかしここではタイルの升目が作る縦、横の線が、絵のフレームの垂直、水平線から斜めにズレています。中央の妊婦が手にする器具の先端が特に明るく描かれています。この球を軸に絵の中の空間は回転し始め、人も物もばらばらにしてしまうかのよう。当時の社会が抱えていた精神状態を表現したとも言われる、この絵が呼び起こす不安さの裏には、こんな造形的工夫も隠されています。