コレクション

No.273(影)

高松次郎

1969

基本情報

作品名
No.273(影)
作家名
高松次郎 作家詳細
制作年
1969
収蔵方法
購入
素材・技法
ラッカー
支持体
作品サイズ
250.0×300.0

作品解説

巨大な画面は、まるで壁のようです。その「壁」いっぱいに、赤ん坊の影が描かれています。影はひじょうにリアルに描かれているので、一瞬、私たちはこれを本物の影と見間違えてしまうかもしれません。問題はその一瞬です。それを本物の影と思い込んだとき、私たちの脳内では「影の絵が眼の前にある」のではなくて、「大きな真っ白い壁に影が投影されている=作品そのものは真っ白」と認識されているはずです。作者は「芸術の表現は、限りなく無に近いことが好ましい」と考えていました。ここで彼は、影を媒介として、絵画そのものを見る人の脳内から消去してみせたといえるでしょう。

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