展覧会
原弘と東京国立近代美術館:デザインワークを通して見えてくるもの
会期
会場
東京国立近代美術館本館 ギャラリー4
概要
原弘(はら ひろむ)(1903-1986)は、国立近代美術館が京橋に開館した1952(昭和27)年から1975(昭和50)年まで、じつに23年間にわたって、当館の展覧会ポスターをほぼ一貫して手がけていました。原弘が当館の展覧会のためにデザインした展覧会ポスターはおよそ200点を数え、戦後の原弘の仕事の重要な一角を占めています。原弘は、ポスター以外にも、招待状、展覧会カタログの表紙、機関誌『現代の眼』など印刷物のデザインを手がけており、いわば当館専属のアートディレクターとしての役割を果たしていたといえます。
原弘にポスターを依頼することに決めたのは、当館の草創期に次長を勤めていた今泉篤男です。展覧会のポスターをデザイナーに依頼するということなどまだなかった時代でしたが、国立近代美術館の出発にあたって、今泉は、展覧会のポスターを美術館活動の一部として重視したいと考え、グラフィックデザインの第一人者として活躍していた原弘に協力を求めたのです。
いっぽう、「デザインとは無名性の行為」を持論とする原は、「自分のポスターを作るのではなくて、国立近代美術館のポスターを作るのだ」という気持ちで、この仕事に取り組んでいました。
国立近代美術館のポスターとしては、文字組みと色面構成だけのシンプルなもの、写真と文字の組み合わせ、大胆なレタリングを駆使したものなど、さまざまなタイプのものが作り出されましたが、そこには一貫して、原弘のほかの仕事に通じる品格や清潔感があります。節度あるそのデザインは、当館の特徴をも映し出しています。
今回の展覧会では、原弘の国立近代美術館のためのポスターの仕事をまとめて紹介するとともに、戦前期の代表作であるパリ万国博覧会(1937年)の写真壁画や対外宣伝誌『FRONT』、そして、戦後のブックデザインなどもあわせて展示し、そこに流れる原弘デザインの理念を探ります。
カタログ情報
2012年刊行、A4変形版、134ページ
デザインにおける印刷用紙の重要性を感じた原弘は、紙の開発に積極的にかかわり、多種多様な質感をもった用紙を生みだしていきました。展覧会カタログの一部には、原弘が開発した用紙を使用しています。
イベント情報
ギャラリー・トーク
小西啓介(グラフィックデザイナー)
日程:2012年4月15日(日)
時間:15:00-16:00
場所:ギャラリー4 (2F)
*参加無料(要観覧券)、申込不要
当館研究員によるギャラリー・トーク
日程:2012年2月19日(日)/2012年3月11日(日)
時間:15:00-16:00
場所:ギャラリー4 (2F)
*参加無料(要観覧券)、申込不要
開催概要
- 会場
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東京国立近代美術館本館 ギャラリー4(2F)
- 会期
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2012年2月3日(金)~5月6日(日)
- 休館日
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月曜日(3月19日、3月26日、4月2日、4月30日は開館)
- 開館時間
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10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
- 入館は閉館30分前まで
- 観覧料
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一般 420円(210円)
大学生 130円(70円)- ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
- 高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。
- それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
- お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。
- キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。
- 入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。
東京国立近代美術館 開館60周年記念企画
★★★ 誕生日は無料!!★★★
開館60周年を記念して、ご自身の誕生日当日にご来館いただいた方は、全館(本館・工芸館とも)無料で入館いただけます。
券売窓口で、誕生日のわかる証明書(免許証等)をご提示ください。
HAPPY BIRTHDAY TOGETHER!! - 無料観覧日
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2月5日(日)、3月4日(日)、4月1日(日)、5月6日(日)
- 主催
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東京国立近代美術館
- 協力
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特種東海製紙株式会社、株式会社竹尾