展覧会

会期終了 企画展

クローズアップ工芸展

会期

会場

東京国立近代美術館工芸館

概要

素材の力と技術と表現が織りあわされた工芸作品では、素材の質感や細部に、意外な表情を発見することがあります。作品にぐっと近づいて初めて見えてくる、そんな部分にこそ、作家の表現を支える秘密が潜んでいます。本展では、鈴木長吉(1848-1919)ら5名を取り上げ、作品の細部に宿る真実に迫ります。

鈴木長吉 《十二の鷹》 1893年
松田権六《蒔絵箱「赤とんぼ」》1969年
京都国立近代美術館蔵
※後期展示
富本憲吉《色絵禁再羊歯模様大飾壺》1960年
京都国立近代美術館蔵
森口華弘《訪問着 薫秋》1964年
※後期展示
小名木陽一《赤い手ぶくろ》1976年

出品作品リスト

・個人蔵の作品は表記を省略しました。 A=東京国立博物館 B=東京藝術大学大学美術館 C=德川記念財団
   D=京都国立近代美術館 E=石川県立美術館 F=滋賀県立近代美術館 G=京都市美術館 *=当館蔵
・会期中に一部作品を展示替えします。 ●=前期展示作品(10/20まで)  ★=後期展示作品(10/22から)

作家名作家名(よみ)生没年展示番号題名題名(よみ)制作年素材・技法所蔵
鈴木長吉スズキ、 チョウキチ1848~19191-1鷲置物(重要文化財) わしおきもの1892青銅、鋳造、金象嵌A
 1-2十二の鷹じゅうに の たか1893青銅、鋳造、金、銀、赤銅、朧銀による象嵌*
 1-3起立工商会社下図きりゅうこうしょうがいしゃ したず1874~91紙本、墨絵、淡彩B
二代橋本長兵衛
伝 徳川家光筆
ニダイ ハシモト、チョウベエ
デン トクガワ、イエミツ フデ
●(右隻)
★(左隻)
1-4架鷹図屏風かようず びょうぶ江戸時代(17世紀)紙本着彩C
富本憲吉トミモト、 ケンキチ1886~1963 2-1銀襴手大飾壺ぎんらんで おおかざりつぼ1929磁器D
 2-2草花図巻そうかず かん1932紙本着色・巻子装D
 2-3染付絵変皿(10枚組)そめつけ えがわり さら じゅうまいぐみ1933磁器D
 2-4色絵草花文角鉢いろえ そうかもん かくばち1937磁器*
 2-5色絵薊文角鉢いろえ あざみもん かくばち1938磁器*
 2-6色絵葡萄文角鉢いろえ ぶどうもん かくばち1938磁器*
 2-7色絵染付菱小格子文長手箱いろえ そめつけ ひしこごうしもん ながてばこ1941磁器*
 2-8色絵金銀彩羊歯文八角飾箱いろえ きんぎんさい しだもん はっかく かざりばこ1959磁器*
 2-9色絵金銀彩染付飾皿 竹林月夜いろえ きんぎんさい そめつけ かざりざら ちくりんげつや1959磁器*
 2-10色絵金銀彩四弁花文飾皿いろえ きんぎんさい しべんかもん かざりざら1960磁器*
 2-11色絵金銀彩羊歯文飾箱いろえ きんぎんさい しだもん かざりばこ1960磁器*
 2-12色絵金銀彩四弁花文飾壺いろえ きんぎんさい しべんかもん かざりつぼ1960磁器*
 2-13色絵金彩羊歯模様大飾壺いろえ きんさい しだもよう おおかざりつぼ1960磁器D
 2-14色絵金銀彩羊歯文六角小箱いろえ きんぎんさい しだもん ろっかく こばこ1961磁器*
大村西崖(素案)、
六角紫水ほか(制作)
オオムラ、セイガイ
ロッカク、シスイ
1868~1927、
1867~1950ほか
 3-1蓬萊雲鶴図硯箱ほうらいうんかくずすずりばこ1917漆、蒔絵、平文B
 3-2蓬萊雲鶴図八足脚机ほうらいうんかくずはっそくきゃく つくえ1917漆、蒔絵、平文 
六角紫水ロッカク、 シスイ1867~1950 3-3模写 国宝仁和寺蔵冊子筥もしゃ こくほうにんなじぞうさっしはこ1921漆、蒔絵D
辻村松華ツジムラ、ショウカ1867~19293-4蓬萊山蒔絵経箱ほうらいさん まきえ きょうばこ不詳漆、蒔絵 
渡辺香涯ワタナベ、コウガイ1874~19613-5蓬萊雲鶴蒔絵硯箱ほうらいうんかくまきえすずりばこ不詳漆、蒔絵、金・銀平文、螺鈿B
松田権六マツダ、 ゴンロク1896~19863-6秋草泥絵平卓あきくさでいえ ひらしょく1932漆、泥絵 
3-7蒔絵玉すだれ文盤まきえ たますだれもん ばん1953漆、蒔絵*
3-8蒔絵槇柏文手箱まきえ しんぱくもん てばこ1955漆、蒔絵*
3-9蒔絵螺鈿有職文飾箱まきえ らでん ゆうそくもん かざりばこ1960漆、蒔絵、螺鈿*
3-10蒔絵竹林文箱まきえ ちくりんもん はこ1965漆、蒔絵、撥鏤*
3-11松蒔絵飾箱まつまきえかざりばこ1966漆、蒔絵、螺鈿E
3-12竹文椀たけもん わん1967漆、蒔絵*
3-13蒔絵箱 「赤とんぼ」まきえばこ あか1969漆、蒔絵、螺鈿D
3-14蒔絵松桜文棗まきえ まつさくらもん なつめ1969漆、蒔絵、螺鈿*
3-15蒔絵槇に四十雀模様二段卓まきえ まきにしじゅうからもよう にだん しょく1972漆、蒔絵、撥鏤*
3-16三保の富士蒔絵棗みほのふじ まきえ なつめ1977漆、蒔絵、卵殻*
森口華弘モリグチ、 カコウ1909~20084-1古代縮緬地友禅訪問着 早春こだい ちりめんじ ゆうぜん ほうもんぎ そうしゅん1955絹、友禅*
4-2松樹文様振袖しょうじゅもんようふりそで1955絹、友禅F
4-3古代縮緬地友禅訪問着 薫こだい ちりめんじ ゆうぜん ほうもんぎ かおる1956絹、友禅*
4-4友禅訪問着 映光ゆうぜん ほうもんぎ えいこう1958絹、友禅*
4-5古代縮緬地友禅訪問着 四季の香こだい ちりめんじ ゆうぜん ほうもんぎ しきのかおり1959絹、友禅*
4-6縮緬地友禅花丸文着物 薫影ちりめんじ ゆうぜん はなまるもん きもの くんえい1959絹、友禅*
4-7上代紬地友禅菊華文訪問着じょうだい つむぎじ ゆうぜん きっかもん ほうもんぎ1960絹、友禅*
4-8駒織縮緬地友禅訪問着 早流こまおり ちりめんじ ゆうぜん ほうもんぎ そうりゅう1961絹、友禅*
4-9訪問着 薫秋ほうもんぎ くんしゅう1964絹、友禅*
4-10訪問着 光ほうもんぎ ひかり1964絹、友禅D
4-11訪問着 薫風ほうもんぎ くんぷう1967絹、友禅*
4-12縮緬地友禅訪問着 菊ちりめんじ ゆうぜん ほうもんぎ きく1970絹、友禅*
4-13友禅訪問着 桂垣ゆうぜん ほうもんぎ かつらがき1972絹、友禅*
4-14縮緬地友禅着物 梅文様ちりめんじ ゆうぜん きもの うめ もんよう1973絹、友禅*
4-15友禅訪問着 双華文ゆうぜんほうもんぎ そうかもん1980絹、友禅D
4-16友禅訪問着 双華ゆうぜん ほうもんぎ そうか1983絹、友禅F
4-17友禅訪問着 羽衣ゆうぜん ほうもんぎ はごろも1984絹、友禅F
小名木陽一オナギ、 ヨウイチ 1931~5-1裸の花嫁はだかのはなよめ1972木綿、立体織G
5-2赤い手ぶくろあかい てぶくろ1976木綿、立体織*

ここが見どころ

遠目には見えなかった色やかたちが、作品の印象をガラリとかえてしまうことも少なくありません。
展示だけでは見ることの難しい、そうした表情を23インチのディスプレイにCG(コンピュータグラフィックス)で表示します。

質感表示技術

凸版印刷が培ってきたカラ―マネージメントシステム(CMS)技術でざらつき感や光沢感などもデータ化。色だけでなく物体の“見え”を含めた記録と再現により、工芸作品の質感を網羅的に知ることができます。

T232HLbmidzタッチモニター

Acer EcoDisplayテクノロジー採用、フルHD搭載の23インチサイズ。画像を見るだけでなく、タッチして、操作して、快適なナビゲーションで工芸作品の細部や質感を堪能できます。

作家紹介

近代工芸の代表的作家5名をオムニバスで取り上げます。

鈴木長吉

1848-1919/金工

埼玉県生まれ。岡野東流斎に師事。1893 シカゴ万国博覧会出品。後に《鷲置物》(東京国立博物館蔵)が重要文化財指定される。1896 鋳金で帝室技芸員に任命。


富本憲吉

1886-1963/陶磁

奈良県生まれ。1909 東京美術学校図案科卒業。1947 新匠美術工芸会結成。1955 重要無形文化財「色絵磁器」の保持者に認定。1961 文化勲章受章。


松田権六

1896-1986/漆工

石川県生まれ。1919 東京美術学校漆工科卒業。1953 正倉院宝物を調査。1955 重要無形文化財「蒔絵」の保持者に認定。1962 中尊寺金色堂復元修理。1976 文化勲章受章。


森口華弘

1909-2008/染織

滋賀県生まれ。1924 三代中川華邨の門下となる。1955 蒔糊技法を用いた作品発表。1967 重要無形文化財「友禅」の保持者に認定。1971 紫綬褒章受章。1998 伝統文化ポーラ大賞受賞。


小名木陽一

1931- /染織

東京都生まれ。1956 京都学芸大学卒業。1964 竜村美術織物を退社。独学でファイバーアート創作を始める。1973、1977、1981 ローザンヌ国際タピスリー・ビエンナーレ出品。

イベント情報

ギャラリートーク

当館研究員が鑑賞のポイントを分かりやすく解説します

日程

2013年10月20日(日)
2013年11月17日(日)

時間

14:00 ‐ 15:00

場所

工芸館会場

※申込不要、参加無料(要観覧券)

タッチ&トーク

工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム。作品の見どころを、展示室で作品を鑑賞しながら解説する<トークコーナー>と、著名作家の作品や資料・制作工程資料などを実際に手にとったりさわりながら鑑賞いただける<タッチコーナー>の2部構成で、さまざまな角度から展覧会の見どころを紹介します。

日程

会期中の毎週水・土曜日

時間

14:00 – 15:00

場所

工芸館会場

※申込不要、参加無料(要観覧券)

開催概要

会場

東京国立近代美術館 工芸館

会期

2013年9月14日(土)~12月8日(日)

※会期中、一部作品の展示替をおこないます。
前期 9月14日(土)~10月20日(日)
後期 10月22日(火)~12月8日(日)

開館時間

10:00-17:00
(入館は閉館30分前まで)

休館日

月曜日(9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)

観覧料

一般500円(350円) 
大学生300円(150円)

高校生以下および18歳未満、障がい者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。

※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢のわかるもの、障がい者手帳をご提示ください。
キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。

無料観覧日

11月3日(日)

主催

東京国立近代美術館

協力

凸版印刷株式会社
長野大学
日本エイサー株式会社

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