展覧会
近代工芸の百年 : 所蔵作品展
会期
会場
東京国立近代美術館工芸館
概要
日本の近代工芸は、技巧の粋を尽くした明治時代の華麗な工芸品に始まり、やがて作家としての目覚めの時代を経て、多様な表現の場へと展開してきました。
1920年代には、作者の内面を表現しようとする試みとともに、民芸運動のように、工芸を通して正しい社会のあり方を提言しようとする動きもあらわれてきます。戦後は、伝統への意識が高まる一方で、〝オブジェ〟という、これまでの工芸にない新しい表現が登場し、工芸独自の可能性が、さまざまな面から探られるようになりました。
今日では、工芸という分野に見られる独特な精神性を、美術史全体の問題として見直そうとする視点が示されているほか、素材や技術の意味に注目した新しい造形論も、さかんに論じられています。本展では、工芸に対するこのような新しい視点を盛り込みつつ、約90点の作品によって、日本の近代工芸のあゆみを紹介します。
I 明治の技巧――初代永澤永信(寄託作品)・初代宮川香山ほか
II 大正・昭和[図案家から工芸家へ/民芸運動の作家たち]――広川松五郎・河井寛次郎ほか
III 工芸のモダニズム――磯矢阿伎良・高村豊周ほか
IV 戦後の工芸[伝統/生活/造形]――金重陶陽・森正洋・八木一夫ほか
V 素材からの出発[ファイバー/クレイ]――久保田繁雄・井上雅之ほか
VI 1990年代以降の表現――小川待子・大村俊二・古伏脇司ほか
出品作品リスト
第一室〈明治の技巧〉 19世紀 ジャポニスム 万国博 殖産 | ||||
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初代宮川香山(1842~1916) | 鳩桜花図高浮彫花瓶 一対 | 1871-82頃 | ||
初代永澤永信(1861~1919) | 白磁籠目花鳥貼付飾壺 | 1877頃 | 寄託作品 | |
山川孝次(1828~1882) | 金銀象嵌環付花瓶 | 1877頃 | 登録美術品 | |
駒井音次郎(1842~1917) | 鉄地金銀象嵌人物図大飾皿 | 1876-85頃 | 登録美術品 | |
金森宗七(1821~1892) | 花鳥文様象耳付大花瓶 | 1892頃 | 登録美術品 | |
鈴木長吉(1848~1919) | 十二の鷹 | 1893年 | 露出 | |
木村雨山(1891~1977 ) | 一越縮緬地花鳥文訪問着 | 1934年 | ||
小宮康助(1882~1961) | よろけ縞 | 1958年 | ||
板谷波山(1872~1963) | 霙青磁牡丹彫文花瓶 | 1925年 | ||
二代宮川香山(1859~1940) | 窯変洋紅釉花瓶 | 1926年 | ||
第二室〈図案家から工芸家へ〉 明治初年頃生まれの作家 帝展以前の作品 ⇒大正・昭和の作品へ | ||||
六角紫水(1867~1950) | 漆画丸盆 | 1924年 | ||
六角紫水(1867~1950) | 金胎蒔絵唐花文鉢 | 1935年頃 | ||
松田権六(1896~1986) | 蒔絵福寿草文小盆 | 1911年 | ||
松田権六(1896~1986) | 獅子蒔絵香● | 1916年 | ||
松田権六(1896~1986) | 蒔絵鷺文飾箱 | 1961年 | ||
香取秀真(1874~1954) | 雷文鋳銅花瓶 | 1931年 | ||
香取正彦(1899~1988) | 鋳銅花器 | 1930年 | ||
香取正彦(1899~1988) | 青銅回文菱花器 | 1963年 | ||
広川松五郎(1889~1952) | 臈染文武紋壁掛 | 1930年 | 壁 | |
富本憲吉(1886~1963) | 染付祖師ヶ谷風景飾壺 | 1929年 | ||
富本憲吉(1886~1963) | 柿釉金彩小壺 | 1931年 | ||
富本憲吉(1886~1963) | 白磁八角蓋付壺 | 1932年 | ||
富本憲吉(1886~1963) | 色絵薊文角鉢 | 1938年 | ||
第二室〈民藝運動の作家たち〉 大正・昭和の作品 | ||||
リーチ、 バーナード(1887~1979) | ティー・セット | 1920-29頃 | ||
河井寛次郎(1890~1966) | 花鳥図壺 | 1926年頃 | ||
芹沢〓介(1895~1984) | 四曲屏風ばんどり | 1958年 | 和室 | |
浜田庄司(1894~1978) | 刷毛目珈琲椀セット | 1925年 | ||
第三室〈工芸のモダニズム〉 1900年前後まれの作家 大正・昭和の作品 | ||||
藤井達吉(1881~1964) | 草花図屏風 | 1916-20頃 | ||
高村豊周(1890~1972) | 鋳銅双耳花瓶 | 1920年 | ||
高村豊周(1890~1972) | 青銅花瓶(mtk607) | 1926頃 | ||
内藤春治(1895~1979) | 壁面への時計 | 1927年 | ||
杉田禾堂(1886~1955) | 用途を指示せぬ美の創案 | 1930年 | ||
磯矢阿伎良(1904~1987) | 花文棚 | 1930年 | ||
磯矢阿伎良(1904~1987) | バイオリン・ケース | 1931年 | ||
磯矢阿伎良(1904~1987) | はないかだ文様長手箱 | 1934年 | ||
北原千鹿(1887~1951) | 双魚衝立 | 1932年 | 露出 | |
豊田勝秋(1897~1972) | 鋳銅広間用花さし | 1933年 | ||
豊田勝秋(1897~1972) | 鋳銅花生B | 1937年 | ||
岩田藤七(1893~1980) | 彩色壺 | 1935年 | ||
山崎覚太郎(1899~1984) | 喫煙具 | 1935頃 | ||
佐藤潤四郎(1907~1988) | 鍛鉄硝子吹込花瓶 | 1940年 | ||
初代松本佐吉(1884~1942) | 彩果文花瓶 | 1937年 | ||
第四室〈戦後の工芸1―古典への志向〉 戦後~60年代の作品 | ||||
石黒宗麿(1893~1968) | 黒釉褐斑鳥文鉢 | 1958年 | ||
三輪休和(1895~1981) | 萩茶碗 | 1958年 | ||
喜多川平郎(1898~1988) | 紅地鳥蝶唐花文錦 | 1960年 | ||
荒川豊蔵(1894~1985) | 瀬戸黒茶碗 | 1959年 | ||
金重陶陽(1896~1967) | 備前水指 | 1960頃 | ||
加守田章二(1933~1983) | 立法壺 | 1969年 | ||
生野祥雲斎(1904~1974) | 竹華器 怒涛 | 1956年 | ||
林尚月斎(1911~1986) | 鉄脚盛器 | 1953年 | ||
金森映井智(1908~2003) | 象嵌鋳銅花器 | 1992年 | ||
第四室〈戦後の工芸2―造形〉 戦後~60年代の作品 | ||||
鈴木治(1926~2001) | 双頭壺 | 1952年 | ||
森野泰明(1934~) | 海碧 | 1952年 | ||
八木一夫(1918~1979) | 黒陶 環 | 1967年 | ||
熊倉順吉(1920~1985) | 力つきて | 1969年 | ||
藤田喬平(1921~) | 虹彩 | 1963年 | ||
第四室〈戦後の工芸3―生活〉 戦後~60年代の作品 | ||||
森正洋(1927~) | G型しょうゆさし | 1958年 | ||
森正洋(1927~) | ファンシーカップ | 1969年 | ||
淡島雅吉(1914~1979) | しづくガラスと氷入れ | 1958年 | ||
有岡良益(1930~) | しろいうつわ | 1970年 | ||
第五室〈素材からの出発1―ファイバー〉 | ||||
小名木陽一(1931~) | 赤い手ぶくろ | 1976年 | 露出(壁) | |
久保田繁雄(1947~) | The weaving spaceII | 1988年 | 露出 | |
第五室〈素材からの出発2―クレイ〉 | ||||
秋山陽(1953~) | 地質時代 | 1994年 | 露出 | |
井上雅之(1957~) | タイトルなし | 露出 | ||
第六室〈1990年代以降の表現〉 | ||||
深見陶治(1947~) | 遥カノ景〈望〉 | 1993年 | 露出 | |
古伏脇司(1961~) | 草舟98-01 | 1998年 | 露出 | |
藤田敏彰(1959~) | MELT | 1988年 | ||
栗木達介(1943~) | 銀緑彩文壺・壺態Ⅲ | 1988年 | ||
高橋禎彦(1958~) | ARC | 1993頃 | ||
重松あゆみ(1958~) | 骨の耳’96-1 | 1996年 | ||
松井康成(1927~2003) | 練上嘯裂文茜手大壺 | 1981年 | ||
小川待子(1947~) | 90U | 1990年 | ||
関島寿子(1944~) | 無題かごNo.396 | 1994年 | ||
長谷川潤子(1964~) | ホワイト・プレート | 1994年 | ||
大村俊二(1962~) | 流(Ryu)IX | 2001年 | ||
橋本真之(1948~) | 重層運動膜(内的な水辺) | 1982-83年 | ロビー | |
狩野智宏(1958~) | Free Form0005 | 1999年 |
開催概要
- 会期
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2003年12月9日(火)-2004年2月1日(日)
- 休館日
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毎週月曜日(但し1月12日は開館し、1月13日は休館)、年末年始(12月29日-1月1日)
- 開館時間
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午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 場所
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東京国立近代美術館工芸館(東京都千代田区北の丸公園1-1)
- 交通
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地下鉄東西線 竹橋駅1b出口徒歩8分
地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線 九段下駅2番出口徒歩12分 - 観覧料
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一般200円(100円)、大学生70円(40円)、高校生40円(20円)
( )内は20名以上の団体料金、いずれも消費税込み/小・中学生および65歳以上は無料 - 無料観覧日
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1月4日(日)、2月1日(日)
- お問い合わせ
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Phone 03-5777-8600(ハローダイヤル)またはhttp://www.momat.go.jp/