展覧会
I友禅と型染 II元祖インダストリアルデザイナー:クリストファー・ドレッサー : 所蔵作品展
会期
会場
東京国立近代美術館工芸館
概要
約2600点の所蔵作品の中から、2部構成で約100点を紹介します。
I 友禅と型染
友禅と型染は、いずれも日本の染めを代表する技法です。
友禅染は大変手間のかかる技法ですが、絵画のように自由な図柄を表現できるのが特色です。江戸時代中期に完成され、東京、京都、金沢で発達しました。近代においては、森口華弘や木村雨山などが優美で洗練された近代の友禅を作り出し、また、東京友禅と称される粋で瀟洒な友禅も盛んになり、中村勝馬、山田貢ら優れた作家が輩出されました。
一方、型染は型紙を使うため、同じ図柄を繰り返すことができます。量産に適しているというだけでなく、型で表された模様ならではの味わいがあります。特に絵模様を表した型絵染の分野では、芹沢銈介、稲垣稔次郎が独自の作品世界を切り開きました。
II 元祖インダストリアルデザイナー:クリストファー・ドレッサー
クリストファー・ドレッサー(1834~1904)は、イギリスで最初のインダストリアルデザイナーとして活躍した人物です。
植物学者としての経歴を持つドレッサーは、19世紀後半、工業化社会が進展するイギリスで、ミントン社のテーブル・ウエアやヒューキン・アンド・ヒース社の金属器など、幅広く、生活の身の回りのさまざまなもののデザインを手がけるようになりました。そのデザイン活動は、20世紀のインダストリアルデザイナーの先駆けとして高く評価されています。
展覧会構成
友禅の世界
森口華弘、木村雨山の代表作を中心に、中村勝馬、山田貢による東京友禅も展示し、近代の友禅の魅力に迫ります。
型染を味わう
芹沢銈介や稲垣稔次郎による着物、屏風、また、稲垣に私淑した伊砂利彦の現代の型染など、型絵染表現の多様な世界を紹介します。
クリストファー・ドレッサーと日本
クリストファー・ドレッサーは、1876年に来日し、日本の工芸に高い関心を抱きました。ジャポニスムの時代、ドレッサーがデザインした作品にも、日本風の植物モチーフが見られます。
陶器
ドレッサーは、数多くの陶磁器会社にデザインを提供しました。
オールドホール・アーサンウエア社で製造した《花模様スープ皿 ペルシア》(このページの一番上の写真)には、幻想的な植物の模様が描かれています。植物学で博士号を取得したドレッサーは若い頃、植物学者を志していましたが、断念し、デザイナーへの道をあゆみはじめたのです。
ガラス
ドレッサーが、グラスゴーのジェームズ・クーパー&サンズ社のためにデザインしたガラスに、宙吹きによる、しなやかな形の「クルーサ」シリーズがあります。川の流れのように、ゆったりとしたのびやかな形のガラスです。
金属器
ドレッサーは、富裕層のための高価なシルバーウエアではなく、電気メッキによる廉価な金属器を数多く手がけています。
家具とテキスタイル
ドレッサーは幅広く、家具やガーデンファニチャー、テキスタイル、カーテンなども手がけています。
イベント情報
ギャラリートーク
「クリストファー・ドレッサーについて」 木田拓也(当館主任研究員)
- 日程
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2007年6月10日(日)
- 時間
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14:00~
- 場所
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工芸館会場
「友禅と型染について」 三上美和(当館客員研究員)
- 日程
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2007年6月24日(日)
- 時間
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14:00~
- 場所
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工芸館会場
※参加無料 (ただし、展覧会チケットが必要です)
工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム
「タッチ&トーク」
- 日程
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会期中の毎週水・土曜日
- 時間
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14:00 – 15:00
※参加無料 (ただし、展覧会チケットが必要です)
会場でのトークと、参考作品や制作工程などを手にとっていただける『さわってみようコーナー』とでご案内します。
開催概要
- 会場
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東京国立近代美術館 工芸館
- 会期
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2007年6月2日(土)~7月8日(日)
- 休館日
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月曜日
- 観覧料
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一般200(100)円、大学生70(40)円、高校生40(20)円 中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付添者原則1名は無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*それぞれ入館の際、学生証、障害者手帳などをご提示ください。 - 無料観覧日
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6月3日(日)、7月1日(日)
- 主催
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東京国立近代美術館