展覧会

会期終了 企画展

14の夕べ

会期

会場

東京国立近代美術館本館 企画展ギャラリー

歴史はいつも、夕べに生まれる……

「未来派の夕べ」や「ダダの夕べ」、「9つの夕べ-シアターとエンジニアリング」など、美術における伝説的なイベントはいつも、「夕べ」におこなわれてきました。8月26日―9月8日の14日間、美術館は夕方から特別開館し、美術、ダンス、音楽、演劇、朗読など多彩なジャンルの「パフォーマンス」が繰り広げられます。

出演者はいずれも各ジャンルの第一線で活躍する作り手ですが、とりわけ楽譜、台本、舞踏譜、テキストといった「スコア」と、実際の演技や演奏において生じる「インプロヴィゼーション(即興)」、この両者の関係性から表現を捉えたときに、きわめて刺激的なパフォーマンスを見せるアーティストたちです。

普段は企画展がおこなわれる約1500㎡のギャラリーを会場に、14日間日替わりで14つのプログラムが用意されます。気鋭の若手による新作あり、歴史的作品の再演あり、その日限りの、つかの間の「劇場(シアター)」が毎夕立ち上がります。

企画展ギャラリー

見どころ

  • 14日間日替わりのプログラム。各アーティストの出演は一回限り、連日見逃せません!
  • 全てのプログラムを無料でご覧いただけます!
  • 毎日17:00開館、メインプログラムは19:30頃から1~2時間を予定(各日の詳細は上記プログラム・スケジュールをご確認ください)。夏休みの方は夕方からゆったり、たっぷりお楽しみいただけます。またお仕事を終えられてからの方も、余裕を持ってご来館いただけます。
  • メインプログラム開始まで、エントランスホールをラウンジとし、ライブ、トークイベントなどを予定。またBEER MOMATにてフード&ドリンクを販売、夏の夕べに心地よいひと時をお過ごしいただけます。

プログラム・スケジュール

8月26日[日]19:30開演
東京デスロック 「リハビリテーション」

演出|多田淳之介
出演|夏目慎也、佐藤誠、石橋亜希子(青年団)、石橋志保(中野茂樹+フランケンズ)、Enric Castaya Orchestra

東京デスロック《再/生》2011年7月 STスポット

東京デスロック
2001年設立。演劇を「現前=現象」の芸術と捉え、俳優の身体、時間、観客を含めた現象そのものを演劇作品として上演する。シェイクスピアなどの海外古典や国内の近・現代戯曲のほか、ネット上のテキストのコラージュや無言劇なども手がける。最新作「モラトリアム」では音楽家、ダンサー、現代美術家と共に8時間にわたる上演空間を構成。主宰・演出の多田は国内史上最年少で公立劇場の芸術監督に就任。海外、国内地域・教育機関での芸術活動にも積極的に取り組んでいる。

公式ページ


8月27日[月]19:30開演
福永信/古川日出男/谷川俊太郎

福永 信
1972年生まれ。著書に『アクロバット前夜』(新装版『アクロバット前夜90°』)、『あっぷあっぷ』(村瀬恭子との共著)、『コップとコッペパンとペン』、『星座から見た地球』、『一一一一一』。編著に『こんにちは美術』全3巻。

古川日出男
2011年7月9日、渋谷SARAVAH東京でのイベント「東へ北へ」より
Photo: かくたみほ

古川 日出男 
小説家。1966年生まれ。主な著書に『ドッグマザー』、『馬たちよ、それでも光は無垢で』(以上新潮社)、『LOVE』(新潮文庫、三島由紀夫賞)、『ベルカ、吠えないのか?』(文春文庫)、『アラビアの夜の種族』(角川文庫、日本推理作家協会賞・日本SF大賞)、『聖家族』(集英社)など。以前から文学の音声化に積極的に取り組み、2007年には雑誌「新潮」に商業文芸誌初となる朗読CD『詩聖/詩声』を特別付録として発表した。

谷川 俊太郎
1931年東京生まれ。詩人。1952年『二十億光年の孤独』でデビュー。以後詩、エッセー、脚本、翻訳などの分野で文筆を業として今日にいたる。詩集に『21』、『ことばあそびうた』、『定義』、『みみをすます』、『日々の地図』、『はだか』、『世間知ラズ』、『minimal』など。

⇒公式ページ


8月28日[火]20:00開演
奥村雄樹 「河原温の純粋意識あるいは多世界(と)解釈」

出演|奥村雄樹

奥村雄樹《ジュン・ヤン 忘却と記憶についての短いレクチャー》2011年

奥村 雄樹
1978年生まれ。2012年、東京芸術大学大学院博士後期課程修了。主な個展に2010年「くうそうかいぼうがく・落語編」(MISAKO & ROSEN)。主なグループ展に、2008年「釜山ビエンナーレ 2008 Expenditure (Sea Art Festival)」(釜山)、2009年「”Now that I’m by myself,” she says, “I’m not by myself, which is good”」(ダイバースワークスアートスペース、ヒューストン)、「ラブラブショー」(青森県立美術館)など。2012年は東京都現代美術館(グループ展)、愛知県美術館(個展)、ポーランドのギャラリーラスターで発表予定。

公式ページ


8月29日[水]19:30開演
No Collective 「Concertos No.4」

出演|伊藤珠里、河野聡子、杉原尚樹、寺西一、東保光、豊田奈千甫、中井悠、野々村之子、日向賢、北条知子、水内義人、百瀬文、葭原滋男、米子匡司、他

No Collective
中井悠を中心とする音楽/パフォーマンス(その他)制作集団。現在はニューヨークが主な拠点。最近の活動として、東京で2008年に行なわれたコンサートの準備、公演、およびドキュメンテーションの過程を演劇として再構成した台本Concertos (Ugly Duckling Presse, 2011)の出版、アルゼンチンの作曲家/コレオグラファーEllen C. Covitoのアメリカ初となる音楽/ダンスコンサートの開催 (Panoply Performance Lab との共同キュレーション) など。日本での発表に、「気象と終身―寝違えの設置、麻痺による交通」(アサヒ・アートスクエア、2010年)など。

公式ページ


8月30日[木]19:00開演
手塚夏子 「ただの「実験」がメディアになるのか?の実験」

ファシリテーター|手塚夏子
実験の作成と試行|井出実、田仲桂

手塚 夏子
1996年より、マイムからダンスへと移行しつつ、既成のテクニックではないスタイルの試行錯誤をテーマに活動を続ける。2001年より自身の体を観察する『私的解剖実験シリーズ』始動。02年、私的な実験の小さな成果が「私的解剖実験 -2」に結晶。同作品はトヨタコレオグラフィーアワードファイナリストとして同年7月に上演。人のダンスの手法について思考し体で試行する「道場破り」など、自主企画も多数。10年より、国の枠組みを疑って民俗芸能を観察する試みであるAsia Interactive Researchを始動。

公式ページ


8月31日[金]20:00開演
高嶋晋一 「Half of Us」

出演|福留麻里、高橋永二郎、高嶋晋一

高嶋晋一《You say here “Wish I was here”》2009年

高嶋 晋一
1978年東京生まれ。パフォーマンスやヴィデオによる作品を制作/発表。2008年四谷アート・ステュディウム最優秀アーティスト賞受賞。主な展覧会/公演に「インターイメージとしての身体」(山口情報芸術センター、2009)、「気象と終身―寝違えの設置、麻痺による交通」(橋本聡との共同企画、アサヒ・アートスクエア、2010)、「ポジション・ダウトフル」(ユニット「前後」名義での神村恵との共作、blanClass、2011)など。

⇒関連ページ


9月1日[土]20:00開演
小杉武久 「Circuits」

出演|小杉武久、和泉希洋志、高橋悠治

小杉武久
Photo:高嶋清俊 Kiyotoshi Takashima
撮影場所:2009年 国立国際美術館

小杉 武久
1938年東京生まれ。1960年に日本で最初の即興演奏集団「グループ・音楽」を結成。60年代初め、イヴェント作品が「フルクサス」によって欧米に紹介される。1969年「タージ・マハル旅行団」を結成し、国内外の様々な場所で演奏。1977年のアメリカ移住以来、「マース・カニングハム舞踊団」の音楽家として活動。1995年から2011年まで同舞踊団の音楽監督を務める。また、個人としても、世界各地の芸術祭、コンサート、展覧会に数多く参加している。


9月2日[日]17:00開演
大友良英 one day ensembles 「INVISIBLE BORDERS」

出演|大友良英、秋山徹次、石川高、梅田哲也、大口俊輔、木村仁哉、Sachiko M、鈴木広志、テニスコーツ、吉田アミ、千住フライングオーケストラ

大友良英 one day ensembles
Photo: Peter Gannushkin

大友良英 one day ensembles 
音楽家。1959年横浜生れ。十代を福島市で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに多種多様な作品をつくり続け、その活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がけ、その数は70作品を超える。近年は「アンサンブルズ」の名のもと様々な人たちとのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊形態のコンサートを手がける。震災後は福島と東京を行き来しプロジェクトFUKUSHIMA! を立ち上げ奔走中。

公式ページ


9月3日[月]20:00開演
神村恵カンパニー 「沈殿図」

構成・振付|神村恵
振付・出演|臼井彩子、剣持真理子、白井愛咲、栩秋太洋、神村恵

神村恵《385日》2010年
Photo: 松本和幸

神村恵カンパニー
神村 恵|振付家・ダンサー。幼少よりバレエを学ぶ。2000年、国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。同年より、オランダのロッテルダムダンスアカデミーにて1年間学ぶ。04年よりソロ作品を発表し始め、06年からはカンパニーとしても活動を開始。国内外で継続的に公演を重ねている。10年7月、トヨタコレオグラフィーアワードにファイナリストとして出場。10年11月、「飛び地」をシアターグリーンにて上演。

公式ページ


9月4日[火]20:00開門
core of bells 「The pulverized callow feast」

core of bells
2003年湘南で結成。カテゴライズ不能の自由極まりないサウンドと一見「非−音楽」とも思えるアイディアでその音楽性を揺らがす5人組。2010年にリリースした1stアルバム「ボトルキープ2010」や、FUJI ROCK FESTIVAL’10「ROOKIE A GO-GO」でのライヴが話題を呼んだほか、ギタリスト・杉本拓との合作アルバム「gesupiria2 ―Lost Banchos―」のリリース、美術家・小林耕平とのパフォーマンスを収めたDVD「PRECIOUS TIME ONLY YOU」のリリース、ワークショップなど、その横断的な活動はほかに類を見ない。

⇒公式ページ


9月5日[水]19:30開演
小林耕平 「タ・イ・ム・マ・シ・ン」

出演|小林耕平、山形育弘

小林耕平
「このほうきはあなたであり、そして順序もあるので、はき出すことで並べ換え、語ることもできる。」
2012年 Blanclass、横浜

小林 耕平 
1974年東京生まれ。1999年、愛知県立芸術大学卒業。主な展覧会に2007年「ボルタンスキープレゼンツ La chaîne 日仏現代美術交流」(BankArt1929)、「六本木クロッシング2007 未来への脈動」(森美術館) 。2009年「ヴィデオを待ちながら ― 映像、60年代から今日へ」(東京国立近代美術館)。2010年、「気象と終身―寝違えの設置、麻痺による交通」(アサヒ・アートスクエア)、「PLATFORM 」(練馬区立美術館)。2012年、「Double Vision:Contemporary Art from Japan」(モスクワ市近代美術館)、「このほうきはあなたであり、そして順序もあるので、はき出すことで並べ換え、語ることもできる。」(blanClass Live Art)

⇒関連ページ


9月6日[木]20:00開演
村川拓也 「ツァイトゲーバー」

演出|村川拓也
出演|工藤修三

村川拓也《ツァイトゲーバー》2011年

村川 拓也
演出家/映像作家。1982年生まれ。2005年、京都造形芸術大学卒業。同年、ドキュメンタリー映画『迷と惑』、台湾・Wushantouドキュメンタリーフェスティバル招聘。2012年、『「無人島」のちに「対話」』大阪市立芸術創造館 芸創CONNECT vol.5 優秀賞受賞。主な作品に、2009年、『建築家とアッシリアの皇帝』(作:フェルナンド・アラバール)アトリエ劇研(京都)。2010年、『小走り/声を預かる』(引用文献:宮本常一)アトリエ劇研(京都)。2011年、『移動演劇 宮本常一への旅 地球4周分の歌』(引用文献:宮本常一)岡山県犬島野外舞台(岡山)、『ツァイトゲーバー』シアターグリーン(東京)、2012年、ドキュメンタリー映画『沖へ』京都シネマ(京都)。

⇒公式ページ


9月7日[金]17:00-22:00
橋本聡 「偽名」

出演|遠藤水城、梶田竜嗣、小林晴夫、沢山遼、柴田知世、高嶋晋一、高橋永二郎、河口遥、豊嶋康子、中井悠、成相肇、橋本聡、桝田倫広、松井勝正、三輪健仁、百瀬文、他

・画像データを差し上げますので、記録メディアをご持参ください。

橋本 聡 
1977年生まれ。最近の発表に、2010年「行けない、来てください」(ARCUS)、「気象と終身―寝違えの設置、麻痺による交通」(アサヒ・アートスクエア)、グループ展「もっと動きを―振付師としてのアーティスト」(広島市現代美術館)。2011年「‘Sell Me Your Concept’ in India」(インド)、グループ展「不幸なる芸術」(switch point)。2012年グループ展「Omnilogue: JOURNEY TO THE WEST」(Lalit Kara Academy, ニューデリー)、「独断と偏見:観客を分けます」(国立新美術館)、2017年「未来芸術家列伝IV」(東京)など。

橋本聡
「独断と偏見:観客を分けます」
2012年3月24日 国立新美術館

関連ページ


9月8日[土]20:00開演
一柳慧
企画・構成|一柳慧
出演|一柳慧、甲斐史子、有馬純寿

Photo: 岡部 好 Koh OKABE

一柳慧 
1933年兵庫県生まれ。作曲を平尾貴四男、ジョン・ケージ、ピアノを原智恵子、ヴィヴェレッジ・ウェブスターらに師事。1950 年代後半からニューヨークを中心に、ケージ、デヴィッド・テュードアらと実験的音楽活動を展開。1961 年帰国、偶然性や図形楽譜を用いた作品と、欧米の新しい音楽の紹介と演奏によって、さまざまな分野に強い刺激を与える。作曲家として、また、ピアニストとして世界各国で精力的に公演に取り組み、常に現代音楽の最前線を更新しながらプロデューサーとしても多数の企画に携わる。

関連ページ
⇒関連ページ

*各日17:00開場。メインプログラム開始まで、エントランスホールをラウンジとし、ライブやトークイベントなどを開催。またBEER MOMATにてフード&ドリンクを販売、夏の夕べに心地よいひと時をお過ごしいただけます。

*都合により開演時間は変更することがございます。

*作品のコンセプト上、開演後の途中入場をご遠慮いただく場合がございます。ご了承下さい。

*以下にて最新情報を発信中です


メインプログラム開始までのラウンジDJ担当者発表!

8月26日(日) 空間現代|DJ (17:00-)+Live (18:30-)

8月27日(月) Riow Arai

8月28日(火) 石田多朗/大和田 俊

8月29日(水) No Collective

8月30日(木) KAZUHIRO ABO

8月31日(金) Taro Peter Little

9月1日(土) 湯浅 学+松村正人

9月2日(日) *17:00より「大友良英one day ensembles」によるメインプログラム開演

9月3日(月) KAZUHIRO ABO

9月4日(火) core of bells

9月5日(水) ポチョ☆ムキンコ[公魚]|DJ (17:00-)/表現|Live(18:30-)

9月6日(木) 荏開津 広& Cameron McKean

9月7日(金) *17:00より「橋本 聡」によるメインプログラム開演

機材提供:オタリテック株式会社、おっとり社

9月8日(土)17:00-18:00予定
「結果とは過去である──そして、穴の底では、夢みるように」

まだ来ぬ14番目の夕べを待ちつつ、過ぎさった13の夕べを振り返るトークイベント「結果とは過去である──そして、穴の底では、夢みるように」を行います。

出演|上崎千[慶應義塾大学アート・センター所員(アーカイヴ担当)]、森大志郎[グラフィックデザイナー]、三輪健仁[当館研究員]。

開催概要

会場

東京国立近代美術館 企画展ギャラリー

会期

2012年8月26日(日)~9月8日(土)

*入場無料(申込不要)

主催

東京国立近代美術館

Page Top