展覧会
東京オリンピック1964 デザインプロジェクト
会期
会場
東京国立近代美術館本館 ギャラリー4
概要
東京オリンピックは、日本の戦後史の重要イベントとして記憶されています。オリンピックとはいうまでもなくスポーツの祭典ですが、1964(昭和39)年に開催された東京オリンピックは、第二次世界大戦で大きな打撃を受けた日本が、その終結からおよそ20年を経て、奇跡的な経済復興を成し遂げたことを国際社会に示す、日本の威信をかけた国家イベントであり、戦後日本のデザイナーが総力を挙げて取り組んだ一大デザインプロジェクトでもありました。
東京でのオリンピック開催が決定すると、1960年には「デザイン懇談会」が組織され、まずデザインポリシーが決められました。そして、デザイン評論家勝見勝の指揮のもと、シンボルマークとポスターを亀倉雄策、入場券および表彰状を原弘、識章バッジを河野鷹思、聖火リレーのトーチを柳宗理が担当したほか、田中一光をはじめとする当時の若手デザイナーたちが施設案内のためのピクトグラム、プログラムや会場案内図などの制作に組織的に取り組みました。その一連のデザインワークはその後の国際イベントのモデルともなり、国民はオリンピックを通じてデザインの力を身近に感じることになったのです。
2020年のオリンピック招致にむけた機運が高まるいま、あらためて1964年の東京オリンピックを振り返り、一連のデザインワークの全体像を追跡します。
カタログ情報
2013年刊行
B5変形版、162ページ
イベント情報
公開コロキウム「社会システムの中のオリンピックと<デザイン>」
佐藤道信(東京藝術大学)
長田謙一(名古屋芸術大学)
ジリー・トラガヌ(パーソンズ美術大学)
暮沢剛巳(東京工科大学)
吉本光宏(ニッセイ基礎研究所)
関 雅宏(東京都生活文化局)
木田拓也(当館主任研究員)
日程: 2013年4月21日(日)
時間: 13:00–17:00
場所: 東京国立近代美術館(本館) 地下1階 講堂
主催:東京国立近代美術館、日本学術振興会科学研究費基盤研究A「社会システム<芸術>とその変容–現代における視覚文化/美術の理論構築」(研究代表:長田謙一)
※12:30開場
※申込不要、参加無料(先着140名)
※逐次通訳付き
座談会
「東京オリンピックのデザイン証言者」
勝井三雄×小西啓介×道吉 剛
日程: 2013年5月12日(日)
時間: 14:00–16:00
場所: 東京国立近代美術館(本館) 地下1階 講堂
※13:30開場
※申込不要、参加無料(先着140名)
東京オリンピックのデザインワークに携わった勝井三雄(グラフィックデザイナー)、小西啓介(グラフィックデザイナー)、道吉 剛(デザインディレクター)の三者が登壇し、当時のエピソードなどをお話しします。
登壇者プロフィール
勝井 三雄 KATSUI Mitsuo グラフィックデザイナー
1931年東京都生まれ。1955年東京教育大学(現・筑波大学)卒業後、専攻科でデザインと写真について1年間研究。1956年味の素入社。1961年よりフリー。1964年東京オリンピックでは、各種競技プログラムや駐車ステッカー、駒沢エリアのサイン計画、デザインガイドシート制作に参加する。1970年大阪万博、1975年沖縄海洋博、1985年つくば科学博のAD、1990年花博シンボルマーク等を手がける。テクノロジーを使った表現を生かし新たなコミュニケーションの領域を拓き、国内外で活躍を続ける。毎日デザイン賞、東京ADC会員賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、NY ADC金賞、ラハチ、ブルノ、メキシコ、ワルシャワ、各国ビエンナーレでグランプリ、ライプツィヒ世界で最も美しい本展最優秀賞など、受賞多数。現在JAGDA理事、日本展示学会理事、武蔵野美術大学名誉教授、名古屋学芸大学デザイン学科特別顧問。
道吉 剛 MICHIYOSHI Gow デザインディレクター
1933年岡山県生まれ。桑沢デザイン研究所リビングデザイン研究科卒業。国際誌『季刊グラフィックデザイン』編集部から、1964年東京オリンピック組織委員会デザイン室で運営を担当する。1970年の日本万国博覧会(大阪万博)協会副参事デザイン担当。武蔵野美術大学で5年間、桑沢デザイン研究所で37年間非常勤講師を続ける。現在、道吉デザイン研究室代表。1985年日本図書設計家協会を創設し初代の代表となる。日本インダストリアルデザイン協会機関誌編集委員。日本出版学会理事。シンボルマークデザインでは、東京大学出版会、大学出版部協会。CI計画では、国際連合大学、東京造形大学、ユネスコ・アジア文化センターなど。
小西啓介 KONISHI Keisuke グラフィックデザイナー
1943年東京都生まれ。都立工芸高校図案科卒。1961年日本デザインセンター入社、原弘に師事する。1964年東京オリンピックでは、会報誌等ブックデザインを中心に参加する。平凡社、河出書房、筑摩書房、朝日新聞社、日経新聞社、東京国立近代美術館等のブックデザイン、朝日麦酒、旭化成、トヨタ等の広告に従事。1974年サン・アドに入社。1982年小西啓介デザイン室設立。雑誌『Hanako』は創刊からADとして参加。主な受賞に、 日宣美展奨励賞、同特選。東京ADC賞、東京ADC会員賞、朝日広告賞、毎日広告デザイン賞、広告電通賞など。
「東京オリンピック1964 デザインプロジェクト」展のポスター、チラシ、カタログ表紙を担当。
ギャラリー・トーク
木田拓也(当館主任研究員)
日程:2013年2月24日(日)
寺本美奈子(印刷博物館)
日程:2013年3月17日(日)
内藤陽介(郵便学者)
日程:2013年4月14日(日)
鎮目良文(たばこと塩の博物館)
日程:2013年5月19日(日)
時間: 15:00–16:00
場所: ギャラリー4 (2F)
※申込不要、参加無料(要観覧券)
開催概要
- 会場
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東京国立近代美術館 ギャラリー4
- 会期
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2013年2月13日(水)~5月26日(日)
- 開館時間
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10:00–17:00 (金曜日は10:00–20:00)
*入館は閉館30分前まで - 休館日
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月曜日(ただし、3月25日、4月1日、8日、29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
- 観覧料
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一般420円(210円)
大学生130円(70円)- ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
- 高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。
- それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
- お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。
- キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。
- 入館当日に限り、「フランシス・ベーコン展」(3/8~)の観覧料でも本展と所蔵作品展をご観覧いただけます。
- 無料観覧日
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3月3日(日)、4月7日(日)、5月5日(日)、5月18日(土・国際博物館の日)
- 主催
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東京国立近代美術館
- 後援
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公益財団法人 日本オリンピック委員会、特定非営利活動法人 東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会
- 協力
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たばこと塩の博物館、逓信総合博物館、独立行政法人日本スポーツ振興センター 秩父宮記念スポーツ博物館、東京都江戸東京博物館、凸版印刷株式会社 印刷博物館、新潟県立近代美術館