展覧会

会期終了 企画展

プレイバック・アーティスト・トーク

会期

会場

東京国立近代美術館本館企画展ギャラリー

概要

当館では2005年以来、コレクション展に展示された作品の前で、活躍中のアーティスト本人に自作について語っていただく「アーティスト・トーク」を開催してきました。この催しはこれまでに30回を数えます。そもそも、現代の作品に接するための親しみやすい導入になることを期待して始められた催しでしたが、事実、それぞれのトークでは、作者のそれまでの歩みや、そのときに考えていたことなどがわかりやすく語られており、理解を深める上で貴重な機会となっています。そしてこれらのトークを収録した映像は、長い目で見れば歴史的証言にもなっていくに違いありません。

このたびの展示では、これまでのさまざまな分野のトークの中から、とくに絵画に焦点をあて、トークのダイジェスト映像と当館コレクションの作品約40点とをあわせてご紹介します。登場する画家たちはいずれも、1970年代末から80年代にかけて発表を始めていますが、それはまさに、ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートといった、従来の美術のあり方を厳しく問い直そうとする動向の後を受けた、難しい時期に当たります。表現が極限まで切り詰められ、「見ること」「作ること」を根本から捉え直さなければならなかった状況から、彼らは絵画の豊かな可能性をどのようにして取り戻していったのか。そうした課題の追求の成果が、彼らのトークや作品から感じ取れることでしょう。

ここが見どころ

そうか…そんなことを考えながら描いていたのか。

12人の画家が、自身の作品について、あるいは制作しながら考えていたことなどを、わかりやすく語ったトークの様子を、それぞれ15分程度にまとめた映像を展覧会場でご覧いただけます。作品と一緒に映像を見ることで、現代絵画がより身近に見えてくるはず。

トークの一部を書き起こした無料小冊子を配布

12人の画家のトークのハイライトを活字化。作品の図版もあわせて、文庫サイズの小冊子にまとめました。展覧会ご入場時におひとり一冊、無料でさしあげます。

同時代を見つめてきた批評家の言葉は?

展覧会会期中には関連イベントとして、今回取り上げた12人の画家たちの仕事を継続的に見てきた3人の美術批評家(天野一夫、谷新、建畠晢)の講演会を開催します。会場では作家の言葉を、そして講演会では批評家の言葉を聞くことで、現代絵画の課題が立体的に浮かび上がってくるでしょう。

YouTubeでプロモーションビデオ配信

12人の画家のトークから、それぞれ印象的な言葉を集めて、約4分のプロモーションビデオを作成しました。YouTubeでご覧いただけます。気になる言葉に出会ったら、続きはぜひ会場でじっくりと。

作家紹介

秋岡美帆 Akioka Miho

1952年神戸市生まれ。79年大阪教育大学大学院修了。82年に最初の個展(信濃橋画廊、大阪)。88年日本国際美術展で東京国立近代美術館賞受賞。90年「シガアニュアル90 写真による現代版画」(滋賀県立近代美術館)などに出品。94-95年、文化庁派遣芸術家在外研修員としてフランス、アメリカに滞在。2002年三重県立美術館で個展。現在大阪教育大学教授。

岡村桂三郎 Okamura Keizaburo

1958年東京都生まれ。88年東京藝術大学大学院後期博士課程満期退学。84年から93年まで創画展に出品するが、その後は個展、グループ展を発表の場とし、93年「ART IN JAPANESQUE」(O美術館)、93年「現代絵画の一断面 『日本画』を越えて」(東京都美術館)、98年「『日本画』純粋と越境」(練馬区立美術館)などに出品するほか、2008年に神奈川県立近代美術館(鎌倉)で個展を開催。現在多摩美術大学教授。

児玉靖枝 Kodama Yasue

1961年神戸市生まれ。86年京都市立芸術大学大学院修了。同年最初の個展(アートスペース虹、京都)。95年「視ることのアレゴリー」(セゾン美術館)、2002年「未来予想図」(兵庫県立美術館)、2010年「プライマリー・フィールド2」(神奈川県立近代美術館・葉山)などに出品。現在宝塚大学教授。

小林正人 Kobayashi Masato

1957年東京都生まれ。84年東京藝術大学卒業。85年に最初の個展(鎌倉画廊、東京)。89年「色彩とモノクローム」(東京国立近代美術館)、94年VOCA展(上野の森美術館/奨励賞)、95年「絵画、唯一なるもの」(東京国立近代美術館)、96年サンパウロ・ビエンナーレなどに出品。97年から2006年までベルギーのゲントで制作。2000年宮城県美術館、01年ゲント市立現代美術館、09年高梁市成羽美術館で個展。現在東京藝術大学准教授。

鈴木省三 Suzuki Shozo

1946年大阪府生まれ。69年同志社大学卒業。70年フォルム洋画研究所にて研修。78年に最初の個展(藍画廊、東京)。89年「色彩とモノクローム」(東京国立近代美術館)、91年「今日の作家展」(横浜市民ギャラリー)、2001年インド・トリエンナーレ、同年「色の博物誌・緑」(目黒区美術館)、05年「絵画の行方―現代美術の美しさって何?」(府中市美術館)などに出品。

辰野登恵子 Tatsuno Toeko

1950年長野県生まれ。74年東京藝術大学大学院修了。73年に最初の個展(村松画廊、東京)。80年「Art Today 80 絵画の問題展」(西武美術館)、84年「メタファーとシンボル」(東京国立近代美術館)、87年「絵画1977-1987」(国立国際美術館)、94年サンパウロ・ビエンナーレなど多数の展覧会に出品。95年に東京国立近代美術館で個展、2012年「与えられた形象 辰野登恵子・柴田敏雄展」(国立新美術館)開催。現在多摩美術大学教授。

堂本右美 Domoto Yuumi

1960年パリ生まれ。多摩美術大学、クーパ-ユニオン・ファインアート(ニューヨーク)卒業。90年に最初の個展(佐賀町エキジビットスペース、東京)。94年釜山ビエンナーレ、95年・99年VOCA展奨励賞、95年「絵画考 器と物差し」(水戸芸術館)、2000年「プライム 記憶された色と形」展(東京オペラシティアートギャラリー)、03年バングラデシュ・ビエンナーレなど国内外で発表。

中川佳宣 Nakagawa Yoshinobu

1964年大阪府生まれ。87年大阪芸術大学卒業。同年最初の個展(番画廊、大阪)。94年「アート・ナウ94」(兵庫県立近代美術館)、同年「冒険美術」(滋賀県立近代美術館)、96年第1回昭和シェル石油現代美術賞展(最優秀賞)、同年「心を癒す植物 アート・ボタニカル・ガーデン」(目黒区美術館)、2003年「たがやすように」(和歌山県立近代美術館)、05年「三河・佐久島アートプラン21」(愛知県佐久島)、07年BIWAKOビエンナーレなどに出品。

長沢秀之 Nagasawa Hideyuki

1947年埼玉県生まれ。72年武蔵野美術大学卒業。79年の個展(かねこ・あーとギャラリー、東京)から本格的に作家活動を始め、89年「色彩とモノクローム」(東京国立近代美術館)、90年「ART TODAY 1990」(セゾン現代美術館)、95年「絵画、唯一なるもの」(東京国立近代美術館)、99年「呼吸する風景」(埼玉県立近代美術館)などに出品。2008年には「風景からフウケイへ 長沢秀之展」(川越市立美術館)を開催。現在武蔵野美術大学教授。

日高理恵子 Hidaka Rieko

1958年東京都生まれ。85年武蔵野美術大学大学院修了。85年に最初の個展(みゆき画廊、東京)。95-96年、文化庁芸術家在外研修員としてドイツに滞在。93年「現代絵画の一断面 『日本画』を越えて」(東京都美術館)、97年VOCA展(上野の森美術館)、98年個展(国立国際美術館)、2005年「日本の知覚」展(クンストハウス・グラーツ他巡回)など国内外で発表。現在多摩美術大学教授。

丸山直文 Maruyama Naofumi

1964年新潟県生まれ。文化服装学院、セツ・モードセミナー、Bゼミスクールに学ぶ。96-97年文化庁芸術家在外研修でドイツ滞在。90年に最初の個展(ギャラリー青山、東京)。92年「形象のはざまに」(東京国立近代美術館)、94年インド・トリエンナーレ、99年「ひそやかなラディカリズム」(東京都現代美術館)、2002年台北ビエンナーレ、08年個展(目黒区美術館)など国内外で発表。現在武蔵野美術大学教授。

山口啓介 Yamaguchi Keisuke

1962年兵庫県生まれ。85年武蔵野美術大学卒業。88年日本国際美術展で三重県立美術館賞。90年に同展で東京国立近代美術館賞。同年、最初の個展(ヒルサイドギャラリー、東京)。91年現代日本美術展で大賞。92-93年文化庁芸術家在外研修で渡米。また95-97年ドイツで制作。98年「アート/生態系」(宇都宮美術館)、2005年福岡アジア美術トリエンナーレなどに出品。また02年に西宮市大谷記念美術館、03年に高崎市美術館、05年に伊丹市立美術館、07年に国際芸術センター青森で個展。

カタログ情報

イベント情報

講演会

天野一夫(豊田市美術館チーフキュレーター)

日程: 2013年7月6日(土)
時間: 14:00-15:30

谷新(宇都宮美術館館長)

日程: 2013年7月20日(土)
時間: 14:00-15:30

建畠晢(京都市立芸術大学学長)

日程: 2013年7月27日(土)
時間: 14:00-15:30

*いずれも、東京国立近代美術館 講堂(地下1階)にて
*申込不要、聴講無料(先着150名)

開催概要

会場

東京国立近代美術館 企画展ギャラリー

会期

2013年6月14日(金)~8月4日(日)

開館時間

10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)

  • 入館はそれぞれ閉館の30分前まで
休館日

月曜日(7月15日は開館)、7月16日(火)

観覧料

一般650(450)円
大学生350(200)円

  • ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
  • 高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。
  • 上記料金で入館当日に限り、同時開催の「都市の無意識」、所蔵作品展「MOMATコレクション」、もご覧いただけます。
主催

東京国立近代美術館

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