展覧会

会期終了 企画展

大阪万博1970 デザインプロジェクト 

会期

会場

東京国立近代美術館本館ギャラリー4

概要

大阪万博(日本万国博覧会)は高度経済成長まっただなかの1970(昭和45)年に開催された国民的な祭典として記憶されています。その一方で大阪万博は未来都市を想定したデザインワークの実験場でもありました。

大阪万博の開催が正式に決まったのは、東京オリンピックの翌年1965(昭和40)年9月のことでした。それ以降日本の各界の英知を結集し、テーマの決定、基本構想の策定、シンボルマークの制定など、4年半後の開催に向けて矢継ぎ早に準備がすすめられました。

会場を千里丘陵とすることが決まり造成工事がはじまったのは、1967(昭和42)年3月のことでした。会期中、休日には50~60万人の観客が押し寄せてくることを想定し、近未来都市のモデルとして会場が設計されました。連日さまざまなイベントが繰り広げられるお祭り広場、テーマ館(太陽の塔)、劇場、美術館などを集めたシンボルゾーンを木の幹に、動く歩道を枝に、内外のパビリオンを花に見立てるというのがチーフプロデューサー丹下健三の基本構想でした。

かつて万博は「もの」を見せるイベントでした。ところが第二次世界大戦後には、「見せる万博」から「考える万博」へとその性格を大きく変えました。大阪万博が採択したテーマ「人類の進歩と調和」は、人類の進歩を讃えるだけなく、科学技術の進歩がもたらすさまざまな負の側面にも目を向けようという主張でした。この理念を表現すべく「お祭り広場」が構想され、その中心に岡本太郎による《太陽の塔》が作られ、テーマ展示が展開されたのです。

大阪万博はデザインの可能性を探る実験場でもありました。準備段階からデザイナーが動員され、シンボルマークやポスターやイラストをはじめとするプロモーション素材の制作、さらに会場内のサイン計画やパビリオンの展示設計などにも参加し、デザイナーという職能の可能性をさまざまなかたちで示しました。

大阪万博は6か月間の会期中に6,421万人が来場、大きな成功をおさめました。この展覧会では、大阪万博を成功に導いたデザインワークを振り返るとともに、デザイナーにとって万博とは何だったのか考えます。

展覧会構成

第1章 万国博覧会を成功させよう
プロモーションとデザインポリシー

 「人類の進歩と調和」を基本理念とした大阪万博の開催が決定したのは,東京オリンピックの翌年のことでした。
万博の出展招請のため、また観客動員のために作られたポスターやシンボルマーク、開催を記念して発売された切手やたばこなど、プロモーションのためのデザインを紹介します。

第2章 未来都市の実験場

 万博会場では,岡本太郎の《太陽の塔》を囲むお祭り広場を中心に、美術館や劇場をシンボルゾーンとして、パビリオンだけでなく、動く歩道などの移動手段や噴水、野外彫刻、スタッフのユニフォームに至るまで、先進的な試みによって仮想の未来都市のイメージが表現されました。会場写真資料やデザイン原画などをとおして、当時のデザインワークを振り返ります。

第3章 デザイナーにとって万博とはなんだったのか

 科学技術の進歩を讃えるだけでなく、その負の側面にも向き合うことを訴えた「テーマ館」をはじめ、桜の花びらをかたどった建物の配置が、万博のシンボルマークを表わす「日本館」や、横尾忠則が造形ディレクターを担当した「せんい館」など、各パビリオンの設計や展示デザインにおけるデザイナーの取り組みと葛藤を探ります。

カタログ情報

イベント情報

記念講演会

「大阪万博:20世紀が夢見た21世紀」
平野暁臣(空間メディアプロデューサー)

日程: 2015年4月18日(土)
時間: 14:00-
場所: 地下1階講堂
※13:30開場、聴講無料・申込不要(先着140名)

ギャラリー・トーク

木田拓也 (当館主任研究員・本展企画者)
日程: 2015年4月4日(土)

暮沢剛巳 (東京工科大学デザイン学部准教授)
日程: 2015年4月12日(日)

いずれも 15:00からギャラリー4会場にて
※申込不要、参加無料(要当日観覧券)

演奏会

「フランソワ・バシェの音響彫刻の響き」
演奏:永田砂知子、マルティ・ルイツ

日程: 2015年5月9日(土)
2015年5月10日(日)
場所: 地下1階講堂

※各日聴講無料・申込不要(先着120名)

大阪万博「鉄鋼館」パビリオンに展示されたフランソワ・バシェの音響彫刻。復元された作品による演奏、ワークショップ、映像上映、シンポジウムを開催いたします。

※開始時間等の詳細は決定次第本ページにてご案内いたします。

本イベントは日本万国博覧会記念基金の助成を受けています。

開催概要

会場

ギャラリー4 (2F)

会期

2015年3月20日(金)~5月17日(日)

開館時間

10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)

  • 入館は閉館30分前まで
休館日

月曜日(3月23日、30日、4月6日、5月4日は開館)

観覧料

一般 430円 (220円)
大学生 130円 (70円)

  • 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会・賛助会会員、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
  • それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、会員証、障害者手帳等をご提示ください。
  • ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
  • お得な観覧券「MOMATパスポート」でご覧いただけます。
  • キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。
  • 本展の観覧料で、入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(所蔵品ギャラリー、4-2F)と工芸館所蔵作品展もご観覧いただけます。
  • 「生誕110年 片岡球子展」のチケットでも、入館当日に限り本展と美術館及び工芸館の所蔵作品展をご覧いただけます。
無料観覧日

4月5日(日)、5月3日(日)

主催

東京国立近代美術館

協力

大阪府

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