展覧会

会期終了 企画展

茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術

会期

会場

東京国立近代美術館本館企画展ギャラリー

茶碗の中の宇宙とは、全ての装飾や美しい形を捨て、手捏ねによる成形でさらに土を削ぎ落としながら造形を完成させていった茶碗を用い、その茶碗によって引き起こされる無限の世界、正しく宇宙のように果てしなく広い有機的空間のことと捉えています。

つまり、一服の茶を点てます。相手は、その茶を飲みます。その行為により二人の関係の全てが茶碗の中を巡ります。その茶碗の中を見つめながらの人間の思いは、他に想像もできないほどの大きく深い意味を有し、まさに宇宙と呼ぶべき無限の世界が広がるのです。

今から450年前、長次郎という人物によって創造された樂茶碗は、一子相伝という形態で現在まで続いています。一子相伝とは、技芸や学問などの秘伝や奥義を、自分の子の一人だけに伝えて、他には秘密にして漏らさないことであり、一子は、文字通り実子でなくても代を継ぐ一人の子であり、相伝とは代々伝えることです。

この様な考え方で、長年制作が続けられている樂焼は、長い伝統を有していますが、しかし、それらは伝統という言葉では片付けられない不連続の連続であるといえます。長次郎からはじまり15代を数える各々の代では、当代が「現代」という中で試行錯誤し創作が続いています。

本展では、現代からの視点で初代長次郎はじめ歴代の「今―現代」を見ることにより一子相伝の中の現代性を考察するものです。正しく伝統や伝承ではない不連続の連続によって生み出された樂焼の芸術をご覧いただけます。

見どころ

ロサンゼルス・カウンティ美術館、サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館、モスクワ・プーシキン美術館で開催され約19万人を動員。好評を博した展覧会が、さらに充実度を増し凱旋します。千利休が愛した初代長次郎の黒樂茶碗「大黒」をはじめ、歴代の重要文化財のほとんどを一挙公開。本阿弥光悦の重要文化財をはじめ、よりすぐりの作品も出品されます。

初代長次郎、光悦の重要文化財が、かつてない規模で揃います

利休が愛した名碗が揃います

樂家450年の伝統と技をご覧いただけます

現代の視点でとらえた初代長次郎はじめ、歴代の「今」をご覧いただけます


樂焼とは

樂焼は、織田信長、豊臣秀吉によって天下統一が図られた安土桃山時代(16世紀)に花開いた桃山文化の中で樂家初代長次郎によってはじめられました。

樂焼の技術のルーツは中国明時代の三彩陶といわれています。この時代には京都を中心に色鮮やかな三彩釉を用いる焼きものが焼かれはじめていましたが、長次郎もその技術をもった焼きもの師の一人であったと考えられています。

長次郎の残した最も古い作品は、本展に出品される二彩獅子、天正2年(1574)春につくられました。おそらく樂茶碗がつくられるのはそれより数年後、天正7年(1579)頃ではないかと考えられています。

イベント

詳細は、特設サイトをご覧ください。

*すべて終了いたしました。

開催概要

会場

東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー

会期

2017年3月14日(火)~2017年5月21日(日)

開館時間

10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)

  • 入館は閉館30分前まで
休館日

月曜(3/20、3/27、4/3、5/1は開館)、3/21(火)

観覧料

一般 1,400(1,200)円
大学生 1,000(800)円
高校生 500(300)円

  • ( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
  • 前売券は2016年12月5日(月)~2017年3月13日(月)販売。
  • 中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
  • 本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」「マルセル・ブロイヤーの家具:improvement for good」、工芸館所蔵作品展「動物集合」もご覧いただけます。
  • 主なチケット販売場所:東京国立近代美術館(*開館日のみ)、本展特設サイト(オンラインチケット)、セブンチケット、ローソンチケット、チケットぴあ、CNプレイガイドほか
  • チケット購入時に手数料がかかる場合があります。

東京国立博物館×東京国立近代美術館 コラボ企画

無料シャトルバス運行!
4/11(火)~5/21(日)の開館中、東京国立近代美術館と特別展「茶の湯」が開催される東京国立博物館の間を無料シャトルバスが運行します。(乗客定員約50名)
*乗車にはどちらかの観覧券または招待券(使用済可)をご提示ください。

運行区間 : 東京国立博物館(東博)正門⇔東京国立近代美術館(東近美)正門(所要時間約30分)
運行時間(東近美発): 11:00 / 12:00 / 14:00 / 15:00
*運行状況により時間がずれる可能性があります。

『茶の湯』・『樂』共通チケット
特別展「茶の湯」との共通チケットを販売します。開催期間中は、当日券2展で3,000円のところ2,600円とお得です。
*特別展「茶の湯」4/11(火)~6/4(日)東京国立博物館

出光美術館×東京国立近代美術館 相互割引

東京国立近代美術館「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」(3/14~5/21)と、出光美術館「茶の湯のうつわ」(4/15~6/4)との相互割引を実施!

各展覧会の会期中、それぞれの観覧券(使用済可)提示で、当日料金から100円割引致します。
*1名につき1回まで。他割引との併用不可。

主催

東京国立近代美術館、京都国立近代美術館
NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社

協賛

日本写真印刷

特別協力

樂美術館、国際交流基金

協力

あいおいニッセイ同和損保

巡回

京都国立近代美術館 2016年12月17日~2017年2月12日

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