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行く春
晩春の桜花が散りゆく渓谷。川に繋留されている3隻の水車舟。玉堂は前年の秋と同年の早春にスケッチ旅行で秩父の長瀞(ながとろ)を訪れ、川下りを楽しんでいます。その時の風景を出発点として、小雪のように舞う桜をあしらったのがこの《行く春》です。 作者は繰り返し同じリズムでまわる水車に特に興味をおぼえ、その動きを伝えようと、勢いよく水が流れるさまを表現するのに最も苦心したといいます。自然の 雄大さと季節の移ろいが見せる繊細さ、そうした自然の多様な表情とそこに生きる人々の生活とを結びつけながら、詩情豊かな世界を描き出しています。 【重文指定年月日:1971(昭和46)年6月22日】
賢首菩薩
賢首菩薩は華厳宗(けごんしゅう)第三祖のこと。唐の則天武后(そくてんぶこう、在位690-705年)の問いに対し、庭にあった黄金の獅子を例に華厳の教えを述べたと伝えられています。この作品では、点描で彩色した上に、細かく模様を描き入れているのが特徴的です。線を用いずに色彩の濃淡で空気や光線を表現する描き方を一歩進め、色調の微妙な変化で遠近感や立体感を表現しています。 【重文指定年月日:1979(昭和54)年6月6日】
居醒泉
『苦楽』表紙原画 「たけくらべの美登利」
朝顔
渓泉二図
『苦楽』表紙原画 「堀川波の鼓」
『苦楽』表紙原画 「松ノ内」
『苦楽』表紙原画 「芙蓉」
