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没後30年 榎倉康二

展覧会について 1960年代末から70年代にかけて、日本の戦後美術は大きな転換期を迎えました。当時の若い作家たちは絵画や彫刻といった旧来の美術表現から離れ、人間の知覚や、存在の成り立ちを根底から問い直すようになります。榎倉康二はこのような潮流を代表する作家であり、しばしば「もの派」と呼ばれる美術動向のなかに位置付けられます。  彼が生涯に残した作品はインスタレーション、写真、版画、絵画など多岐にわたりますが、浸透や接触といった物理的現象を契機に呼び覚まされる身体感覚は、この世界に存在する私たちの肉体そのものへと意識を向けさせます。「パリ青年ビエンナーレ」「ヴェネチア・ビエンナーレ」など重要な国際展に参加し、第一線で活躍したほか、東京藝術大学で教鞭を執り、後続する世代の作家にも大きな影響を与えました。榎倉に師事した白井美穂、豊嶋康子の新収蔵作品とともに、その活動の展開と広がりを辿ります。 榎倉康二《干渉(STORY-No.18)》1991年撮影:大谷一郎 開催概要 東京国立近代美術館2Fギャラリー4 2025年11月5日(水)~ 2026年2月8日(日)  月曜日(ただし11月24日、1月12日は開館)、11月25日、12月28日~1月1日、1月13日 10:00–17:00(金曜・土曜は10:00–20:00)入館は閉館30分前まで 一般 500円 (400円) 大学生 250円 (200円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込み。 5時から割引(金・土曜) :一般 300円 大学生 150円 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。入館の際に、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。 「友の会MOMATサポーターズ」、「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。 「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名迄。シルバー会員は本人のみ) 本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」もご覧いただけます。  東京国立近代美術館

所蔵作品展 MOMATコレクション(2025.11.5–2026.2.8) 

2025年11月5日-2026年2月8日の所蔵作品展のみどころ 奈良美智《Harmless Kitty》1994年© Yoshitomo Nara MOMATコレクションにようこそ!  当館コレクション展の特徴をご紹介します。まずはその規模。1952年の開館以来の活動を通じて収集してきたおよそ14,000点の所蔵作品から、会期ごとに約200点を展示する国内最大級のコレクション展です。そして、それぞれ小さなテーマが立てられた全12室のつながりによって、19世紀末から今日に至る日本の近現代美術の流れをたどることができる国内随一の展示です。 今期のみどころ紹介です。長らく国外への貸出が続いていた奈良美智《Harmless Kitty》(1994年)が、約2年ぶりにMOMATコレクションに帰ってきました。4階ハイライト・コーナーでご覧いただけます。3階9室では写真家の細江英公の初期代表作「薔薇刑」を展示します。2024年に逝去された細江の追悼と、被写体となった小説家三島由紀夫の生誕100年記念(2025年)を兼ねての紹介です。 今期も、新収蔵作品が多く展示されています(作品横に貼られた「新収蔵作品」マークが目印です)。長く館を代表してきた顔ぶれにフレッシュな新星と、盛りだくさんのMOMATコレクションをお楽しみください。  今会期に展示される重要文化財指定作品 今会期に展示される重要文化財指定作品は以下の通りです。 1室 原田直次郎《騎龍観音》1890年、寄託作品、護国寺蔵 2室 和田三造《南風》1907年 2室 萬鉄五郎《裸体美人》1912年 10室 鏑木清方《三遊亭円朝像》1930年(展示期間:2025年11月5日~12月21日) 原田直次郎《騎龍観音》1890年、寄託作品、護国寺蔵 和田三造《南風》1907年 萬鉄五郎《裸体美人》1912年 鏑木清方《三遊亭円朝像》1930年 展覧会について 4階 1-5室 1880s-1940s 明治の中ごろから昭和のはじめまで 「眺めのよい部屋」 美術館の最上階に位置する休憩スペースには、椅子デザインの名品にかぞえられるベルトイア・チェアを設置しています。明るい窓辺で、ぜひゆったりとおくつろぎください。大きな窓からは、皇居の緑や丸の内のビル群のパノラマ・ビューをお楽しみいただけます。 「情報コーナー」 導入部にある情報コーナーには、MOMATの歴史を振り返る年表と関連資料を展示しています。関連資料も随時展示替えしておりますのでお見逃しなく。作品貸出中の他館の展覧会のお知らせや、所蔵作品検索システムも提供しています。 1室 ハイライト 奈良美智《Harmless Kitty》1994年© Yoshitomo Nara 3000㎡に200点近くが並ぶ、所蔵作品展「MOMATコレクション」。「ハイライト」では近現代美術を代表する作品を揃え、当館のコレクションの魅力をぎゅっと凝縮してご紹介しています。 今期は新収蔵作品にご注目ください。日本画のコーナーでは前期(12月21日まで展示)に甲斐庄楠音《白百合と女》(1920年)が登場。1910-20年代の若手日本画家たちが、西洋絵画に向けた憧れのまなざしを読み取ることのできる作品です。ケースの外では、タイガー立石(立石紘一)《Mao's Ecstasy》(1970年)が初登場です。絵本も漫画も描いた画家のエッセンスが詰まった作品をお楽しみください。ほかにも、長らく国外への貸出が続いていた奈良美智《Harmless Kitty》(1994年)が、約2年ぶりにMOMATコレクション展に帰ってきました。重要文化財の原田直次郎《騎龍観音》(1890年)のほか、ポール・セザンヌ、ピエール・ボナールなど、この部屋の常連となっている作品とあわせ、じっくりご堪能ください。 2室 新か、旧か? 萬鉄五郎《裸体美人》1912年、重要文化財 何であれ、ものごとの最初を特定するのは難しい。MOMATの真ん中のMはモダン、つまり近代です。近代美術の始まりとは、いつなのでしょうか? ここに並ぶ作品の約半分は、1907(明治40)年に始まった官設の「文部省美術展覧会(文展)」に出品されたものです。この文展開設を日本の近代美術の始まりとする考え方があります(異論もあります)。 そして近代とは「常に前衛であれ」ということをモットーとする時代です。つまり直近の過去は否定し、乗り越えるべき旧いものになります。設立当初は歓迎された文展ですが、まもなくすると硬直したアカデミズムの牙城として、新しい世代の批判対象になります。残り半分の作品は、そんな文展の在り方とは異なる道を進もうとした作家によるものです。 これらの作品が制作されてから100年ほど経った現在の私たちには、やはり新しいものが旧いものより素晴らしく映るのでしょうか? それとも、新しいものにはない素晴らしさを、旧いものに見出すのでしょうか? 3室 キュビスム再考 アルベール・グレーズ《二人の裸婦の構成》1921年 伝統的な西洋美術の規範から離れ、多視点で捉えたモティーフを線や面を用いてあらわそうとした、革新的な美術様式キュビスム。1900年代初めにパリで起こったこの前衛芸術運動は、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックが先導し、やがて『キュビスムについて』(1912年)の著者の一人アルベール・グレーズや、ホアン・グリス、ロシア・アヴァンギャルドの中心的存在ナターリア・ゴンチャローヴァなど、数多の追随者によって展開されました。 日本においてもその影響は見逃せません。美術雑誌からいち早くキュビスムを知ったとされる萬鉄五郎をはじめ、実際に渡仏してキュビスムの画家アンドレ・ロートに師事した黒田重太郎、グレーズの著書に学んだ前田寛治らは、作品の中で柔軟にキュビスムの手法を試みました。この部屋では、多くの日本人芸術家がフランスへ渡った時期である1920年代を中心に、日仏それぞれの国におけるキュビスム探求のあり方を、絵画表現を通して再考します。 4室 『濹東綺譚』 木村荘八《永井荷風著『濹東綺譚』挿絵5》1937年 東京郊外の遊里、玉の井に遊ぶ初老の小説家、大江匡。雨の中、大江の傘に飛び込んできた私娼、お雪。二人は関係を深めるが、やがて大江は姿を消す―。永井荷風の『濹東綺譚』は、1937(昭和12)年4月から6月まで、ここにご紹介する木村荘八の挿絵付きで、東京および大阪の『朝日新聞』に連載され、木村の挿絵の人気とあいまって、荷風の代表作となります。 濹(墨)東とは墨田川の東岸にあたる地域で、現在の東京都墨田区一帯を指します。この濹東の玉の井(旧名を寺島町)は、かつて銘酒屋が集まる場所でした。銘酒屋とは、表向きは良質な酒を売る飲み屋の看板を掲げながら、ひそかに私娼を抱えて売春した店のことです。もともと浅草にあった銘酒屋街ですが、1918(大正7)年頃から23年の関東大震災の後にかけて、玉ノ井駅(現在の東武伊勢崎線東向島駅)付近に移転してきます。玉の井の銘酒屋街は、戦前・戦中とたいへん繁盛しますが、1945(昭和20)年の東京大空襲でほぼ消失してしまい、現在は往時の面影はありません。 5室 1930年代の絵画:現実の彼方へ、幻影の手前で ワシリー・カンディンスキー《全体》1940年 主に1934年以降の作品を紹介します。1920年代より展開されたプロレタリア芸術(社会主義・共産主義の思想から生まれた左翼的運動)は、しばしば国から弾圧されてきましたが、1934年は運動へ大弾圧が行われた年です。これ以降、社会は閉塞感を深め、戦争へと向かっていくことになります。眼前の厳しく、苦しい現実に、芸術家はどのように反応し、表現として提示したのでしょうか。 山口薫《古羅馬の旅》(1937年)に見られる古代への憧憬、北脇昇《空港》(1937年)や三岸好太郎《雲の上を飛ぶ蝶》(1934年)に見られる超現実的世界はいずれも、いま・こことは別の場を希求する意思の現れでしょう。一方、山下菊二《鮭と梟》(1939年)のこちらを鋭くまなざす魚と鳥や、福沢一郎《二重像》(1937年)のこちらに背を向けた人物の存在は、いま・ここの彼方ではなく、絵の手前に立つ鑑賞者自身を強烈に意識させるものです。あるいは、長谷川三郎《アブストラクション》(1936年)など、肉眼にうつる現実から距離を置き抽象へと向かう芸術家たちが、作品へ込めた抵抗にも注目ください。 3階 6-8室 1940s-1960s 昭和のはじめから中ごろまで9室  写真・映像10室 日本画建物を思う部屋(ソル・ルウィット《ウォールドローイング#769》) 6室 戦時の女性たち 丸木俊(赤松俊子)《解放され行く人間性》1947年 日中戦争から太平洋戦争にかけて日本では総力戦体制が敷かれ、「前線で戦う男性」と「銃後を守る女性」という構図が美術や文学、雑誌など、あらゆるメディアを通じて浸透していきました。良妻賢母として家庭を支える女性たちの姿は、しばしば戦時下の典型的なジェンダーロールとして受け入れられました。一方で、この時代には軍需工場で武器を製造したり、応召して従軍看護師として戦場に赴いたりする女性たちも存在していました。この部屋では、絵画や雑誌に登場する女性たちのイメージを通して、日常と戦争が隣り合わせにあった当時の暮らしと社会における女性の多様な役割を紹介します。 後半では、新収蔵の朝倉摂の《うえかえ》をはじめ、女性画家による同時代の作品も展示しています。美術の分野においては、軍部から戦争記録画の制作を依頼されるのは男性画家のみで、女性画家には静物画や風俗画を描くことが求められていました。 7室 アクション前夜 山下菊二《あけぼの村物語》1953年 1階で開催の「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」展(12月16日~2026年2月8日)の関連企画です。「アンチ・アクション」展は、力強い身振りを想起させる「アクション」をキーワードに、1950~60年代の抽象的な美術表現を再考するものです。この部屋では、「アクション前夜」と題し、終戦から1950年代半ばにかけての表現傾向をいくつかピックアップし、「アクション・ペインティング」など海外の動向が流入してくることになる日本の美術状況を紹介します。 河原温や中野淳の作品に描かれる断片化し、静物としてあるような身体は、戦後の物質的、精神的荒廃を反映し、またアクションの対極にあるような身体性を表象しています。あるいは山下菊二や池田龍雄らのルポルタージュ絵画(同時代の政治や社会的な出来事を報告し、記録するような表現)は、抽象的な表現と表裏一体に、1950年代の日本の美術を牽引していくものでした。 8室 「…アクション!」&「…カット!」 篠田桃紅《風》1972年 1階で開催の「アンチ・アクション」展(12月16日~2026年2月8日)は、力強い身振りを想起させる「アクション」をキーワードに、1950~60年代の抽象的な美術表現を再考するものです。この部屋では、アンチ(「反対」や「反抗」)の対象であるところの「アクション」に関わる作品を紹介します。1950~60年代の美術における「アクション」とは、作家の躍動的な身振りが強調された絵画について、アメリカの批評家ハロルド・ローゼンバーグが1952年に提唱した「アクション・ペインティング」という概念に端を発するものです。ヨーロッパでほぼ同時期に展開された「アンフォルメル(非定形)」と立て続けに日本に流入し、美術界を席巻します。ウィレム・デ・クーニング、白髪一雄ら動向を代表する作品、作家の即興的な身振りを想起させる同時代の書、あるいは「アンチ・アクション」展で紹介される作家とは別の形で「アンチ」をもくろんだ作品など、アクションをめぐる多様な実験をご覧ください。 9室 細江英公 「薔薇刑」 細江英公「薔薇刑 作品32」1961年 昨年逝去した細江英公の初期の代表作「薔薇刑」は、小説家三島由紀夫の肉体と、その特異な美意識をモティーフに、生と死、性愛など、人間存在をめぐる根源的なテーマに迫ろうとした作品です。 三島は、舞踏家土方巽を撮った作品(写真集『おとこと女』)に感銘をうけ、1961年、自らの評論集をかざるポートレイトの撮影に細江を指名しました。撮影の場となった三島邸の庭で、細江は、上半身裸の三島に、水まき用のゴムホースを巻きつけるなど、思い切った演出で応えます。その才気と仕上がった写真に大いに満足した三島は、細江からのさらなる撮影の申し出を快諾。足掛け二年にわたった撮影は、63年、写真集『薔薇刑』にまとめられました。 細江の非凡さは、肉体美を誇示する三島の内面に潜む、受苦や自己破壊への倒錯的な衝動を見ぬき、それを様々な演出によって浮き彫りにしてみせたところにあります。トゲをもつ美しいバラの花は、そうしたねらいを象徴するモティーフでした。「薔薇刑」というタイトルは、特異な作品世界の演じ手となった三島自身によるものです。なお本年(2025年)は三島の生誕100年にあたります。 10室(前期) 1950-60年代:有機的な彫刻/その人と芸術 ジャン(ハンス)・アルプ《地中海群像》1941/65年撮影:大谷一郎 鏑木清方《三遊亭円朝像》1930年、重要文化財(展示期間:2025年11月5日~12月21日) 手前のコーナーでは、ジャン(ハンス)・アルプ(1886–1966)の彫刻制作過程でつくられた石膏複製と、1950~60年代に制作された彫刻を、有機的な形という観点からご紹介します。多くの生命が失われ、物理的・精神的に荒廃した戦争の後、有機的な形の探求へとアーティストが向かったのは、日本にも、ヨーロッパにも見られる特徴です。それぞれの形とともに、木、土、石膏など各素材の特徴にも注目してご覧ください。 奥のコーナーは、日本画における肖像画の特集です。1930年代、日本画家の鏑木清方(1878–1972)は美術の人気回復を目指して、それまで日本画でほとんど描かれることのなかった肖像画に活路を見出しました。重要文化財《三遊亭円朝像》(1930年)はその第一作で、だれもが知る落語家の姿をありありと描いたものでした。以降、珍しくなくなった日本画における肖像画を、その像主となった人物による作品を一部交えてご紹介します。 2階 11–12室 1970s-2010s 昭和の終わりから今日まで 11室 記憶と想起 河原温《DEC. 14, 1966, Todayシリーズ (1966-2013)より》1966年 この部屋では、さまざまなかたちで歴史的な出来事をよびさます現代の作品をご紹介します。20世紀後半以降、歴史を直接描くのではなく、より多様な視点や手法で過去をとらえる表現が広がりました。河原温は、日付のみを描く《Today’s Painting》シリーズを通じて、見る人に時間そのものを意識させるきっかけを与えます。過去の資料をもとに、歴史を批評的に見つめる実践も登場しました。嶋田美子は、昭和天皇の崩御後に昭和史が再び注目されたことを契機に、太平洋戦争期の報道写真を引用し、戦時下の女性像を再考する銅版画シリーズを発表しました。写真表現もまた、決定的瞬間をとらえるのではなく、出来事の背後にある事象に目を向ける試みが展開されます。米田知子は、戦争などの惨事の舞台となった土地をめぐり、静けさの裏に潜む歴史の痕跡を写し出します。ホンマタカシは福島原発事故後の森やキノコを記録し、不可視の自然の変化に目を向けます。過去を多様な仕方で現前させる、それぞれの表現にご注目ください。 12室 入れ替わる世界、ひらかれる感覚 髙柳恵里《Tシャツのたたみ方》2000年撮影:大谷一郎 この部屋では、1980年代後半から現在にかけて制作された日本の現代美術を、モノの「転用」や意味の「揺らぎ」を手掛かりにご紹介します。1990年代以降、彫刻の分野では、寺内曜子、髙柳恵里、袴田京太朗、冨井大裕といった作家たちが、既製品を作品に用いることで、日常のモノの意味や役割をさりげなくずらすような表現を展開しました。こうした「ずれ」や「入れ替え」の感覚は、同時代の写真や絵画にも見られます。オノデラユキや北野謙は、多様なアプローチで被写体となる人の姿をとらえなおし、従来の写真における人物描写をくつがえしています。岡﨑乾二郎は、詩のようなタイトルと抽象絵画を並置することで、作品を単なる視覚表現にとどめず、思考や感覚をひらく装置として提示しています。意味の転換や認識の揺らぎから新たな世界の見方を引き出すこれらの表現は、この時代の美術に共通する特徴のひとつといえるでしょう。 開催概要 東京国立近代美術館所蔵品ギャラリー(4~2階)  2025年11月5日(水)~2026年2月8日(日) 月曜日(ただし11月24日、1月12日は開館)、11月25日、12月28日~1月1日、1月13日 10:00–17:00(金・土曜は10:00–20:00)  入館は閉館30分前まで 一般 500円 (400円) 大学生 250円 (200円) ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込み。 5時から割引(金・土曜) :一般 300円 大学生 150円 高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。入館の際に、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。 「友の会MOMATサポーターズ」、「賛助会MOMATメンバーズ」会員の方は、会員証のご提示でご観覧いただけます。  「MOMAT支援サークル」のパートナー企業の皆様は、社員証のご提示でご観覧いただけます。(同伴者1名まで。シルバー会員は本人のみ)  本展の観覧料で入館当日に限り、コレクションによる小企画(ギャラリー4)もご覧いただけます。  東京国立近代美術館

重要文化財 旧近衛師団司令部庁舎

旧近衛師団司令部庁舎は陸軍技師・田村鎮(やすし)の設計により、明治43(1910)年3月に建てられました。 第2次大戦後、荒廃したままに放置されていた旧司令部庁舎は取り壊しの対象となりましたが、明治洋風煉瓦造建築の一典型として、また、官公庁建築の遺構としても重要なことから、その建築的価値を惜しむ声がよせられ、昭和47(1972)年9月に「重要文化財に指定のうえ、東京国立近代美術館分室として活用する」旨の閣議了解がなされ、同年10月、「旧近衛師団司令部庁舎」として重要文化財に指定されました。 その後、外観と玄関、広間の保存修理工事を施し、谷口吉郎による展示室の設計に基づく内部の改装によって、美術館仕様の建物として改修し、昭和52(1977)年11月15日、東京国立近代美術館分館、東京国立近代美術館工芸館として開館しました。修復にあたって、屋根は建築当初のスレート葺に復元され、正面ホールから2階に伸びる両袖階段に往時の重厚な装いを見ることができます。ゴシック風の赤煉瓦の簡素な外観は、四季折々に周辺の樹木と調和して、独特のたたずまいをみせています。 工芸館は、平成28(2016)年3月に政府関係機関移転基本方針により、石川県への移転が決定。令和元(2019)年12月20日~令和2(2020)年3月8日に開催した「所蔵作品展 パッション20 今みておきたい工芸の想い」を最後に東京国立近代美術館工芸館としての活動を終え、令和2(2020)年10月25日に、通称「国立工芸館」として石川県金沢市で開館しました。工芸館の移転後、「旧近衛師団司令部庁舎」は、前庭より建物外観を観覧いただく外観公開を行うほか、ユニークベニュー利用やロケ地利用として活用いたします。 所在地 〒102-0091 千代田区北の丸公園1-1 施設概要 敷地面積4,512.72㎡建物面積929㎡延床面積1,858㎡ 撮影:加藤 健 外観公開 前庭 (建物外観の観覧)※公開エリア以外の敷地および庁舎建物に立ち入ることはできません。 水曜日、土曜日、日曜日午前10時~午後4時(入場は公開時間終了の30分前まで)ただし、下記を除く ユニークベニュー利用やロケ地利用により公開できない日 年末年始(原則として)12月28日から翌年1月3日 工事等により公開が困難な日 国家行事等に伴う特別警備のため、北の丸公園の一般利用が規制される日 美術館が定める日 ※2025年11月2日(日)、5日(水)は、都合により一般公開を休止させていただきます。

アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦

展覧会概要 新しい時代を象徴していた女性の美術家は、なぜ歴史から姿を消してしまったのか。1950年代から60年代の日本の女性美術家による創作を「アンチ・アクション」というキーワードから見直します。当時、日本では短期間ながら女性美術家が前衛美術の領域で大きな注目を集めました。これを後押ししたのは、海外から流入した抽象芸術運動「アンフォルメル」と、それに応じる批評言説でした。しかし、次いで「アクション・ペインティング」という様式概念が導入されると、女性美術家たちは如実に批評対象から外されてゆきます。豪快さや力強さといった男性性と親密な「アクション」の概念に男性批評家たちが反応し、伝統的なジェンダー秩序の揺り戻しが生じたのです。本展では『アンチ・アクション』(中嶋泉[本展学術協力者]著、2019年)のジェンダー研究の観点を足がかりに、草間彌生、田中敦子、福島秀子ら14名の作品およそ120点を紹介します。「アクション」の時代に別のかたちで応答した「彼女たち」の独自の挑戦の軌跡にご注目ください。 山崎つる子 《作品》 1964年芦屋市立美術博物館蔵 © Estate of Tsuruko Yamazaki, courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa, Tokyo 出品作家 赤穴桂子(1924-98)、芥川(間所)紗織(1924-66)、榎本和子(1930-)、江見絹子(1923-2015)、草間彌生(1929-)、白髪富士子(1928-2015)、多田美波(1924-2014)、田中敦子(1932-2005)、田中田鶴子(1913-2015)、田部光子(1933-2024)、福島秀子(1927-1997)、宮脇愛子(1929-2014)、毛利眞美(1926-2022)、山崎つる子(1925-2019) 見どころ 1 最新の研究に基づく歴史の見直し 女性美術家の再評価が進む近年、本展では『アンチ・アクション─日本戦後絵画と女性画家』(ブリュッケ、2019年、第42回サントリー学芸賞受賞/『増補改訂 アンチ・アクション—日本戦後絵画と女性の画家』筑摩書房、2025年)の著者・中嶋泉氏の全面的な協力により、ジェンダー研究の観点から日本の戦後美術史に新たな光を当てます。本展カタログには、同研究の第一人者であるイギリスの美術史家グリゼルダ・ポロック氏のインタヴューも収載します。 2 初公開作品 関係者のご協力と本展のための綿密な調査により、赤穴桂子、多田美波、宮脇愛子らの、これまで紹介されていなかった初期作品や、未発表作品を展示します。各作家たちの知られざる創作と、新たな魅力に出会える貴重な機会です。 3 充実した情報 「アンチ・アクション」のコンセプトを一望できる年表を掲示するとともに、本展に関わる様々なトピックを紹介するガイドを会場で配布。わかりやすく、多面的に、作家たちの活動や時代背景などを知ることができます。 4 ダイナミックな展示 ライトを用いた立体作品や天井高に迫る3.3mの絵画など、新たな時代に躍り出た作家たちのダイナミックな作品が一堂に会します。時代を共有する14名の作品が有機的につながる空間を体験できます。 作者のことば (…) 猫も杓子も絵具をぶつけたり、たらしたり、盛り上げたりのアンフォルメル旋風が吹きまくって、あたかも、へこんだり、でっぱったりのどろどろの絵でなければ時代遅れのようにいわれていました。いくらそれがフランスの新しい傾向とはいえ、女の子のヘアスタイルではあるまいし、右にならえで、同じ絵を描けたものではありませんし、日本の画壇の浅薄さに、がっかりしていました。 (芥川(間所)紗織)「私のアメリカ留学記」『美術手帖』 1963年2月 アクション・ペインティングのメッカ、テンス・ストリートの全盛期に住んで、わたしは彼らの時代の波にのって、アクション・ペインティングをやったわけではないの。その只中に立って、その正反対の、アクション・ペインティングの否定をただちにやったわけ。                 (草間彌生)谷川渥「増殖の幻魔—彼女はいかにして時代を駆け抜けたか」『美術手帖』 1993年6月 (…) 現代の「世界」に生きるものは、単に人間的であるものよりも、むしろ無機質化されたものとの、直接的な触れ合いによって、新鮮なより強い感動を受けるのではないでしょうか。 (福島秀子)「未知のものへの探求」『美術批評』 1957年1月 赤穴桂子《スペースに於ける物体》1958年油彩・カンヴァス、100.0×65.0cm個人蔵 芥川(間所)紗織《スフィンクス》1964年 油彩・カンヴァス、130.0×162.0cm東京国立近代美術館蔵 榎本和子《断面 (Ⅰ)》1951年油彩・カンヴァス、116.5×91.0cm板橋区立美術館蔵 江見絹子《空間の祝祭》1963年油彩・カンヴァス、161.9×112.3cm個人蔵 草間彌生《マカロニ・コート》1963年ミクストメディア、118.5×80.3×12.0cm板橋区立美術館蔵©YAYOI KUSAMA 白髪富士子《作品 No.1》1961年油彩、和紙、ガラス・カンヴァス、181.5×245.0cm高松市美術館蔵 多田美波《周波数37303055MC》1963年アルミニウム、200.0×300.0×50.0cm多田美波研究所蔵撮影:中川周 田中敦子《地獄門》1965-69年ビニール塗料、アクリル・カンヴァス、331.5×245.5cm国立国際美術館蔵©Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association 田中田鶴子《無》1961年頃油彩・カンヴァス、102.3×134.3cm奈良県立美術館蔵 田部光子 《作品》1962年ピンポン玉・紙(襖)、170.0×174.6cm福岡市美術館蔵 福島秀子 《ホワイトノイズ》1959年油彩・カンヴァス、130.5×92.0cm栃木県立美術館蔵 宮脇愛子《作品》1967年真鍮、47.5×49.5×12.0cm撮影:中川周 毛利眞美 《裸婦(B)》1957年油彩・カンヴァス、130.0×89.0cm東京国立近代美術館蔵 開催概要 2025年12月16日(火)~2026年2月8日(日) 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー 月曜日(ただし1月12日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月13日 10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00) 入館は閉館の30分前まで 一般2,000円(1,800円)大学生1,200円(1,000円)東京国立近代美術館(当日券)、公式チケットサイト(e-tix)にて販売。*いずれも消費税込。*()内は20名以上の団体料金。*高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。*本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)もご覧いただけます。 東京国立近代美術館、朝日新聞社 豊田市美術館:2025年10月4日~11月30日 兵庫県立美術館:2026年2月28日~5月6日(予定) 050-5541-8600(ハローダイヤル)

先生のための鑑賞日(アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦)

「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」 先生のための鑑賞日 東京国立近代美術館では、企画展「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」におきまして、先生のための鑑賞日を開催いたします。 2025年12月19日(金)~21日(日)の3日間、小学校・中学校・高等学校の教職員に限り、本展と、同時開催中の所蔵作品展「MOMATコレクション」を無料でご覧いただけます。   2025年12月19日(金)10:00~20:002025年12月20日(土)10:00~20:002025年12月21日(日)10:00~17:00 *入館は閉館の30分前まで、どの時間帯でも可  東京国立近代美術館  小学校・中学校・高等学校の教員および職員 無料 事前申込は不要です。学校の教職員であることを証明するもの(例:職員証、健康保険証、名刺など)を1階インフォメーションカウンターにてご提示ください。  いずれの身分証明書を持たない場合には、「先生のための鑑賞日」ページに掲載の「観覧申込書」(PDF)をダウンロードしてご記入のうえ、当日ご持参ください。  お問い合わせ 東京国立近代美術館 教育普及室 メール: school@momat.go.jp *教員向けプログラムの情報をメールでお知らせします(不定期発行・年数回程度)。 

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入札公告

電子入札システムの導入について 独立行政法人国立美術館では令和5年1月から電子入札システムを導入しました。詳細につきましては、下記リンクの国立美術館ウェブサイト入札公告ページからご覧ください。 一般競争入札 「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」展会場設営業務等 一式 東京国立近代美術館加湿器更新等工事 企画競争入札 現在、『企画競争入札』はございません。 入札結果 オープンカウンター方式による見積合わせの結果公表について 公募 現在、『公募』はございません。 オープンカウンター方式による見積り合わせに関する公示 現在、『オープンカウンター方式による見積り合わせに関する公示』はございません。

ぬぐ絵画:日本のヌード 1880-1945

概要 今日も盛んに描かれ続ける、はだかの人物を主題とする絵画。絵といえば、風景や静物とともに、まずは女性のヌードを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 しかし、はだかの人物を美術作品として描き表し、それを公の場で鑑賞するという風習は、実はフランス、イタリア経由の「異文化」として、明治の半ば、日本に入って来たものでした。以後、これが定着するまで、はだかと絵画をめぐって、描く人(画家)、見る人(鑑賞者)、取り締まる人(警察)の間に多くのやりとりが生じることになりました。 「芸術にエロスは必要か」「芸術かわいせつかを判断するのは誰か」にはじまり、「どんなシチュエーションならはだかを描いても不自然ではないのか」「性器はどこまで描くのか」といった具体的な事柄まで、これまで多くの画家たちが、はだかを表現するのに最適な方法を探ってきました。 今日も広く論じられるこうした問いの原点を、1880年代から1940年代までの代表的な油彩作品約100点によってご紹介します。 |展示替のお知らせ| ■前期[11月15日―12月18日]のみ展示の作品・村山槐多《尿する裸僧》1915年 信濃デッサン館 ・熊谷守一「画帖(七号)」より    [1908年2月15日]1908年 岐阜県美術館  ■後期[12月20日―1月15日]のみ展示の作品・熊谷守一「画帖(七号)」より    [轢死(下絵)]1908年 岐阜県美術館 展覧会構成 1 はだかを作る「芸術としてのはだか」を作り出すため、日本人離れしたプロポーションにしてみたり、腰巻で下半身だけ隠してみたり。明治の画家たちの四苦八苦をご紹介します。 出品作家:黒田清輝、和田英作など 2 はだかを壊す1920年代から、前衛美術の動きを受け、はだかを使った造形実験が行われます。まるでロボットのようだったり、できるはずのないおかしなポーズをしていたり、そんなちょっと変わったはだかをご紹介します。 出品作家:萬鉄五郎、熊谷守一、古賀春江など 3 もう一度、はだかを作る昭和に入ると、壊れてしまったはだかをもう一度組み立て直そうとする動きが現れます。「アトリエに、いかにも日本人らしいプロポーションの雇われモデルが寝そべっている。そばには脱いだどてらが・・・」などと、生々しいはだかが登場するのもこのころです。 出品作家:安井曽太郎、小出楢重、梅原龍三郎など ここが見どころ キュレーターのこだわり1 チラシについてチラシの表には、黒田清輝《智・感・情》のうち《情》の女性を用いています。右側の折りの部分を開けると、女性の悩ましい表情や左手部分のポーズがあらわれるしかけ。タイトルにある「ぬぐ」というアクションを、折りを開けることでお客様にも追体験していただこうと、デザインを手がけた森大志郎さんと一緒に工夫しました。 また、女性キュレーターが企画し、ぜひ女性に見ていただきたい展覧会ということで、テーマカラーをピンクに決め、英文タイトル「Undressing Paintings」の部分には、某ファッション誌で使われる書体を選びました。 このチラシ、裏返してもう一度折りを開けると、熊谷守一《裸》のポスターになるという豪華なおまけも。美術館、博物館等を中心に配布しています。見かけたらぜひゲット! キュレーターのこだわり2 会場デザインについて 会場デザインは、建築家の西澤徹夫さんが担当しました。入口やキャプションなど、あちこちに今回のテーマカラーであるピンクを用い、シンプルながら細かな工夫がなされた、美しい会場ができあがりました。 会場内に4脚配したベンチも、この展覧会に合わせ、西澤さんがデザインしたもの。脚部が微妙に内側に曲がっていて、なぜか人なつこい動物のたたずまいです。ご来館の折には、ぜひ実際に座り心地を確かめてみてくださいね。 2階では、スイスの建築家、「ヴァレリオ・オルジャティ」の個展も開催中。建築や空間のデザインという観点からも、全館楽しめちゃいます。両方見ないともったいない! カタログ目録情報 カタログ好評発売中!ありそうでなかった、ハンディサイズのはだかの絵画全史、決定版です。 がっつり見て、読んで、楽しめる232頁、1600円。出品作全98点をカラーで収録。その他参考図版約40点を掲載。はだかの絵画取締り事件年表、作家略歴など充実の資料篇も。お電話でのご注文も承ります。(カタログ郵送案内はこちら) デザイン:森大志郎会場では、同じく森大志郎さんデザインのフロアガイド(右)をさし上げています。 掲載誌情報 以下の新聞に本展の展覧会評が掲載されました。それぞれクリックすると記事(外部サイト)を読むことができます。 朝日新聞夕刊(2011年11月30日 執筆:大西若人) 日本経済新聞電子版(2011年12月1日 執筆:宝玉正彦) 読売新聞(2011年12月8日 執筆:井上晋治) 毎日新聞夕刊(2011年12月8日 執筆:高階秀爾) 産経ニュース(2011年12月23日 執筆:渋沢和彦) また下記2011年美術回顧記事の中でも、すぐれた展覧会として触れられています。 朝日新聞夕刊(2011年12月14日 執筆:大西若人) 毎日新聞夕刊(2011年12月15日 執筆:岸桂子) イベント情報 講演会 横尾忠則(美術家)「ヌードは難しくて解らない」 日程: 2011年11月26日(土)時間: 14:00-15:30場所: 当館地下1階講堂 岡﨑乾二郎(美術家)「皮膚を脱ぎ、臓腑(はらわた)を放つ。」 日程: 2011年12月3日(土)時間: 14:00-15:30場所: 当館地下1階講堂 要申込(応募者多数の場合は抽選)・聴講無料(140名) 申込方法|郵便往復はがきの「往信用裏面」に郵便番号・住所・氏名・電話番号・聴講をご希望される講演日を、「返信用表面」に郵便番号・住所・氏名を明記のうえ、下記までお申込みください。応募は1通につき1名、各講演会につきお一人さま1回まで。 申込先|〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1東京国立近代美術館 「ぬぐ絵画展講演会」係 締切|11月21日[月](当日必着)*いずれの講演とも、若干数席に余裕が出たため、追加募集いたします。 *個人情報につきましては、講演会申込手続のみに利用させていただき、その他の目的による利用は一切行いません。 蔵屋美香(本展企画者、美術課長)「ぬぐ絵画」 日程: 2011年12月10日(土)時間: 14:00-15:30場所: 当館地下1階講堂申込不要・聴講無料(先着140名) ギャラリートーク各作家研究の第一人者による連続トーク! 「黒田清輝とヌード」山梨絵美子(東京文化財研究所)日程: 2011年11月20日(日)時間: 14:00-15:00 「萬鉄五郎とヌード」根本亮子(岩手県立美術館)日程: 2011年12月11日(日)時間: 14:00-15:00 「古賀春江とヌード」大谷省吾(当館主任研究員)日程: 2011年12月17日(土)時間: 14:00-15:00 「〈ぬぐ絵画〉について」蔵屋美香(本展企画者、美術課長)日程: 2012年1月6日(金)時間: 18:00-19:00 「安井曽太郎とヌード」貝塚健(ブリヂストン美術館)日程: 2012年1月7日(土)時間: 14:00-15:00 *いずれも会場にて。申込不要・参加無料(要観覧券) 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2011年11月15日(火)~2012年1月15日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 月曜日[2012年1月2日、9日は開館]、年末年始(12月28日-1月1日)、1月10日(火) 一般 850円(600円) 大学生450円(250円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※入館当日に限り、「ヴァレリオ・オルジャティ展」(ギャラリー4)、所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。 東京国立近代美術館 注目の展覧会を「はだか」にする「ぬぐ絵画」展特設サイト ⇒リンクはこちらから 展覧会の見どころを2回に分けてご紹介いたします。ぜひご覧ください。コンテンツ第一弾 ⇒ この「はだか」に注目コンテンツ第二弾 ⇒ 「はだか」のみかた

ヴァレリオ・オルジャティ展

概要 作品を発表するたびに話題を集める建築家、それがヴァレリオ・オルジャティです。彼が今事務所を構えているのは、グラウビュンデン地方の山里であるフリムス。このことからもわかるように、オルジャティは、時流にとらわれることなく、建築の本質と向き合い続けてきました。その建物の特徴は、「概念性」と「職人性」と「芸術性」とが高いレベルで融合しているところにあります。篠原一男(1925-2006)や安藤忠雄(1941- )などの影響もうかがえる幾何学的なプラン(平面図)に、時には土着的と思える形や模様を与えていくオルジャティの建築は、過激さと懐かしさとユーモアを同時に備えることに成功しています。そこで求められているのは、新しい建築などではなくて本当の建築である、そう言い換えることもできるでしょう。 ここが見どころ ヘルツォーク&ド・ムーロンやピーター・ズントーの次の世代を代表するスイスの建築家。 日本を大好きな建築家。彼が敬愛するのは、出雲大社、篠原一男、安藤忠雄、そして腰掛蟻継。 オルジャティは今回が初来日。講演会も、特別に、夜に開催いたします。 展示される模型の一部は、妹島和世さんがディレクターを務めたヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展にも出品されていました。 カタログには、オリジナルのインタビューを掲載予定です。 世界でもっとも有名な建築雑誌のひとつ『El Croquis』の最新号はオルジャティ特集です! 本展は国際巡回展の最終会場。日本国内でも東京のみの開催です。 東京国立近代美術館としては、2001年のリニューアル以来、3つめとなる建築展。これまでと同様に、「美術館ならではの建築展」を考え、提案します。 東京では、ほぼ同時期に、いくつもの建築展が開催されます。 展覧会構成 本展に展示されるのは、模型と図版です。と書くと、普通の建築展のように聞こえますが、これはヴァレリオ・オルジャティの、美術館で開催される展覧会。もちろん違います。模型は、小さな住宅も、大きな美術館も、すべて同じ1:33の縮尺でつくられていて、細かい部分は省略され、まるで彫刻のように見えます。白くて美しい模型9点を前にすると、建築の強度とはいったいなんによるのかと、考えさせられることでしょう。そして図版。これは、オルジャティが自らに影響を与えたものとして集めた、建物や庭園や空間や絵画などのイメージによって構成されています(それを彼は「図像学的自伝」と呼んでいます)。古今東西のさまざまなイメージが水平にひろがる中に、模型が、あるいは「建築」が、垂直に立っている。この対照性が本展の特徴です。この展覧会は、オルジャティ本人との密接なやりとりのもと、スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH, Zurich)建築理論・建築史研究所(gta)によって企画されました。スイス連邦工科大学(チューリヒ)から出発し、ロンドンの英国王立建築家協会(RIBA)などを経て、当館が最終会場になります。しかもオルジャティは、日本会場のために、ふたつ模型を追加してくれました。 作家紹介 ヴァレリオ・オルジャティ 1958年スイスの古都クールに生まれたヴァレリオは、スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH, Zurich)で建築を学びます。チューリヒ、そしてロサンゼルスで働いた後、1996年自らの事務所をチューリヒに開設。2008年以降は、故郷のフリムスを拠点とします(チューリヒからは、電車とバスを乗り継いで2時間ほどかかる場所です)。主な建築作品には、《学校》(パスペルス)、《黄色い家》(フリムス)、《リナルド・バルディルのアトリエ》(シャランス)、《スイス国立公園ヴィジターセンター》(ツェルネッツ)、《プランタホフ農業学校の講堂》(ランドクアルト)などがあります。2002年からは、スイス・イタリア語圏にあるメンドリジオ建築アカデミーの教授を務め、2009年には客員教授としてハーヴァード大学で教鞭を執りました。 オルジャティの建築のご紹介 春と冬で階数が変わるんです水に浮かんでいるようなこの建物。一階建てに見えますが、渇水期(冬)には、下の部分が現れるというすごい建物です。雪解け水による自然の変化をうまく使っているという点では、スイス的と言えるでしょうか。残念ながら、諸事情あって実現しませんでしたが。 CGでも、騙し絵でもありません右と左に分かれ行く階段……よーく見ても、まんなかに鏡はありません。CGでもありません。この厳密に左右対称な階段を(しかも線遠近法を強調して、先が細く=狭くなっていく階段を)、オルジャティは実際に設計したのです。しかも、スイスで唯一の、国立公のヴィジターセンターを兼ねたミュージアムとして! (これは実現しています。) スイス版看板建築?赤い壁に散らばる模様。抽象的なのに、懐かしく、それに楽しい感じもします。屋根をよく見ると、左側に「山型(切妻)」はありますが、真ん中は抜けていることに、つまりどうやら屋根がないことに気づきます。実はこの建物のある村(シャランス)では、景観を守り続けるために、建物の外形を変えてはいけないという決まりがあるそうなのです。オルジャティはその条件を逆手にとって、大きな中庭を持つアトリエを、ミュージシャンのためにつくりました。写真に見える扉を開けて出会うのは、室内ではなくって、光の降り注ぐ庭なのです。 イベント情報 講演会ヴァレリオ・オルジャティ(建築家)「75分間」  日程: 2011年11月1日(火)時間: 19:00-20:15場所: 当館地下1F講堂*日英同時通訳付 要申込(応募者多数の場合は抽選)聴講無料(130名)(参加者は講演会終了後午後9時まで本展覧会を無料でご覧いただけます) 応募は10月19日(水)をもって、締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。講演会は、当選通知が届いた方のみ聴講いただけます。ご了承ください。なお、講演会につきましては下記ご留意くださいますようお願い申し上げます。 *当日キャンセル待ちの予定はございません。*当日1900~2100は、当選者以外は美術館の敷地内に入れませんこと、ご了承ください。*建築家本人の希望により、ユーストリーム等での放映はいたしません。 ギャラリートーク日程: 2011年11月5日(土)時間: 14:00-15:00 保坂健二朗(当館研究員・本展担当者) 日程: 2011年12月9日(金)時間: 18:00-19:00保坂健二朗(当館研究員・本展担当者) ※いずれも会場にて。参加無料(要観覧券)。申込不要 カタログ目録情報 ショップにて好評発売中定価700円 カタログには、スイスから東京まで巡回してきた、全ての会場風景の写真と図面を掲載。ヴァレリオ・オルジャティ本人へのインタビューは本カタログのみの掲載です! 開催概要 東京国立近代美術館 ギャラリー4 2011年11月1日(火)~2012年1月15日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 月曜日[2012年1月2日、1月9日は開館]、12月28日(水) ~ 1月1日(日・祝)、1月10日(火) 一般 420円(210円) 大学生130円(70円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。※入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。 無料観覧日(所蔵作品展「近代日本の美術」、「ヴァレリオ・オルジャティ展」のみ)11月3日(木・祝)、11月6日(日)、12月4日(日)、2012年1月2日(月) 東京国立近代美術館スイス連邦工科大学チューリヒ校建築理論・建築史研究所 スイス大使館科学技術部 スイス連邦内務省教育研究局スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団スイス連邦工科大学チューリヒ校建築学科 11月1日、特設ウェブサイトオープンしました。「Valerio Olgiati and His Architecture」リンクはこちらからコンテンツは随時更新していきます。オルジャティの建築紹介や日本の建築との関わりなど、オルジャティに関する情報が満載です。ぜひご覧ください。

イケムラレイコ:うつりゆくもの

概要 なぜ今イケムラレイコ展か? 本展は、絵画、彫刻、ドローイング約145点を、1300平方メートルの空間の中に展示する、日本では初めてとなるイケムラレイコの本格的な回顧展です。半分以上の作品がドイツのアトリエからの出品(つまり日本初公開)で、新作も展示されます。 ちょっと不思議な存在。それがイケムラの作品のキーワードです。キャンバス地から浮かびあがってくる女、キャベツの頭を持つ人、うつろをはらんだ横たわる少女、岩の中にふと見える怪物のような顔などなど。イケムラが幽霊とも思えるような存在をつくるのは、「うつりゆくもの」への関心を持っているからだと言えます。存在と無。動物と人間との間の進化論的関係。手つかずの自然と人間による文明。ともすればAからBへの一方向の移行として捉えられがちなうつりゆきを、彼女は、相補的で、往復可能で、蛇行的で、終わりのないものとみなし、それを自らの作品において表現しているのです。 彼女はまた、自らの作品がエコロジカルであってほしいと願っています。絵画は人間の身体に合わせた大きさ。彫刻の素材には土へと返りやすい粘土を選び、ドローイングでは木炭やパステルに紙といったシンプルな材料を使っているのです。そこには、この時代にアーティストとしてモノをつくることの意味について実践的に考えてきたイケムラならではの思想を見てとることができるでしょう。 そうしたイケムラの作品には、詩情の中に哲学が、静けさの中に情動的な強さが感じられます。またフラットに見えて奥行きがあります。相反する質を優しく包みこむ彼女の作品は、これからの「うつりゆき」を考えなければならない今こそ、深く感じとれるのではないでしょうか。 ここが見どころ First Retrospective in Japan!日本の美術館での個展の開催は、2006年のヴァンジ彫刻庭園美術館以来。本格的な回顧展としては、本展がはじめてとなります! Bridge between East and Westイケムラレイコの作品は、絵画、彫刻、ドローイングと多岐に渡ります。絵画では、西洋文化を象徴する油彩を用いながら、キャンバス地をいかした非常に薄塗りの作品を制作しており、そこには西洋的感覚と東洋的感覚とに橋を架けようとする作家の意志を感じることができるでしょう。彫刻(彫塑)でも、テラコッタ(粘土を素焼きしてできる)を用いながら「うつわ」的に「うつろ」をはらむように制作する点に、同様の意志を感じ取ることができるでしょう。 Architecture展示デザインに建築家を起用展示デザインは、ここ数年のイケムラの展覧会に関わってきた建築家フィリップ・フォン・マットが全面的に協力しています。 展示構成の模型Photography and Designドイツで撮りおろしたアトリエの写真がメインビジュアルにポスター、チラシなどのメインヴィジュアルは、写真家の川内倫子(木村伊兵衛賞受賞作家)が本展のためにドイツで撮影しました。カタログには、川内の撮影したイケムラレイコのミニ写真集も収録されます。そのカタログのデザインは、中島英樹。ポスター、チラシ、チケットも中島が手がけま Music会場では、いくつかの部屋で、時々音楽が流れます。これは今回の展覧会のために、若手新鋭の音楽家・蓮沼執太氏が、イケムラ氏とやりとりをしながら書き下ろしてくれたものです。展示とともにお楽しみください。 展覧会構成 展覧会の章構成(予定)1:イントロダクション2:新作:風景3:インターヴァル(写真)4:横たわる人物像:彫刻と絵画5:写真6:うみのけしき7:木々8:進化9:インターヴァル(本の仕事)10:ブラック・ペインティング11:出現する像12:アルペンインディアナ13:80年代の作品14:インターヴァル(これまでの展覧会)15:新作(顔) 作家紹介 イケムラレイコとは誰か? イケムラレイコは、三重県津市に生まれました。1970-72年大阪外国語大学でスペイン語を学んだ後、72年スペインに渡り、セビーリャ美術大学(元The Royal Academy of Fine Arts of Saint Isabel of Hungary of Sevilla)で学びます。1979年スイス、チューリヒに。1983年ドイツ、ニュルンベルクに移り、その後、ケルンへ。現在はベルリンとケルンの二箇所を拠点に活動しています。また、国立であるベルリン芸術大学(UdK)の教授も務めています。 美術館での主な個展に、1983年ボン・クンストフェライン(ドイツ)、87-88年バーゼル現代美術館、99年ハガティ美術館(ミルウォーキー、アメリカ)、2000年豊田市美術館、01年ローザンヌ州立美術館(スイス)、02年リヒテンシュタイン美術館、04年レックリングハウゼン・クンストハレ(ドイツ)、05年聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館(ドイツ)、06年ヴァンジ彫刻庭園美術館(三島)、08年アラーハイリゲン美術館(スイス)、10年アルンスベルク美術館(ドイツ)などがあります。 このように、イケムラレイコは、ドイツとスイスと日本を中心に着実な活動を続けてきました。その活動の評価は最近増す一方で、2008年にはアウグスト・マッケ賞を受賞し、2013年にはカールスルーエ(ドイツ)の公立美術館での個展が予定されています。 イベント情報 シンポジウム「芸術におけるエコロジー」登壇者:イケムラレイコ加須屋明子(京都市立芸術大学准教授)保坂健二朗(当館研究員・本展企画者) 日程: 2011年8月27日(土)時間: 13:00-15:00場所: 当館地下1階講堂申込不要・聴講無料(先着140名) ギャラリー・トーク保坂健二朗(当館研究員・本展企画者) 日程: 2011年9月17日(土)2011年10月15日(土)2011年10月22日(土)時間: 13:00-14:00場所: 1階 企画展ギャラリー ※いずれも参加無料(要観覧券)/申込不要 カタログ目録情報 開催概要 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー 2011年8月23日(火)~10月23日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで 開館日、開館時間の変更の可能性がございます。ご来館前に、美術館ホームページ、ハローダイヤル03-5777-8600にて最新情報をご確認ください。 月曜日[9月19日、10月10日は開館]、9月20日(火)、10月11日(火) 一般 850円(600円) 大学生450円(250円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。 ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。※それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。 ※入館当日に限り、「レオ・ルビンファイン 傷ついた街」(ギャラリー4)、所蔵作品展「近代日本の美術」もご観覧いただけます。 東京国立近代美術館三重県立美術館 ルフトハンザ カーゴ AG 2011年11月8日(火)- 2012年1月22日(日) 三重県立美術館 展覧会特設ウェブサイトイケムラレイコ Side B 」では、他にはないコンテンツの数々を随時更新しています。リンクはこちらから⇒イケムラレイコ Side B

レオ・ルビンファイン:傷ついた街

概要 2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件は、新しい世紀を迎えた世界に深い影を投げかけるものでした。その数日前に、世界貿易センタービルからわずか2ブロックしか離れていない新居に引っ越したばかりだった写真家レオ・ルビンファイン(1953年生まれ)は、この未曾有の事件を間近で体験しました。 渦中へとまきこまれたニューヨークでの一連の事態そのものにはカメラを向けることのなかった彼が、写真家として、この出来事と向かい合いながらとりくんだのは、世界各地の都市で、街を行きかう人びとの顔を撮ることでした。この事件がもたらした本質的なもの、つまり、物理的な破壊行為を通じて、社会に心理的打撃を与えることを目的とするテロリズムが、人びとの内面に残した「心理的な傷」を見つめるためです。 2002年から6年にわたって、ニューヨークをはじめ、ロンドン、マドリッド、モスクワ、イスタンブール、東京など、近年テロ事件の起きた世界各地の都市を訪ね、ストリートスナップの手法で撮影された写真は、2008年、写真家自身による長文の内省的なテキストとともに、『傷ついた街』(Wounded Cities, Steidl刊)と題される写真集へとまとめられました。 今回の展覧会は、アメリカ各地や中国などで、かたちを変えながら開催されてきた「傷ついた街」展を日本では初めて、未発表の作品を含む35点による新しい構成で開催するものです。同時多発テロからちょうど10年という節目の年に、世界は新たな事態を経験してもいます。世界各地の街角で撮影された人びとの表情に浮かび上がる心理的な陰影に、同時代を生きる私たちへのメッセージを探ります。 ここが見どころ ニューヨーク、ロンドン、モスクワ、東京――世界各地の街角で撮られた人びとの表情に浮かぶ「心理的な傷」。アメリカ同時多発テロを間近で目撃した写真家が見つめた“9.11後”の世界。 2008年からアメリカ、中国などで開催されてきた展覧会を、未発表作も加えた新たな構成で開催します。 同時多発テロから10年の今秋、日米3ヶ所で同時開催されます。 東京展オリジナルのカタログには、写真集『Wounded Cities(傷ついた街)』(2008年刊)より、テキストの一部を翻訳再録。本展のためのルビンファインの書き下ろし新テキストも収録します。 作家紹介 レオ・ルビンファイン Leo Rubinfien 1953年アメリカ、シカゴ生まれ。リード・カレッジ(英文学専攻)、カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アーツ(写真専攻)、イェール大学大学院(写真専攻) などに学ぶ。1970年代末に写真家として活動を開始。当時「ニュー・カラー」と呼ばれた、カラー写真による新しい表現の潮流の、最も若い担い手のひとりとして評価され、以後、アメリカを中心に、多くの個展、グループ展で作品を発表する。また写真や美術を中心とした評論・執筆活動でも知られる。少年時代に数年間、東京に暮らしたこともあり、日本とのかかわりも深く1993年には西武アートフォーラムで個展を開催。2004年にサンフランシスコ近代美術館/ジャパンソサエティ(ニューヨーク)が企画・開催した 東松照明展(Shomei Tomatsu: Skin of the Nation)では共同企画者として調査・カタログ文章の執筆を担当している。写真集に『A Map of the East』(Thames & Hudson / 都市出版, 1992)、『Wounded Cities』(Steidl, 2008)、『The Ardbeg』(タカ・イシイギャラリー+空蓮房, 2010)など。 イベント情報 講演会 レオ・ルビンファイン(本展出品作家)日程: 2011年9月10日(土)時間: 14:00-15:30 増田 玲(当館主任研究員、本展企画者)日程: 2011年10月8日(土)時間: 14:00-15:30 いずれも当館講堂(地下1階)にて。聴講無料、申込不要、先着140名。 カタログ目録情報 開催概要 東京国立近代美術館 ギャラリー4 2011年8月12日(金)~10月23日(日) 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)※入館は閉館30分前まで※状況により開館日時等の変更の可能性もございます 月曜日[9月19日、10月10日は開館]、9月20日(火)、10月11日(火) 一般 420円(210円) 大学生130円(70円)※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。 ※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。※本展の観覧料で、当日に限り、所蔵作品展「近代日本の美術」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご観覧いただけます。 【無料観覧日】(所蔵作品展「近代日本の美術」、「レオ・ルビンファイン 傷ついた街」のみ)9月4日(日)、10月2日(日) 東京国立近代美術館

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