展覧会

開催中 企画展

移転開館5周年記念 重要無形文化財指定50周年記念 喜如嘉の芭蕉布展

会期

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会場

国立工芸館

展覧会について

芭蕉布は、糸芭蕉の繊維を糸にして織られた「沖縄の風土が生んだ最も沖縄らしい織物」で、琉球王国時代からつくられてきました。現在では、沖縄本島の大宜味村(おおぎみそん)喜如嘉で、その製法が伝承されています。

喜如嘉の芭蕉布は、糸芭蕉を育てることからはじまり、収穫後の糸づくり、染め、織りまで、すべてが天然の材料と手仕事によって製作され、絣(かすり)の技法を用いた独特な模様が特徴となっています。

本展は、「喜如嘉の芭蕉布」が重要無形文化財の指定を受けてから50周年の節目にあたり、戦後に滅びかけた芭蕉布の技術復興に尽力した人間国宝、故・平良敏子とその工房の作品を中心に、歴史的名品もあわせて芭蕉布の魅力を紹介します。

※会期中5回展示替えあり

A:7/11(金)~7/27(日) B:7/29(火)~8/11(月・祝) C:8/13(水)~8/24(日) 
D:7/11(金)~8/3(日)  E:8/5(火)~8/24(日)

展覧会のポイント

重要無形文化財の指定50周年の節目にあたる「喜如嘉の芭蕉布」に注目

糸芭蕉の繊維を糸にして織られた「沖縄の風土が生んだ最も沖縄らしい織物」の魅力に迫ります。

戦後に滅びかけた芭蕉布の技術復興に尽力した人間国宝、故・平良敏子とその工房の作品を多数展示

絣技法を用いた多彩な模様の数々を是非ご覧ください。

琉球王国ゆかりの国宝5点を含む名品を展示

歴史的名品から現代の芭蕉布までその魅力をご紹介します。

展示構成

第1章 歴史のなかの芭蕉布と文様の美

沖縄県はかつて琉球王国と呼ばれ、独自の文化を育んできました。さらりとした風合いと適度に張りがある芭蕉布は、高温多湿の沖縄の気候に適した布として、尚王家から庶民にいたるまで広く愛用されてきました。とくに王族や上流階級向けには華やかな色合いに身近なモチーフが織り込まれ、洗練された布地がつくられました。明治になり琉球王国がなくなった後もその伝統は受け継がれてきましたが、第二次世界大戦の影響により、いったんは途絶えてしまいます。

1章では、上質な糸を天然の染材で染めて織り上げた芭蕉布の歴史的な名品とともに、王族が身に纏った豊かな色彩と伝統の絣柄の復元に取り組んだ平良敏子が開いた芭蕉布織物工房による多彩な芭蕉布を紹介します。

国宝
《黄色地経縞枡形文様絣芭蕉衣裳》〔琉球国王尚家関係資料〕18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵
展示期間:8/13 ~ 8/24
国宝
《緋色地枡形菱繋文様花織芭蕉衣裳》〔琉球国王尚家関係資料〕18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵
展示期間:7/29 ~ 8/11

第2章 平良敏子の芭蕉布-わざの確立と展開

岡山県倉敷市で染織の技術や知識を学んだ平良敏子は、戦後、故郷である大宜味村喜如嘉に帰り、芭蕉布の制作に取り組みます。

糸づくりから、染め、織りまでのすべてが天然の材料と手仕事によるもので、多くの人の手を必要としましたが、平良敏子の真摯な姿勢とともに、絣模様の表現力と色彩への鋭い感覚が人々に受け入れられて、1963年に芭蕉布織物工房を開き、1974年には仲間たちと結成した喜如嘉の芭蕉布保存会の会長となり、芭蕉布の復興に尽力しました。

古典から学びながらも、絣模様に独自性を発揮するなど、その存在感を知らしめていき、1974年、「喜如嘉の芭蕉布」が国の重要無形文化財に指定(総合指定)され、平良敏子が保持者(代表者)として認定されます。2000年には重要無形文化財「芭蕉布」の保持者(各個認定)に認定され、2022年に101歳で生涯を終えるまで、芭蕉布の制作と後進の指導にあたり、芭蕉布を沖縄でもっとも知られる織物にしました。

平良敏子《芭蕉布着物「クヮイヤークヮサー 番匠」》1970年代 国立工芸館蔵 撮影:斎城卓
通期展示
平良敏子《煮綛芭蕉布 琉装着物「ムディー綾 番匠くずし」》1996年 公益財団法人 日本伝承染織振興会蔵
通期展示

第3章 想いをつなぐ-芭蕉布のみらい

喜如嘉の芭蕉布保存会は、芭蕉布の生産技術を絶やさず未来に残すことを目的に伝承者養成事業を展開しています。平良敏子が設立した芭蕉布織物工房は養成事業の受け皿となり、喜如嘉の芭蕉布の伝統を守り伝える役割も担い、現在も積極的に活動して若い技術者を育てています。

芭蕉布は、完成までにいくつもの工程を経てつくり出されます。個と集団がバランスよく交わることで、工房では古典の研究とともに、平良敏子が果敢に取り組んだ絣模様の古典と現代の融合や独自の模様の創出、また、これまでの芭蕉布では織られていなかった衣裳様式などにも挑戦し、時代に即した試みも行われています。平良敏子の想いを受け継ぎながら、時代を意識した制作スタイルはこれからの芭蕉布の価値観を広げていくことでしょう。

喜如嘉の芭蕉布保存会《煮綛芭蕉布着物「朱地 綾中」》1992年 東京国立博物館蔵
通期展示

開催概要

会場

国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2)

会期

2025年7月11日(金)〜 8月24日(日)

A:7/11(金)~7/27(日) B:7/29(火)~8/11(月・祝) C:8/13(水)~8/24(日) 
D:7/11(金)~8/3(日)  E:8/5(火)~8/24(日)

休館日

月曜日(ただし7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)

開館時間

午前9時30分-午後5時30分
※入館時間は閉館30分前まで

夜間開館

7月18日(金)~8月16日(土)の金・土曜日は午前9時30分~午後8時

※入館時間は閉館の30分前まで

主催

国立工芸館

協力

喜如嘉の芭蕉布保存会、喜如嘉芭蕉布事業協同組合、芭蕉布織物工房、株式会社 シネマ沖縄

後援

読売新聞北陸支社

観覧料

個人 団体(20名以上) 割引料金
一般 900 800 800
大学生 600 500 500
高校生 400 300 300

個人

一般

900

大学生

600

高校生

400

団体(20名以上)

一般

800

大学生

500

高校生

300

割引料金

一般

800

大学生

500

高校生

300

* ( ) 内は20名以上の団体料金および割引料金
* いずれも消費税込
* 中学生以下、 MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバーパートナーは本人のみ)、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料
* 夜間開館日の午後5時30分以降は割引料金
* 着物でご来館の方、文化の森おでかけパス(一般のみ)をお持ちの方は割引料金
* キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は、学生証・職員証のご提示で割引料金
* 石川県立美術館・金沢21世紀美術館・石川県立歴史博物館・石川県立伝統産業工芸館(いしかわ生活工芸ミュージアム)・金沢市立中村記念美術館・金沢ふるさと偉人館の主催展覧会入場券半券を窓口で提示した方は割引料金
* オンラインによる事前予約もあり

アクセシビリティへの取り組み

どなたさまにもゆっくり作品を鑑賞いただけるよう心がけています。

  • 車椅子、ベビーカーの貸し出しはご用意があります 車椅子、ベビーカーの貸し出し
  • 受付での筆談ボードはご用意があります 受付での筆談ボード
  • 補助犬同伴可はご用意があります 補助犬同伴可
  • コインロッカーはご用意があります コインロッカー
  • 駐車場 (お身体が不自由な方専用)はご用意があります 駐車場 (お身体が不自由な方専用)
  • 館内に椅子有はご用意があります 館内に椅子有
  • エレベーターはご用意があります エレベーター
  • スロープはご用意があります スロープ
  • 救護スペースはご用意があります 救護スペース
  • 多目的トイレはご用意があります 多目的トイレ
  • 授乳室はご用意があります 授乳室
  • 会場内の写真撮影はご用意がありません 会場内の写真撮影
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