展覧会
非情のオブジェ:現代工芸の11人
会期
会場
東京国立近代美術館工芸館
展覧会概要
戦後、さかんとなったいわゆる「オブジェ」の登場は、工芸に、造形芸術の広い視野において検証される契機をもたらしました。これにより「用途」という拘束から工芸は解き放たれ、自由な創造を保障する安全圏に送り込まれたかのようにみえました。
はたしてオブジェは工芸のひとつの終着点だったのでしょうか。
今回ご紹介する11人の作品は、いずれもすっきりとしていて軽く、そしてどこかプラスティックな印象をもたらします。ガラス、陶磁、染織と向き合う素材・技法は異なりますが、求められる形態やテクスチャーは、工芸制作のプロセスに重ね合わせた作家個々の感性や思考の軌跡として提示されています。その軽やかさは、さらなる高みへ飛躍しようとする意志の表出であり、薄さや透明感は、ものの核心に迫ろうとするまなざしが探り出した造形言語なのです。そこでは、かつての前衛的なオブジェ制作のうちに展開された詩情や隠喩、苦闘の影のようなものはほとんどみられません。物質の美しさに嘆じてもそのなかに沈みきることなく、わくわくと掻き立てられながら、ある線からはクール。そこに一種のセンスが生まれるのかもしれません。約80点。

1996 東京国立近代美術館蔵

出品作家
伊村俊見 IMURA, Toshimi (1961- )
上原美智子 UEHARA, Michiko (1949- )
川口淳 KAWAGUCHI, Jun (1951- )
清水真由美 SHIMIZU, Mayumi (1970- )
高橋禎彦 TAKAHASHI, Yoshihiko (1958- )
高見澤英子 TAKAMIZAWA, Hideko (1969- )
田嶋悦子 TASHIMA, Etsuko (1959- )
築城則子 TSUIKI, Noriko (1952- )
新里明士 NIISATO, Akio (1977- )
ボディル・マンツ MANZ, Bodil (1943- )
ダンテ・マリオーニ MARIONI, Dante (1964- )

2003-4
イベント情報
アーティストトーク
- 9月19日(日)
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築城則子
- 9月26日(日)
-
川口淳
- 10月10日(日)
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清水真由美
- 10月31日(日)
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髙見澤英子
- 11月 7日(日)
-
高橋禎彦
- 11月28日(日)
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田嶋悦子
ギャラリートーク(当館研究員によるガイド)
10月17日(日)、11月14日(日)
タッチ&トーク(ボランティアによるガイド)
会期中の毎週水・土曜日
「さわってみようコーナー」で出品作家による参考作品や制作資料などを手にとってご覧いただいた後、会場で見どころやさまざまなエピソードをご紹介します。
◇ 各種トークはいずれも午後2時から工芸館会場にて
◇ 参加費は無料(入館に際しては観覧料が必要です)




人間国宝・巨匠コーナー
近代工芸やデザインを代表する作家を紹介するコーナーです。今回は黒田辰秋、平田郷陽、森口華弘、オットー・リンディッヒほか。
開催概要
- 会期
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2004年9月18日(土)~ 12月5日(日)
月曜日休館
但し、9月20日と10月11日は開館し、9月21日と10月12日は休館 - 開館時間
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午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 会場
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東京国立近代美術館工芸館
- 主催
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東京国立近代美術館
- お問い合せ
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電話03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.momat.go.jp/(東京国立近代美術館ホームページ) - 観覧料
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一般 650(550/450)円、
大学生350(250/200)円、
高校生200(150/100)円
小・中学生は無料( )内は前売りおよび20名以上の団体料金、消費税込み
* 東京国立近代美術館にて同時開催中の「近代日本の美術」もご覧いただけます
(但し、10月4日~8日は展示替のため休館)
* 11月3日(水・文化の日)は無料観覧日です