展覧会
工芸の力 21世紀の展望:開館30周年記念展 II
会期
会場
東京国立近代美術館工芸館
概要
現代の工芸は、長い歴史と伝統をふまえつつも、時代や社会の変化、さらには既存の造形芸術の影響を受けながら、工芸としての自立と拡張を目指して発展してきました。陶、ガラス、染織、漆、金属などの、いわゆる工芸の素材を出発点とした、その素材でしかつくり出すことができない造形世界を生み出す活動は、工芸の本質をあらためて問うとともに、さまざまな造形分野からも高い関心が寄せられています。
こうした工芸的なアプローチによる造形手法を「工芸的造形」と呼びますが、近年その活動はこれまでの工芸や美術の枠ではくくることのできない、その中間的な領域の作品を生み出し、新たな世界を構築しつつあります。それはまさに「工芸の力」であり、広い意味での現代美術を読み解くひとつのキーワードとして、これからの造形の世界でさらに注目されていくと思われます。
開館30周年を迎えた記念展 II では、こうした新しい造形を生み出す14名の作家の活動を通して21世紀の工芸世界を展望するとともに、その造形世界の魅力を紹介します。

作家紹介
猪倉髙志 IKURA Takashi
- 1962年
-
岐阜県生まれ
- 1989年
-
多治見市陶磁器意匠研究所修了
- 1990年
-
「朝日現代クラフト展」入選
- 2001年
-
「高岡クラフトコンペ」入選
- 2004年
-
「「土から陶へ」の造形展-Part1:美濃」(ギャラリー目黒陶芸館、三重)
- 2006年
-
「やきものの現在」展(ギャラリーヴォイス、岐阜)

北川宏人 KITAGAWA Hiroto
- 1967年
-
滋賀県生まれ
- 1989年
-
金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科彫刻専攻卒業
- 1998年
-
アカデミア美術学院カラーラ校彫刻科卒業
- 2003年
-
「NICAF」展(東京)
- 2005年
-
「もうひとつの楽園」展(金沢21世紀美術館、石川)

北村武資 KITAMURA Takeshi
- 1935年
-
京都府生まれ
- 1951年
-
中学校を卒業、京都西陣で製織業に従事
- 1965年
-
「第12回日本伝統工芸展」初出品
- 1995年
-
重要無形文化財「羅」の保持者に認定
- 2000年
-
重要無形文化財「経錦」の保持者に認定
- 2001年
-
「人間国宝 北村武資-織の美」展(群馬県立近代美術館)

塩谷良太 SHIOYA Ryota
- 1978年
-
東京都生まれ
- 2003年
-
多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻卒業
- 2004年
-
「第7回岡本太郎記念現代芸術大賞展」出品(川崎市岡本太郎美術館、神奈川)
- 2004年
-
「豚をはさむ機械の嘘」展(exhibit LIVE[laiv]、東京)
- 2005年
-
筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻総合造形分野修了
- 2007年
-
個展(貸しはらっぱ音地・gallery韋駄天、東京)

須田悦弘 SUDA Yoshihiro
- 1969年
-
山梨県生まれ
- 1992年
-
多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業
- 1993年
-
個展「銀座雑草論」(銀座1‐4丁目パーキングメーター、東京)
- 1997年
-
個展「間」(ギャラリー小柳、東京)
- 2005年
-
「アジアの潜在力 海と島が育んだ美術」展(愛知県美術館、愛知)
- 2006年
-
「三つの個展」(国立国際美術館、大阪);「須田悦弘展」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川)

高橋禎彦 TAKAHASHI Yoshihiko
- 1958年
-
東京都生まれ
- 1980年
-
多摩美術大学美術学部デザイン科立体デザイン専攻卒業後、立体デザイン専攻副手
- 1982年
-
グラスハウス・アム・ヴァサートゥルム工房(ドイツ)で制作
- 1985年
-
神奈川県相模原市津久井町に工房開設
- 1994年
-
「世界現代ガラス展」優秀賞受賞
- 1995年
-
多摩美術大学非常勤講師(~現在)
- 2004年
-
「非情のオブジェ:現代工芸の11人」展(東京国立近代美術館)

髙見澤英子 TAKAMIZAWA Hideko
- 1969年
-
埼玉県生まれ
- 1993年
-
多摩美術大学デザイン科立体デザイン専攻卒業
- 1995年
-
バーナー・ワークの仕事を始める
- 1999年
-
個展(taギャラリー、東京)
- 2004年
-
「非情のオブジェ:現代工芸の11人」展(東京国立近代美術館)

田口善明 TAGUCHI Yoshiaki
- 1958年
-
埼玉県生まれ
- 1985年
-
「第32回日本伝統工芸展」初入選
- 1993年
-
「第40回日本伝統工芸展」日本工芸会奨励賞受賞
- 1996年
-
「第43回日本伝統工芸展」東京都知事賞受賞
- 1997年
-
「第44回日本伝統工芸展」日本工芸会奨励賞受賞
- 2002年
-
「現代日本工芸展:素材と造形思考」(マレーシア・インドネシア)

中島晴美 NAKASHIMA Harumi
- 1950年
-
岐阜県生まれ
- 1973年
-
大阪芸術大学デザイン科陶芸専攻卒業
- 1996年
-
「現代陶芸の若き旗手たち」展(愛知県陶磁資料館)
- 2002年
-
「現代日本工芸展:素材と造形思考」(マレーシア・インドネシア)
- 2003年
-
個展(ギャラリー目黒陶芸館、三重)

橋本真之 HASHIMOTO Masayuki
- 1947年
-
埼玉県生まれ
- 1970年
-
東京藝術大学工芸科鍛金専攻卒業
- 2002年
-
「現代日本工芸展:素材と造形思考」(マレーシア・インドネシア)
- 2003年
-
「アーティスト・プロジェクト・1-成長する造形・橋本真之」展(埼玉県立近代美術館)
- 2005年
-
「アルス・ノーヴァー現代美術と工芸のはざまに」展(東京都現代美術館)
- 2007年
-
「<素材×技術>からフォルムへ―布と金属」(茨城県つくば美術館、茨城)

福本潮子 FUKUMOTO Shihoko
- 1945年
-
大阪府生まれ
- 1968年
-
京都市立美術大学西洋画科卒業
- 1987年
-
「第13回国際タピストリー・ビエンナーレ」(ローザンヌ州立美術館、スイス)[’89,’92]
- 2005年
-
個展(ロッテルダムワールドミュージアム、オランダ)
- 2006年
-
「日本の工芸」展(ベイソン・ギャラリー、イギリス)
- 2007年
-
「<素材×技術>からフォルムへ―布と金属」(茨城県つくば美術館、茨城)

前田昭博 MAETA Akihiro
- 1954年
-
鳥取県生まれ
- 1977年
-
大阪芸術大学工芸学科卒業
- 1997年
-
「MOA岡田茂吉賞展」優秀賞受賞
- 2003年
-
「第50回日本伝統工芸展」第50回展記念賞受賞
- 2003年
-
「京畿道世界陶磁ビエンナーレ」銅賞受賞(韓国)
- 2004年
-
日本陶磁協会賞受賞

三輪壽雪 MIWA Jusetsu
- 1910年
-
山口県生まれ
- 1967年
-
十一代休雪を襲名
- 1983年
-
重要無形文化財「萩焼」の保持者に認定
- 2003年
-
個展「十一代休雪改め 三輪壽雪 白心展」(日本橋三越、東京)
- 2004年
-
日本陶磁協会賞制定50年記念賞受賞
- 2006年
-
「萩焼の造形美 人間国宝 三輪壽雪の世界」(東京国立近代美術館ほか)

留守 玲 RUSU Aki
- 1976年
-
宮城県生まれ
- 2000年
-
多摩美術大学美術学部デザイン科立体デザイン専攻クラフトデザイン専修卒業
- 2002年
-
多摩美術大学大学院美術研究科修了後、同大学工芸学科金属プログラム助手(~’05)
- 2003年
-
個展(コンテンポラリーアートNIKI、東京)
- 2006年
-
個人工房設立
- 2007年
-
「<素材×技術>からフォルムへ―布と金属」(茨城県つくば美術館、茨城)

イベント情報
トーク・イベント (出品作家×研究員)
前田昭博×今井陽子
- 日程
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2007年12月16日(日)
- 時間
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14:00 ‐ 15:00
- 場所
-
工芸館会場
北川宏人×金子賢治
- 日程
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2008年1月13日(日)
- 時間
-
14:00 ‐ 15:00
- 場所
-
工芸館会場
橋本真之×唐澤昌宏
- 日程
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2008年1月20日(日)
- 時間
-
14:00 ‐ 15:00
- 場所
-
工芸館会場
留守 玲×北村仁美
- 日程
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2008年2月3日(日)
- 時間
-
14:00 ‐ 15:00
- 場所
-
工芸館会場
出品作家と当館研究員の対談です。
いずれも申込不要、聴講無料(ただし入館に際しチケットが必要)。
「タッチ&トーク」
工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム
- 日程
-
会期中の毎週水・土曜日
- 時間
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14:00 – 15:00
- 場所
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工芸館会場
参加無料(ただし入館に際しチケットが必要)。
※いづれも参加無料(一般の方・大学生は要観覧券)/申込不要
開催概要
- 会場
-
東京国立近代美術館 工芸館
- 会期
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2007年12月14日(金)~2008年2月17日(日)
- 開館時間
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10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
- 休館日
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月曜日(ただし12月24日、1月14日、2月11日は除く)
12月25日(火)、1月15日(火)、2月12日(火)
年末年始(12月29日~1月1日) - 観覧料
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一般300円(150円)、大学生180円(90円)、高校生90円(50円)
○中学生以下、65歳以上、キャンパスメンバーズ、「MOMATパスポート」、障害者手帳等をお持ちの方(付添者は原則1名まで)は無料。
○入館の際、学生証、障害者手帳等をご提示ください。
○( )は20名以上の団体料金。消費税込。 - 無料観覧日
-
1月2日(水)、1月6日(日)、2月3日(日)