展覧会

会期終了 企画展

ガラス★高橋禎彦展

会期

会場

東京国立近代美術館工芸館

概要

《花のような》 2004年

高橋禎彦(1958- )は多摩美術大学でガラス制作を学び、ドイツ・ラインバッハで研鑽を積みました。1985年神奈川県に工房設立、以後、個展やグループ展を中心に活動を展開し、現代を代表するガラス作家として国内外で高く評価されています。

これまで高橋は、キャスト(鋳造)や被せガラス、フューミング、サンドブラストなど、さまざまな技法を駆使してガラスの魅力を引き出してきました。しかし、なんといっても高橋の作品を特徴づけているのは、その高い技量と表現力で定評のある宙吹きによる制作ではないでしょうか。ふっくらとしたフォルムはいかにも軽やかで、ちょっと押したら変形しそうな滑らかな曲面でつくられています。でも実際の制作工程のなかでは、高温で溶けたガラスに触れることはできません。熱く、ドロドロとしたガラス種を金属の竿の先に巻き取り、少しずつ空気を吹き入れながらイメージをかたちにしていきますが、ガラスが冷え固まるまでの時間はごくわずか。ユニークで、見ているとウキウキするようなフォルムには、そんな制作工程のライブ感が息づいているのです。

このような高橋の仕事には、長らく戦後の工芸界で検証されてきた“器物vs.オブジェ”という図式は当てはまらないようです。一枚の皿や一個のコップを生みだす作業のなかで見出した造形の根源は、自由な創作にしっかりとした骨格を与え、枠組みに囚われない感性は、器のフォルムをより洗練させました。あるいは、形式による分類はもはや意味をなさないことを、高橋の挑戦は教えてくれているのかもしれません。
本展では高橋禎彦が手がけた1980年代から最新作までを並べ、工芸における造形思考の“進行形”をご紹介します。

(Photograph©Saiki Taku)

《うごくもの》 2004年
《花のような》 2004年

出品作品リスト

作品番号題名制作年素材・技法所蔵(無印は個人蔵)   
第1室
31997ホットワーク    
5‐1しっぽ1998ホットワーク    
5‐2しっぽ1998ホットワーク    
5‐3しっぽ1998ホットワーク    
6蜜のような1998ホットワーク、キャスト    
7‐2Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
7‐3Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
7‐4Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
7‐5Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
7‐6Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
7‐7Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
7‐8Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
7‐9Hollow Piece2000宙吹き、ホットワーク    
7‐10Hollow Piece2000宙吹き、ホットワーク    
8Wet Basket1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
9‐1うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐2うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐3うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐4うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐5うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐6うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐7うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐8うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐9うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐10うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐11うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐12うごくもの2000-2001宙吹き、色被せ    
9‐13うごくもの2000-2001宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
16‐13とろけること2011ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐14とろけること2011ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐15とろけること2011ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐16とろけること2011ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐17とろけること2011ホットワーク、色被せ、フューミング    
18‐1かんじること2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
18‐4かんじること2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
18‐5かんじること2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
19‐1白い取っ手の瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
20グレーの取っ手の瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
22‐1白い瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
22‐2白い瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
第2室
41997ホットワーク、エナメル焼付け、色被せ    
7‐1Hollow Piece1999ホットワーク、サンドブラスト、エナメル焼付け、研磨    
10‐2花のような2004宙吹き、色被せ    
10‐3花のような2004宙吹き、色被せ    
10‐4花のような2004宙吹き、色被せ    
10‐5花のような2004宙吹き、色被せ    
10‐6花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐7花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐8花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐9花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐10花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐11花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐12花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐13花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐14花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐15花のような2004宙吹き、色被せ当館蔵   
10‐16花のような2005宙吹き、色被せ    
11透明な器2002-2010宙吹き    
11‐1足付きグラス 宙吹き    
11‐2グラス 宙吹き    
11‐3コンポート 宙吹き    
11‐4 宙吹き    
11‐5ジャグ 宙吹き    
11‐6だいじなものケース 宙吹き    
11‐7注器 宙吹き    
11‐8とっくり 宙吹き    
11‐9 宙吹き    
17‐1うらがえし2011宙吹き、色被せ    
17‐2うらがえし2011宙吹き、色被せ、フューミング    
17‐3うらがえし2011宙吹き、色被せ、フューミング    
18‐3かんじること2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
19‐2白い取っ手の瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
19‐3白い取っ手の瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
19‐4白い取っ手の瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
21‐1白いドットの瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
21‐2白いドットの瓶2011宙吹き、エナメル焼付け、色被せ    
第3室
2‐2Arc1999宙吹き、キャスト、色被せ、サンドブラスト富山市   
9‐14うごくもの2004宙吹き当館蔵   
12浮かぶこと2004宙吹き、色被せ、サンドブラスト当館蔵   
13音のかけら2009ホットワーク、プレス    
14‐1さわれないもの2009宙吹き、プレス    
14‐2さわれないもの2009宙吹き    
14‐3さわれないもの2009宙吹き、色被せ    
14‐4さわれないもの2009宙吹き、色被せ    
14‐5さわれないもの2009宙吹き    
14‐6さわれないもの2009宙吹き、色被せ    
14‐7さわれないもの2009宙吹き、色被せ    
14‐8さわれないもの2009宙吹き、色被せ    
14‐9さわれないもの2009宙吹き、色被せ    
15‐1宝石2009ホットワーク、色被せ    
15‐2宝石2009ホットワーク、色被せ    
15‐3宝石2009ホットワーク、色被せ    
15‐4宝石2009ホットワーク、色被せ    
15‐5宝石2009ホットワーク、色被せ    
15‐6宝石2009ホットワーク、色被せ    
15‐7宝石2009ホットワーク    
16‐1とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐2とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐3とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐4とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐5とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐6とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐7とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐8とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐9とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐10とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐11とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
16‐12とろけること2010ホットワーク、色被せ、フューミング    
第5室
1‐1GS-01986真鍮、宙吹き、色被せ、フューミング当館蔵   
1‐2WG-01986真鍮、宙吹き、色被せ、フューミング当館蔵   
2‐1Arc1993宙吹き、鋳造、接着当館蔵   

同時開催 所蔵作品展 近代工芸の名品

作家名 生没年題名 制作年素材・技法所蔵
第4室
アクセル・ルーカス 1962‐無題むだい2000磁器 
家住利男いえずみ、 としお1954‐P.050901 2001板ガラス、接着、カット 
市野元和いちの、 もとかず1956‐丹波土部釉彩平鉢たんば どべ ゆうさい ひらばち1991陶器 
大村俊二おおむら、 しゅんじ1962‐流(Ryu) IXりゅう Ⅸ2001ガラス、宙吹き 
小椋範彦おぐら、 のりひこ1958‐乾漆割貝蒔絵飾箱 半夏生かんしつ わりがい まきえ かざりばこ はんげしょう1997漆、乾漆、蒔絵、螺鈿 
兼田昌尚かねた、 まさなお1953‐萩灰被刳貫花器はぎ はいかぶり くりぬき かき1995陶器 
狩野智宏かのう、 ともひろ1958‐Free Form 0005 1999ガラス、鋳造 
河辺由利かわなべ、 ゆり1956‐ネックピース Spikey Featherねっくぴーす1994真鍮、酸化着色 
北村純子きたむら、 じゅんこ1956‐無題むだい1998陶器 
古伏脇司こふしわき、 つかさ1961‐乾漆車箱 04-03かんしつ くるまばこ 04-032004漆、乾漆 
重松あゆみしげまつ、 あゆみ1958‐Parasite(やどりぎ) 1998陶器 
滝口和男たきぐち、 かずお1953‐無題むだい1989陶器 
畠山耕治はたけやま、 こうじ1956‐六つの面むっつ の めん2010青銅鋳造、焼色、銀箔*
藤田敏彰ふじた、 としあき1959‐MELT 1988漆、乾漆 
前田昭博まえた、 あきひろ1954‐白瓷面取壺はくじ めんとり つぼ1996磁器 
ルパート・スパイラ 1960‐白釉黒彩刻詩文深大皿はくゆう こくさい こくしもん ふかおおざら2003陶器 
ロゼリン・デリール 1952‐ 2003三連の形 38さんれん の かたち 381988磁器 
ロゼリン・デリール 1952‐ 2003三連の形 47さんれん の かたち 471988陶器 
前期 3月1日~4月10日 のみ展示
小宮康正こみや、 やすまさ1956‐突彫小紋 一二三連子つきぼり こもん ひふみ れんじ1987絹、型染 
築城則子ついき、 のりこ1952‐小倉縞木綿帯 丹心こくらじま もめん おび たんしん2004綿、織 
鈴田滋人すずた、 しげと1954‐木版摺更紗着物 藁塚くづし文もくはんずり さらさ きもの わらづか くづしもん1986絹、木版染、型染 
後期 4月12日~5月8日 のみ展示
小宮康正こみや、 やすまさ1956‐長板中形着尺 桜と絵柄蝶ながいた ちゅうがた きじゃく さくら と えがらちょう1988綿、型染 
築城則子ついき、 のりこ1952‐小倉縞木綿帯 分水嶺こくらじま もめんおび ぶんすいれい2004綿、織 
土屋順紀つちや、 よしのり1954‐紋紗着物 月光もんしゃ きもの げっこう2001絹、紋紗 
第5室
作家名 生没年題名 制作年素材・技法所蔵
川口淳かわぐち、 じゅん1951‐Box-Pandora 1994磁器、タタラ、色絵金彩 
川口淳かわぐち、 じゅん1951‐Box-Pandora 1994磁器、タタラ、色絵金彩 
川口淳かわぐち、 じゅん1951‐Box-Pandora 1994磁器、タタラ、色絵金彩 
川口淳かわぐち、 じゅん1951‐はこ1991磁土、アルミ板 
川崎毅かわさき、 つよし1942‐I-5 街I-5 まち2009陶器 
八代清水六兵衞はちだい きよみず、 ろくべい1954‐WAVE MOTION-88 1988半磁器 
須藤玲子すどう、 れいこ1953‐折り紙プリーツおりがみ ぷりーつ1997ポリエステル、型による手折、ヒートセット 
高見澤英子たかみざわ、 ひでこ1969‐DAPHNE 2001ガラス、バーナーワーク 
高見澤英子たかみざわ、 ひでこ1969‐DAPHNE 2001ガラス、バーナーワーク 
田嶋悦子たしま、 えつこ1959‐Cornucopia 02-XI 2002陶器、ガラス 
ダンテ・マリオーニ 1964‐ブルー・トリオぶるー・とりお1997ガラス、宙吹き 
中村ミナトなかむら、 みなと1947‐リング Joint 1994 
中村ミナトなかむら、 みなと1947‐リング Joint 1994 
中村ミナトなかむら、 みなと1947‐リング Out of Joint 1994 
藤田恵美ふじた、 えみ1962‐ガラスリングがらす りんぐ2005ガラス、鋳造 
藤田恵美ふじた、 えみ1962‐ガラスリングがらす りんぐ2005ガラス、鋳造 

同時開催 所蔵作品展 近代工芸の名品

国内外の染織、陶磁、ガラス、漆工、木竹工、金工等の工芸およびデザインに関する工芸館の所蔵作品中から、名品を選りすぐり展示いたします。

前田昭博
《白瓷面取壺》 1996年
アクセル・ルーカス
《無題》 2000年
田嶋悦子
《Cornucopia 02-XI》 2002年

カタログ情報

『ガラス★高橋禎彦展』
ショップにてカタログ好評発売中!

2011年刊行/A4変形版94ページ
価格 1,200円(税込)

イベント情報

アーティスト・トーク

■高橋 禎彦 ( 出品作家 )

日程

2011年3月6日(日)
2011年4月17日(日)

時間

14:00 ‐ 15:00

ギャラリートーク

■当館研究員によるギャラリー・トーク

当館研究員が鑑賞のポイントを分かりやすく解説します。

日程

2011年4月24日(日)

時間

14:00 ‐ 15:00

※申込不要、参加無料(要観覧券)。

■工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム「タッチ&トーク」

日程

会期中の毎週水・土曜日

時間

14:00 – 15:00

※申込不要、参加無料(要観覧券)。

当館の人気プログラム〈タッチ&トーク〉では、工芸館ガイドスタッフが展覧会のみどころやさまざまなエピソードをご紹介し、鑑賞のポイントを分かりやすく解説します。
〈タッチコーナー〉では、陶芸、漆芸、ガラス作品など、実際に工芸作品に触れていただく機会をもうけています。つるつる、ざらざら、軽い!など、目で見ただけではわからない重さや質感を体験いただけます。

★ Special Event ★

Touch&Talk: Tour with our English speaking staff

【事前申込制/Reservation required】

‘Touch’corner: a staff explains about the technique of Lacquerware.
Particitpants share their inspiration from the work in the gallery.

■March 19 (Sat. )
Starting at 15:30  (until about 16:30)

Due to the earthquake/tusnami catastrophy in Japan the Touch&Talk on March 19th is cancelled.

■April 16 (Sat. )
Starting at 13:00  (until about 14:00)

‘Touch and Talk’, a special event related to the exhibition “TAKAHASHI YOSHIHIKO GOES TO THE GLASS.”In this event, participants can take a close look at works of some renowned artists including Takahashi’s works, and view the materials and techniques used in the ‘Touch’ section. The ‘Talk’ part will give interesting information about certain art pieces of the exhibition.Limited to 20 persons per ‘Touch&Talk.’

日本人の方のご参加もお待ちしています

This event is free of charge for visitors of “TAKAHASHI YOSHIHIKO GOES TO THE GLASS” exhibition.

■Reservation / Information:
cg-edu#momat.go.jp(E-mail) or 03-3211-7783(FAX.)
*Please change “#” in the mail address into “@” and transmit.

開催概要

会場

東京国立近代美術館 工芸館

会期

2011年3月1日(火)~5月8日(日)

開館時間

10:00-17:00
(入館は閉館30分前まで)

休館日

月曜日(3月21日(月・祝)、3月28日、4月4日、5月2日は開館)、3月22日(火)

観覧料

一般200円(100円) 大学生70円(40円)
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。

高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢のわかるもの、障害者手帳をご提示ください。

※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご覧いただけます。
キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。

無料観覧日

3月6日(日)、4月3日(日)、5月1日(日)

主催

東京国立近代美術館

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