展覧会

会期終了 コレクションによる小企画

美術と印刷物─1960−70年代を中心に コレクションを中心とした小企画 

会期

会場

東京国立近代美術館本館ギャラリー4

概要

美術館が収集・保管するものは、コレクションとして扱われる作品だけではありません。図書館機能によって集められた、膨大な数の書籍・雑誌・カタログ・パンフレット・DMなどの印刷物も眠っているのです。展示を前提とする作品と比べて人目に触れる機会の少ないこれらの資料体に焦点を当ててみようというのが本展の目的です。

注目したのは1960年代から70年代。なぜならこの時期に、美術作品と印刷物との境界が揺らぎ、両者が重なり合うような実験的な試みが集中して生まれたからです。

既存の絵画や彫刻を中心とした美術を否定し、アイディアやプロセス等に重きを置く芸術を推し進めた作家たちは、美術を成り立たせてきた展覧会や美術館、画廊という諸制度に代わる表現媒体として、印刷物に新たな可能性を見出したのです。

この展覧会は、東京国立近代美術館と国立新美術館のアートライブラリ収蔵の資料から約300点を選び出し、それを会期中数度の組み替えを行って様々な角度から検証することで、60-70年代に印刷物というメディアに託された表現者の「自由」を考察するものです。

photo | Nakagawa Shu, design | Mori Daishiro

イベント情報

「美術と印刷物」 関連トークイベント

「美術と印刷物」と印刷物

日程: 2014年8月24日(日)
時間: 16:00-17:00
場所: ギャラリー4(2階)

*参加費無料、申込不要、要観覧券

会期の折り返し地点となる第2期(part.2)の最終日、4名のゲストを迎えてトークイベントを開催します。デザイナー、編集者、アーキヴィスト、キュレーター がそれぞれの視点から、印刷物の設計・制作プロセス、ポストモダニズム期における印刷技術=複製技術への関心、印刷物の展示的価値などを切り口に、美術/印刷物をめぐるさまざまな問題について語り合います。

出演
上崎千(慶應義塾大学アート・センター所員/アーカイヴ理論)
木村稔将(グラフィックデザイナー)
古賀稔章(編集者)
森大志郎(グラフィックデザイナー)

鈴木勝雄(当館主任研究員)
三輪健仁(当館主任研究員)

1.Burning Small Fires を分析する

日程: 2014年10月10日(金)
時間: 18:30-20:00
場所: ギャラリー4(2階)

*参加費無料、申込不要、要観覧券

通常、印刷物を見るとき、私たちは何を見ているのだろうか? ブルース・ナウマンが1968年に制作した印刷物に何を見るのか? その制作プロセスの解読からはじめ、それがもつ特質を探り出し、他の印刷物との違いについて議論します。

出演
木村稔将(グラフィックデザイナー)
森大志郎(グラフィックデザイナー)

2.巡る世界の静止の点に

日程: 2014年10月11日(土)
時間: 15:30-17:00
場所: ギャラリー4(2階)

*参加費無料、申込不要、要観覧券

1冊の印刷物と書店で出会う。それは読書体験の出発点であり、そこからひとりひとりの読者と印刷物との対話の時間が始まる。読者は印刷物を介して、作家の言葉や作中人物の声に耳を傾け、彼らと時間や場所を飛びこえた会合を果たす。その出会いは個々の記憶の中にだけ、秘かに小さな足跡を残す。
20歳のときにアメリカに渡り、NYのプリンテッドマターに勤務しながら自身の作家活動を開始し、帰国後は青山のユトレヒトやTHE TOKYO ART BOOK FAIRのスタッフとしても活動しながら創作を続けるミヤギフトシ。アメリカと日本、それぞれの場所で経験してきた印刷物との出会い、彼自身のつくる印刷物のなかに綴じ込まれた過去の記憶や時間の連鎖。美術と印刷物の過去と現在について、個人的な視点を入口に語り合います。

出演
ミヤギフトシ(美術家)
古賀稔章(編集者)

3.「サイズ」を測る/観察する

日程: 2014年10月25日(土)
時間: 15:30-17:00
場所: ギャラリー4(2階)

*参加費無料、申込不要、要観覧券

紙の工業規格、印刷時の紙取り、流通に適した寸法など、印刷物に与えられた「サイズ」に焦点を当てます。本展から複数の事例を挙げ、印刷物とサイズの関係性について議論します。

出演
木村稔将(グラフィックデザイナー)
森大志郎(グラフィックデザイナー)

4.「『美術と印刷物』と印刷物」と印刷物

日程: 2014年10月31日(金)
時間: 18:30-20:00
場所: ギャラリー4(2階)

*参加費無料、申込不要、要観覧券

印刷物は芸術のミュージアム的な在り方(コレクションや展覧会の構成要素としての芸術の在り方)の外部を、さらに芸術の「作品」としての在り方の外部を拡張してきました。しかしそのような〈外部〉がいま、ミュージアムの一室に展示されています。かつてロバート・スミッソンが印刷物に見ていた「脱分化 dedifferentiation」というコンセプトを道具立てに、当該展示を批判的に検証します。

出演
平倉圭(横浜国立大学准教授/芸術理論)
上崎千(慶應義塾大学アー ト・センター所員/アーカイヴ理論)

クロージング・イベント|印刷物、残りのものたち

日程: 2014年11月1日(土)
時間: 15:00-16:30
場所: ギャラリー4(2階)

*参加費無料、申込不要、要観覧券

4名のゲストを迎えクロージング・イベントを開催します。第4期の展示では、行為やイベントといった一過性の表現と、その記録としての印刷物がテーマになっています。当館で2012年に開催されたイベント「14の夕べ」の記録印刷物である『ドキュメント|14の夕べ…』などを参照点に、デザイナー、編集者、アーキヴィスト、キュレーターが出来事と印刷物をめぐる問題や、本展それ自体の印刷物の構想について語り合います。

出演
上崎千(慶應義塾大学アート・センター所員/アーカイヴ理論)
木村稔将(グラフィックデザイナー)
古賀稔章(編集者)
森大志郎(グラフィックデザイナー)

鈴木勝雄(当館主任研究員)
三輪健仁(当館主任研究員)

開催概要

会場

東京国立近代美術館 ギャラリー4

会期

2014年6月7日(土)~11月3日(月)

1 期 : 6月7日(土)~7月13日(日)
2 期 : 7月15日(火)~8月24日(日)
3 期 : 8月30日(土)~9月28日(日)
4 期 : 9月30日(火)~11月3日(月・祝)

*会期途中、展示の入れ替え作業を行います。

開館時間

10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)

  • 入館は閉館30分前まで
休館日

月曜日(ただし7月21日、9月15日、10月13日、11月3日は開館)、7月22日(火)、展示替期間(8月25日(月)~8月29日(金))、9月16日(火)、10月14日(火)

観覧料

一般 430円 (220円)
大学生 130円 (70円)

  • 高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
  • それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。
  • ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
  • お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。
  • キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。
  • 本展の観覧料で、当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご観覧いただけます。
無料観覧日

7月6日(日)、8月3日(日)、9月7日(日)、10月5日(日)、11月2日(日)、11月3日(月・祝)

主催

東京国立近代美術館

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