心象工芸展の検索結果
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心象工芸展
展覧会について 絵画や彫刻作品は、描かれているモチーフや色合い、その制作された背景、または制作した画家や彫刻家の歴史を知ることでより深い感動や共感を覚え、楽しめるにもかかわらず、工芸作品は見どころや見方がわからないという声を耳にすることがあります。確かに工芸は素材に対する深い理解とそれに伴う技術で表現されているので「何が表現されているのか」といったことよりも「どのようにこの作品が制作されているのか」といった点に注目が集まりがちかもしれません。しかし実際には多くの工芸家が自身の心象や社会とのかかわりといったモチーフにも重点を置いて制作しています。 本展では、現代の表現を提示する6名の作家の作品を展示します。刺繍の沖潤子は生命の痕跡を刻み込む作業として布に針目を重ねた作品を、ガラスの佐々木類は土地と自然の記憶を留める作品を、金工の髙橋賢悟は現代における「死生観」と「再生」をテーマにした作品を制作しています。また金工の人間国宝である中川衛は伝統工芸の世界で各国の風景を抽象模様化した作品を、漆芸の中田真裕は心奪われた一瞬の光景を共有するための作品を、陶芸の松永圭太は自身の原風景と時間を留める地層を重ねモチーフにして作品を制作しています。この機会に、工芸家それぞれの技術だけでなく今を生きる作家としての彼らの心の表現をご覧ください。 沖潤子 《水蜜桃》2020年 個人蔵撮影:木奥惠三 展覧会の構成 展覧会のポイント 心に寄り添いながら、 工芸の見方を再発見 素材と技術から工芸を読み解くだけではなく、作家の個人的な創作背景や感情に注目することで没入感のある新しい鑑賞体験を生み出します。 佐々木類《植物の記憶/うつろい(如月)》 2024年 作家蔵撮影:野村知也 松永圭太 《蛻》2024年 作家蔵撮影:野村知也 世界でも評価される日本工芸の最前線を知る 工芸や現代美術の領域で国際的に活躍する6名の作家が集います。作家たちの代表作や最新作に込められた、柔軟な発想と伝統への敬意を感じ取ることができるでしょう。 中川衛 《象嵌朧銀花器「荒磯波」》2023年 作家蔵撮影:野村知也 中田真裕 《Spotlight》2022年 個人蔵撮影:野村知也 幅広い分野の作品展示と大胆な会場空間を実現! 刺繍、漆芸、陶芸、ガラス、金工と幅広い分野の作品が本展で展示されます。その特色を活かし、展示空間を作家ごとのイメージで統一するなど深みのある会場を作り上げます。 髙橋賢悟 《還る》2024年 個人蔵撮影:野村知也 開催概要 国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2) 2024年9月6日(金)- 12月1日(日) 月曜日(ただし9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日、24日、10月15日、11月5日 午前9時30分-午後5時30分※入館時間は閉館30分前まで 国立工芸館 北國新聞社 観覧料
心象工芸展 関連イベント 実演+トークショー「景色を作品にこめる」
心象工芸展出品作家の中田真裕氏をお招きし、「景色を作品にこめる」 をテーマに実演していただきながらお話を伺います。※ご好評により定員に達しましたので、募集は終了いたしました。 中田真裕撮影:Yu Kadowaki プログラム概要 2024年9月28日(土) 午後1時30分~午後3時 国立工芸館 多目的室 中田真裕氏(漆芸作家) 岩井美恵子(国立工芸館工芸課長、本展企画者) 45名(要申込み・先着順) 無料(要観覧券) Peatix 登壇者プロフィール 中田真裕(漆芸作家)1982年北海道生まれ。2017年香川県漆芸研究所修了。2021年金沢卯辰山工芸工房修了。現在は金沢市を拠点とする。香川県で漆芸の技法である蒟醤に出会う。光沢の中に複雑な模様が浮かび上がる蒟醤の美質を活かした作品は、鑑賞者に抽象的な景色を想起させる。2019年にロエベ ファンデーション クラフト プライズ 2019 ファイナリスト、第4回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 大樋陶冶斎審査員特別賞を受賞。 中田真裕 《Spotlight》 2022年 個人蔵撮影:野村知也
心象工芸展 関連イベント トークショー「土地との関わり」
心象工芸展出品作家の佐々木類氏、松永圭太氏のお二人をお招きし、「土地との関わり」 をテーマにお話を伺います。※ご好評により定員に達しましたので、募集は終了いたしました。 佐々木類画像提供:ブルズアイガラス社 撮影:Hanmi Meyer 松永圭太撮影:野村知也 プログラム概要 2024年10月5日(土) 午後1時30分~午後3時 国立工芸館 多目的室 佐々木類氏(ガラス作家/アーティスト)松永圭太氏(陶芸作家) 岩井美恵子(国立工芸館工芸課長、本展企画者) 45名(要申込み・先着順) 無料(要観覧券) Peatix 登壇者プロフィール 佐々木類(美術作家)1984年高知県生まれ。2010年ロードアイランドスクールオブデザインガラス科修士課程修了。現在は金沢市内で制作。佐々木は採取した植物をガラスに挟み、焼き上げて灰にすることで、その姿を作品の中に封じ込める。四季に息づく植物は土地の記憶でもあり、見るものの郷愁を誘う。2019年にRakow Commission Award 2018 大賞(コーニングガラス美術館、ニューヨーク、アメリカ)、2021年に富山ガラス大賞展2021 大賞、2022年に国際ガラス展・金沢2022 銀賞と立て続けに受賞。 佐々木類 《植物の記憶/うつろい(如月)》 2024年 作家蔵撮影:野村知也 松永圭太(陶芸作家)1986年岐阜県生まれ。2010年名城大学建築学科卒業。2013年多治見市陶磁器意匠研究所修了。2016年金沢卯辰山工芸工房修了。現在は土岐市にて制作。液状になった泥漿と呼ばれる粘土を型に流し込む鋳込み成型を用いる。作品は地層を思わせる粗い風合いを持つが、それは松永の作品が長い年月をかけて堆積した土に根差した芸術であることを示している。近年はアメリカで定期的に展覧会を開催するなど、活動の幅を広げている。 松永圭太 《蛻》 2024年 作家蔵撮影:野村知也
心象工芸展 関連イベント トークショー「私小説を表現すること」
心象工芸展出品作家の沖潤子氏、髙橋賢悟氏のお二人をお招きし、「私小説を表現すること」 をテーマにお話を伺います。※ご好評により定員に達しましたので、募集は終了いたしました。 沖潤子 髙橋賢悟撮影:橋本憲一 2024年9月7日(土)午後1時30分〜午後3時 国立工芸館 多目的室 沖潤子氏(美術作家) 髙橋賢悟氏(鋳金作家) 岩井美恵子(国立工芸館工芸課長、本展企画者) 45名(要申込み・先着順) 無料(要観覧券) Peatix 登壇者プロフィール 沖潤子(美術作家)1963年埼玉県生まれ。1991年セツモードセミナー卒業。現在は鎌倉市を拠点に制作している。裁縫が得意だった母の遺した道具と布にインスピレーションを受けて、独学で作家活動を始める。古布や異素材を縫い合わせる刺繍表現は、記憶の重なりや感情の高まりを呼び起こす。主な展覧会に「沖潤子 さらけでるもの」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、神奈川、2022年)、「anthology」(山口県立萩美術館・浦上記念館、山口、2020年)など。 沖潤子 《水蜜桃》 2020年 個人蔵 撮影:木奥惠三 髙橋賢悟(鋳金作家)1982年鹿児島県生まれ。2022年東京藝術大学美術学部工芸科鋳金研究室博士課程修了。川口市に工房を構える。2011年の東日本大震災をきっかけに動物の頭蓋骨に小花を加飾した〈flower funeral〉シリーズの制作をはじめる。精密な造形が可能なアルミの真空加圧鋳造という技術を用いて、「死と再生」をテーマに生命の尊厳を表現する。「驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ」(三井記念美術館、東京、2017年 ほか各地を巡回)の選出を皮切りに、数多くの美術館での展覧会に参加。 髙橋賢悟 《還る》 2024年 個人蔵 撮影:野村知也
【工芸トークオンライン】2024年10月
工芸トークオンラインは高精細画像を見ながら対話を通して鑑賞を深めるプログラムです。国立工芸館の所蔵作品の中から心象工芸展にちなんだ秋らしい作品1点を参加者の皆さんとじっくり味わいます。 プログラム概要 10月15日(火)11:0010月16日(水)14:0010月22日(火)14:0010月26日(土)11:00 無料 各回6名程度 zoomミーティング
実演+トークショー「記憶や思い出の中の風景を可視化すること」
心象工芸展出品作家の中川衛氏をお招きし、「記憶や思い出の中の風景を可視化すること」をテーマに実演していただきながらお話を伺います。※ご好評により定員に達しましたので、募集は終了いたしました。 中川衛 《象嵌朧銀花器「荒磯波」》2023年 作家蔵 撮影:野村知也 中川衛 《金銀象嵌「翡翠置物」》 2017年 作家蔵 撮影:野村知也 2024年9月21日(土)13:30~15:00 国立工芸館 多目的室 中川衛氏(重要無形文化財「彫金」保持者) 45名(要申込・先着順) 無料 兼六園周辺文化の森等活性化推進実行委員会 兼六園周辺文化の森等活性化推進実行委員会(石川県文化振興課内)TEL:076-225-1371(平日9:00~17:00) 講師プロフィール 中川衛 氏(重要無形文化財「彫金」保持者)金工作家1947年石川県生まれ。1971年金沢美術工芸大学産業美術学科卒業。大学卒業後は松下電工株式会社(現・パナソニック株式会社)にプロダクトデザイナーとして就職。27歳で金沢に戻り、加賀象嵌に魅了されて彫金の道へ入る。高橋介州に師事。2004年に戦後生まれとしては初となる重要無形文化財「彫金」保持者に認定される。中川が注ぐ風景へのまなざしは、象嵌の精緻な彫り込みによって普遍的な情景となり、国境を越えて人々の心を打つ本展では、「重ね象嵌」に本格的に取り組んだ記念碑的な作品から最新作までを展示する。