展覧会

会期終了 所蔵作品展

近代工芸の名品--花 : 所蔵作品展

会期

会場

東京国立近代美術館工芸館

概要

加藤土師萌《萌葱金襴手丸筥》1958年

花は、人の心をなぐさめ、また浮き浮きとした気分を呼び起こします。そんな花の可憐な姿を、日本では昔から身のまわりのものに表し、四季のうつろいを楽しんできました。工芸の世界では、花からインスピレーションを得た作品を今なお多数見出します。伝統的モチーフを継承した例も少なくありませんが、過去には振り向きもされなかったような路傍の花々にも、今日では作家の真摯な視線が注がれるようになりました。工芸の近代を概観すると、花を題材とする新しい文様の創出という角度から、作家としての自覚を深めていこうとする試みさえあるほどです。

田嶋悦子《Cornucopia 97-V》1997年

出品作品リスト

作家名 生-没年 題名 よみがな 制作年 材質・技法 所蔵(空欄=当館蔵)
展示室1
伊砂利彦 1924- きもの ドビュッシー前奏曲集花火のイメージより きもの どびゅっしー ぜんそうきょくしゅう はなび の いめーじ より 1985年 絹、型染
釜我敏子 1938- 型絵染着物 風蝶草 かたえぞめ きもの ふうちょうそう 1987年 絹、型染
鎌倉芳太郎 1898-1983 紺地印金朧型梅花文長着 こんじ いんきん おぼろがた ばいかもん ながぎ 1962年 絹、型染、印金
木村雨山 1891-1977 縮緬地友禅梅文訪問着 ちりめんじ ゆうぜん うめもん ほうもんぎ 1966年 絹、友禅
佐々木苑子 1939- 絵絣紬着物 風の香 えがすり つむぎ きもの かぜ の こう 2005年 絹、織 個人蔵
志村ふくみ 1924- 紬織振袖 暈し段 つむぎおり ふりそで ぼかしだん 1978年 絹、織
重要無形文化財久留米絣技術保持者会 久留米絣白中柄単衣 花菱文 くるめ かすり しろなかがら ひとえ はなびしもん 1958年 綿、絣
鈴田照次 1916-1981 木版摺更紗着物 花文 もくはんずり さらさ きもの かもん 1979年 絹、木版染、型染
芹沢銈介 1895-1984 紬地型絵染華字文のれん つむぎじ かたえぞめ かじもん のれん 1960年 絹、型染
宗廣力三 1914-1989 節絹織着物 花心 ふしぎぬおり きもの かしん 1979年 絹、織
森口華弘 1909-2008 古代縮緬地友禅訪問着 早春 こだい ちりめんじ ゆうぜん ほうもんぎ そうしゅん 1955年 絹、友禅
森口華弘 1909-2008 縮緬地友禅花丸文着物 薫影 ちりめんじ ゆうぜん はなまるもん きもの くんえい 1959年 絹、友禅
森口華弘 1909-2008 上代紬地友禅菊華文訪問着 じょうだい つむぎじ ゆうぜん きっかもん ほうもんぎ 1960年 絹、友禅
展示室2
藤田恵美 1962- ガラスリング がらす りんぐ 2005年 ガラス、鋳造
大木秀春 1895-1968 想花束髪差 そうかたばね かんざし 1918-43年頃
大木秀春 1895-1968 梅花髪飾 ばいか かみかざり 1918-43年頃 銀、金
大木秀春 1895-1968 想花玉虫装塡胸飾 そうか たまむし そうてん むねかざり 1918-43年頃 銀、玉虫
大木秀春 1895-1968 紫陽花衿飾 あじさい えりかざり 1918-43年頃 銀、金消
大木秀春 1895-1968 梅帯留 うめ おびどめ 1935年頃 朧銀
大木秀春 1895-1968 蘭帯留 らん おびどめ 1935年頃 真鍮
大木秀春 1895-1968 蘭帯留 らん おびどめ 1944-68年頃
大木秀春 1895-1968 菊帯留 きく おびどめ 1944-68年頃
佐々木象堂 1882-1961 蠟型鋳銀置物 蕾 ろうがた ちゅうぎん おきもの つぼみ 1961年 銀、蠟型鋳造
三代宮田藍堂(宏平) 1926-2007 蠟型鋳金装身具 花の宴 ろうがた ちゅうきん そうしんぐ はなのえん 1977年 金、蠟型鋳造
鹿児島寿蔵 1898-1982 紙塑人形 延寿雛 しそ にんぎょう えんじゅびな 1957年 紙塑
鹿児島寿蔵 1898-1982 紙塑人形 地久 しそ にんぎょう ちきゅう 1961年 紙塑
鹿児島寿蔵 1898-1982 紙塑人形 なかよし しそ にんぎょう なかよし 1963年 紙塑
川上南甫 1898-1980 桃一枝 もも ひとえだ 1965年 紙、桐塑
川上南甫 1898-1980 うららか うららか 1974年頃 紙、桐塑
小松康城 1915-1979 木彫布貼人形 捲髪 もくちょう ぬのはり にんぎょう かんぷう 1966年 桐、布、木彫
五味文郎 1911-1980 紅梅 こうばい 1946年 木目込
平田郷陽 1903-1981 桜梅の少将 おうばい の しょうしょう 1936年 桐、木彫、着せつけ
堀柳女 1897-1984 供花 きょうか 1956年 桐、木彫、木目込
堀柳女 1897-1984 とろ 1957年 桐、木彫、木目込
喜多川平朗 1898-1988 紅地菱花鳥文倭錦 くれないじ ひしかちょうもん やまとにしき 1959年 絹、錦
喜多川平朗 1898-1988 紅地鳥蝶唐花文錦 くれないじ とり ちょう からはなもん にしき 1960年 絹、錦
喜多川平朗 1898-1988 黄地牡丹文倭錦 きじ ぼたんもん やまとにしき 1960年 絹、錦
喜多川平朗 1898-1988 打掛唐織萌黄地牡丹文 うちかけ からおり もえぎじ ぼたんもん 1963年 絹、唐織
喜多川平朗 1898-1988 斑金錦牡丹唐草文帯 はんきん にしき ぼたん からくさもん おび 1971年 絹、錦
北村武資 1935- 亀甲花文経錦着尺 きっこう はなもん たてにしき きじゃく 1983年 絹、経錦
北村武資 1935- 六耀梅文羅金裂地 りくよう うめもん らきん きれじ 1997年 絹、羅金
古賀フミ 1927- 佐賀錦松皮菱文帯 春匂う さがにしき まつかわびしもん おび はるにおう 1978年 絹、紙、佐賀錦
福本繁樹 1946- 花信風 ’91-A、B かしんふう ’91-A、B 1991年 綿、型染、蠟染
藤井達吉 1881-1964 草花図屏風 そうかず びょうぶ 1916-20年頃
展示室3
金森宗七 1821-1892 花鳥文様象耳付大花瓶 かちょう もんよう ぞうみみつき だいかびん 1892年頃 登録美術品
駒井音次郎 1842-1917 鉄地金銀象嵌人物図大飾皿 てつじ きんぎん ぞうがん じんぶつず おおかざりざら 1876-85年頃 登録美術品
佐々木象堂 1882-1961 蠟型鋳銅置物 采花 ろうがた ちゅうどう おきもの さいか 1959年 青銅、蠟型鋳造
中杉与三七 1853-1931 黄銅製竹林観音彫花瓶 おうどうせい ちくりん かんのん ほり かびん 1890年 黄銅 登録美術品
西村敏彦 1889-1947 銅槌起七宝唐草文巻葉入 どうついき しっぽう からくさもん まきはいれ 1926-45年頃 銅、七宝
西村敏彦 1889-1947 胡桃鉢 くるみ ばち 1929年 青銅、鋳造
信田洋 1902-1990 花形鈕青磁香炉 はながた つまみ せいじ こうろ 1940年 青銅、磁器
山川孝次 1828-1882 金銀象嵌環付花瓶 きんぎん ぞうがん かんつき かびん 1877年頃 登録美術品
クリストファー・ドレッサー 1834-1904 ガーデン・チェア がーでん ちぇあ 1867年 鉄、鋳造
クリストファー・ドレッサー 1834-1904 傘立て かさたて 1875年頃 鉄、エナメル塗装
クリストファー・ドレッサー 1834-1904 草花模様染カーテン布 そうかもようぞめ かーてん ぬの 1890年代 プリント
磯矢阿伎良 1904-1987 花文棚 はなもん たな 1930年 漆、蒔絵
磯矢阿伎良 1904-1987 はないかだ文様長手文庫 はないかだもんよう ながて ぶんこ 1934年 漆、蒔絵
黒田辰秋 1904-1982 赤漆彫花文箱 あかうるし ちょうかもん はこ 1935年頃
広川松五郎 1889-1952 錆うるし手文庫 花束 さびうるし てぶんこ はなたば 1929年
板谷波山 1872-1963 霙青磁牡丹彫文花瓶 みぞれせいじ ぼたん ちょうもん かびん 1925年 磁器
板谷波山 1872-1963 彩磁延寿文水指 さいじ えんじゅもん みずさし 1942年 磁器
七代錦光山宗兵衛 1868-1927 上絵金彩花鳥図蓋付飾壺 うわえ きんさい かちょうず ふたつき かざりつぼ 1884-97年頃 陶器
富本憲吉 1886-1963 飾皿図 うつむき咲く薊 かざりざら ず うつむきさく あざみ 1933年 紙本墨画、軸装
富本憲吉 1886-1963 色絵薊文角鉢 いろえ あざみもん かくばち 1938年 磁器
初代永澤永信 1861-1919 白磁籠目花鳥貼付飾壺 はくじ かごめ かちょう はりつけ かざりつぼ 1877年頃 磁器 個人蔵
初代宮川香山 1842-1916 鳩桜花図高浮彫花瓶 きゅうおうかず たかうきぼり かびん 1871-82年頃 陶器
初代宮川香山 1842-1916 色入菖蒲図花瓶 いろいり しょうぶず かびん 1897-1912年頃 磁器
展示室4
江里佐代子 1945-2007 截金六角組飾筥 六花集香 きりかね ろっかく くみ かざりばこ ろっかしゅうこう 1992年 木、金属箔、截金
音丸耕堂 1898-1997 彫漆薺文茶入 ちょうしつ なずなもん ちゃいれ 1959年頃 漆、彫漆
音丸耕堂 1898-1997 彫漆銀連糸茶入 ちょうしつ ぎんれんし ちゃいれ 1963年 漆、彫漆
田口善国 1923-1998 水仙蒔絵硯筥 すいせん まきえ すずりばこ 1946年 漆、蒔絵
田口善国 1923-1998 カサブランカ蒔絵飾箱 かさぶらんか まきえ かざりばこ 1994年 漆、蒔絵、螺鈿
寺井直次 1912-1998 金胎蒔絵水指 春 きんたい まきえ みずさし はる 1976年 漆、金胎、蒔絵、卵殻
増村益城 1910-1996 乾漆根来梅花蓋物 かんしつ ねごろ ばいか ふたもの 1972年 漆、乾漆
松田権六 1896-1986 蒔絵桜鳥平卓 まきえ さくらとり ひらしょく 1956年 漆、蒔絵、平文
松田権六 1896-1986 螺鈿桜文椀 らでん さくらもん わん 1966年 漆、螺鈿
生野祥雲斎 1904-1974 白竹通筒花入 しろたけ かよいづつ はないれ 1966年
十二代今泉今右衛門 1897-1975 色鍋島有職文花瓶 いろなべしま ゆうそくもん かびん 1966年 磁器
十三代今泉今右衛門 1926-2001 色鍋島薄墨草花文鉢 いろなべしま うすずみ そうかもん はち 1978年 磁器
十三代今泉今右衛門 1926-2001 色鍋島薄墨石竹文鉢 いろなべしま うすずみ せきちくもん はち 1982年 磁器
上瀧勝治 1941- 葆光布染彩磁壺 ほこう ぬのぞめ さいじ つぼ 1988年 磁器
加藤土師萌 1900-1968 萌葱金襴手丸筥 もえぎ きんらんで まるばこ 1958年 磁器
楠部彌弌 1897-1984 彩埏花瓶 夏日 さいえん かびん かじつ 1976年 磁器
田村耕一 1918-1987 鉄釉蠟抜梅文大皿 てつゆう ろうぬき うめもん おおざら 1960年 陶器
田村耕一 1918-1987 白泥椿文壺 はくでい つばきもん つぼ 1969年 陶器
塚本快示 1912-1990 白磁輪花皿 はくじ りんかざら 1982年 磁器
富本憲吉 1886-1963 色絵金銀彩四弁花文八角飾箱 いろえ きんぎんさい しべんかもん はっかく かざりばこ 1955年 磁器
宮下善寿 1901-1988 白彩梅文花瓶 はくさい うめもん かびん 1955年 磁器
大坂弘道 1937- 紅木紫檀八角経筒 こうき したん はっかく きょうづつ 1987年 紫檀、指物、象嵌 個人蔵
大坂弘道 1937- 黒柿蘇芳染拭漆宝相華文嵌荘箱 西華 くろがき すおうぞめ ふきうるし ほうそうげもん がんそうはこ せいか 2007年 黒柿、指物、象嵌 個人蔵
中臺瑞真 1912-2002 輪花盛器 りんか もりき 1981年 桐、刳物
井尾敏雄 1908-1994 鍛鉄水注 たんてつ すいちゅう 1966年 鉄、鍛造
展示室5
石井康治 1946-1996 彩花文器 宴 さいかもんき うたげ 1994年 ガラス、宙吹き
高橋禎彦 1958- 花のような はな の ような 2004年 ガラス、宙吹き、色被せ
ダン・デイリー 1947- 花のような女 はなのような ひと 1989年 ガラス、宙吹き
藤田喬平 1921-2004 飾筥 菖蒲 かざりばこ しょうぶ 1973年 ガラス、型吹き
藤田喬平 1921-2004 飾筥 夜桜 かざりばこ よざくら 1996年 ガラス、型吹き
越智健三 1929-1981 平らな花器 たいらな かき 1961年 鉄、鍛造
槻尾宗一 1915-1992 鉄花器 てつ かき 1954年
内藤春治 1895-1979 壁面花挿 へきめん はなさし 1929年 青銅、鋳造
黒澤千春 1949-2008 彩漆裂罅箔屏風 華の舞 さいしつ れっけはく びょうぶ はなのまい 1991年 漆、金箔
高橋節郎 1914-2007 陽春賦 ようしゅんふ 1985年 漆、沈金
北村純子 1956- 無題 むだい 1998年 陶器
田嶋悦子 1959- Cornucopia 97-V こるぬこぴあ 97-V 1997年 陶器、ガラス
三代徳田八十吉 1933-2009 燿彩華文鉢 ようさい はなもん はち 1991年 磁器
松井康成 1927-2003 晴白練上大壺 せいはく ねりあげ おおつぼ 1989年 陶器

ここが見どころ

工芸館では、2004年から春の花の季節に合わせて、“花”をテーマにした所蔵作品展を企画し、これまでに「人間国宝の花」(2005年)、「花より工芸」(2006年)、「花と人形」(2008年)など、さまざまな視点で展覧会を開催してきました。

2010年は、陶磁、染織、漆工、木工、竹工、金工、そして人形の名品のなかから、花を主題とする約100点をご紹介します。
古典的な梅や菊、あるいはアザミやナズナなどの身近な草花も、作家の目を通して表された姿はどれも新鮮な魅力に満ちています。小さな文様からフォルム全体まで、工芸ならではの素材や技法の持ち味が息づいた「花」をお楽しみください。

平田郷陽《桜梅の少将》1936年

イベント情報

ギャラリートーク

当館研究員によるトーク

当館研究員が鑑賞のポイントを分かりやすく解説します。

日程

2010年2月11日(木)
2010年3月21日(日)

時間

14:00 ‐ 15:00

工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム
「タッチ&トーク」

日程

会期中の毎週水・土曜日

時間

14:00 – 15:00

※いずれも参加無料(要観覧券)/申込不要

スペシャルイベント: TOUCH&TALK

Tour with our English speaking staff

日程

2010年3月13日(土)

時間

13:00-14:00

This event had benn closed.
本イベントは終了いたしました。


スペシャルイベント:MOVIE + TOUCH&TALK

映画上映 + タッチ&トーク

日程

2010年4月5日(月)
(当日は工芸館は休館日です。イベント招待状をお持ちの方のみご入館頂けます。)

時間

14:00-16:00

工芸館と(財)ポーラ伝統文化振興財団との共催イベントです。
工芸記録映画の上映と、工芸館のオリジナルプログラム「タッチ&トーク」を同時開催し、展覧会や作品のみどころをお伝えします。
工芸作品の魅力を存分に味わってください。

※イベント詳細と申込方法は、ポーラ伝統文化振興財団のホームページをご覧下さい。

開催概要

会場

東京国立近代美術館 工芸館

会期

2010年2月11日(木)~4月18日(日)

開館時間

10:00-17:00
(入館は閉館30分前まで)

休館日

月曜日(3月22日・29日は開館)、3月23日(火)

観覧料

一般200円(100円) 大学生70円(40円)
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。

高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢のわかるもの、障害者手帳をご提示ください。

※お得な観覧券「MOMATパスポート」でご覧いただけます。
キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示により無料でご覧いただけます。

無料観覧日

3月7日(日)、4月4日(日)

主催

東京国立近代美術館

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