展覧会
特別展「芹沢銈介-金子量重コレクション-」
会期
会場
東京国立近代美術館工芸館
展覧会について
芹沢銈介(1895-1984)は日本を代表する染色家であり、その評価は国内にとどまらず、生前、大成功を収めたパリ展をはじめ、アメリカ、イギリス、ロシアなどでも個展が開催されています。1956年、重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定にあたって「型絵染」という概念を引き出した作風は、堅固な型と確かな構図に特徴があり、華やかな色、楽しい配色、晴れやかでありながら底に深さと静けさを見る…実はこれらは芹沢が紅型について語った言葉でしたが、ここに描述された様相はそのまま芹沢の作品に重なるようです。おそらくそれは染色の道を選ばせ、生涯憧れ続けた世界観を、芹沢が自らの仕事のなかで追求し、実証していったからではないでしょうか。
本展は2015年に金子量重氏からご寄贈いただいた芹沢作品167件430点を核として構成いたします。アジア民族造形研究の先達である金子氏の選択眼、そして芹沢との深い信頼関係が築き上げたこの貴重なコレクションは、屏風やのれん、型染本、カレンダー、装幀からスケッチ、下絵、本の割り付けイメージまで多種多彩です。
それらをじっくり味わっていただくために、本展覧会ではキーワードを3つご用意しました。「模様」「もの」「旅」――いずれも芹沢の主要なテーマです。しかし形式だけでなく、技法、年代、作域のいずれについても幅広い内容は、異なるイメージを結びつけたり、反対に寸断し、更新させたりするかもしれません。ちょうど「文字文」への取組みにおいて芹沢が文字の機能を解体し、新たな相を見せながらその本質へと向かったように、今回の展示をご覧になった皆さんが、芹沢のさまざまな側面と出合い、文脈を結びながら、それぞれの芹沢銈介像を描かれることを期待しています。
作家略歴
芹沢銈介 略年譜
- 1895(明治28)年
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静岡県生まれ。旧姓・大石。
- 1916(大正5)年
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東京高等工業学校(現・東京工業大学)図案科卒業。
- 1925(大正14)年
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朝鮮京城(現・ソウル)および慶州を旅行。船中で読んだ柳宗悦の論文が生涯の転機となる。
- 1928(昭和3)年
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大礼記念国産振興博覧会特設館の日本民藝館で沖縄の民藝、特に紅型に瞠目する。
- 1929(昭和4)年
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国画会にて《手描蝋伏杓子菜文藍地壁掛》がN氏賞を受賞。
- 1931(昭和6)年
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雑誌『工藝』の表紙(型染布)を担当。
- 1939(昭和14)年
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柳宗悦ほか同人とともに沖縄に滞在。知念積秀、瀬名波良持に紅型の指導を受ける。
- 1945(昭和20)年
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空襲により工房と自宅を焼失以後、6年間にわたって寄寓生活をおくる。型染カレンダーの制作開始。グリーティングカード、団扇、燐票(マッチラベル)、書票など、小品を多数制作。
- 1951(昭和26)年
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東京・蒲田に自宅と工房を建築。
- 1956(昭和31)年
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重要無形文化財「型絵染」の保持者に認定。
- 1957(昭和32)年
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神奈川・鎌倉津村の農家を借りて仕事場とする。
- 1976(昭和51)年
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フランス政府招聘によりパリ・グランパレにて大規模個展「SERIZAWA」開催。
- 1981(昭和56)年
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フランス芸術文化勲章(オフィシエ)受賞。
- 1984(昭和59)年
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逝去。
イベント
ギャラリートーク
当館研究員が鑑賞のポイントを分かりやすく解説します。
- 日程
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3月6日(日)
4月17日(日)
- 時間
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14:00 ‐ 15:00
- 場所
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工芸館
※申込不要、参加無料(要観覧券)
タッチ&トーク
工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム。注目の若手作家から人間国宝が手がけた作品や制作工程資料などに触れながら鑑賞する〈さわってみようコーナー〉と、時代背景や作家の情報などの豊富なエピソードをまじえて作品のみどころをご紹介する会場トークとの2部構成で、さまざまな角度から展覧会をご案内します。
- 日程
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会期中の毎週水・土曜日
- 時間
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14:00 – 15:00
- 場所
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工芸館会場
※申込不要、参加無料(要観覧券)
人間国宝・巨匠コーナー
会場の一部では、工芸館が所蔵する作品の中から、芹沢銈介と親交のあった作家の特集展示をおこないます。
開催概要
- 会場
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東京国立近代美術館工芸館
- 会期
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2016年3月5日(土) -5月8日(日)
- 開館時間
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10:00 – 17:00
※入館時間は閉館30分前まで - 休館日
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月曜日(3月21日、28日、4月4日、5月2日は開館)、3月22日(火)
- 観覧料
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一般 : 550 (350)円
大学生: 350 (150)円高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
※( )内は20名以上の団体料金およびキャンパスメンバーズ特典料金。いずれも消費税込。
※入館の際に学生証、運転免許証等の年齢のわかるもの、障害者手帳をご提示ください。 - 無料観覧日
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11月3日(火・祝) 文化の日
- 主催
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東京国立近代美術
- 工芸館へのアクセス
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東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩8分
東京メトロ半蔵門線,東西線,都営新宿線九段下駅 2番出口より徒歩12分住所: 東京都千代田区北の丸公園1-1
詳しくは、アクセスをご参照ください。