展覧会
特別展「インゲヤード・ローマン展」
会期
会場
東京国立近代美術館工芸館
展覧会について
スウェーデンを代表するデザイナーであり、また陶芸家としても知られるインゲヤード・ローマン(1943年、ストックホルム生まれ)。機能性を重視した日常づかいのガラス食器や陶器は、色も形もきわめてシンプルですが、一貫して凛とした美しさと、一人の使い手としての真摯な視点が感じられます。
日本とスウェーデンの外交関係樹立150周年を記念して行なう本展では、2016年にスウェーデン国立美術館で開催された展覧会をベースに、木村硝子店のためのシリーズ(2017年)などの最新作を加え、その幅広い活動を日本で初めて本格的に紹介します。
イケアのためのデザインから建築家との協働プロジェクトまで、作家自身が選んだ食器やインテリア用品などの代表作約180点を通して、自らを “form-giver”(形を与える者)と呼ぶ彼女の物づくりの魅力に迫ります。
作家略歴
- 1943年
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ストックホルム(スウェーデン)生まれ
- 1962年
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「スウェーデン家具の父」と言われる家具デザイナーのカール・マルムステンが創立したカペラゴーデン手工芸学校(スウェーデン)で学ぶ
- 1962-65、66-68年
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Konstfack(コンストファク/スウェーデン国立美術工芸デザイン大学)で学ぶ
- 1965-66年
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ファエンツァ国立陶芸美術学校(イタリア)で学ぶ
- 1967年
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南スウェーデン・スコーネで陶業製作を始める
- 1968-72年
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ガラスメーカーJohansfors(ヨハンスフォース)社に在籍
- 1981-98年
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ガラスメーカーSkruf(スクルフ)社のデザイナーとして活動
- 1983年
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グラスジャグ、ロウソク立て(ともにスクルフ社)でエクセレント・スウェディッシュ・デザインアワードを受賞(以後、受賞を重ねる)
- 1995年
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スウェーデン政府よりプロフェッサーの称号を授与
- 1998年
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芸術のすぐれた業績に対しスウェーデン王室よりプリンス・オイゲン・メダルを授与
- 1999年-
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ガラスメーカーOrrefors(オレフォス)社のデザイナーとして活動を開始
- 2016年
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イケアより VIKTIGT/ヴィークティグト コレクション発表、有田焼創業400年記念事業「2016/ project」に参加
- 2017年
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木村硝子店よりインゲヤード・ローマン コレクション発表
見どころ
ガラスメーカーとのデザインワーク
ローマンは、湖と森林に囲まれた自然豊かな国スウェーデン生まれ。生活に不可欠な「水」は、作家にとって大切なデザインコンセプトの一つ。ローマンが手がける仕事の中でそれを特に意識させるのがガラス製品のデザインです。
ローマンは、1980年代以降、スウェーデンを代表する伝統あるガラスメーカーSkruf(スクルフ)社やOrrefors(オレフォス)社のデザイナーとして、数々の賞を受賞しています。
デザインにあたっては、まず「自分が使いたいもの、使い勝手の良いもの」を考え、「使われてはじめてデザインの価値が生まれる」という作家の理念に基づいて、中には発表以後も作家自身が日々使い続け、デザイン修正を重ねているものもあるといいます。
インゲヤード・ローマンと日本
1982年の初来日以来、日本に特別な関心を持つローマンは、日本でもいくつかの協働プロジェクトに参加しています。
2016年には、有田焼創業400年事業として、世界で活躍するデザイナーと有田の窯元の職人技術を融合し、有田焼の新たな魅力を発信する「2016/」プロジェクトに参加。明治8(1875)年創業の香蘭社とのコラボレーションによって《ティー・サービス・セット》を発表しました。
1910年創業の木村硝子店は、プロのためのガラス製品を企画開発する老舗の硝子店。ローマンと長年交流を深めていた木村硝子店代表が「自由にデザインしてほしい」とローマンにアプローチをし、2017年に11種類のアイテムが誕生しました。
どちらも収納した時にも美しく見えるようデザインされています。
世界的に注目のデザイナー「CKR」による展示デザイン
「CKR」は、Marten Claesson(モーテン・クラーソン)、Eero Koivisto(エーロ・コイヴィスト)、Ola Rune(ウーラ・ルーネ)の3人のデザイントリオにより1995年にストックホルムで設立された建築設計事務所。ローマンの工房設計も手がけています。
本展開催に際して工芸館を実際に視察し、会場スペースにあわせたプランニングがおこなわれています。本展限りのローマン作品×CKR×築約100年の赤レンガ建築とのコラボレーションをお楽しみください。
イベント
講演会
インゲヤード・ローマン氏(出品作家)による講演会
- 日程
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2018年10月27日(土)
- 時間
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14:00~15:30(13:30開場)
- 場所
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東京国立近代美術館本館 地下1階講堂(場所は工芸館ではありません)
※申込不要(先着130名)、当日午前10時より本館1階インフォメーションにて整理券配布
※聴講無料・要観覧券(使用済み半券可)、逐次通訳つき
トークセッション
インゲヤード・ローマンを軸として、さまざまな視点からデザインと社会の関わりについてお話しいただきます。
- 日程
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2018年12月1日(土)
- 時間
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14:00~15:30(13:30開場)
- 登壇者
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深澤直人(プロダクトデザイナー)×太田美幸(一橋大学大学院社会学研究科教授)
- 場所
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東京国立近代美術館本館 地下1階講堂(場所は工芸館ではありません)
※申込不要(先着130名)、当日午前10時より本館1階インフォメーションにて整理券配布(場所は工芸館ではありません)
※聴講無料・要観覧券(使用済み半券可)
※イベント会場、整理券の配布場所は本館です。展覧会場とは異なりますのでご注意ください。
研究員によるギャラリートーク
当館研究員が鑑賞のポイントを分かりやすく解説します。
- 日程
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2018年10月14日(日)、11月4日(日)
- 時間
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いずれも14:00~15:00
- 場所
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工芸館2階
※申込不要、参加無料(要観覧券)
タッチ&トーク
工芸館ガイドスタッフによる鑑賞プログラム。作品や制作工程資料などに触れながら鑑賞する〈さわってみよう コーナー〉と、時代背景や作家の情報などの豊富なエピソードをまじえて作品のみどころをご紹介する会場トークとの2部構成で、さまざまな角度から展覧会を ご案内します。
〈さわってみよう コーナー〉では、インゲヤード・ローマン氏の作品も実際に手にとってご覧いただけます。
- 日程
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会期中の毎週水・土曜日
- 時間
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14:00~15:00
- 場所
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工芸館2階
※申込不要、参加無料(要観覧券)
関連イベント
日本・スウェーデン外交関係樹立150周年
インゲヤード・ローマン展 開催記念トークイベント
本展の開催を記念して、インゲヤード・ローマン氏とデザイナーの柳原照弘氏のトークショーをボルボ スタジオ 青山で開催。イベント詳細およびお申込みにつきましては、ボルボ スタジオ 青山 HPをご確認ください。
- 主催
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ボルボ・カー・ジャパン株式会社
- 登壇
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インゲヤード・ローマン(デザイナー・陶芸家)、柳原照弘(デザイナー)
- 進行
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中尾優衣(当館主任研究員)
※逐次通訳付き
開催概要
- 会場
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東京国立近代美術館工芸館
- 会期
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2018年9月14日(金)-2018年12月9日(日)
- 開館時間
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10:00 – 17:00
※入館時間は閉館30分前まで - 休館日
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月曜日(9月17日、24日、10月8日は開館)、9月18日(火)、9月25日(火)、10月9日(火)
- 観覧料
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一般600円(400円)
大学生400円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金。及びキャンパスメンバーズ特典料金。いずれも消費税込。高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
※それぞれ入館の際、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。 - 無料観覧日
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11月3日(土・祝)文化の日
- 主催
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東京国立近代美術館
スウェーデン国立美術館 - 特別協賛
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ボルボ・カー・ジャパン株式会社
- 協賛
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イケア・ジャパン株式会社
エイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社 - 協力
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日本航空
- 後援・協力
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スウェーデン大使館