展覧会
恩地孝四郎展
会期
会場
東京国立近代美術館本館企画展ギャラリー
展覧会について
このたび、日本における抽象美術の先駆者として、また自画・自刻・自摺による高い芸術性を持った創作版画の大成者として知られる恩地孝四郎(1891-1955)20年ぶりの回顧展を開催します。
恩地孝四郎は10代で竹久夢二に私淑し、1914年に東京美術学校に通う田中恭吉・藤森静雄とともに木版画と詩の同人誌『月映』を創刊、表現者の道を歩み始めました。また装幀家としても人気が高く、萩原朔太郎詩集『月に吠える』や室生犀星詩集『愛の詩集』などに恩地の活躍を見ることができます。
昭和期になると、ヨーロッパの新思潮に共鳴して構成的な人体像やクラッシック音楽に想を得た〈音楽作品による抒情〉シリーズを制作する一方、イメージと言葉とデザインの総合を目指した数々の詩版画集や、油彩画にも匹敵する重厚な肖像版画などを発表しました。
戦後は、GHQ関係者として来日した外国人コレクターたちの理解と励ましを受けて、抽象美術に専念するようになりました。晩年の10年間に作られた版画作品の半数以上が海外の美術館や蒐集家の手に渡っています。
本展は海外に流出した重要作62点を含め、木版画を中心に、油彩、水彩・素描、写真、ブックデザインなど、彼の領域横断的な活動をご覧いただきます。大正期から昭和の戦後期にかけて前人未踏の足跡を残した、恩地孝四郎の多彩な世界をお楽しみください。
見どころ
日本における抽象美術の父にして木版画近代化の立役者、そして時代に先駆けたマルチクリエイター恩地孝四郎、過去最大規模の回顧展。日本で最初の抽象表現《抒情『あかるい時』》はもちろん、海外美術館所蔵の重要作62点を含む約400点を一挙公開します。
日本における抽象美術の先駆者であり木版画近代化の立役者でもある恩地孝四郎の、20年ぶり3回目、当館では実に40年ぶりとなる回顧展です。
恩地は抽象美術がまだその名を持たなかった頃、心の内側を表現することに生涯をかけた人物です。彼の創作領域は一般に良く知られ評価の高い木版画のみならず、油彩、水彩・素描、写真、ブックデザイン、果ては詩作に及ぶ広大なもので、まるで現代のマルチクリエイターのような活躍がうかがえます。本展では恩地の領域横断的な活動を、版画250点を中心に過去最大規模の出品点数約400点でご紹介いたします。
また見逃せないのは、里帰り展示される62点。戦後、特に外国人からの評価が高かった恩地の作品は、その多くが海を渡っていきました。本展では海外所蔵館(大英博物館・シカゴ美術館・ボストン美術館・ホノルル美術館)の多大な協力のもと、現存作が一点しか確認されていない作品や摺りが最良の作品など恩地の重要作をご覧いただきます。
カタログ情報
イベント
ギャラリートーク
松本透(東京国立近代美術館副館長・本展企画者)
2016 年1 月22 日(金) 18:00-19:00
2016 年2 月12 日(金) 18:00-19:00
場所:1階企画展ギャラリー
*申込不要、要観覧券
講演会
本展関連イベントとして、下記講演会を開催いたします。
1月30日(土)14:00-15:30 (開場:13:30)
「恩地孝四郎の版画芸術―実験の軌跡」
桑原規子(聖徳大学文学部教授)
2月14日(日)14:00-15:30 (開場:13:30)
「恩地孝四郎の芸術―技法と主題」
山口啓介(現代作家)
※聞き手・松本透(当館副館長・本展企画者)
講堂(地下1階)にて・聴講無料(先着140名)・申込不要 ※両日とも
開催概要
- 会場
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東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
- 会期
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2016年1月13日(水)~2016年2月28日(日)
- 開館時間
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10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
- 入館は閉館30分前まで
- 休館日
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月曜日
- 観覧料
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一般1,000(800)円
大学生500(400)円- ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
- 高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
- キャンパスメンバーズ加入校の学生は、学生証の提示で割引料金400円でご鑑賞いただけます。
- 本展の観覧料で入館当日に限り、「MOMATコレクション」(4F-2F)、「ようこそ日本へ:1920‐30年代のツーリズムとデザイン」(2Fギャラリー4)もご覧いただけます。
- 主催
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東京国立近代美術館
和歌山県立近代美術館
東京新聞 - 巡回
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和歌山県立近代美術館:2016年4月29日(金)-6月12日(日)