展覧会

会期終了

ばらばらになった身体

会期

会場

東京国立近代美術館 ギャラリー4(2F)

展覧会について

頭、胸、胴、腕、手、脚――美術家たちはしばしば、身体の一部分だけを切り取って、人間像を表してきました。

たとえば頭部。とくに愛する人の頭部を身体の他の部分から切り離す表現は、長く美術家たちに好まれてきました。洗礼者ヨハネの首を持つサロメのすがたが示すように、相手のもっとも大事な部分を完全に自分の手の中に収めたい、という思いが、こうした表現の原動力となっているのかもしれません。

あるいは手。こちらに触れるやさしい感触を呼び覚ます手は、やはり美術家たちの深い愛着の対象として、しばしばクローズアップで描き出されます。

またはトルソ(頭部や腕、脚など身体の一部を省略して作られた作品)。重要な部分が欠けているという欠落感は、かえってそこにないものを補おうとする想像力を刺激します。

さらに、都市の孤独な生活の中で、ふと自分の身体がばらばらになる恐怖に襲われる、そんな感覚をとらえて表現した作品もあります。

この展覧会は、当館の所蔵品の中から選んだ彫刻、写真、絵画など約25点によって、「ばらばらになった身体」というテーマをさまざまな角度からご紹介するものです。

*所蔵はすべて東京国立近代美術館

ここが見どころ

・「ばらばらになった身体」というひとつのテーマのもとに、時代も技法も異なるすぐれた作品たちが集合します。アメリカの写真家スティーグリッツが、恋人だった画家ジョージア・オキーフを撮った美しい写真は、スティーグリッツの死後オキーフ自身によって当館に寄贈された、非常に貴重なもの。また河原温の伝説的な素描作品《浴室》シリーズ全28点を一挙に展示。めずらしいところでは、30歳で早世した洋画家、佐伯祐三のライフマスクも出品されます。

・2006年度、当館では、2階にあるギャラリー4(284平方メートル)において、写真やデザインの企画展とは別に、コレクションを中心にした企画性の高い特集展示を行っています。次回は以下の会期で開催します。どうぞお楽しみに。

「リアルのためのフィクション」2007年3月10日(土)~5月27日(日)

イベント情報

キュレーター・トーク

日時

2006年8月25日(金)18:00-19:00
2006年9月9日(土)11:00-12:00

担当

蔵屋美香(本展企画者・主任研究員)

予約不要・聴講無料(要観覧料)

カタログ情報

開催概要

会場

東京国立近代美術館 ギャラリー4(2F)

会期

2006年8月5日(土)~10月15日(日)

休室日

月曜日
(9月18日、10月9日は開館、翌9月19日、10月10日休館)

観覧料

一般420円(210円)
大学生130円(70円)
高校生70円(40円)
小・中学生、65歳以上無料

  • ( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
  • 中学生以下、65歳以上、および障害者(付添者は原則1名まで)の方は無料です。
  • それぞれ入館の際、生徒手帳、健康保険証、運転免許証、障害者手帳等をご提示ください。
  • 本展の観覧料で、当日に限り、「所蔵作品展 近代日本の美術」もご覧いただくことができます。
無料観覧日

8月6日(日) 第一日曜日
9月3日(日) 第一日曜日
10月1日(日) 第一日曜日

主催

東京国立近代美術館

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